息子が母に望むもの 後編

作者 yujiさん

 「・・今日は本当に有難う御座いました」

  「いえいえ、こちらこそ。でも本当にどうでしょう?うちのクラブでミスト
   レスをして頂けたらあり難いのですが・・」


  「それは・・本当に御免なさい・・」

  「あっいえ、僕のほうこそ何度もお願いしてしまって・・商売柄どうしても
   癖が付いてしまいまして。どうか聞き流して下さい」


  「本当にすみません、色々経験させて頂いた上にコスチュームまで頂いてる
   のに・・」

  「いや〜それは全く気になさならいで下さい。うちの常連さんから幸恵さんへ
   のプレゼントなので。あの常連さん大変興奮されてましたよ〜何しろ幸恵
   さんのような普通の奥様、美淑女の方から鞭打ちの練習台になれた事ばか
   りか、下着まで頂けたと凄く喜んでましたから」


  「え、ええ・・・」



  ・・・・・・・・・・・・・



  人気も少なく、プライベート感覚で隠れ家的な地下のショットバーに案内され
  た幸恵は、ほんの一時間前に経験したスパンキングなどの打撃調教プレイが
  想像以上に相手のM男にとって酷で痛々しいものだと頭から離れ無かった。


  (あれじゃまるで拷問だわ・・・)


  理沙から、より信夫のマゾ心を刺激する為にと半ば強制的に「女王様」の経験
  を勧められた幸恵は意を決して、理沙から紹介されたハードプレイ専門のSM
  クラブで真性女王育成の体験を受ける事になってしまったのだ。

  恐る恐る紹介されたSMクラブの支配人とコンタクトを取り、一通り簡単な
  説明を受けてから用意されてあったボンテージ衣装を恥じらいながら身に着け
  、支配人に案内されながらプレイルームに入ると、全頭マスクを被った肥満
  体型の男が土下座の姿勢で待ち侘びていたのだった。

  プレイルームの中は見るも痛々しい印象を受ける数種の鞭が並べられてあり、
  その光景と土下座のままでいるマスク男の姿を交互に見るや否や幸恵はその
  想像以上で本格的過ぎる場面に後悔と恐怖心が込み上げてきてしまうので
  あった。

  
  「幸恵さんリラックスして。怖がる事はありませんよ♪それに今日はあなた
   の為にこちらのお客様が練習台として志願されてます。他方でも家畜奴隷
   としてミストレス方々から調教を受けられたM男性ですので、女王として
   の作法や調教の仕方など色々と教わりになったら如何でしょう?」


  「え、ええ・・・」


  
  途中、度々マスク男と会話を挟みながらも幸恵は鞭の打ち方、ヒールなどで
  踏みつけ方や蹴り方の強弱、命令口調などの言葉遣い、罵倒、そしてマスク
  男が何度も懇願し勧めたビンタを主としたスパンキングなどを実践する事に
  なってしまったのだ。

  
    バチンッ!! パァンッ!!


  「あ、あの、大丈夫でしょうか?」

  「ハァハァ、ありがとう御座います!奥様」



  自分の打ち放った鞭でマスク男の背中に線状の痣が出来ていくのを見て幸恵は
  、思わず悲痛な感情が込み上げてきてきてしまう。
  まるで拷問や懲罰・・・そして一体自分は何になろうとしているのか?溺愛す
  る信夫の性癖の為?それとも躾けの為?頭の中で考えれば考える程に複雑に
  なってしまい、やがて時間終了間際の頃にはマスク男に対して信夫に接する
  ような母性感情が込み上げてきてしまったのである。


  「痛かった?大丈夫?」

  「ありがとう御座います!奥様の鞭が頂けて幸せで御座います!」


  「そう・・じゃあご褒美は何がいいかしら?」

  「・・・そ、それではあの、私を便器にして頂けないでしょうか?」


  「便器?・・おし・・いえ、聖水の事かしら?」

  「はい、もし可能であられますなら・・黄金を・・」


  「・・・・ごめんなさい、それはちょっと・・」



 
  ・・・・・・・・・・・・



  「失礼ですが・・御愛人の方とかでしょうか?」

  「いえ・・違います」


  「では身内の方とか?」

  「・・・・はい。」


  「ん〜・・・あ、いや、沙羅さんからミストレス志願をされてる方と聞いて
   たものでしたから・・」


  
  幸恵は、バーカウンターに置かれたままのカクテルグラスを手に取り、ひと
  口ほど口に運ぶと、クラブの支配人に実は相手が自分の息子だという事と、
  息子が自分に望む性的な事が、下男としての隷属願望があるとの事を掻い
  撮んで打ち明けてしまったのだった。
  何故なら、もしかしたら沙羅のアドバイスとまた違った意見、男性からの
  視点から何か別の意見を聞けるからと思ったからである。

  
 
