身  分

作者 namelessさん

小学5年生の岡田秀夫は、クラスメートである5,6人の女子グループに囲まれて詰め寄られ、泣きそうな声を出した。
「ご、ごめんなさい…どうか、許して…」
女子グループのリーダー格である宮城麗奈は、憤った声で彼の謝罪を一蹴した。
「ごめんで済めば、警察は要らないわ。あれだけ皆で猛練習したのに、あんたのせいで優勝出来なかったのよ…どうしてくれるの!」
痩せていて運動の苦手な秀夫は、チームの足を引っ張ってしまい、ドッジボール大会の決勝戦に負けてしまったのだ。大会が終わった放課後、秀夫は女子グループに体育館の裏へ連れ込まれ、酷く責め立てられていた。秀夫は、おどおどと震え声で尋ねた。
「それじゃ、僕はどうすればいいの…?」
麗奈は女子グループのメンバーに目配せして、冷たく言い放った。
「決まっているじゃない。あんたの体で謝ってもらうのよ…ほらっ、みんな、取り掛かって!」
女子グループは秀夫に一斉に飛び掛り、彼の手足を押さえ、短パンとブリーフを剥ぎ取った。

「何するの、止めてよう!」
秀夫は声を出し、必死に手足をばたつかせて抵抗したが、小学生の頃は、女子の方が発育がよくて体力がある。ひ弱な秀夫がいくら抵抗しても、彼より大柄で体力のある数人の女子に敵う訳が無かった。秀夫は、縄跳びのロープで後ろ手に縛られ、家庭科で使う細紐を股間のものに結び付けられた。女子達が一旦秀夫の体から離れると、彼の股間のものに結び付けられた細紐を手にした麗奈が、勝ち誇った声で命令した。

「いつまでも寝てないで、早く立ちなさいよ!」
細紐を強く上に引っ張られた秀夫は、股間のものがちぎれそうな痛みを感じ、後ろ手に縛られた不自由な体をよじらせて、何とか立ち上がった。フリチンで股間のものを細紐で引かれている惨めな秀夫の姿を、女子達は指差して大笑いした。
「キャハハ、何その格好!チョーウケル!」
「皮被りのおちんちんを紐で引っ張られるなんて、面白ーい」
「犬でも首輪にリードを繋げられるだけなのに、こいつは犬より惨めね。可愛そー」
同級生である女子達に、縛られた惨めなフリチン姿を嘲笑われた秀夫は、彼女達の視線を股間に感じ、限度を越えた恥ずかしさで、顔から火が吹き出そうだった。秀夫は俯いて小刻みに体を震わせ、眼に涙を浮かべた。麗奈は恥辱に苦しむ秀夫を楽しそうに眺め、彼の股間のものに結び付けられた細紐を引いて、さっさと歩き出した。
「ちょっと散歩するわよ…めそめそ泣いてないで、とっととお歩き!どこまでグズなの!」
「ああっ、待って、待ってよう…」
股間のものを引きちぎられそうな激痛を感じた秀夫は、腰を突き出した滑稽な姿で、慌ててよたよたと麗奈の後を追った。彼の哀れな姿は、再度女子達の笑いを誘った。
「面白ーい!おちんちんを引っ張られて、お散歩するなんて、犬以下よねー」
「でも、男の子が下半身丸出しで歩くなんて、グロテスクだわ…よく、恥ずかしくないわね」
「こいつはもう、男の子じゃないわよ。だって、女の子に負けるんだもん。オカマの方が、まだ男らしいんじゃない?」
女子達の嘲笑と侮蔑が、秀夫の胸を深く傷付け、彼の眼から熱い涙がこぼれた。麗奈は秀夫を引っ張り、人目を遮っている体育館の裏を一往復すると、細い植木に細紐を結びつけた。それから、秀夫から少し離れ、用意していたドッジボールを手にした。
「あんたがグズで、相手チームのボールを避けられなかったから、決勝戦で負けたのよ。今から、ボールを避ける特訓をしてあげるわ…それっ!」

麗奈は近い距離で、秀夫の顔面に向けて、思いっきりドッジボールを投げつけた。運動が苦手な秀夫はとても避けられずに、頬へボールの直撃を受けた。
「ひいぃっ」

秀夫は情けない悲鳴を上げ、女子達はどっと笑った。麗奈は笑いを噛み殺した声で、秀夫に命令した。
「ちゃんと避けないと、顔が腫れ上がるわよ。もっと真剣に避けなさい!」
彼女は女子グループの一人に、ドッジボールを手渡した。ボールを受け取った女子は、秀夫の股間を狙って、思いっきりドッジボールを投げつけた。秀夫は反射的に避けようとしたが、股間のものが細紐で植木に結び付けられているため、ちゃんと避ける事が出来なかった。

「うぎゃあーっ」
股間にドッジボールの直撃を受けたのと、避けようとして体を動かしたため、股間のものを細紐で急に引っ張った形になり、二重の激痛が秀夫に絶叫を上げさせた。
「うるさいわね!大声を出したら、人が来るじゃないの…仕方ないから、特別に私のパンツをくわえさせてあげるわ」
麗奈はドッジボール大会の後、汗で濡れた下着を穿き替えており、その汚れた下着を秀夫の口に無理やり詰め込んだ。彼の口と鼻に麗奈の汗と尿の臭いが充満し、眼を白黒させた。


「さあ、みんな、続けて投げて!」

麗奈の指示を受けた女子達は、大喜びで順番にドッジボールを、秀夫の顔面と股間に当て続けた。股間のものを細紐で植木に結び付けられている秀夫は、細紐の長さでしか動けないため、近い距離から投げつけられるボールを殆ど避けられなかった。縄跳びのロープで後ろ手に縛られているために、手でブロックする事も出来ない。口に麗奈の汚れた下着を詰め込まれているために、助けも呼べず、悲鳴すら上げられずに、延々と女子達の慰み物になっているだけだった。秀夫は恥辱に塗れた哀れな姿で顔と股間を腫れ上がらせ、くぐもった悲鳴を漏らして悶え苦しんだ。


ここで、秀夫は目が覚め、ガバッと上半身を起こした。全身に汗をかいていた。
「夢か…」
秀夫は腕で額の汗を拭い、掛け布団をきつく握り締めて、深いため息をついた。隣で寝ていた、妻の春香が目を覚ませた。
「あなた、どうしたの?急に起きたりして…?」
「いや、何でもない…少し悪夢にうなされただけだよ。安心して、お休み」
秀夫は再び横になり、目をつぶった。少し心配そうに彼を見つめた春香も、横になり、直ぐに寝息を立てた。今年で31歳になった秀夫は、布団の中で少年時代を振り返った。

