復 讐 その1 沖田俊夫は高層マンションから都心の夜景を見下ろして、自分に言い聞かせた。
「俺は新宿の王になる」
俊夫は新宿の大手ホストクラブ《ヘヴンズギャラクシー》のbPホストで、ルームライトに照らされた端正な横顔は自信に満ち溢れていた。彼は憧れていたホストになるため、田舎の高校を卒業すると直ぐに東京に来て、ホストの世界に飛び込んだのだ。それから10年、あらゆる辛酸を嘗めて店を転々としながらも、ホストとしてのキャリアを積み上げ、今の店で《キング》と呼ばれるbPの地位を不動のものにしたのだった。
金払いのいい太い女性客を何人も掴み、高級マンション・高級外車・高級腕時計・クローゼットを埋め尽くす一流ブランドのスーツ等、欲しい物は全て手に入れた。
しかし今年29歳の俊夫は、現役ホストとしての限界も感じていた。20歳そこそこの新人ホストが次から次に出てくる世界で、自分は既にロートルだと自覚していた。それで独立して、従業員から経営者側に移る事を決めたのだった。
貯金は3000万円程あり、売れっ子の後輩ホスト達にも声を掛け、太い女性客達にも出資を頼んでいる。一時期のホストブームは過ぎ去り、不況でネオン街にも空きテナントが増えていたが、俊夫はそれを逆に好機だと取り、優良物件を数ヶ所下見していた。後はタイミングを計るだけであった。
「お早うございます」
日が暮れて街にネオンが灯り出す頃、俊夫は《ヘヴンズギャラクシー》のドアを開き、女性オーナーの川島玲子に挨拶した。
「あら、俊夫さん、珍しいわね。今日は同伴じゃないの?」
「この不況で、そうそう同伴に応じてくれる客は少ないですよ」
俊夫は苦笑いして、玲子に答えた。
「それはそうだけど、bPで《キング》と呼ばれるあなたが同伴出勤してくれなきゃ、他の子に示しがつかないわ。次は頑張ってね」
「分かってますよ。高い支度金でこの店に引っ張られたんですから、それだけの働きはしますって」
俊夫は玲子に一礼して、ロッカールームに向かった。
玲子は50代半ばの歳だが、一見して40歳位の目鼻立ちの整った美人だ。元は銀座のホステスだったが、大物政治家のパトロンを掴んで店を開き、今ではホストクラブ・キャバクラ・高級ナイトクラブ等を数件経営する、正に女実業家であった。俊夫はいつか彼女の地位に取って代わってやると、野心に血をたぎらせていた。
ロッカールームで、後輩ホストの礼二と星也が話し掛けてきた。
「お早うございます、俊夫さん。ちょっと、お願いがあるのですが…」
礼二と星也は20歳になったばかりの新人で、まだ固定客も付かないヘルプ専門だが、俊夫は見所があるとふんで厳しく指導し、独立する時にはついて来るように話もしていた。
「どうしたんだ?もうすぐ開店だから、手短に言えよ」
俊夫はbPの威厳を示すかの様に、ぶっきらぼうに答えた。二人は書類を差し出し、おずおずと話した。
「アパートを引越すのに費用が結構掛かるので、金を借りに行ったら、保証人が要ると言われて…」
「一人20万なんですが、俊夫さんしか頼れる人がいなくて…迷惑は絶対お掛けしませんから、保証人欄にサインして頂けませんか?」
俊夫は顔をしかめて大きく舌打ちしたが、独立する時の手駒を借金で縛るのも悪くないかと、思い直した。
(まあ、いざとなれば40万位被ってもいいか…)
「しょうがないな。この程度のはした金で、暗い顔するなよ」
俊夫は二人が差し出した借用書の金額を確かめ、それぞれの保証人欄にサインした。礼二と星也は、ほっとした表情で礼を述べた。
「ありがとうございます、俊夫さん」
「僕達、俊夫さんにずっとついて行きます」
俊夫は私物をロッカーに放り込みながら、横柄な口調で答えた。
「男がこの程度で頭を下げてちゃ、出世出来ないぞ。もう客が来てる頃だから、とろとろしてないで急げよ」
俊夫は踵を返して華やかな店内に向かい、若い二人は慌てて後を追った。
10日後の午前中、俊夫のマンションのインターホンが立て続けに鳴らされ、ドアをどんどんと乱暴に叩く音が響いた。
