その4 再び連絡通路に出るといよいよ畜舎の入り口があった。牡奴隷の出入りはこの場所のみとなり他の場所からは一切できなくなっていた。
故にここでは厳しい入出管理が行われる。入り口が開くとそこはゲートのようになっていた。
女性には普通に往来できる通路が設けられていたが牡奴隷はそのゲートに四つん這いのまま通される。
ゲートの正面の少し高い位置に管理官と呼ばれる女性が足を組んで座っていた。
ゲートを通ると私の情報が画面に映し出される、先ほど埋め込まれた枷の中にID番号が打ち込まれていたのだった。
20代後半の女性管理官はその画面を見て私に言葉をかける。 「お前はWH207号だね、初入舎だからそこで身に着けてるものを全て捨てて両手を挙げてゆっくりと回転して見せるのよ」
「はい・・」
身に着けているものといっても本当にみすぼらしいパンツともいえない布切れひとつだった。私は直ぐに全裸になりその場で立って両手を挙げて一回転した。
管理官の女性はそれを見て、さらに画面で確認して何も身に着けていないことをスキャンで確認した。
「足枷と手枷を自分で繋ぎなさい。手は後手よ」
手枷のわっかは自ら後ろ手でも装着できるようになっていた。もちろん外す事はできない・・・
「よし、そこにお入り207号!」
そう言って彼女の左斜め前にあった電話BOXと同じ位のガラス張りの箱を指差した。それは透明な特殊金属でできた牡奴隷洗浄器と呼ばれる物だった。
私は立ったままその中に入ると自動的に扉が締まり、ロックされた。
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その箱の中から管理官の方を見上げると彼女は残酷な目で私を見下ろしながらボタンを押した。
すると四方八方からものすごい勢いで水が噴出し私の体を直撃した。あまりの水流に体が浮いてしまう程だった。水は下方から排出されるので中には溜まらず水圧は体にかかり続けるのだった。
「ひぃ〜 ごぼごぼ・・・あわわ・・・」
私は息もできないでその箱の中で必死にもがくしかなかった。その様を上から笑いながら見ている女性管理官。なんと水流は彼女の手で廻しながらコントロールしているのだった。
「ふふ、最初はとっても辛いのよねぇこれ。初入舎はこれが楽しみなのよ、はら、たっぷりと苦しみなさい。あはは・・」 「ぐぇ〜・・ががぁ・・・・」
意識が朦朧とした頃にようやく水流が止まって、私はその中に座り込んでしまった。すると・・
「207号、まだ終りじゃないよ。直ぐ立ちなさい!」
スピーカーを通して聞こえる声にやっとの事で反応し立ち上がる私に無情にも次のスイッチが入った。
すると先ほどの穴から熱風が吹き出てきたのだった。
その熱風は非常に熱く一点に当り続けていると肌が焦げてしまうのではないかと思うほどのものだった。熱さを逃れるために体を回転したり上下に屈伸したり飛び上がったらするしかないのだった。
「ほらはら、もっと熱くしてあげようか牡奴隷?うふふ・・ああ面白い・・あの格好!」
「ああ・・・熱い〜・・・助けて〜」
「ふふ、まだまだよ」
「あぎゃ〜・・・・」
もう体のあちこちに火傷を負っているようだった。またも意識が遠のくその瞬間に扉は開いた。 |
倒れこみながら外へ出る私に・・・・
「汚らしいお前の体を洗濯してやったんだから心を込めて御礼をお言い、牡奴隷!」
ぐったりとした体を引きずり、彼女の足下に行き、床に頭をつけて土下座をする。
「わ、わたくしめ207号の・・・体を洗濯して戴き・・ありがとうございました」
「ほら、靴の底に感謝のキスでもしなさいよ」
思わず悔し涙を流しがら這いつくばって彼女の靴の底に唇をあてた。
「また通る時にはたっぷりと洗ってあげるからね、牡奴隷!あはは・・ほらっさとお行き!」
ようやく、後ろ手拘束のまま膝這いでゲートから出るとそこには調教女師様ともう一人の女性が立っていた。脚線美の美しい20代前半の女性だった。