(もう、20年も前の事なのに、まだ、心の傷が残っているのか…)
家が小さな工務店をしている秀夫は、小さい時から気が弱く、小学生の頃は痩せており運動神経も鈍くて、周りからよくいじめられた。そんな彼を特にいじめて楽しんだのが、宮城麗奈だった。彼女はグループ企業の社長令嬢で、成績が良く、スポーツも得意な美少女だったが、人の上に立って、自分の思い通りに支配しなければ気が済まない、我儘な性格だった。彼女は塾や習い事のストレス解消のためか、同級生の取り巻きを誘っては、秀夫をよくいじめた。麗奈の父親は教育委員会の実力者でもあり、学校の先生は麗奈の顔色を窺う状況であったので、秀夫は彼女から受けているいじめを誰にも相談する事が出来なかった。秀夫にとっての小学校生活は、彼女にいじ められに学校に行くようなもので、子供心にも世の中の不平等と、身分の差を思い知らされた。

中学に上がると、麗奈は秀夫を直接いじめはしなくなったが、陰険にも中学校の非行グループを唆して秀夫をいじめさせ、彼が苦しむ姿を見て楽しんでいた。中学時代の秀夫は、毎日のように小突かれ、恐喝されて、不登校寸前まで追い込まれた。この時は、学校側がいじめ問題に乗り出してくれたので、どうにか中学卒業は出来たが、この様な環境で勉強に集中出来る筈も無く、結局非行グループと同じ底辺高校に行く羽目となった。高校ではいじめが繰り返され、遂に秀夫は高校を半年で中退し、引きこもりになってしまった。しかし、両親の深い愛情と懸命なサポートのおかげで、大検に挑戦して何とか合格し、些か偏差値は低いものの、工業大学の建築学科に進学 し、大学卒業後は家業を継ぐことが出来たのだった。

一年前に、家の事務員をしていた27歳の春香と結婚し、幸せの絶頂となったのだが、ずっと心配していた一人息子の秀夫が一人前になってくれたと安堵して緊張が解けたのか、半年前に両親が相次いで他界し、秀夫をひどく落ち込ませた。しかし、春香の励ましを受けて気を取り直した彼は、工務店の経営に邁進した。隣の春香の寝顔を見た秀夫は、寝返りを打って、目を閉じた。
(子供の時のトラウマが、未だに残っているなんて…もう、忘れて、心機一転しよう。自分と一緒になってくれた春香のためにも…)
秀夫は、凄い美人というわけではないが、丸顔で愛くるしい顔立ちをしていて、気立てのいい春香が、自分と結婚してくれた幸せを噛み締めた。彼女のためにも仕事を頑張ろうと、改めて心に誓った。


翌日、商工会議所の用事を済ませた秀夫が、建物の外に出ようとすると、不意に背後から呼び止められた。
「ひょっとして、岡田君じゃない?小学校と中学校で一緒だった…」
振り向いた秀夫は、派手な化粧の、いかにも高級そうなスーツを着た美人を見て、目を丸くした。その、くっきりとした目鼻立ちには見覚えが…いや、忘れたくても忘れられない嫌な記憶が甦った。

「宮城麗奈…さん?」
秀夫が一番おぞましく思っている名前が、彼自身の口から発せられた。麗奈は彼の困惑している様子に構わず、懐かしそうに話し掛けた。
「中学以来だから、本当に久しぶりね…私は今、父が経営するグループ企業の役員にさせられ、忙しくて大変なの。岡田君は、今何をしてるの?」
「か、家業の小さな工務店を経営しています…」
麗奈は、作業服姿の秀夫を値踏みするように一瞥すると、勝ち誇った口調で言った。
「経営と言っても、零細企業は大変ね。社長自ら現場に出て、汗と埃に塗れて働かないといけないなんて…大企業と零細企業の社長じゃ、身分が全く違うのね」
彼女の高慢な物言いを聞いた秀夫はカチンときて、逆に問い返した。
「それは、どうも…ところで、宮城さんは結婚していますか?」
麗奈の笑顔が、急に消えた。
「いいえ、まだだけど…」
今度は、秀夫が勝ち誇った様な声を出した。

「そうですか…僕は去年結婚して、慎ましくも幸せな新婚生活を送っていますよ。宮城さんの性格は、全然変わってない様ですね。少しは自分を振り返って、その傲慢な性格を直さないと、一生独身ですよ。いくらお金持ちのお嬢様でも、結婚相手はお金で買えませんからね…それじゃ、失礼」
見る見る歪んでいく麗奈の顔を見て、秀夫は直ぐに商工会議所を後にした。彼は、昔麗奈にいじめられた何百分の一かでも仕返し出来た様な気分になり、その日は一日中上機嫌だった。


しかし、麗奈と再会した日から、秀夫の工務店経営は何故だか大きく傾き始めた。昔から付き合いのある得意先から仕事のキャンセルが相次ぎ、工事代金として受け取っていた手形の不渡りも多発し、たちまち資金繰りに窮してしまった。秀夫は銀行と信用金庫を走り回ったが、新たな融資は全て断られ、逆に今までの融資分を早く返済するよう迫られた。建材屋や重機リースの支払いや、4人しかいない従業員の給与支払いのため、止む無く金利の高い商工ローンやサラ金、怪しげな街金から借りたが、直ぐに限界が来た。秀夫は、親の代から働いてくれている4人の従業員に頭を下げ、何とか工面した一ヶ月分の給料を渡して辞めてもらい、家業の工務店を倒産させる決心をした。しかし、莫大な借金が残ってしまった。

零細企業に対する銀行や信用金庫の融資は、社長や家族の個人保証が付けられるのが常であり、商工ローン・サラ金・街金の借金は、全て秀夫と妻の春香の個人名義になっていたので、工務店を畳んでも、借金は消えなかったのだ。秀夫に財産らしいものは無く、工務店兼住居の家は、既に二重三重の抵当に入っている。秀夫と春香は青い顔で話し合ったが、借金返済の目処は全く立たなかった。


秀夫が工務店を倒産させて一週間後、5,6人のいかつい顔をした男達が押し掛けて来た。リーダー格の男は有名暴力団のフロント企業を名乗り、借用書や秀夫が振り出した手形の束を、工務店事務所の机に叩き付け、震えて床に正座している秀夫と春香を怒鳴りつけた。
「…だから、返せないじゃ、済まねえんだよ!お前さんに貸した金を返して貰えないと、あちこちの金融業者がウチのオヤジに泣きついたんで、情の深いオヤジが仕方なく、全部肩代わりしたんだ。子供の遣いじゃあるめえし、俺達が手ぶらで帰ったら、指詰め程度じゃ納まらねえんだ!」
秀夫は、泣きそうな震え声を出した。
「で、でも、一体どうすれば…」
男は渋い顔をして、ドスの効いた声で言い放った。

「無い袖は触れねえって言うから、仕方ねえな…奥さんの方は、ソープなり、ちょんの間なり、こっちで働き口を世話させてもらうわ。お前さんは、そうだな…遠洋漁業のマグロ船にでも乗って、働いてもらおうか。大波で甲板から海に引き摺り込まれたという事で、保険金を借金返済の足しに出来るからな」
秀夫と春香を囲んでいた男達がどっと笑い、正座していた二人は震え上がった。秀夫は男の足元で土下座し、必死に懇願した。
「お願いです…僕はどうなっても構いませんが、春香だけは見逃してやって下さい。この通り、お願いします」
春香は土下座した秀夫の背中に抱きつき、男に懇願した。
「私は風俗でも、どこでも働きます。働いて、必ず借金をお返しします…ですから、この人だけは、助けてあげて下さい」
男は、深いため息をついた。

