オカッパでどんよりした表情。すぐには女の子か男の子か分らないタイプ。
それは、なるみが羽菜子に抱いた初印象だった。 綾香の家の庭で、このタイプの女の子を見かけるのは珍しい。 両足には、休みの日だというのに学校の運動靴と白いソックス。 服は肌着そのもの。うっすらピンク色がかった色のタンクトップだ。 タンクトップの裾の下で見え隠れしてるのは・・・脱いだらとっても臭そうな、黒い本革の貞操帯。 (あっ、同じ境遇の女の子・・・) 手上げ縛り姿の羽菜子の、背中で縦にピンッと張ってる縄を三十路前の女の人が持ってる。 「綾香の姉の祐子」だから、お呼びするときは「祐子さん」。 なるみは700℃の灰で「6-3」(下腹部の焼印)を「6●3」にされてから、彼女をそう呼んでいる。 (※転落する前の習慣から、『さん』付けだけでも許される) タンクトップを除けば、なるみは羽菜子と同じ格好だった。 羽菜子と同じところの縄を、なるみは女性教諭に握られている。 彼女は縄を握った方の手で、ぐぐっとなるみを押す。 そのせいで、なるみの顔は地面を向く。 だけどなるみが牛蛙みたいにマタを開いて、剣道の蹲踞の姿勢になっていくのは女性教諭のせいだけではない。 知育・体育・食育。これは延べ30人弱、10才~34才の女たちで調教した跡。 なるみの姿は調教済のドレイそのものだった。 女性たちの世間話が降ってくる中、羽菜子も土をじゃりじゃりと踏みながらマタを開いて苦しい姿勢へ落ちていく。 なるみの右脚に、羽菜子の左膝が着くほど近くで・・・。 (同じ姿勢・・・この奉仕女児、ドレイだ!) でも彼女の両足の間隔は、なるみより広かった。 (ドレイ女、こんなに足ひろげてOKかよ) 私語禁止のため、なるみはまだ羽菜子の名前すら知らない。 それから羽菜子となるみは、同じようなどんよりした表情でガーデンアーチを見つめていた。 怖いしつらい、でも目が離せない。 転落する前は(綾香ん家の庭の小さいジャングルジム)としか思ってなかった、それ。 確かに、ガーデンアーチにしては太かったしジャングルジムと同じ匂いがしていた。 今日はガーデンアーチに牡奴隷265号の体が渡してあって、その背中に綾香が座っている。 なるみは来たときからずっと、265号の呻き声が途切れ途切れに聴こえている。 綾香の靴底は完全に地面から離れている。しかも綾香は、265号の体にしか手を触れていない。 しかも時たま、綾香のシリが動いてる。そのせいで、太い鎖がギッチギッチと軋むような音を擦り出す。 ・・・・・人間ブランコ。265号の体には、ほっそりした綾香の重みからは想像できないほど過酷な負担がかかっている。 嬉しそうに羽菜子を見下ろす綾香。彼女がちょっとだけ腰を振る。 それだけで、大の大人の口から透明な液体が糸を引きながら落ちていく。 「なるみクンもやってみる?」 なるみの返事なんて待たずに、祐子はなるみと羽菜子の脚にパンプスを一足ずつ置く。 どうお返事していいか、なるみは知らない。 ありがたいことに、女性教諭がそれとなしに助けてくれる。 「265号がどうして、ほら、反吐で嗽してるか知ってるぅ?キュスキュスキュス(笑)、ねえ?」 女性教諭の膝が、ちょっとだけなるみの背中をつついてる。思い思いの方向を向く、大人と子どもの膝たち・・・。 「知りません、更紗(サラサ)様」 「この革靴、隣の子のヨソイキのクツだったんだけど」 ・・・・・ 打ち解けてない間は、私語禁止なんて管理規則が怖いものだ。 なるみはサラサに何も訊けない。 それでも「隣の子」が、今なるみのすぐ横にいる女の子の事なのはわかる。 「安心して、今はこれ、土嚢のクチ(縛り口)に被せてあるから」(サラサ) 「あ、ハナコちゃん、あの土嚢湿ってた?」(祐子) 「もう乾いてました、御主人様」(羽菜子) 「中身は二つとも、服とかカバンだから重くないわ」(祐子) 詳しい経緯は全くわからなかったけれども、羽菜子と耐久の蹲踞勝負になったのはわかった。 (とにかくパンプスを脚から落としたらアブナイ!) いつもの蠱惑的な口から出た「やってみる?」