「このエ(え)型棒枷で、空気イスさせてはいかがでしょう」 羽菜子が、黒い棒枷を拾いあげると、そこに下った革枷たちがプラプラと揺れた。 おぞましい事を唆された綾香は、普段なら考えられないような反応を示す。 「羽菜子、なるみくんどんだけ叩いたのよ。真美に謝ることないの?」 羽菜子は跳ねそうになりながら棒枷をゴトンッと音を立て、棒枷を床に置く。 そしてなるみの目線の高さに、羽菜子の裸身がすっぽりと滑り込んでくる。 「真美おじょう様の持ち物をたくさん叩いてすみませんでした」 と、少し息をついて「真美おじょう様、羽菜子にお座りくださいませ」と続ける。 言い終えると、羽菜子はシャンッと両腕を伸ばして四つん這いになる。 そこへ、真美は「いいわ、使ってあげるね」とだけ言い捨てて尻を下す。 羽菜子は苦しそうな吐息を漏らし、背筋が弓なりに撓る。 真美が着ているワンピースの生地は、早くも羽菜子の汗をグッショリと吸い始めた。 (羽菜子、真美様を引きつけてくれてありがとうっ・・・) 「ハァハァ、ゼェゼエ・・・っ」 鞭痕で肌の色が変わったようになった体の裏側を晒して、なるみは床に突っ伏してた。 羽菜子となるみは、真美たちが戻って来る前にディープキスした仲だった。 「あうぅうっ、ええんッ・・・」 真美が尻を揺する度に、羽菜子が苦しそうに呻く。 (羽菜子・・・・・・・) 「うッ、はぁはぁ」 「立てるわよね、なるみ?」 不気味なぐらい優しい声。綾香がなるみに微笑みかける。 綾香が強引に持ち上げた方の手はもちろん、もう一方の手も佳恵につながれていた。 なるみは膝を佳恵の方から順番に床から浮かして、佳恵の裸身に身を寄せた。 綾香はトップスを着て、ベージュ色のスイム・ショーツを穿いている。 半分普段着姿の綾香にはとても、佳恵ほど魅力がなかった。 ガコーーーンッッ! なるみがさっきまで飲んでいた、バ○リス・オレンジの黄色いロング缶。 曲がるストローの挿さった空き缶は凹み拉げ、黒板の下まで飛んで残骸を晒す。 なんてことない行動だったが裏腹に、綾香の気持ちの針は大きく振りきれていた。 「工(こう)字棒(工字型の棒枷)でなるみを固定するわよ」 綾香は佳恵に手伝うよう促すと、なすがままのなるみを見る見るうちに固定した。 なるみの背中を棒枷が横切り、その両端の手枷になるみの手が固定してある。 なるみの両足首も棒枷で固定してあり、肩幅ぐらいの間隔を空けて床に立たされている。 上下の棒枷は3本目の棒枷(遊びが0cmの凸凹タイプ)で固定してある。 4本目の棒枷は手摺か、バレエ部のレッスン・バーみたいに太かった。 この支柱は、教室の後ろの木造ロッカーの一つの奥底と、3本目の棒枷を遊び0cmで固定していた。 なるみは脚も腰もピンッと伸ばして、空気イスのような苦痛は免れている。 ただし上の横棒枷が高い位置にあるせいで、上体はむちゃくちゃ前のめりになってる。 とはいえ、そんなに苦しくない。 少なくとも、いつも羽菜子がしてるような、 大の男でも呻いて苦悶するような固定方法ではない。 尤も、そんな固定方法は全部祐子と綾香が教えてるのだが・・・。 佳恵が木造の掃除用具入れを開けて、信じられない物を持って戻ってくる。 黒い革鞭が2つも! グリップも入れて全長60cmほどの鞭は、鞭の先端に革の玉んこがついてる。 そのせいで、ケイン鞭よりも大きい風の音がピュンピュンと起きる。 音は大きさだけじゃなく、音が鳴る間隔もケイン鞭よりずっと短かかった(早かった!)。 ものすごい緊張感。 なるみは季節外れにも、固定された全身がブルブル震え、歯をカチカチ鳴らした。 ふと見下ろすと、佳恵のオメコが目に入る。 「うっっあああーー!佳恵のオメコーーー!!」 ピュピチッ! 「ぎゃあああああああ」 なるみの大声にビックリして、佳恵が飛び退く。 鞭の風切り音と、なるみの肌に食い込む音が重なって一つの音に聴こえる。 (鞭の風切り音が終わる前に、なるみが急に叫んだ?)と佳恵は思った。 そのせいで、佳恵はビックリしたのだ。 「うーーーーーーーーーッッ、ぐりぐりしないでっ!!」 羽菜子の呻き声で、綾香が鞭先を宙に捨てつつ振り返る。 そのまま綾香はドタドタッと足音を荒げ、しゃがむや否や羽菜子の髪を鷲掴みにした。 「痛いッ・・・ひゃあ!」 「ドレイ羽菜子っ!」ビタッ! 綾香が、羽菜子の顔を思いっきりビンタ。 「ぎゃっ!」 羽菜子は背中とお腹からアゴまでをのけぞって叫ぶ。 彼女は体中の苦痛に、貌を歪めてる。 (羽菜子っ、)ビュバシッ!! 「うッああああああああああーー!!」 なるみが思いっきり、体を捩る。 いったんピンッと張りつめた体は、棒枷に固定された範囲の中を激しく捩れ回る。 愛する羽菜子、畏れる真美、憎い綾香に手も性器も届かず悶え苦しむなるみ。 すごく嬉しそうにもう一回、なるみの脚を鞭でビュシッと叩く佳恵。 「いたいーーーーーいっ!!」 全裸の女児奴隷が鞭でぶつ、畜獣の吼える声。 二人の女子児童が苛む、什器の上げる悲鳴。 子どもたちの元気な声は風に乗って、隣の町まで届いた。 |