  「・・・いや申し訳無い。私も今まで職業柄の事も勿論ありますが、そう
   いったケースを聞いた事が無かったものでね・・う〜ん・・」

  「やっぱり・・・そうですよね・・・」


  「彼・・いや、息子さんは何を求めてるのでしょう?単純に性癖、性的趣向
   がMだから、あなたに女王様プレイを懇願されてるのでしょうか?
   それとも精神的な支配、隷属を望んでいるのでしょうか?・・」

  「多分・・・性的なものだと思います。」


  「なるほど。では、幸恵さん自身はどうですか?現にマゾ性癖の息子さんの
   為にSMプレイを学ぼうとされてるのでしょう?それって、あなた自身に
   も独占欲があるからじゃないでしょうか?誰にも渡したくない・・望みを
   叶えられるのは自分だけ・・違いますか?」

  「・・・・・そうです」


  「じゃあ簡単な事です。あなた方しか出来ない事を行うまでですよ」

  「私達にしか出来ない事・・・」





  まるで全身に甘美な痺れが巡っていく様な一言・・


  沙羅の言われるがままに厳しい折檻や体罰をして、あの子は本当に感じて
  喜ぶのだろうか?・・そんな疑問を今まで抱きながら、それでも信夫が興奮
  し求めるならばと想い、幸恵は女王志願せざる得なかった。


  いったい自分は何をしていたのだろう・・・


  我儘な信夫を教育しなければならないと思ったから?本来の切っ掛けは?
  いや・・全ては性的視線や興味を自分に抱いていた信夫に感じてしまった
  自分の行き過ぎた愛情からである。

  母としてだけじゃ無く「女性」としても見て感じて貰いたい・・そんな背徳
  の感情に支配されかかっていた時、信夫の惨めな隷属願望が妙な容で刺激さ
  れてしまったのも事実なのだ。




  「幸恵さん。今、息子さんが求めているのは性欲とマゾヒズムの両方だと思い
   ます。あなたの色気、匂い、そして屈辱的行為に対する興奮・・そういった
   エゴとマゾが融合した性癖に対応するトレーニングがあります」

  「・・・トレーニングってどういうものでしょうか?」



  一瞬、支配人の顔がほくそ笑んだ様に見えた幸恵だったが、信夫の性癖に対し
  て今は沙羅の勧めた過激なSM行為よりも、男性視点で多々の性癖を垣間見て
  きたこの支配人のアドバイスのほうが必要だと感じていた。


  「恐らく・・いや、多分でしょうが、幸恵さん自身は既に息子さんからS女
   として教育されているのではと思いました。何故なら簡単に言ってしまう
   と幸恵さん自身が息子さんをそれだけ溺愛してるからです。

   なので、私から提案するトレーニング・・・それは未だ開眼しきれて無い
   息子さんのマゾヒスムを引き出してあげる事。その為に幸恵さんは淫靡な
   言葉を覚え、舐め嗅ぎの奉仕をさせ、屈辱的に罵る行為を身に着けていく
   というものです。勿論、決して強制ではありませんが・・」


  「・・・そんな事、私に出来るでしょうか?・・・」

  「ええ勿論、出来る筈ですよ。数日も掛からないでしょうし、何より息子さん
   の事は幸恵さんが存じてるでしょうから。」



  カウンターに置かれたままのカクテルグラスを再び手に取った幸恵は、意を
  決したようにコクコクと飲みほ干すと、含み笑みを零す支配人の「クズマゾ
  養成」というトレーニング受託してしまったのだった。
 
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  (あぁ・・ママ・・)


 
  未だ蒸し暑い気候が残る夕暮れの時であった。

  親戚の法事の帰り道中、人気の少ない路地を歩く母子の姿は特に可笑しくは
  見えないであろう。
  だが、その先の行き先は汚臭漂う解体寸前の小さな公衆便所であるのだ。
  
  黒いストレートのショートヘアに、唇は艶やかなローズレッドの口紅で彩り、
  色気と厳しさを醸し出す顔立ちにイメージチェンジを果たした幸恵の後ろ姿
  を期待と興奮で見つめながら歩く信夫はいよいよ幸恵から念願の「汚臭調教」
  を懇願して現実になろうとしていた。


  「ココね。ホント臭いわ・・でも救いようの無い臭いフェチの信ちゃんには
   お似合いの場所かしら?」

  「は、はい!ママ」


  「ママじゃ無いでしょ?臭男」

  「あ・・ごめんなさい!幸恵さま!」


  
  黒いタイトスカートに薄く目の細かい網タイツにハイヒールのパンプスを履い
  た脚が、徐々にマゾヒスティックな部分を刺激されていく信夫を興奮させてい
  く。そして、そんな信夫を艶っぽく見下すような表情と浮かべる幸恵が礼服の
  ジャケットを脱ぐと、ナイロンの黒く透けたインナーに黒いブラジャーが透け
  て見えるばかりでは無く、ドミナを強調するようなサテンのコルセットを身に
  着けていたのだ。