は、どうやら人間ブランコと関係がある。 その事実でなるみは、綾香の所業と自分たちの身の上に載ったパンプスが無関係でないことを気付かされる。 自分の体勢がちょっと不利だと感じたなるみ。 「重くなくて嬉しいです、ハナコちゃんのおクツを咥えさせてください」 「前歯が吹っ飛んだらどうするの! だめよ、ズルをしないっ」 バコッ! びたっ! サラサはなるみの脚の上からパンプスを引っ手繰ると、なるみの無防備な脇腹を思いっきり叩く。 硬い革靴が、子どもの肌に食い込む。もちろん、サラサはそういうことをするのが大好きだ。 それからパンプスを元の場所へ叩きつける。 「うッ、っっんっ」 顔を歪めて痛がるなるみ、グラグラと揺れる蹲踞のシルエット。 「なるみクン、縄持っててもらって良かったじゃない」 祐子の優しい声が降ってくると、なるみは懐かしさと安堵感と情欲が綯い交ぜになってウキウキしてくる。 (すっ転ばなくて済んだ・・・) 気付かされた事実は、サラサへの同じような情愛も湧かせる。 「サラサ様の緊縛教材になれて嬉しいです!!サラサ様のモノで嬉しいですありがとうございますっ!」 「縄尻が?」 「はいっ、なるみは近所の女の子のモノですぅっ」 「ドレイの貸し借りはOKだから、今日はわたしのモノでいいのよ」 「うれしいです、はふぅん、サラサ様」 なるみは気持ち良さで腰を動かしてしまわないよう、揺れながらも歯を食いしばって頑張る。 なるみの脚に膝が当たってるせいで、羽菜子も少し揺れている。その逆もある。 でも蹲踞する子どもたちには、お互いを陥れようとする余裕まではなかった。 虫よけスプレーを許されていない2人の子どもに、何匹もの元気そうな蚊が羽音を立てて纏わり付く。 裸身のなるみの方が不利に見えるが、子どもの縄尻を持つ女性たちはそう思わなかった。 女尊男卑の地獄で、体が誰のモノかわからないほど緊縛や過酷な姿勢を強いられるなるみにとって、5匹程度の蚊なんて慣れっ子だ。 CFNMの苦しさが、恥ずかしさだけだと思ってる人間は綾香ん家の庭に1人もいなかった。 途中、羽菜子がポロポロと涙を零して「ぎゅっ、えうっ」と泣き始めた事なんか、なるみは気にならなかった。 せいぜい、蹲踞が痛くて苦しいんだろうぐらいにしか想ってない。 「ハナコちゃんは来月、女性学園(※)へ転入するの」 「もう来月なんですね。なるみクン、ハナコちゃんのレッスン手伝ってくれる?」 「真美様と生き別れになるなんて嫌です!」 「放課後に4時間ぐらいよ、毎日じゃないし」 「こっそりこれの鍵外してあげようか?」 「はい、ハナコちゃんを手伝います!」 なるみは何も知らず、女たちの体の誘惑に負けて最悪の選択をしてしまう。 しかも綾香がさっそく、勝手になるみをヒドイ男の子だと誤解する。 タッ、と265号から降りてなるみに歩み寄り、片足を上げて靴を脱ぐ。 ブッ叩きの恐怖に怯えるなるみ。 思いっきり目を閉じる。奥歯どうしが擦れてクキキッと鳴る。 ビクッと震え、パンプスが少しズレる。 なんでもない光景が、事情を知るすべての者にはとても危うい光景で5人5様の表情が映る。 265号は白目剥いて、微かに揺れてる。 パンプスが乗ってない方のなるみの脚に、綾香は手に持った靴をそーっと乗せた。 「ねーさまたち、サイテーカップルの連帯責任にしていい?」 「いいわよ、でもちゃんと265号を下してあげなさいね」 「なるみ、エビ吊りと逆エビどっちがいい?」
「うッ、縄を引っ張らないでくださいっ」 「ふぅん鉄砲縛りで立ってるのね」 こうなったらなるみは、吐きそうになるほどのつらさに耐えて「はい鉄砲縛りでいいです」としか言えない。 子供心に(地面に立ってられるうちにエスカレートを止めないと)と反射的に感じてしまうのだ。 結局この日は、小一時間ほど経って(それは子どもたちにとって半日ほどに感じられたが)から綾香が靴を片づけてくれた。 綾香が靴を片づけてくれる5分ほど前から、265号は地面に手を着けて四つん這いで立っていた(膝は着いてない)。 