(誰だ、せっかくの休日に…)
店をはねた後、憂さ晴らしに後輩ホストを引き連れてキャバクラに行き、キャバクラ嬢に当り散らしてストレス解消した俊夫は、寝不足の不機嫌な顔でドアを開けた。その途端、いかつい暴力団風の男数人が部屋に雪崩れ込んできた。
「な、何だ、誰だ、君達は!」
大声を上げた俊夫を、人相の悪いリーダー格の男が睨み付けた。
「沖田俊夫さんだね、礼二と星也の連帯保証人の…」
「そ、そうだが、一体何の用だ!」
俊夫は答えながらも、二日前から休んでいる礼二と星也の、借金トラブルに巻き込まれたのを直感した。
「あの二人が借金を踏み倒して、行方知らずになってしまってね。それで沖田さんに、責任を取ってもらいに来たんだよ」
俊夫は歯ぎしりした。
(あいつら、絶対迷惑掛けないと言っときながら…畜生、飼い犬に手を噛まれたか)
「分かりました、代わりに払えと言うんですね。銀行に行ってきますから、ちょっと待って下さい。しかし40万円位で、こんなに大勢で押し掛けるなんて、大げさですね」
すると男達は、どっと笑い出した。リーダー格の男が二枚の借用書を、俊夫の顔に付き付けた。
「沖田さん、寝ぼけちゃ困るよ。借金は40万円じゃなくて、8000万円なんだよ」
俊夫は仰天して借用書を見直したが、額面は20万円ずつになっていた。
「でも、書類には20万円と…」
男はドスの効いた大声を上げた。
「ふざけるんじゃねえ!下の方を、よく見ろ。根保証で4000万づつ、二人分で8000万だ!」
借用書の下部には細かい字で難しい金融用語が並び、その中の「根保証」「4000万円」の単語が、かろうじて読み取れた。
「どういう意味なんですか…?」
事態がよく理解出来ない俊夫が尋ねると、男は嘲笑いながら答えた。
「根保証で4000万円ってのはな、保証人にいちいち連絡しなくても4000万円まで借りられますよって意味なんだ。礼二と星也は4000万ずつつまんで、二人仲良くバックレてくれたんだよ。それで連帯保証人の、あんたの所に来たんだ」
俊夫は青ざめて、震え声を出した。
「そ、そんな…8000万円なんて、とても払えません」
「ふざけるんじゃねえ!お前さんまでバックレてくれちゃ、俺の首が文字通り叩き切られちまうんだよ!]
男は日本で知らぬ者がいない、広域暴力団の名前を言った。
「俺達はそこのフロント企業の金融屋だ。言っとくが、お前さんが逃げたりしたら、岡山で農家をやってる親御さんに責任を取ってもらうからな!」
俊夫はその場にへたりこみ、がっくりとうなだれた。
それから一週間、俊夫は男達の監視の下で金策に走り回った。預金を全て差し出し、マンション・高級外車・高級腕時計・ブランドのアクセサリー、バッグ、服等、売れる物は全て売り払ったが、足元を見られて買い叩かれ、負債が3000万円程残ってしまった。俊夫が当てにしていた太い女性客達も、借金を背負ったホストには関わりたくないと、けんもホロロで、店のオーナーの玲子も同僚ホスト達も力になってくれなかった。
万策尽きた俊夫は、男達に郊外の飯場に連れて行かれた。
「ここは日給1万円だ。真面目に働けば10年位で自由になれるから、せいぜい頑張りな」
俊夫は連れて来られたその日から、土木工事の重労働に駆り出された。一週間前までは綺麗な店でブランドスーツを着こなし、優雅に接客していたのが、今や汚れた作業服で泥にまみれて、慣れない肉体労働に体が悲鳴を上げ、惨めさに涙がこぼれた。
飯場に来て三週間後、
「利子は天引きして組に渡してるから、この中から元金を返していくんだな」
と、現場監督に説明され、薄い給料袋を受け取った。しかし、その夜の内に人夫頭と他の人夫達に無理やりイカサマ博打に引き込まれ、全額取られてしまった。このままでは100年重労働しても、自由の身になれない。俊夫は逃げ出す決心をした。