「美しい夫婦愛に免じて勘弁してやりてえところだが、こればっかりはな…」
この時、不意に事務所のドアが開き、二つの人影が入って来た。一人はスーツ姿のサラリーマン風の男性で、もう一人は宮城麗奈だった。リーダー格の男は、麗奈の姿を見て、少したじろいだ様だった。
「これは、宮城のお嬢さん…どうして、こんな所へ?」
麗奈は、余裕の笑みを浮かべて、明るく答えた。
「小学校からの幼馴染みが、借金で困っているとの噂を聞いて、様子を見に来たのよ…それで、借金は幾らあるの?」
男が借金の総額を口にすると、麗奈は一緒に来たスーツ姿の男性に命じて、小切手を切らせた。彼女は小切手を男に渡し、言い放った。

「あなた達の債権は、私が買い取るわ…何かご不満?」
小切手の額を確かめた男は、少し慌てた様子で頭を横に振った。
「とんでもありません、お嬢さん…しかし、この債権を一体どうなさるおつもりで?この二人には、とても返せませんよ」
麗奈は、笑って答えた。
「心配しなくてもいいわ。この二人には、働いて返してもらうつもりよ。私の家で、住み込みの下男とメイドとしてね。まあ、利子が付くから、何十年掛かるか、分からないけど…それで、もしこの二人が、嫌がったり、逃げようとしたり、逆らったりしたら、この債権は改めて、あなた達の親分さんに預けようと思うの。その際は、取立てをよろしくね」
リーダー格の男は、いかつい顔の相好を崩して、麗奈に答えた。

「お嬢さん、その時は、遠慮なく申し付けて下さい。落とし前は、きっちりつけさせて貰いますから…おい、お前ら、行くぞ!」
リーダー格の男は、他の男達を促して、事務所を出て行った。麗奈は、まだ床に正座していた秀夫と春香に、声を掛けた。
「いつまでも座ってないで、あなた達も立ちなさい。今から、私の家に行くわよ!」
秀夫と春香は顔を見合わせたが、よろよろと立ち上がり、麗奈に言われるがまま、工務店の事務所を出て、彼女が乗って来た高級外車の後部座席に乗り込んだ。


小一時間程車に揺られ、ようやく麗奈の家に着いた。彼女の家と言うより、豪華な邸宅を見上げた秀夫と春香は、唖然とした顔をした。都心の一等地に、まだこんなに広く大きな邸宅があるとは…麗奈の邸宅は高い塀で囲まれ、外から窺い見る事は出来ず、広い庭は手入れの行き届いたきれいな芝生で覆われていた。
「ぼやぼやしていないで、早く中に入りなさいよ!」

麗奈に強く言われ、秀夫と春香はおずおずと豪勢な玄関を通って、広いリビングに入った。麗奈はソファに座ったが、彼女は秀夫と春香には、ソファに座る事を許さず、床に正座させた。彼女はインターホンで誰かを呼ぶと、二人に向き直った。
「さっきも言ったけど、岡田君は下男、奥さんはメイドとして働いて、借金を返してもらうわよ。少しでも逆らったら、暴力団に引き渡して、彼らの好きな様にさせるからね…そうそう、もう二人とも私の使用人だから、身分をはっきりさせるために、岡田君は“男奴隷”と呼ぶわ。奥さんは“春香さん”と呼ぶけどね…何か文句ある?」
よりによって、麗奈に奴隷呼ばわりされるなんて…秀夫は屈辱で顔を赤くして身震いし、隣の春香も口惜しそうに俯いたが、二人に文句が言える筈も無く、黙って首を縦に振る事しか出来なかった。
二人の口惜しがる姿を楽しそうに見ていた麗奈は、話を続けた。

「一ヶ月位前から、この家で働いている4人のメイドさんに、あなた達の教育を任せるつもりなの。彼女達の命令は私の命令と思って、絶対服従しなさい…あら、来たようね」
リビングにメイド服を着た4人の、30代から40代の女性達が入って来た。麗奈は嬉しそうに、4人のメイドを秀夫と春香に紹介した。
「メイドさん達は右から、有希子さんに奈美恵さん、恭子さんに麻美さんよ…まんざら知らない相手でもないでしょう」
秀夫と春香は、驚きで目を見開いた。彼女達は皆、二ヶ月前に辞めてもらった4人の従業員の妻達だったのだ。40代後半で、一番年長の有希子が、最初に口を開いた。
「若社長に若奥さん、お久しぶりね…亭主が仕事を辞めさせられてから、私達がどれだけ苦労したか、想像出来る?」
30代後半の奈美恵と30代前半の恭子が、続けて話した。

「主人は再就職先が決まらず、今は派遣の日雇い仕事を掛け持ちして、毎日クタクタなのよ!」
「私の夫も、生活と子供の学費のため、昼と夜のアルバイトを同時にしなければならなくなって、過労死寸前だわ!」
最後に、30歳になったばかりの麻美が、二人を責めた。

「私の主人も似たり寄ったりで、すっかり荒れてしまい、酒を飲んでは家族に当り散らすようになったわ。どうしてくれるの!」
元従業員の妻達の剣幕に、秀夫と春香は震え上がったが、年長の有希子が皆を諭すように、穏やかな口調でたしなめた。
「まあまあ、皆落ち着いて…私達が路頭に迷ったのは、若社長のせいだけど、事務をしていた若奥さんは、若社長の借金の連帯保証人にされたり、自分の名義を使われて借金を背負ったりと、私達と同じ苦労をさせられているんだから、責めたら気の毒よ。悪いのは、放漫経営で親の代からの工務店を倒産させた、若社長一人でしょう」

これには、他の3人も納得して頷いた。怒りの矛先が自分から外れた春香は、少しほっとした表情を見せたが、秀夫は逆に顔を青くさせた。有希子は、更に話を続けた。
「私達の窮状を見るに見かねた宮城お嬢様に、メイドとして特別に高給で雇って頂かなかったら、今頃は一家離散になっていたところよ…若奥さんには普通にメイドの仕事をしてもらうけど、若社長は男奴隷として、徹底的にこき使ってやるわ!お嬢様から許可を頂いているし、手心は一切加えないからね!」
有希子の怒りの宣言を聞いた秀夫は、暗澹たる思いにさせられた。
その日から早速、秀夫は悲惨な辱めを受ける事になった。妻の春香は4人と同じメイド服を着させてもらったが、秀夫は奴隷の身分を思い知らせるという理由で、ブリーフ1枚だけの裸姿に、犬用の首輪を着けさせれた。春香はメイドの仕事を一から丁寧に教えてもらえたが、秀夫には乗馬鞭を持ったメイドが交代で監督するようになり、人の嫌がる雑用を真っ先にさせられた。
最初に便所掃除を命じられ、慣れないながらも秀夫なりに一生懸命したのだが、チェックした有希子に早々と一鞭浴びせられた。
「ぐわぁーっ」