羽菜子に酷い責めが課されないよう、265号はプルプル震えながらも庭土を握りしめながらツライ姿勢で耐えていた。 元気の秘訣は、羽菜子への愛と、お酢です。綾香がパフで嗅がせる酢を、265号は思いっきり吸い込んでしっかり気付けしていた。 全身が筋肉痛で周りなんか碌に見えてなかったなるみも、その一部始終を見て(真美の酢でも、あの真似はできないな)と驚いていた。 束の間の休息もなしに、なるみはサラサに引っ張り上げられてハァハァ言いながら立つ。 羽菜子も縄をほどいてもらえず、肌に庭土を付けながらトンビ座りすることだけが許された。 綾香は靴の代わりに穿いてたサンダルを脱ぎ、265号の背中にパフッと落とす。 そんな光景を見ながら、なるみは祐子に「お世話様でした」と挨拶をする。 ドレイの身の上では、頭を下げられない。縄は女性教諭の更紗が持っているのだ。 なるみは祐子に気を利かせて「お三つ指がつけないですみませんでした」と言う。 無防備な裸身に手の平の痕を付けられる痛み、体がそれを思い出して縮こまる。でも祐子はなるみをこれ以上虐めなかった。 帰り際、なるみが少し見た光景。 いそいそと265号の方へ小走りに進んでいく祐子。 ちょっと足を引っかけただけで折れそうなほど肘を伸ばして地面に立つ265号の顔の下で、羽菜子が綾香の靴にていねいなチュー。 (ハナコちゃんてドレイのくせに泣くんだな・・・涙も出てたし) 子どもは「誰も守ってくれない」とわかったら、泣かなくなる。 なるみはそれを、「奴隷になったら人間とは別の生き物になるから、泣かなくなる」ものだと勘違いしていた。 なるみが最近泣いたのは、私服を着て家に帰ったときだった。 女子奉仕の子どもは、月に一日だけ人間に戻れるのだ。もちろん、戻れない子もいる・・・。 (レッスンて何するんだろう)(綾香のクツはハナコちゃんと間接キスになるなあ) (『カップル』か・・・もしかして綾香御嬢様のおクツをふたりで・・・) 帰る道々、なるみが抱いた想い。 ごく自然な、(肉体的暴力と性的抑圧のどん底を人間の分泌物に塗れて虫けらのように這いずり回る)11才の子どもの想う事だった・・・。 そして同じ境遇で連帯責任の「お靴乗せ」をやり抜いた子として好意のような情欲のような、今で感じたことのない情も芽生えていた。 だがそれはあまりにも、羽菜子と265号の関係を知らなさすぎる者のひとりよがりな気持ちに過ぎなかったのだ。 帰り道の風景は、なるみの恋心と違っていつもと変わり映えしなかった。 ゴミ置き場の金網の中で蠢く廃棄奴隷、それを逆ナンパする色情狂のお嬢さん。 なるみは真美の子ども部屋の前の細い側溝に糞便を残し、サラサと一緒に部屋の中で真美の帰りを待つ。 「真美とハナコさん、どっちが可愛かった?」「サラサ様です、うわ、お肌白いし良い体」・・・ 淡い恋心も、サラサがなるみを悶々させて苛むうちに薄れていく。 そして日が陰り始めた頃、なるみはビ○ワンの水煮を吐きそうになりながら腹へと飲みこんでいく。 汚物のように臭くて汚らしいビ○ワンは、白いプランタープレートにこんもりと盛られていた。 そして、汚れたプランタープレートとサラサの脛を見下ろしながら「臭い飯のご用意ありがとうございました」。 ビ○ワンを完食して、ようやくなるみは縄をほどいてもらえる。思春期の筋肉群が軋みながらも、ドレイの肢体を動かしてくれる。 なるみはプランタープレートを庭の水道で洗って、屋外収納の上に伏せる。 「人間椅子はまだ早いわね」 真美が同じクラスの奉仕女児(名札に『●●(名字を塗りつぶしてる)佳恵』と書いてある)と落ち合って帰ってくるまで・・・ なるみはカーペットの上に体を投げ出して、束の間の休息。 20分ほどのわずかな休息の後、女二人でキャピキャピもせず真美たちが帰ってくる。その入れ替わりで、サラサは帰っていく。 そして今日もなるみは、女子奉仕。真美の私服を畳んだり、佳恵のピンク色の貞操帯にチューをしてから真美が開錠するのを待つ。 牡ドレイに平気で裸身を晒す一般児童と奉仕女児。エロい遊びができるのは、女の子が望んだときだけ。 