深夜、皆が寝静まったのを見計らい、俊夫は忍び足で飯場の出入り口に向かった。なるべく音を立てないように、ゆっくり引き戸を開けて外に出た。そろりそろりと建物から10メートル位離れ、走り出そうとした瞬間、バラバラと数名の男達に囲まれてしまった。
「手前、よくも逃げようとしやがったな!」
男達は一斉に木刀と鉄パイプで、俊夫をめった打ちにした。
「ひいーっ、助けてくれーっ!」
俊夫は悲鳴を上げて頭を抱えてうずくまり、打撃の嵐を過ごそうとしたが、首筋に強烈な一撃を受けて失神してしまった。
気がつくと、俊夫はどこかの部屋のベッドに横になっていた。全身がひどく痛むが、特に両手両足に激痛が走り、思わず唸り声を上げた。
ドアが開き、無精髭にくだびれた白衣を着た中年男が入って来て、俊夫に声を掛けた。
「目が覚めたか。かなり痛むだろう」
中年男は俊夫の肩に、鎮痛剤の注射を打った。
「あ、あの、ここはどこなんですか?それに僕は一体…?」
俊夫の問いに、中年男は哀れむ様な目で見下ろして答えた。
「ここはヤクザ御用達の闇病院で、わしは医師免許を剥奪されたモグリの医者だよ。君は全身打撲と両手両足の複雑骨折及び粉砕骨折で、運び込まれたんだ。一応、壊疽しないように処置してギブスで固定しているが、手足は変形して固まり、元の様には動かないだろう」
俊夫は悲鳴を漏らし、懇願した。
「そ、そんな…先生、何とかして下さい!」
「残念だが、ここの設備で出来るのは、これが限度だ。まあ、一ヶ月は安静にしなさい。どっちにしても、身動きは出来ないがね」
中年男は部屋から出て行き、俊夫は絶望で目の前が真っ暗になった。
俊夫は一ヶ月間寝たきりで過ごし、ようやく両手足のギブスが外されたが、手足は変形して立つ事も歩く事も出来ず、四つん這いでしか動けなくなってしまった。
そして部屋に、取立てに来た男が入って来た。
「お前さん、逃げようなんて馬鹿な事をするから、こんな目に遭うんだぜ。ここの治療費と入院費が1000万円だから、お前さんの負債は4000万円になった訳だ。しかし、その体じゃ、働いて返してもらうのは無理だな…」
全財産どころか健常な体まで奪われた俊夫は開き直って、大声を出した。
「何を言ってるんだ!医療費が1000万円だなんて、無茶苦茶だ。大体、あんたらがした事じゃないか!警察に行ったら、あんたら全員刑務所行きだろう」
男は薄笑いを浮かべて、床に四つん這いになっている俊夫を見下ろした。
「寝言は寝て言うんだな。誰が満足に動けないお前さんを、親切に警察まで送り届けてくれるんだい。それと働いて借金が返せないのなら、文字通り体で返してもらおう。角膜・腎臓・肝臓・心臓・皮膚・血液・骨髄液と、移植用のドナーは常に不足しているんでね。人間の体はクジラと同じで、捨てる所が無いんだよ」
全身を切り刻まれる…俊夫は恐怖で真っ青になり、体をガタガタ震わせた。
「ひいっ、お、お願いです。それだけは勘弁して下さい。何でもします、何でも言う事を聞きますから…」
俊夫は床にひれ伏し、震え声で男に哀願した。男は嘲笑って靴で俊夫の頭を小突き、声を掛けた。
「さっきの威勢は、どうしたんだい?まあ、いい。借金を返すには、もう一つ方法がある。金持ちの有閑マダムの中には、男を自分の思い通りに扱いたいという人が、結構多くてね。お前さんが女の慰み者、つまり奴隷となって貸し出されてもいいのなら、金が稼げる。出張ホストならぬ出張奴隷だな。好きな方を選びな」
俊夫に選択肢は無かった。こうして俊夫は、女性の奴隷として生きる事となった。
「男奴隷、体をメイドさん達から、綺麗にしてもらった?見て上げるから、雄犬みたいにちんちんしなさい」
静江の屈辱的な命令に俊夫は体を震わせながらも、不自由な足で膝を着き、両手を前に垂らせて、ちんちんのポーズを取った。静江の視線は、俊夫の股間に向けられた。
「あら、いやだ!お前、欲情してるの?メイドさん達に体を洗われて興奮するなんて、本当にいやらしいわね。普通の男なら、こんな目に遭わされて、とても興奮出来ない筈だけど、お前は平気で欲情するのね。ここまで節操が無いとは、思わなかった。お前はもう人間じゃなくて、発情した雄犬よ!」