「遅かったわね207号」
「も、申し訳ございません・・・調教女師様・・・」
「お前の相手もこれまでよ、お前の担当調教女師は彼女よ。しっかりと調教してもらいなさい」
「は、はい・・・ありがとうございます。調教女師様」
床に頭をつけて丁寧に土下座をした。
「あら、意外と素直じゃない、この新入り?」
「ふふ、結構いい感じで経験できたからね、でもまだまだ上っ面だけよ」
確かに私はこれまでの女性達の虐待を見てきて、恐れを抱くようになっていた。それが言葉や態度に現れていたのだろう。
「久々の担当だから、じっくりと楽しませてもらうわ」
「じゃあ、がんばってね加奈ちゃん」
「うん、また」 彼女を見送ると直ぐに足下の私に蹴りが飛んだ。
「おい207号、私は桜井加奈よ。覚悟しておくんだね」
「はい、調教女師様」
「ばか、加奈様とお呼び!」
ドスっという音がして火傷の痛みが残る肌に彼女の爪先がめり込んだ。さらにヒールで私の体を思い切り踏みつける。
「ああ〜・・・加奈・・様・・・お許しを・・・」
この火傷も打ち身の腫れも適応剤のおかげで明日にはすっかり直ってしまうのが恨めしかった。
既に私はこんな若い女性の前全裸でいることさえ恥かしいと思わなくなっていた。 |
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手枷・足枷の拘束が外され私の首に首輪が装着され、それを鎖に繋ぎ彼女は歩き出した。大きな建物が3つありそれがA錬・B錬・C錬と別れていた。
それぞれに牡奴隷が調教されているのだが中でも私の入るC錬は終身牡奴隷刑が言い渡された最も重い牡奴隷だけが入る錬だった。
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そのC錬に入るとあちこちから男の呻き声や泣き声、さらには女性の笑い声などが聞こえ出した。中でも断末魔と思われるほどの叫び声に私は思わず震えた。
私が収容される12房畜舎の文字が床に見えた。牡奴隷たちは常に四つん這いで移動するので床に案内表示が設けられていたのだ。
途中、床掃除をしている牡奴隷がいたが口に雑巾を咥えて後ろ手の拘束のまま懸命に床に顔をつけながら磨いていた。後ろ向きになっていたので私達に気付かなかったらしく。加奈様がその牡奴隷を蹴り飛ばした。
その牡奴隷はそのまま転げて倒れこんだ。そして加奈様の顔を見ると震えながら跪いて頭を床にこすり付けた。
「も、申し訳ございません・調教女師様。ど、どうか・・おお・・お許しを・・・」
彼の体は本当にブルブルと震えていた。 「680号、女性が廊下を通り過ぎる時はその場にいた牡奴隷はどうするんだっけ?」
「はい・・・できるだけ端に寄り・・土下座をしてお通りになるのをお待ち致します・・・」
「そうよねぇ、680号」
私はそっと顔を上げて彼の顔を見た40歳ぐらいの年齢だろうか、体のあちこちに傷痕が生々しい。1日で消えるはずのものだが今日付けられた傷なのだろうか・・・
彼女はこの40歳位の牡奴隷を完全に威圧していた。 |
「お前の担当は誰?」
「な、成美様です・・お、お願いです・・ど、どうか罰を・・罰をお与え下さいませ・・・成美様には御内密に・・・お願いします」
彼は涙ながらに何度も何度も頭を床に付けて謝っていた。
「残念ねぇ私はこいつを運ばなければならないのよ。、成美さんねぇ・・・ふふふ・・面白いわ。彼女ならきっとお前を鍛えなおしてくれそうね。何しろ至上最年少調教女師さんだものねぇ」
ここに来る前にゆり様から聞いていた、あの最年少調教女師様、それが成美様だったようだ。
18歳の調教女師様がよっぽど恐ろしいらしく震えながら泣いていた。
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