なるみの転落は、何だったのか? いや、何なのか? 佳恵の貞操帯を手に取って震えながら素手で簡単に掃除するとき、なるみはお姫様たちと男奴隷の身分の違いを体で感じる。 だからついつい、奉仕女児へ対抗心を起こして「真美様、細っこいメガネ女の貞操帯が臭いです」なんて言ってしまう。 「御嬢様とお呼びっ!」「うーッ」 すると真美ではなく、ドタドタッと走り寄ってきた佳恵に背中をドフッと肘鉄される。 「佳恵に『御嬢様』使ったらわたしとかはどうするのよ」 調教済のなるみが反撃してこないのを知ってるから、女子たちは歓談が途切れない。 以前はオドオドして卑屈に敬語を使ってきた佳恵。なるみは佳恵が豹変したと思ったいたけれど、そうではなかったのがハッキリわかった。 身分の違いを心の底から感じる、多感な思春期のなるみ・・・。 佳恵が所々綻びたビスチェ&貞操帯の惨めな姿からシャツとパンツに着替えると、なるみはゴムバンド式の腕章(『保健』)を佳恵の二の腕に留める。 これから、二人で女子奉仕に行くのだ。 なるみは真美に夜の挨拶を済ませると、体操服を脱衣カゴから拾う。それをなるみは、ノーシャツで着る。 そして、佳恵に貞操帯のホーデン・カフのヒモ(半ズボンの前から出てる)を曳かれて地域の学童保育所へ行く。 道すがら、佳恵が片手でパンツの上からマタを弄る。不健全で不衛生だし、学童保育所へ着くまでにマン足できるとは限らない。 でも佳恵は、なるみに「ごめんね、男の子の方がずっと苦しいのよね」等と謝りながらも手を休められなかった。 無線連絡で絶えず所在を管理されてる二人は、足を休めることもできなかった。 万が一、なるみが隣の市(奴隷制が無い)やこのへんの民家(子どもを助ける活動の隠れ家は、どこにでもある)を目指して走り出すと・・・ なるみが途中で捕まったとしても、佳恵は生き地獄に堕ちる。 だからホーデン・カフを手放せない(遅れても速く走れない)し、なるみにエロ弄りを手伝わせられない。 学童保育所への道々には、時計の一つもない。 だから佳恵はプンプンして、「なるみッ、手はテーソータイの上っ」と怒鳴りながらスタスタ歩くしかできなかった。 佳恵の不遇が、なるみにとっては真美や綾香、更紗や祐子のようなドミナとはまた違うつらさを強いる。最下層のゴミムシ・・・。 真美の自宅から10分余りで、なるみは佳恵と一緒に学童保育所へ着く。 そこで欲求不満の佳恵にホースでぶたれながら浴場掃除をするうち、なるみは羽菜子のことなんかすっかり忘れてしまっていた。 一方その頃・・・ 羽菜子は肢体も伸びやかに、「なるみをぶてる鞭が、太くて痛い鞭になりますように」と裸身に玉の汗を滴らせてがんばっていた。 羽菜子のお目当ては今のところ、祐子が家にズラッと並べてるような太い鞭ではない。男奴隷を苛むことでもない。 むしろそんな物事とは全然違う。羽菜子が目当てにしてるのは、貞操帯を外された265号の男根がボッキボキに青筋立てた剛直になる事だった。 265号の男生殖器を少しでも太くすべく、羽菜子が艶かしく男の肌を泳ぐ。 貞操帯を外したばかりの男女は、表情や体つきが輝いて見える。輝くほどに、そのへんに性器の臭さが立ち込める。 絡み合う265号と羽菜子を、ガーデン・チェアに座った祐子と綾香が楽しそうに見下ろす。 265号からガマン汁の湿りを感じた羽菜子はいったん265号の肉体から離れ、水道の蛇口をキュッと捻る。 羽菜子が口に含んだ水道水を265号に直飲みさせてすぐ、「無断射精したら、わたしが焼印押すからね」と嚇す。 祐子は265号の剛直をメジャーで測ると、羽菜子にプリ○ュアのビニール・スリッパを渡す。 祐子は羽菜子にスリッパで265号の体から土を落とさせると、悲愴な「年の差カップル」へ家に上がるよう促す。 厚いカーペットを敷いた寝室で、265号と羽菜子はまた一つ、人間を廃業していく・・・。 ※この世界では有名な、全寮制の小中高一貫のひどい児童収容施設。 調教アシスタントとか責めの執拗なサディスティンを輩出することで有名。 |
となりのちえちゃん ~小さな女王様~ |