  
  「ふふ。どうかしら?好きでしょ?こういう格好」


  信夫のフェティシズムな部分を理解していった幸恵は、自らも徐々に変態性の
  ある痴的なサディスティンに目覚めていき、業と臭く蒸らした足裏や腋を嗅が
  せたり舐めさせたりする事に興奮を覚えるようになってしまったのだ。


  「あぁぁ・・凄い、すごく魅力的です!」

  「フフフ。ねえ、腋が湿ってるけど嗅いでみたい?」


  「はっはいぃ!舐めさせて下さい!」

  「フッ、だれが舐めろっていったの?嗅げって言ったのが聞こえなかった?」


 

  幸恵にとって、あのSMクラブの支配人からのトレーニングは想像していたも
  のとはだいぶ違っていた。
  「ビンタ」は愛情の印・・という支配人の口車に乗せられ、練習台のマゾ男を
  相手に何度もビンタをやらされたり、汚いと言える言葉も散々言わされ、苦悩
  を抱えながらも最終的には信夫によって矯正されていってしまったのだった。

  
  「全裸で臭い汚い公衆トイレで私の汗ばんで蒸れた腋の匂い嗅いで勃起させて
   扱いて・・・最低のクズねお前。」

  「むぅぅ〜ハァァ〜〜」


  
  クチャッ、クチャ、とペニスから汁を垂らしながら扱きながら幸恵の腋を嗅い
  でいた信夫は、ふと次のおねだりを哀願するように情けない表情で見上げた
  とたん、幸恵から鋭い平手が飛んできたのである。


   
   パァァン!!


  「イッいぎぃッ」

  「お礼が言えないのかしら?」


  「びッ、ビンタして頂いてあ、ありがとう御座いました!」

  「フフ♪顔が真っ赤よ。でも興奮するのよねぇ〜。ニヤニヤして、ド変態に
   も程があるわよ。お前」


  「ハァハァハァ、幸恵さまぁ」

  「フッ・・この汚物マゾ。嫌らしい顔で期待しちゃって・・ほらっその汚い便
   所床の上で四つん這いになってごらん」


  
  放置状態に近い小さな公衆便所は汚臭が漂い、汚れきった便器は尿便臭が漂い、
  朽ちたタイル床には汚物や尿の痕が付着した空間。

  歪んだマゾ欲がエスカレートしていった信夫は、ヘアスタイルやメイクなどで
  イメージチェンジした幸恵の色気の前に、情けなく悍ましい願望を打ち明けて
  しまったのだった。

  念願のビンタ責め、蒸れ臭奉仕、顔面シューズキーパーなど・・そんな惨めな
  責めや扱いを懇願してくる信夫に対し、幸恵はきつく罵る事を強要されてから
  は、マゾを甚振る事への興奮を見出していったのだ。



  「醜い顔を上げて、舌をお出し!そう・・フフフフ、蒸れた網タイツの足先
   なんて嗅がせてあげないわよ♪その代わり、お前に相応しい事をしてあげ
   るわ。」



  この汚臭と尿汚物カスが散乱する公衆便所の床と同化するように、四つん這い
  の格好で情けなく舌を出し、いやらしく間抜けな表情を改造したセクシーな
  シースルーブラックフォーマル衣装に身を包むサディステックな女神のヒール
  責めに信夫は、ペニスの先から黄ばんだ精液を出してしまったのである。


  「ウッ!!ウギィィ!!」

  「誰が汚いザーメン出せって命令したの!!」


  「あッギィィ・・幸恵さまぁ〜」

  「クサオ。お前はやっぱり便器になるべきね。今日から私の便器として調教
   するわ」


  「ハァハァ・・お・・ありがとう御座います」

  「本当に最低のクズでマゾねお前・・・フフ、でも私も何だか興奮してききた  
   わよ♪いいわ。私の専属奴隷として忠誠の証・・鞭打ちで勃起させてごらん
   なさい」


  「む、鞭・・ほ、本当に・・」



  幸恵があれ程に否定していた鞭や打撃行為。だが、信夫の懇願によってビンタ
  やヒール責めを繰り返すうち、自ら興味を持ってしまうまでに目覚めてきて
  しまったのである。
  
  結局は沙羅のシナリオ通りに幸恵はハードミストレスとして逆調教され、目覚
  めていき、甘い母子の関係から女王と奴隷の関係に・・・




  「それと・・もうお前のママじゃなくなるけど、それでもいいのね?」

  「・・・はい」


  「聞こえないわよ。はっきりお言い!!」

  「は、はい!どっ奴隷として扱って下さい!」

  「宜しくお願い致します・・でしょ?挨拶も出来ないのかしらお前は。」

  「申し訳ありません・・ご、ご調教を宜しくお願い致します!」


  「フフ・・ウフフフ♪この変態野郎!たっぷり惨めに可愛がってあげる」
 
                                   終わり

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小剛流浪記02-02 北京公主の犬になった その2