第3章 牡奴隷教育 その9

  翌日から、私の所内研修は総務部へ直行という命令が調教女師様から告げられた。
 おそらく、香田悦子様が手をまわして、そうなるように仕向けたのだろう。
 強制所の総務部は50人ほどが働いていて、その全てが女性である。
 彼女達の仕事は強制所への牡奴隷の受入れ手続き、登録や抹消、所外研修受入れ女性募集、調教女師や女性職員の採用・移動、施設の管理、備品や必需品の発注など、多岐にわたった。
 その忙しい部署だけに職員のストレスは牡奴隷によって解消されているようだった。
 所内研修ということで朝から体を念入りに消毒されてから畜舎を出る。
 女性だけで華やぐオフィスの奥に解放室という部屋があり、わたしは加奈様にそこに連れていかれたのだった。
 その部屋はクッションのきいたフカフカそうな一人掛けソファーが3つほど置いてあり、その横の棚には牡奴隷を甚振るための拷問具や鞭が並べられていた。
 「お前は運がいいわね。この所内に知り合いがいたなんて、おかげで早くも一般女性に使用してもらえるじゃないの?」
 「はい・・加奈様のご調教のおかげで、わたくしめのような、虫けら以下のクズがこのような光栄をあずかりましたこと、心より感謝申し上げます。ありがとうございます」
 わたしは床に額をこすりつけて土下座してお礼を申し上げる。
 「新入りも入ってきたし、お前にあまりかまってやれなくなってきたから、ちょうどいいわ。しっかり務めるのよ!」
 「はい・・加奈様、尊いお言葉、ありがとうございます」
 「よし、そこでそのまま土下座してお待ち!」
 そう言って加奈様は部屋を出ていかれた。
 わたしは誰も座っていないソファに土下座して待つのだった。

ここへ来たばかりのころは土下座も数分で頭がくらくらしたり、膝が痛くて泣きそうになっていたが、今ではその何十倍もの痛みや責め苦を味わってきたため、全く平然としていられるようになった。これが牡奴隷の基本姿勢だと言われ続けてきた成果なのだろうか
 
 しばらくすると部屋のドアが開いてヒールの音が響いた。
 わたしの前に座り、声を出したのはやはり悦子様だった。
 「うふふ・・良い格好ね。社長さん?」
 わたしの頭を小突きながら蔑む。
 「207号、頭をお上げ!」
 わたしは恐る恐る顔上げて、目の前にいる支配者を仰ぎ見た。
 「今日からお前を使ってあげる、もちろん私だけじゃないわよ。ここにいる女性スタッフ全員がお前を使うの。牡奴隷を使うっていう事がどういうことか、お前にももうわかってるでしょう?どう嬉しい?」
 「はい・・悦子様・あ、ありがとうございます・」
 「ずいぶん怯えてるみたいじゃないの、お前?」
 彼女は、さも楽しそうにわたしを嬲る。
 
「朝は仕事が忙しいから、この部屋を使うことはまずないの。だから午前中は私の専用足置きにしてあげるから!」
 「足置き・・・あ、ありがとうございます悦子様」
 そんな仕打ちを受けるのかと怯えていた私には嬉しい言葉だった。
 「ほら。来るのよ!」
 「はい、悦子様」
わたしは彼女の後を四つん這いでついていく。もちろんその光景を誰も気にしたりしない。ここでは牡奴隷がいる生活など当たり前なのだ。
 「ここに仰向けに寝るのよ」
 彼女のデスクの椅子の間に仰臥することを命じられる。
 「はい、悦子様」
 その椅子は両サイドに脚があるもので真ん中は空いているため体がすっぽり入る。
 すかさず椅子に座り私の顔を踏みつける悦子様。
 「朝のデスクワークが終わるまではそこで、牡奴隷の身分を味わう事ね」
 もちろん彼女はこのために尖ったピンヒールを履いている。
  そのヒールがわたしの顔を襲う・・・
 「あうぅ〜・・・・」
 「ふふ。痛いの?でしょうね?くくく・・呻き声がうるさいからこれを頭にかぶりなさい!」
 渡されたのは防音使用の全頭式のマスクだ。 
 「ほら後ろが邪魔になるから、もっと奥のほうにずれるのよ」
 通路から私の足が出ないように奥に入ると、凶器のように見える彼女のヒールが胸に乗る。
 次の瞬間、そのヒールが胸に食い込む・・・
 「ひぃぃ〜!」
 思わず声をあげてしまうほどの痛みに歯を食いしばる。

 「ほらもっと泣き叫んでもいいのよ、声はほとんど漏れないからね」
 「ぎゃぁぁぁぁ〜」
 「あはは・・ほらもっと泣け、牡奴隷!」
 「本当なら、御礼を言わせるところだけど、仕事中だから後でまとめて言わせてあげる」
 うう・・ありがとうございます・・悦子様・・・」
 「そうだ、これが終わると、お前も所外実習よね、使用希望女性は私が選んであげるからね」
 ヒールの痛みに耐えながら、彼女の話を聞く
 
「そうねぇ、そうだわ、彼女がいいかもしれないわ、もう何回も使ってもらってるし、とっても厳しいし、何よりもオスを卑下する完璧な女性上位主義者の方だから・・・」
 彼女の魂胆は分かっていた、なるべく厳しい女性を人選してわたしを不合格にして苦しめようとしているのだった。
 「そうね、決めた、一人目は、田中 真緒(たなか まお)様、27歳 この方にするわ!」
 「田中・・真緒様・・・」

 「そうよ、今日からそのお名前を心から崇拝するようにしておくことね。まあ、合格点はまずもらえないとおもうけどね。あはは・・」
 そう言って。ヒールを胸に突き刺す、悦子様・・・」
 すでに胸は赤から紫に変色してあちこちに痕がついている。
 その同じ場所にわざとヒールを突き刺して楽しむ悦子様。
 「ひぃぃ〜・・・お許し下さいませ〜」
 わたしは心の中でそう叫ぶしかなかった。
 そしてはじめて自分を使う、一般の女性使用者様の名前が頭から離れなかった。
・・・・どうか田中真緒様がお優しいお方でありますように・・・
 そう祈っていた。

撮影会で一日中履いたブーツの中で蒸れ蒸れ柄タイツ匂い嗅ぎ舐め男編