遊戯の終り PART3 教壇まで追い詰められ、唾塗れの顔で震えながら、卑屈な目で自分を盗み見ている勝弘を一瞥した真希は、教室の真ん中にスペースを作り仁王立ちになる。「勝弘、こっちに来なさい。そう、そこで土下座しなさい。ウフフフフ、私に向かって土下座よ。勝弘にたっぷりと唾を吐き掛けた、この私に向かって土下座しなさいよ。」
ううう、そんな・・・自分を手ひどく苛めた真希に土下座させられる。クラスメートの見ている前で、女の子に土下座させられる。非現実的な程の屈辱に身を焦がしながらも真希の命令には逆らえず、勝弘は真希の足元に土下座した。 満座の中で女の子に土下座させられている、気が狂いそうな位の屈辱だ。こうやって土下座しているぼ、ぼくを見下ろして・・・真希は嘲笑っているに違いない・・・ち、くしょう・・・屈辱と矢理偽のない怒りに肩を震わせる勝弘を冷笑しながら、真希はゆっくりと一呼吸置いた。 「さあ勝弘、ゆっくりと味わいなさい。屈辱の一時を。私の足元で土下座する一時を。さぞ屈辱でしょうね。私、他人の足元に土下座するなんて一生絶対あり得ないから、どんな気分か分からないけど、さぞ屈辱でしょうね。一生忘れられない屈辱よね。ウフフフフ、でも勝弘、土下座だけじゃ済ませないわよ。」 スッと右足を半歩踏み出し、腰に両手を当てて胸を反らした。床に顔をつける勝弘の目の前に、真希の足が突き付けられる。伝統校の聖仙だけあり、上履きは今では珍しい前ゴムシューズ、白いビニールレザーの靴だ。その爪先を顔の下に滑り込ませ、勝弘の顔をこじ上げる。ち、畜生・・・ひ、他人の顔を靴でこじ上げるなんて!目も眩むほどの屈辱に、必死で抗議しようと顔を上げた。 真希が遥か天空から冷笑を浮かべ、傲然と見下ろしている。唾を吐き掛けられ涙を流しながら土下座したまま見上げる自分と、悠然と腰に手を当て美貌を輝かせながら見下ろす真希。余りの格差に抗議の言葉すら発せられない。 真希の美貌が妖しく微笑む。 「酷い、やめろ、て私に文句をつけたい?そうよね。靴で顎を小突き上げられるなんて、有り得ない屈辱よね。だけど勝弘は、私にこうされるのが相応しいよね。」 無力な勝弘を嘲笑いながら、真希は当然のように命じた。 「ほら、私の靴を舐めてご覧。ウフフフフ、クラス中みんなが見ている目の前で、私の靴を舐めてご覧。」「そ…んな・・・靴を・・・舐めろ、だなんて・・・」消え入りそうな声を上げる。抗議なのか慈悲を乞うているのかすら分からない、消え入りそうな泣き言を、真希の凛とした声が掻き消す。 「聞こえなかったの!さっさと私の靴を、舐めなさい!」 鞭のように厳しい真希の声に弾かれたように、ビクッと震え舌を突き出した。土下座し這いつくばったまま、真希の白い上履きへと舌を伸ばす。1センチまた1センチ、白い上履きが近づいてくる。あああああ・・・ぼ、僕は・・・何を、しているの・・・女の子の・・・く、靴を・・・舐めようと・・・してる・・・だ、れか・・・助けて・・・やめさせて・・・救いなど来ない。来る訳ない。優しい優等生は残酷な拷問官と化し、美しい足を突き付けるだけだ。あと5ミリ、3ミリ、1ミリあああ・・・ピトッと舌先が、真希の上履きの甲に触れた。味・・・殆ど何も味などしない、微かな埃っぽさを感じるだけだ。最初に感じたのは熱気、白い上履きのビニールレザー越しに伝わる、真希の足の熱気だった。 ウックウウウッッッ、真希の足の熱気が、他人の足を舐めさせられている嫌悪感を呼び起こす。吐き気を催しそうなのを必死で堪えながら、真希を仰ぎ見た。な、舐めた、舌はつけたんだから・・・もう赦してよ・・・だが真希は冷然と見下ろしながら、ゆっくりと靴を踏み鳴らした。