素肌に受けた乗馬鞭の痛みは凄く、秀夫の背中に見る見る一筋の赤い線が浮かび上がり、彼は悲鳴を上げて苦しんだ。
「便器に、まだ染みが残ってるじゃないの!これでも、掃除したと言えるのかい!自分の眼で、よく確かめてごらん!」
有希子に叱られた秀夫が、恐る恐る洋式便器を覗き込むと、彼の後頭部に有希子の足が乗せられた。
「お前は、私を女と思って、甘く見てるんじゃないの?それとも、元従業員の女房だからと、軽く見てるの?私を舐めて、掃除に手を抜いたら、鞭で打ち殺してやるわよ!」
有希子は秀夫に怒鳴り付けると、足に体重を掛け、彼の顔面を洋式便器の底に溜まった汚水に沈めた。ちょっとして、有希子が秀夫の頭から足を外すと、彼はゴホゴホ咽て苦しみ、頭を上げた。有希子は更に、乗馬鞭の一撃を秀夫の背中に浴びせた。
「うぎゃーっ」
真っ赤に焼けた鉄棒を押し付けられた様な激痛に、秀夫は背を仰け反らせて悲鳴を上げた。彼の背中にもう一本赤い条痕が刻み込まれたのを見た有希子は、彼に非情な命令を下した。
「便器の染みを、お前の舌できれいにおし!さっさと、舐めるんだよ。それとも、鞭の方がいいのかい?」
「ひいぃ、ただいま」

鞭に怯えた秀夫は、慌てて便器に顔を突っ込み、黄ばんだ染みに舌を這わせた。吐き気が込み上げてきたが、乗馬鞭で打たれる事を思えば、耐えるしかなかった。しかし、トイレブラシでも取れなかった染みが、人間の舌で舐めて取れる筈もなく、秀夫は延々と舐め続けることになった。必死に便器を舐めている秀夫を楽しそうに見ている有希子は、彼を指差して嘲笑った。
「顎で使っていた従業員の女房に命令されて、便器をペロペロ舐める気分はどうかしらね?若社長の、いえ、男奴隷のこの姿を亭主に見せてやりたいわ。ホホホ…」

工務店を経営している時は、従業員達と家族ぐるみの付き合いで仲良くし、奥さん達は自分を「若社長、若社長」と呼んで、何かと持ち上げてくれていたのに…有希子の嘲笑が頭に反響し、屈辱で目の奥が熱くなり、秀夫の眼から悔し涙がこぼれた。しかし、今の彼には、ひたすら便器を舐め続ける事しか出来なかった。


こんな調子で広い邸宅のトイレを全て掃除させられたので、便所掃除が終わった時には、秀夫の背中は乗馬鞭による赤い条痕が縦横無尽に走っていた。
しかし、便所掃除が終わっても、秀夫に休息は与えられなかった。次は、奈美恵監視の下で、靴磨きをさせられた。秀夫は乗馬鞭のお仕置きを受けないよう、必死に靴を磨いたのだが、チェックした奈美恵に思い切り平手打ちされた。頬に力強くビンタを張られた秀夫は、情けない悲鳴を上げ、体をよろけさせた。
「靴にくすみが残っているじゃないの!ちゃんとやり直しなさい。手を抜いたら、承知しないわよ!」
奈美恵に叱られた秀夫は、頬の痛みと屈辱にすすり泣きを漏らしながら、靴を磨き直した。
秀夫が靴を全て磨き終えると、奈美恵は靴を全て玄関の土間に並ばせ、その中で特に高級そうなパンプスを指差し、彼に命令を下した。
「これが、お嬢様の靴よ…靴に顔を近付けて匂いをよく嗅いで、他の人の靴と区別出来るように、お嬢様の匂いをしっかり覚えておきなさい!」

秀夫は屈辱で顔を赤くし、体を震わせたが、奈美恵に逆らえる筈もなく、這いつくばってパンプスに顔を近付け、靴の中敷の臭いを嗅いだ。麗奈は脂足なのか、鼻にツンと来る、納豆の様な刺激的な臭いがして、惨めさで涙がこぼれそうになった。
奈美恵は、しばらく秀夫に臭いを嗅がせてから、他の靴を指差した。
「お嬢様の匂いを、しっかり覚えたでしょうね…じゃあ、このローファーがお嬢様のか、他の人のか、答えてごらん!」
秀夫は口惜しさに身震いしながらも、頭を下げて靴の臭いを嗅いだ。先程のパンプスに負けず劣らずの悪臭がしたが、同一人物の臭いかどうかは、分からなかった。

「…お嬢様の靴です」
秀夫が恐る恐る答えた途端、這いつくばっている彼の背中に、乗馬鞭が炸裂した。
「ぎゃあぁーっ」
既に有希子から散々鞭打たれた傷だらけの背中に、更に鞭を振り下ろされた秀夫は、あまりの激痛に絶叫を上げ、体を硬直させた。奈美恵は秀夫の顔を蹴り飛ばし、彼を土間に転がした。彼女は横倒しになった秀夫の頭を踏みにじりながら、怒鳴りつけた。
「当てずっぽうに答えるんじゃないわよ!これは、恭子の靴だよ!そんなにお仕置きが欲しいのかい!」
秀夫は奈美恵の足下で、ヒィヒィ泣きながら哀願した。

「ゆ、許して下さい…鞭だけは堪えて下さい…もう、背中がズタズタなんです。どうか、鞭だけは…」
秀夫の涙ながらの訴えに、酷い鞭痕だらけの背中を一瞥した奈美恵は、彼の頭から足を外して、玄関の土間に正座させた。
「仕方ないわね。私にだって、情けはあるわ。可哀想だから、鞭は勘弁してあげる…その代わり、目をつぶって、歯を喰いしばりなさい!」
とりあえず、鞭を許して貰った秀夫は、些かほっとして、奈美恵の言う通りにした。頬への平手打ちを覚悟したが、鞭よりは遥かにマシだった。しかし、奈美恵は、彼が答え間違えたローファーを手にすると、その靴裏で横っ面を横殴りに思い切り叩いたのだった。
「ぐわあぁーっ」
脳を揺らす様な衝撃と、頬肉が千切れそうな激痛で悲鳴を上げた秀夫は、もんどり打って土間へ倒れた。
「鞭は勘弁してあげるけど、間違える度に、その靴でお前をビンタしてやるからね…早く起きて、この靴の匂いをお嗅ぎ!」
奈美恵は、土間に倒れた秀夫の頭を蹴り、他の靴を指差して命令した。衝撃で頭がグラグラしている秀夫は、もう何も考えられなくなり、彼女の指差した靴に這い寄り、鼻を近付けた。


