挑 発 その1 「急にそんな事、言われてもなあ…」
27歳の和夫は渋い顔をした。まだ新婚2ヶ月目なのに、同い年の新妻の優子から、妹をしばらく同居させて欲しいと頼まれたのだ。
「妹の希美は高校卒業と同時に家出して、風俗のバイトをしながら自堕落な生活をしてたんだけど、生活を立て直したいと、ようやく私に連絡してきたの。親からは勘当されてるし、親戚からも見離されてるから、私しか頼れないのよ。お願いします、この通り」
優子から両手を合わされて拝まれ、和夫は惚れた弱みで嫌とは言えなくなってしまった。
区役所勤めの和夫は合コンで、大手出版社で編集をしている優子と知り合い、一目惚れした和夫が猛烈にアタックして、ゴールインしたのだった。この長引く不況で公務員は絶大な人気があり、冴えない和夫でも美貌の優子と、何とか結婚までこぎつける事が出来たのだ。
しかし規則正しい生活が出来る公務員の和夫と、編集者として時間が不規則なキャリアウーマンの優子はすれ違いが多く、なかなか新婚気分が味わえなかった。そこに義妹を同居させて欲しいと言われて、さすがに和夫も渋ったのだが、優子に対して断れなかった。二人は4DKのマンションの一室を片付けて、早速明日から同居する事となった。
翌日の夕方遅くインターホンが鳴り、和夫がドアを開けると、スーツケースを両手に下げた派手な女性が飛び込んで来た。
「お邪魔します、希美です。お義兄さんの和夫さんですね。初めまして、宜しくお願いします」
「あっ、は、初めまして、松村和夫です。こちらこそ宜しく」
優子から3歳下と聞いていたから24歳の筈だが、金髪の巻き髪に濃く派手なメイクをして、ピンクのノースリーブのシャツとデニムのショートパンツに、赤いサンダル姿の希美は、19か20歳位に見えた。姉の優子は清楚な和風美人だが、妹の希美は今時のギャル風美人で、グラマーな胸が突き出て和夫は目を奪われ、あたふたと挨拶を返した。奥から優子が出て来た。
「希美ちゃん、遅いじゃないの。相変わらず、時間にルーズね。そんな事じゃ、生活を立て直せないわよ。早く荷物を持って上がって」
「はーい」
ペロッと舌を出した希美は、重そうにスーツケースを下げて、玄関を上がった。
「あっ、希美さん、僕が持ちますよ」
和夫は慌てて希美のスーツケースを手にし、部屋へ案内した。
希美が荷物を片付けると、三人はテーブルに着いて夕食を取った。希美は料理を一口食べると、かん高い声を出した。
「わぁー、これ、お義兄さんが作ったんでしょう。美味しい、信じられない。お姉ちゃんより、遥かに上手じゃないの」
「うるさいわね、さっさと食べなさいよ」
二人のやり取りを聞いて、和夫は苦笑いした。時間が不規則で留守がちの優子に代わり、和夫が家事をこなしていたので料理の腕も自然に上がり、まるで主夫みたいだと優子にこぼして、怒られたばかりだったのだ。
「ところで希美さんは、これからどうするの?」
和夫は希美のコップにビールを注ぎながら、尋ねた。
「うーん、とりあえずハローワークに行って、仕事を探そうと思ってるの。夜の仕事は若い時しか出来ないし、人間関係がハンパ無くストレス溜まるし、時給はいいんだけど出る方も多くて、結局お金が溜まらないのよね…」
希美は暗い顔で言葉を濁し、和夫はこれ以上聞かない方が良いと判断した。しかし優子は、強い口調で説教した。
「地道に努力せず、手っ取り早く稼ごうとするから、そのツケが廻って来たんでしょう。ここにいる間は、家賃代わりに少しは家事を手伝いなさいよ」
「分かってるわよ、お姉ちゃん…」
希美が口を尖らせて返事したのを見て、和夫は慌てて場を取り成した。
「まあまあ、希美さんも疲れてるだろうから、今日は早く休んで。明日から、焦らずにゆっくり仕事を探せばいいから」
「ありがとう。お義兄さん、優しいわね。私のタイプだわ」
希美は礼を言い、大きな瞳でじっと見つめたので、和夫は胸が高鳴って顔が赤くなり、急いでビールを口にした。しかし優子にテーブルの下で、足を蹴られてしまった。