言葉で顔を戻せと命じることもなく、ましてや屈んで手で戻すわけでもない。腰に手を当て頬を踏み躙りながら、高飛車に顔を踏み転がし戻すだけ。それは人間の尊厳全てを無視した、まさしく靴底で全てを蹂躙する振舞いだった
。だが鼻も口も踏み潰された勝弘は、抗議の声を上げることすらできない。豚の様な嗚咽を漏らすことしかできない。 「ウウ、アウウウ、ウブウウウウウッッッ」「アハハ、アハハハハ、アハハハハハハハッ!」 この上ない惨めな嗚咽を掻き消すように、真希の高らかな笑い声が木霊した。 ゆっくりと時間を掛け真希はじっくりと勝弘の顔を、真正面から踏み躙ってやった。 鼻骨のコリコリとする感触、歯の固さが靴底越しに伝わり心地良い。頬骨を転がす感触もなかなかのものだ。他人の顔を踏み躙る感触、靴で顔を踏み躙る快感、一生一度しか味わえないであろう快感をゆっくりと楽しんでいた。 快・・・感!足元を見下ろしている。自分の足、白い上履きを履いた足の下に、勝弘の顔がある。自分の靴がその顔を思うが儘に蹂躙している。他人の顔を踏み躙っている。靴の下で勝弘が唾まみれの顔に涙を咥え泣き咽び、必死で赦しを乞うている。靴で他人の顔を踏み躙るのって、こんなに楽しいんだ。他人の思いを踏み躙る、てよく言ったものね。こんなに楽しいんだなんて・・・他人の顔を踏み付けられるシチュエーションになったら、そりゃやっちゃうよね。だってこんなに楽しいんだもん 。ああ楽しい、いい気味!一生忘れられない心の傷よね。こうやって私に顔を踏み躙られているなんてさ。最高!こうやって顔を踏み躙っているとさ、自分が凄く偉くなった気分よ。勝弘のことなんか、もう単なる虫けらよ! 真希はゆっくりと顔を踏み躙る楽しみを満喫する。私いま、すっごい酷い苛めをしているんだ・・・こうやって延々と顔を踏み躙られるだなんて、気が狂うほど屈辱よね。こうやって晒し者にされて、死にたいよね。だけど勝弘、苛めている私は・・・全然平気、痛くも痒くも何ともないよ。こうやって晒し者にしてやるのって、すっごく気持ちいい、愉しい。すっごく自分が強くなった気がするよ。だから絶対やめてやらない。 勝弘に生き地獄を味合わせながら、真希は冷静に次の責めを考えていた。まだまだ苛めたりない。もっともっと懲らしめてやらなくちゃ。次はどうやって辱めてやろうかしら・・・そうね、私の靴を舐めているところ、みんなに見られていないなんて生温いわよね! 勝弘の顔から足を下ろし、真希はすぐ横の空いていた椅子に腰を下ろし、美脚を組んだ。 「ア、アアウウウ・・・」 漸く靴底から解放された勝弘が、のろのろと起き上がるのを待ってやる。よろめきながら四つん這いになった勝弘に、凛とした真希の命令が降り注ぐ。 「勝弘、そこに正座!」 かか、かつなり・・・正座・・・畜生、何様のつもりだ・・・呪いながらも勝弘はその場で正座し項垂れ、真希の命を待つ。 断罪し裁きを下す真希と残酷な刑罰の宣告を甘んじて待ち受ける自分。惨めさがひとしおにつのる。その恥辱に頷きながら、真希は傲然と宣告する。 「顔を上げなさいよ・・・そう。ねえ勝弘、勝弘の穢い顔を踏んじゃったからさ、私の靴が汚れちゃったじゃない。どうしてくれるの?」 言葉を切って、真希は焦らす。 どどど、どうしろって・・・ 「きれいに舐めてよ、私の上履き。勝弘の顔を踏んで汚れた私の靴の底を、心を込めて、きれいに舐め清めてよ。」 