奈美恵のチェックが終わった時、秀夫の両頬は酷く腫れ上がっていた。彼女は腕時計を見ると、腹立たしそうに言った。
「もう、こんな時間だわ…お嬢様も皆も、きっとダイニングで待っているわね。お前がグズだから、夕食の時間に遅れちゃったじゃないの。早く、おいで!」

奈美恵はダイニングルームへスタスタ歩いて行き、秀夫はふらつきながらも、慌てて彼女の後を追った。奈美恵の予想通り、麗奈と他のメイド3人と妻の春香が、既にダイニングテーブルに着いていた。テーブルには、美味しそうな料理が並んでいた。メイド服姿の春香は、秀夫の腫れ上がった顔と、鞭痕だらけの背中を見て驚き、目を見開いて、息を飲んだ。
「遅れてしまって、申し訳ございません、お嬢様…」
済まなそうに頭を下げる奈美恵に、麗奈は笑って手を振った。
「私達も席に着いたばかりだから、気にしないで。早く席に着いて、夕食にしましょう…男奴隷は、部屋の隅で正座して、待っていなさい」

麗奈に言われた通り、奈美恵は急いでテーブルに着き、秀夫はダイニングルームの隅まで下がって、正座した。春香以外の女性達は旺盛な食欲を示し、美味しそうな香りが部屋に漂って、空腹でおあずけを喰らっている秀夫の腹を鳴らせた。
麗奈とメイド達が食事を済ませると、恭子が残飯をステンレスのボウルに集め始めた。前もって麗奈に言われていたらしく、メイド達は料理を少しずつ残しており、春香は食欲が湧かなかったのか、料理を半分位残していたので、残飯はそこそこの量になった。恭子は残飯の入ったボウルを正座している秀夫の前に置き、嘲る様な口調で命じた。

「お嬢様のお慈悲で、お前には贅沢過ぎる餌を用意してあげたわ…感謝して、お上がり!」
ボウルには、クチャクチャと咀嚼された肉片、歯型の付いた根菜、吐き出された小骨混じりの魚肉等が入っており、朝から何も食べておらず、空腹で腹の虫が鳴っていた秀夫だったが、さすがに口にする気になれず、俯いて黙り込んだ。
恭子は乗馬鞭を手にすると、邪悪な笑みを浮かべ、空中で一振りした。
「あら、男奴隷の分際で、お嬢様のお慈悲を蹴るつもり?そんなに思い知らせて欲しいの?」
鞭が空気を切り裂く音が、秀夫を心底怯えさせた。

「ひいっ、い、頂きます。ですから、鞭だけはお許しを…」
秀夫は鞭への恐怖で体が縮み上がり、哀れな声で恭子に許しを請うた。その情けない滑稽な姿が、メイド達の笑いを誘った。
「あはは、そんなに鞭が恐いの?男のくせに、情けないわねぇ」
「鞭に怯えて女に哀れみを請うなんて、それでも男なの?」
「若奥さんの前で、よくそんな醜態を見せられるものね…百年の恋も醒めて、愛想を尽かされるわよ」
メイド達の嘲りを聞いた秀夫は、ちらっと春香の顔を窺った。彼女は、困惑したような複雑な表情を浮かべていた。そこに麗奈が前に出て、やけに優しい口調で声を掛けた。

「まあまあ、皆もそんなに責めないで…男奴隷が食べやすいように、味付けしてあげましょう」
彼女はそう言うと、残飯の入ったボウルに屈み込み、
「カーッ、ペッ!」
と派手な音を立てて、痰を吐き出した。残飯にねっとりとした黄色い痰を浴びせられたのを目の当たりにした秀夫は、顔が引きつり、真っ青となった。麗奈はメイド達に、笑顔で指示した。
「あなた達も、男奴隷の餌にトッピングしてあげて」
メイド達は面白がって、残飯に痰や唾を吐き掛けた。中でも麻美は調子に乗って、チーンと手鼻をかみ、鼻水を残飯に引っ掛けた。
「お嬢様の言いつけよ。春香さんも、男奴隷の餌に唾か痰を掛けてあげて」
年長の有希子が、春香にも唾を掛けるよう強く促した。春香はとても断りきれず、おずおずと残飯に唾を垂らした。
ただでさえ汚らしい残飯が、痰や唾、それに鼻水で覆われ、いくら空腹の秀夫でも吐き気を抑えるのに苦労する有様だった。
「お前のために、お嬢様を初め、皆が餌に味付けのトッピングをしてくれたのよ。お前の愛しい若奥さんもね…さあ、お上がりなさい!」

恭子が乗馬鞭を弄びながら秀夫に命令したが、さすがに彼は首を横に振った。
「いくら何でも、こんな物は口に出来ません」
少々鞭で打たれても、こんな汚らしい物は食べられない。男として、妻である春香の手前もある…そう決心した秀夫は、毅然とした態度で断った。
怒った恭子が乗馬鞭を振り上げたが、意外にも麗奈が彼女を手で制した。
「待って、恭子さん…お前にも、男の誇りがあるのね。ちょっと、見直したわ。愛する奥さんの前だしね…その誇りがどれ程のものか、試してあげるわよ」
麗奈は有希子を呼び寄せると、二言三言何かを命じた。有希子は一旦ダイニングルームを下がると、直ぐに黒光りする一本鞭を持って来て、麗奈に手渡した。
「これは革製品の本場アメリカから、わざわざ取り寄せた本格的な牛追い鞭よ。実際に牧場で使われていて、威力は乗馬鞭とは段違いなの。これで、お前の男の誇りとやらを試してあげるわ…ほらっ!」
麗奈は掛け声と共に、一本鞭を横に振り、正座している秀夫の胸を水平に打った。

「ぎゃあぁーっ」
胸肉を真っ赤に焼けた刃物で削り取られる様な、乗馬鞭とは比べ物にならない激痛に、秀夫は絶叫を上げて、床に横倒しになった。激痛だけではなく、胸を打たれた衝撃で心臓が停止するのではないかと、死の恐怖を感じた。麗奈は、床に倒れた秀夫に、嵐の様な鞭打ちを浴びせた。
「ひいっ、ひえぇっ、許して、どうか許して…」
秀夫は両手で頭を抱え、床を転げ回りながら、悲鳴を上げて麗奈に許しを請うたが、直ぐに声すら出なくなり、床にうつ伏して動けなくなってしまった。
そこで麗奈は鞭を止めたが、既に秀夫の体中は、赤い条痕でびっしりと覆われ、息も絶え絶えで身動き出来ない状態となっていた。しかし、麗奈は容赦なく彼の頭を蹴飛ばし、冷たく命令した。
「勝手に横になってないで、体を起こして正座おし!」
体中に焼け火箸を押し付けられ、生肉を削ぎ取られる様な激痛と、全身の骨が砕けそうな衝撃を受けた秀夫は、反抗心や気力を全て奪い取られ、考える力さえ無くし、引きつる体を無理に動かして、何とか正座した。
「さあ、餌を食べるの?それとも、男らしく拒否するのかしら?早く答えなさい!」
麗奈は一本鞭をしごきながら、秀夫を問い詰めた。