静江の侮蔑は俊夫の胸を深く抉り、顔から火が噴き出そうな位に紅潮して、目の奥が熱くなった。自分を取り囲んでいるメイド達の嘲笑う声が、頭の中を反響した。
静江はメイドの綾子からリードと一本鞭を受け取ると、俊夫を自分の寝室に引っ張って行った。首輪で喉を圧迫された俊夫は、慌てて不自由な手足を動かし、四つん這いで静江の後をついて行った。
寝室に入ると、静江はリードをベッドの足に結び付けてベッドに腰掛け、バスローブの裾をはだけて両足を開いた。バスローブの下は何も着ておらず、濃い繁みに縁取られた赤い陰唇が、這いつくばっている俊夫の目前に出現した。
「男奴隷、お前をバター犬に使って上げるわ。さあ、早くお舐め!」
静江は左手で俊夫の髪を掴んで引き寄せ、彼の口を自分の陰唇に密着させた。俊夫の鼻に、中年女性独特の饐えた強烈な臭気が入り込み、思わずむせてしまった。
静江は目を吊り上げ、二つ折りにして短くした一本鞭を持った右手を一閃させ、俊夫の背中に叩きつけた。
「ぎえぇーっ」
背中に焼き鏝を当てられた様な激痛に、俊夫の口から悲鳴が上がった。静江は柳眉を逆立てて、怒鳴りつけた。
「何を嫌がってるのよ!私のあそこが、臭いとでも言うの!」
「ひ、ひいっ、そんな事はありません。どうか、お許しを…」
静江は鞭を放し、俊夫の髪を左手で掴んだまま、頬に強烈な往復ビンタを張った。眩暈がする程のビンタを張られ、俊夫の両頬は見る間に赤くなった。
「お前はまだ、自分がカリスマホストのつもりでいるの?お前はもうカリスマどころか、犬以下の男奴隷なのよ!お前みたいな最低の男奴隷が私のあそこを舐めさせてもらえるなんて、贅沢の極みだわ。さあ、ありがたくお舐め!」
静江は大声で叱りつけると、両手で俊夫の髪を掴み、彼の顔を強く自分の陰部に押し付けた。密集した繁みが俊夫の鼻をくすぐり、興奮して赤く充血した陰唇が口に押し付けられて、目を白黒させたが、お仕置きが恐くて必死に舌を動かした。
怯えた様子でペチャペチャと音を立てて自分の陰部を舐める俊夫を、静江は見下して残酷な喜びを感じていた。
いくら店に通いつめて指名しても、高価なボトルを何本空けても、ブランド品を貢いでも、枕営業はしない主義の俊夫をモノに出来なくて悶々としていたのだが、今は彼を好きに扱えるのだ。
可愛さ余って憎さ百倍の心理かもしれないが、自分の手の届かなかった高嶺の花の俊夫を好きなように虐め、嬲り、辱める事で何とも表現出来ない快感に、子宮が疼いていた。女の欲深い、黒い情念が溶岩となって火口から噴き出し、自分自身をも焼き尽くすのではないかと思える位に、静江は興奮して昂ぶっていた。
俊夫は静江の陰唇から、次から次へ湧き出てくる分泌液でむせ返りそうになりながらも、懸命に舌を動かし、唇を使って奉仕に努めた。静江を満足させられなければ、どんな酷い目に遭わされるか想像もつかない。その恐怖心が俊夫の神経を麻痺させ、忠実な舐め犬に変貌させていた。
興奮し切っていた静江は、割と早く絶頂に達した。喘ぎ声を上げ、太腿で強く俊夫の顔を挟みつけ、背を仰け反らせて快感を味わった。静江は全身の力を抜き、ぐったりとした様子で余韻に耽っていた。俊夫は彼女に両手で髪を掴まれたまま、顔面を陰部に埋めさせられていた。
やっと終わらせた…と一息ついたのも束の間、静江は俊夫に再び舌奉仕を命じた。
「何をぼんやりしてるの!まだまだ続けるのよ。さあ、お舐め!」
俊夫は中年女性の貪欲さに鳥肌が立ったが、静江の分泌液で口元をびしょびしょにしながらも、疲れた舌を何とか動かした。
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街の素人女子に虐めてもらいました7
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