な、舐めろって・・・そんな、酷い・・・さあどうするかしら。私の靴を舐めろだなんて命令されて、勝弘どうするかしら。真希は勝弘の反応を楽しむ。ふざけるな、て逆ギレするならまあ男の子だけれど、勝弘がそんなこと、できるわけないよね。 畜生畜生、て呻きながら私の靴を舐めるのが関の山よね。 果たして勝弘は、真希の読み通りに、余りに簡単に読み通りに動いた。呆然としながら、ほんの数秒凍りついただけで、勝弘は真希の靴に顔を近づけた。 ちょっと待ってよ勝弘ったら!そんな簡単に服従されたんじゃ、面白くないじゃない! ガッ!まずは邪険に無様な顔を足蹴にしてやった。 ふうっ、クズ君にはもっと分かりやすい辱めが必要なのね。 「ちょっと、何するのよ!勝手に私の足、舐めようとしないでよ、この変態!ペッ!」 思いっ切り唾を吐き掛け、傲然と命じた。 「ちゃんと、両手で押し戴いてから舐めなさいよ!」 りょ、両手で押し戴けだ!?!?ぢぢぢ、ぢぐじょおおお・・・ 悔しさの余り、震える両手で真希の靴を押し戴く。気が狂いそうな位の口惜しさを堪えながら舌を突き出すのを、真希は腕を組み、悠然と見下ろしていた。無様ね、いい気味。でもね、未だ未だ足りないわよ。ゆっくりと口を開いた。 「ねえ勝弘、そのまま視線、上げてご覧よ。私の靴越しに、何が見える?」 な、何が見える、て・・・余りの恥辱に、真希の靴底だけを見ていた勝弘は、ふと我に返った。真希の靴底越しに、自分を見下ろし冷笑する、真希の冷たい美貌が見える。そしてその延長線上には・・・呆れ果て、指差し失笑しながら嘲笑しているクラスメートの姿があった。 あ、あああ、ううううう・・・み、みんな・・・み、ないでえええ・・・勝弘の顔が屈辱に歪むのを見下ろす真希は、背筋がゾクゾクするほどの興奮を感じた。いいわよその顔、屈辱でしょう?私の靴越しに見るみんなの顔は。 逃げ出したいよね、全部投げ捨てて、ここから飛び出したいよね。出来るものならやってごらんよ、それが普通の人間の反応よ。だけどウフフフフ、駄目ね。そうやって無様に泣いているだけの勝弘は、ここで私にもっともっと辱められるの。 さあ、勝弘の恥ずかしい姿を、皆様に見て頂きなさい! ピシャピシャ、足首を優雅に動かし、勝弘の鼻面を黒ずんだ靴底で軽く叩く。 「さあ勝弘、いいわよ舐めて。絶対に目を閉じちゃ駄目よ。ちゃんとみんなの呆れた顔を、しっかりと見ながら舐めなさい。アハハハハハッ!私の靴底をね。分かる?私ね、学校でずっとこの上履き、履いているんだよ。ていうことは、アハハハハハッ!この上履き履いて、トイレにも行っているんだよ。どう?お、トイレを、歩いた靴底を、舐め清める気分は?く・つ・じょ・く・て・き・で・す・か?いい気味!アハハッ!アハハハハハッ!」 ペチペチペチッ、顔を嬲りながら哄笑する真希、余りの屈辱に、そして余りの口惜しさに、ギリギリと音が出そうなほど歯ぎしりしながら、勝弘は思わず俯いてしまった。 だが、そんな事を許す真希ではない。顔の下に爪先を差し込み、クンッと無造作に跳ね上げる。 悔し涙に濡れる勝弘を嘲りながら、真希は無慈悲に言い放った。 「口惜しいの、勝弘?変態の分際で、唯花のマウスピースを舐め回した変態の分際で。口惜しいなんて生意気じゃない。ほら、さっさと舐めなさいよ、私の靴底をね!」
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ザ・くつ下
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