「た、食べます…」
秀夫が力無く答えると、麗奈は鞭で床を叩いて厳しく注意した。
「その言葉遣いは何よ!食べますじゃなくて、頂きますでしょう!」
「ひいぃ、い、頂きます、頂かせて下さい…」
鞭音に怯えた秀夫は、思わず悲鳴を漏らして、言い直した。そして、恐る恐るボウルに手を伸ばし、残飯を掴んで口元に運んだ。その時、春香の声がした。
「あなた、そんなものを食べるの…?」
秀夫は春香の何かを訴えかけるような顔をみて、手の動きを止めた。愛する春香の前だけは、醜態を晒したくない…それが、秀夫にとっては最後の、男の矜持だった。麗奈が邪悪な笑みを浮かべ、からかうような声を秀夫に掛けた。
「そうよね、愛する奥さんの前で、痰や鼻水の掛かった残飯なんか食べられないわよね…私も鬼じゃないから、お前に選ばせてあげるわ。残飯を食べるか、男らしく鞭打ちに耐えるか、好きな方を選びなさい!」
麗奈は一本鞭を一振りし、空中で大きな鞭音を響かせた。その音が、秀夫の最後の矜持を消し去った。
「食べます、いえ、頂きます」

秀夫は思い切って、汚らしい残飯を口に入れ、咀嚼した。痰・唾・鼻水でぬるっとした感触に吐き気がこみ上げたが、我慢して飲み込んだ。春香の前であっても、鞭の恐怖には勝てなかった。
「ほほほ、男の誇りよりも、残飯を口にする方を選んだのね。まるで、豚だわ…春香さん、これがあなたの夫の本性なのよ。よく分かったでしょう」
麗奈の嘲りに、秀夫は胸をズタズタに抉られた気になった。横目でチラリと春香を窺うと、彼女は呆然とした表情で立ちすくんでいた。春香の目前で辛かったが、空腹だったせいもあり、秀夫は黙々と残飯を食べ続けた。


秀夫が残飯を平らげると、麗奈は自分の部屋に戻ったが、彼女の指示により、秀夫は一旦洗顔と歯磨きをさせられ、メイド達と一緒に洗濯場に移動させられた。秀夫はメイド達の指示を受け、洗濯物を仕分けした。大方の衣類は洗濯機に入れられたが、秀夫の前には、汚れた下着が十何枚も積まれた。有希子が酷い命令を下した。
「私達の下着は、お前が心を込めて、丁寧に手洗いするのよ。まず、汚れた股の部分を、口でしゃぶって綺麗にするの。そのために、お嬢様がお前に歯磨きさせたのだからね…早くおし、男奴隷!」
有希子は、正座している秀夫の傍の床を鞭で叩き、彼を促した。鞭音に怯えきった秀夫は、何のためらいもなく、パンティを裏返し、一番汚れたクロッチ部分を口にした。パンティを口にした途端、饐えたような強烈な女の臭いが口中に広がり、鼻孔の奥まで刺激臭が充満した。舌に生臭く苦いような酸っぱいような味を感じたが、意識して精神を麻痺させた秀夫は、口をモグモグと動かしてパンティをしゃぶり、クロッチ部分の汚れを薄くする事に専念した。
側で春香が見ているのは分かっていたが、一度醜態を晒してしまった秀夫には、躊躇が無くなっていた。春香は、自分の夫が女のパンティをしゃぶっているのを、強張った表情で見ていた。

しばらく一枚目のパンティをしゃぶっていた秀夫は、それを口から引き出し、汚れを確認した。クロッチ部分の汚れはかなり薄くなっていたが、その汚れは秀夫の舌に付着し、女の悪臭が口に染み込んで、彼を落ち込ませた。お湯を張った洗面器に一枚目のパンティを入れ、次のパンティに手を伸ばした時、有希子が面白そうに声を出した。
「あれっ、お前、何を興奮してるのよ?股間をそんなに突っ張らせて、ブリーフが破れそうじゃないの!」
有希子の指摘を受けて、自分の股間に目をやった秀夫は、初めて自分が勃起しているのに気が付いた。女の悪臭とはいえ、まだ若い秀夫は、不覚にも男の反応をしてしまったのだ。

「女の汚れたパンティをしゃぶって興奮するなんて、信じられない!」
「汚れた下着が好きだなんて、最低の変態よね」
「ひょっとして、以前に連続であった下着泥棒の犯人は、こいつじゃないの?」
奈美恵と恭子と麻美は、秀夫の突っ張らせた股間を指差し、口々に嘲った。妻の春香は、引きつった顔で黙っていた。有希子は嘲笑いながら、秀夫に命じた。
「そんなにブリーフが突っ張ってちゃ、作業の邪魔でしょう。ブリーフを脱ぎなさい!」
秀夫は恥辱で顔を紅潮させたが、逆らう事は出来ず、立ち上がっておずおずとブリーフを足元に下げた。異様な状況で精神の奥底が刺激されているのか、彼の股間のものは萎えることなく、隆々とそびえ立っていた。メイド達の嬌声が湧き、有希子が追い討ちを掛けた。
「あらあら、そんなに興奮して、皆と若奥さんの前で一物をそそり立たすなんて、恥も外聞も無いのね。最低の男だわ…その興奮を冷まさせないといけないわね。跪きオナニーして、すっきりしなさい!」
さすがに秀夫は顔色を変えて、有希子に拒否した。
「…そ、そんな恥ずかしい真似は、とても出来ません」
有希子は、直ぐに険しい顔つきになった。

「男奴隷の分際で、私に逆らうつもり?私達の言葉は、お嬢様の言葉と思えと、言われているでしょう。言う事を聞かないのなら、体中がズタズタになるまで、鞭打ってやるわよ。オナニーするか、鞭で打たれるか、好きな方を選びなさい!」
彼女は一本鞭を振って、空中で大きな音を鳴らし、秀夫を威嚇した。派手な鞭音を聞かされた秀夫は、一瞬で気力が萎え、その場にへたり込んだ。
「オナニーするの?それとも、鞭で打たれたいの?早く、お決め!」
秀夫は自分の屹立したものを右手で握ると、おずおずとしごきながら、卑屈に答えた。
「オ、オナニーします…しますから、鞭だけはお許しを…」
秀夫の惨めな姿を見て、メイド達はどっと笑った。
「女の目の前で、平気でオナニーするなんて、やっぱり変態だわ」
「若奥さんの前で、よくオナニー出来るわね。本当に恥知らずの変態よ」
「人間としての最低限の矜持さえ、一片も無いのよ。最低の変態に相応しく、オナニーし易いようにしてあげるわ」
奈美恵は、汚れたパンティを二枚手にすると、一枚は丸めて秀夫の口に突っ込み、もう一枚は汚れたクロッチ部分が鼻にくるように調整して、彼の顔に被せた。秀夫の口と鼻に、饐えたような生臭い女の強烈な臭いが広がった。
「こうすれば、汚れたパンティの味と臭いを同時に楽しみながら、オナニー出来るわよ」
メイド達は秀夫を指差し、大笑いした。