次の日から希美は職探しのため、日中は外に出て、夕方に戻るという生活サイクルになった。しかし技能も資格も無い希美が職を得る事は難しく、アルバイトでさえ時給を低く抑えられる学生やパートの主婦に取られ、希美が割り込む事が出来ないと、和夫と優子に愚痴をこぼした。
「もう一度、夜の仕事しようかな…」
とこぼす希美を、優子は、
「それじゃ、元の木阿弥でしょう。せっかくやり直そうと決心したんだから、もっと頑張りなさい!」
と叱咤した。
和夫は二人のやり取りを聞きながら、内心希美が早く独立してくれる事を願っていた。最初希美は家事をしてくれたのだが、要領が悪く、和夫がやり直してばかりで、かえって手間が掛かるので止めてもらった。
また希美は優子が何度注意しても、室内を下着姿や、風呂上りにはバスタオル一枚を巻いただけの姿で平気で歩き回るので、和夫には目の毒だった。
新婚にも関わらず、時間が不規則で夜遅くに帰宅する事も多い優子との夫婦の営みは途切れがちで、たまにしても彼女は淡白なのか、不感症かと思う位に反応が鈍く、まだ若い和夫は常に欲求不満であった。
そこにグラマーな希美が挑発するように、裸に近い姿で豊かな胸を揺らし、大きな尻を振って歩き回るのだから、鼻血が出そうで自分の自制心がいつまで保てるのか自身が無かった。
このままでは誘惑に負けて、間違いを犯してしまう…和夫は自分を抑えるのに、苦悶していた。
希美の下着も一緒に洗濯して、自分のしゃぶった痕跡を消しておきたかったが、希美もさすがに下着だけは自分で洗うと和夫に言ってたので、洗濯出来なかった。
この日は希美の顔がまともに見れず、彼女に話し掛けられると、どぎまぎと受け答えして、怪訝な顔をされた。
一度禁断の橋を渡ってしまうと、もう歯止めは利かなかった。こっそりと希美の汚れたパンティでオナニーするのが、和夫の習慣となってしまった。そして彼の行動は、更にエスカレートした。
和夫の部屋はマンションの一階で、裏の駐車場と浴室の窓が面しており、駐車場からこっそり覗く事が出来たのだ。希美がシャワーを浴びてると、和夫はそっと部屋を出て駐車場に廻り、覗きをするようになってしまった。
和夫は浴室の窓の細い隙間から見える、お湯をはじく希美のグラマーな裸体を覗き、息を殺して股間の熱く猛ったものを握り締めていた
。
優子が取材で五日間の出張に出掛けた日の夕方遅く、希美はいつものように屈託の無い笑顔で、 「お義兄さん、先にお風呂入るわね」
と言って、浴室に入った。和夫はそれを見届けてから、そっと玄関を開けて外に出て、裏の駐車場に廻った。浴室の窓の隙間からシャワーの流れる音が響き、和夫は胸を高鳴らせて、そっと覗き込んだ。しかし浴室内は無人で、シャワーが流しっぱなしになっているだけだった。
和夫が首を傾げると、背後から、
「お義兄さん、何してるの!」
と希美の声が響き、驚いて心臓が口から飛び出そうになった。顔面蒼白となって後ろを向くと、携帯電話を手にした希美が、恐い顔で和夫を睨んでいた。
「えっ、いや、その、車のキーが見つからないんで、駐車場に落としたのかと思って…」
「ふーん、お風呂に車のキーがあるの?ふざけないでよ!私が前から覗かれてるのに気づかないとでも思ってたの?ようやく現場を押さえて、証拠に動画撮影出来たわ」
希美は手にした携帯電話を和夫に突き出し、彼の苦しい言い訳を一蹴した。和夫は無言でうなだれるしかなかった。
希美は和夫を連れて部屋に戻ると、とりあえずシャワーを止め、彼をリビングの床に正座させた。義妹に正座を命じられるのは屈辱であったが、弱味を握られてしまった和夫は逆らえず、希美の命令に下唇を噛んで従った。
希美は正座した和夫を、容赦無く責め立てた。
「今までに、何回覗いたのよ!」
「…二回か三回です」
力無く答えた和夫の頬に、希美の強烈な平手打ちが炸裂した。
「ひいぃっ」