「あはは、パンティを顔に被ってオナニーするなんて、如何にも最低の変態らしいわ」
「ねえ、あそこが益々大きくなったんじゃないの?やっぱり、女の汚れたパンティで興奮しているのね」
「若奥さんの前で、こんな醜態を晒せるなんて…こいつはもう、発情期の雄犬以下よ」
メイド達の蔑みが秀夫の頭に空ろに響いて死にたくなったが、女の臭いで彼のものは確かに硬さを増していた。引きつって思い詰めた表情をしている春香の視線が痛かったが、秀夫は無心になって、右手で自分のものを必死にしごき続けた。
しばらくして、パンティを咥えさせられている秀夫は、くぐもった呻き声を漏らし、夥しい白濁液を放出して果てた。メイド達と春香の目の前で射精した秀夫は、自分の気力と下半身の神経を全て抜き取られた様に感じ、全身の力が抜け、その場に前のめりになった。有希子が、秀夫の髪を掴んで頭を引き上げ、彼の口と顔からパンティを剥ぎ取ると、激しい往復ビンタを喰らわせた。

「ひいぃっ」
情けない悲鳴を漏らした秀夫に、有希子が怒鳴りつけた。
「お前の汚らしい精液で床を汚すなんて、どういうつもりよ!オナニーしろとは言ったけど、射精しろとは言ってないでしょう。汚した床は、お前の舌できれいにおし!」
反抗する気力も奪われた秀夫は、有希子の理不尽な命令通りに、床に這いつくばって、飛び散った自分の精液を舐め取り始めた。精液の生臭い臭いとざらついた床の埃の感触を舌に感じ、あまりの惨めさで恥辱の涙をこぼした。
床に飛び散った精液を大方舐め終えて、秀夫が顔を上げた途端、頬に強烈なビンタが炸裂し、彼は短い悲鳴を上げて、横倒しになった。秀夫に平手打ちしたのは、妻の春香だった。秀夫が呆然と春香を見上げると、彼女は激しい口調で秀夫を罵った。
「何よ!女の汚れたパンティに欲情し、オナニーして射精した上に、自分の精液まで舐め取るなんて、男の、いえ、人間のする事じゃないわ!あんたと結婚してしまった自分に腹が立つわよ、この変態!」

春香は顔を覆うと、足早に洗濯場を出て行ってしまった。彼女の後姿を、秀夫は呆然と見ていた。遂に、愛する春香にまで侮蔑され、見捨てられてしまった…秀夫はこの世から消え去りたい思いに駆られたが、彼が悲しみに暮れる暇を与える程、メイド達は優しくなかった。有希子は一本鞭で床を叩いて、秀夫に冷たく命じた。
「ぼやぼやしてないで、他のパンティをしゃぶって、汚れを薄くしなさい!この調子だと、夜が明けちゃうわよ!」
「は、はい、ただいま…」
鞭音に怯えきっている秀夫は、慌てて他の汚れたパンティに手を伸ばし、自分の口に持って行った。


ようやく全ての洗濯を終えた秀夫は、メイド達の部屋に連れ込まれた。彼はブリーフすら取り上げられ、今は全裸に首輪だけの哀れな格好になっていた。その上、年長の有希子は、許しを得ない限り、常に四つん這いで動くよう、秀夫にきつく命令した。いつ用意したのか、麻美が犬用のリードを持って来て、秀夫の首輪に繋いで引き回したので、まるで人間犬のようだった。
秀夫がメイド達の部屋に入ると、妻の春香は既に部屋に戻っており、隅の方に俯いて座っていた。有希子は、逃走防止のためと言って、秀夫の両手を革紐で後ろ手に縛った。それから、皆の前で恥ずかしげも無く、スカートとパンティを脱ぎ捨てると椅子に座って脚を開き、秀夫の首輪に繋がれているリードを引き寄せた。
「お前のせいで、亭主と離れて暮らしているから、体が火照っているのよ…責任を取って、お前の舌で、この火照りを鎮めなさい!」
有希子に強くリードを引かれ、彼女の陰唇を目の当たりにした秀夫は、眼を白黒させた。彼の戸惑っている様子を、他のメイド達は面白そうに眺めていた。
「歯を立てたりしたら、ペンチで一本残らず引き抜いてやるからね…早く、お舐め!」
散々秀夫を虐めて興奮したのか、有希子の濃い繁みに縁取られた陰唇は赤く充血してめくり上がり、醗酵したような、むっとする強い女の臭いがした。メイド達の残酷さに怯えきっている秀夫に反抗出来る筈も無く、おずおずと舌を伸ばし、彼女の陰唇を舐め始めた。強い臭いのする淫液に咽そうになったが、彼は意識して無我の境地になり、舌を動かし続けた。
「うふふ、やっぱり、変態ね。夢中になって舐めているわ」
「バター犬として、丁度いいみたい。毎晩、使いましょう」
「有希子さん、早く代わってね。私も、男奴隷の舌を試してみたいわ」

奈美恵と恭子と麻美は、嬉しそうにはしゃいで秀夫の舌奉仕の様子を見物したが、妻の春香は部屋の隅から、目を吊り上げて秀夫の醜態を凝視していた。
まもなく、有希子は背を仰け反らせて絶頂に達し、秀夫の髪を両手で掴んで引き寄せ、彼の顔を自分の陰唇に強く押し付けて、余韻を楽しんだ。秀夫は口と鼻を有希子の股間に塞がれて、窒息の恐怖を味わされた。有希子が彼の頭を離し、椅子から立ち上がると、奈美恵が面白そうに秀夫の顔を覗き込んだ。
「あらあら、有希子のおつゆで、顔がベトベトじゃないの…このままじゃ、私が使えないわ」
奈美恵は、濡れタオルで秀夫の顔を拭うと、有希子と同じ様にスカートとパンティを脱ぎ捨て、椅子に座った。彼女は股を開き、リードを引き寄せると、淫乱な表情を浮かべて、秀夫に注意した。