和夫は思わず悲鳴を漏らし、床に横倒しになった。希美は和夫の頭を踏みつけ、怒鳴りつけた。
「白々しい嘘をつくんじゃないわよ!正直におっしゃい!」
「は、はい、十数回は覗きました…」
和夫は義妹に頭を踏みにじられる屈辱に、声を震わせながら白状した。
「何ていやらしいの!義理の兄が痴漢だなんて、情けないわ!」
希美は和夫の頭から足を外すと、彼の脇腹に蹴りを入れた。
「ぐえっ」
和夫の口から呻き声が上がった。
「いつまでも寝転んでないで、きちんと正座しなさいよ!」
希美に叱られて、和夫は痛みと口惜しさで涙を浮かべながら、脇腹を押さえて正座し直した。希美の厳しい追及が続いた。
「それと、お前に聞きたい事があるの。洗濯籠に入れてる私の汚れたパンティが、誰かにいじられた跡があるのよ」
和夫の胸の鼓動が早くなり、手のひらに汗が滲んだ。
「パンティの汚れが妙に薄くなってたり、湿ったりしてるのよ。お前、心当たりがあるんじゃないの。どうなの!」
希美は和夫をすっかり《お前》呼ばわりして、問い詰めた。和夫は顔を紅潮させながらも、首を横に振って否定した。
「いいえ、私は知りません」
すると希美は和夫の髪を掴み、目が眩む程の強烈な往復ビンタを、何発も喰らわせた。
「ひいぃっ」
希美は悲鳴を上げた和夫の顔面を蹴り、再度彼を床に倒した。彼女は仰向けに倒れた和夫の顔を踏みにじり、怒鳴りつけた。
「とぼけるんじゃないわよ!お前以外に、一体誰が私のパンティをいじるのよ。正直におっしゃい!」
男の顔を義妹に踏まれるなんて…和夫は屈辱で身震いしながら、観念して白状した。
「す、すみません、僕が触りました…」
希美は和夫の顔から足を外すと、再び正座するように命じた。屈辱で顔を真っ赤にした和夫がよろよろと正座すると、希美は追及を続けた。
「私のパンティをどの様にいじったのか、具体的に説明しなさい!」
「そ、それは、その…」
さすがに和夫が口ごもると、希美はすかさず彼の頬に平手打ちした。
「ひいっ」
思わず悲鳴を上げた和夫を、希美は大声で怒鳴った。
「今更とぼける気なんて、私を馬鹿にしてるの!早く言ってごらん!」
和夫は恥辱のあまり、涙を床にこぼしながら話し始めた。
「は、はい、希美さんのパンティの臭いを嗅ぎました…」
その途端、希美の平手打ちが和夫の頬を襲った。
「ひいぃっ」
希美は悲鳴を漏らした和夫を、激しく罵った。
「この変態!臭いを嗅いだだけじゃないでしょう。それから、どうしたの!」
和夫は火が噴き出る位に顔を赤くして、どぎれとぎれに答えた。
「…はい、パンティの…汚れた所を…な、舐めました…」
またも希美の平手打ちが、和夫の頬に炸裂した。
「ひぃっ」
悲鳴を上げた和夫を、希美は徹底的に罵倒した。
「どこまでいやらしいのよ!最低の変態!お前みたいな異常性欲者が義理の兄だなんて、おぞましくて身震いがするわ。こんな変態男と結婚したお姉ちゃんが、可哀想過ぎるわよ!」
和夫はあまりの屈辱に耳たぶまで顔を赤くして、体を震わせ、俯いて涙をこぼし続けた。希美は妖艶な笑みを浮かべて、屈辱に苛まれる和夫の姿を楽しみ、意地悪く責め立てた。
「それで私のパンティの臭いは、どうだった?詳しく説明してごらん」
和夫は恥辱でつっかえながらも、何とか答えた。
「あ、あの…饐えた様な…酸っぱいような…鼻にツンッと来る臭いでした…」
和夫が答えた途端、希美は又も彼の頬に平手打ちを見舞った。
「何よ、失礼ね!私が臭いと言いたいの?そんなに臭いのに、なぜ嗅いだりしたのよ、この変態の豚!」
和夫は打たれた頬を押さえて俯き、下唇を噛んで希美の罵声に耐えた。希美は更に問い詰めた。
「臭いを嗅いだだけじゃなくて、パンティの汚れも舐めたのよね。どんな味がしたの?」
「な、生臭くて…舌を刺激する…酸味の強い味でした…」
希美は再び和夫を平手打ちした。
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