「今度は、私よ。舌だけじゃなく、唇もフルに使って奉仕しなさい…言っておくけど、手を抜いたりしたら、舌と唇をペンチで引きちぎってやるからね!」
秀夫は泣きそうになったが、奈美恵の濡れた陰唇に口を近付け、舌を伸ばして懸命に舐め始めた。
こんな調子でメイド達に舌奉仕を続け、秀夫の舌の付け根が痛み出した。4人のメイド達の淫液は、それぞれ味と臭いが異なっていたが、強烈な女の臭いで秀夫の精神を卑屈に歪ませたのは、共通していた。春香の目の前で、女の陰部を舐めさせられた秀夫は、自分の心が音を立てて軋んでいくのを、漠然と感じていた。
4人目の麻美は、声を上げて絶頂に達し、秀夫の顔を太腿で締め上げた。彼は息が出来なくなり、このまま締め殺されるのではないかと、恐怖に怯えた。秀夫が窒息する寸前、麻美は体の力を抜き、脚を開いて彼を解放した。秀夫は床に横たわり、ゼイゼイと荒い息をした。それでも、ようやく終わったという安堵感を、おぼろげながら感じる事は出来た。
有希子は、女の淫液でベトベトになった秀夫の顔を濡れタオルで拭うと、彼に正座するよう命じた。秀夫が、後ろ手に縛られた不自由な体をよじらせて、何とか正座すると、有希子は彼の股間を指差して、嘲笑った。
「お前は、女のあそこを舐めさせて貰って、余程嬉しかったのね…こんなにビンビンに硬くするなんて」
秀夫は有希子に指摘され、初めて自分が勃起しているのに気がついた。まだ若い彼は、嫌々ながらでも女性器に触れたため、知らず知らず男の反応を示してしまったのだ。

「わあっ、本当にいやらしいわね。この、スケベ!」
「汚れたパンティをしゃぶって興奮する位だから、女のあそこを舐めて勃起するのは当然かもね…やっぱり、変態だわ」
「それにしても、若奥さんの前で、他の女のあそこを舐めて興奮するなんて、節操が無いにも程があるわよ。最低よね!」
奈美恵、恭子、麻美からも口々に嘲られ、秀夫は羞恥心で顔を高潮させて、力無く俯いた。そんな彼の前に、妻の春香が立ちはだかった。秀夫がただならぬ気配を感じ、顔を上げた途端、彼の頬に強烈な平手打ちが炸裂した。
「ひいぃっ」
秀夫は情けない悲鳴を漏らし、再度床へ横倒しになった。春香は怒りに燃えた瞳で秀夫を見下し、大声で罵った。
「何よ!さっきはパンティをしゃぶってオナニーし、今度は妻である私の目の前で、他の女の恥ずかしいところを舐めて興奮しているの!?ほとほと、愛想が尽きたわ。もう、許さない!」
春香は、その場でスカートとパンティを脱ぎ捨てると、秀夫の髪を掴んで引き起こし、椅子に座って脚を広げた。
「他の女のが舐められるのなら、当然私のも舐められるわよね!」
春香は、些かの嫉妬が混じった様な、怒りの声を張り上げた。
「春香…」
秀夫は哀れな目付きで春香を見上げ、許してもらうために話し掛けようとしたが、彼女の怒った眼を見て、諦めてうなだれた。春香は秀夫の髪を両手で乱暴に掴んで、彼の顔を自分の股間に荒々しく引き寄せ、怒気を含んだ声で命じた。
「ぐずぐずしてないで、さっさとお舐め!」

秀夫は、春香との幸せだった夫婦関係が、音を立てて崩れていくのを感じ、無念の涙が眼から溢れ出た。しかし、残酷なメイド達から奴隷根性を叩き込まれた秀夫には、抗う素振りも見せられず、おずおずと舌を伸ばして、春香の陰部を舐め始めた。
「ふんっ、まだ勃起しているのね…本当にいやらしいわ!」
春香は秀夫に陰部を舐めさせながら、右足で彼の硬く屹立したものを踏みにじった。硬く充血して敏感になっている股間のものを、春香の足裏と床に挟まれ、擦る様に踏みにじられた秀夫は、くぐもった呻き声を漏らした。
次に春香は、両足を使って秀夫の屹立したものを足裏で挟み、強くしごき始めた。春香の陰部を懸命に舐めていた秀夫は、思わぬ刺激を受け、舌の動きが止まりそうになった。4人のメイド達は、2人の様子を面白そうに見物していた。
「妻の足であそこを弄ばれて、感じているの?この、変態!」
春香は、両足の裏で挟んだ秀夫のものを、更に力強くしごいた。
「うあぁっ…」
異様な刺激を受けた秀夫は、あっという間に果ててしまい、短い喘ぎ声を上げて、本日2回目の射精をした。彼は全身の力が抜け、前のめりになって、顔面を春香の股間に埋め、体を小刻みに震わせた。
しかし、彼に休息の時間は与えられなかった。春香は秀夫の髪を掴んで、彼の顔を自分の股間から一旦引き離すと、激しい往復ビンタを喰らわせた。

「ひいぃっ」
春香は、哀れな悲鳴を上げた秀夫の顔を、足裏で押しのける様に蹴り、彼を床に転がした。彼女は、横倒しになった秀夫の口元に足裏を押し付け、酷く罵って命じた。
「私はまだイッてないのに、自分だけ何を勝手に射精しているのよ!それに、私の足を汚らしい白い汁で、こんなに汚して…責任を取って、お前の舌で舐め取って、きれいにおし!」
逆らう気力も、人間としての尊厳も、全て失った秀夫は、のろのろと春香の足に付着した自分の精液を舐め始めた。洗濯場と同じに、生臭く度を超えた屈辱の味が口中に広がり、彼の目から涙が止まらなかった。
「若奥さんの足を舐めさせられるなんて、夫どころか、男でもないわね」
「女の足で擦られて射精する変態に、男の資格があるわけないじゃない」
「人間の誇りを、完全に無くしたのね。生きる資格すら無いわよ」
側で見物していたメイド達の嘲りが、秀夫の頭で虚ろに響き、彼が二度と立ち直れない程落ち込ませた。


春香の両足と床に飛び散った精液を全て舐め取らされた秀夫は、有希子から後ろ手に縛ってあった革紐を解かれ、四つん這いになるよう命じられた。
「男奴隷、お前の寝床に案内してあげるわ」
有希子は秀夫の首輪に繋がれたリードを強く引っ張り、必死によたよたと這ってついて来る彼を、物置に使っている小部屋に連れて行った。彼女は、部屋に入った秀夫に古毛布を投げつけ、
「明日も早いから、さっさと寝なさい」

と言ってドアを閉め、外からガチャリと鍵を掛けた。その音は秀夫に、お前は人間ではなく、檻に閉じ込められた動物だと、告げた様に聞こえた。秀夫は古毛布に包まり、横になって目を閉じた。体中の傷が毛布で擦れ、なかなか寝付けなかった。
以前は家族ぐるみで仲良く付き合っていた従業員の奥さん達から、憎しみを込めて酷く嬲られ、愛し合い、支え合ってきた妻の春香からも蔑まれ、愛想を尽かされ、容赦なく虐待された、自分のあまりに惨めな境遇に、涙が込み上げてきた。秀夫は涙で古毛布を濡らしているうちに、いつの間にか寝入ってしまった。


朝になって、不意にドアが開き、秀夫は頭を蹴飛ばされて、目が覚めた。
「いつまで寝ているんだい!男奴隷の分際で、私達より遅く起きるんじゃないよ!」
有希子に怒鳴られた秀夫は、慌てて古毛布を跳ね除け、直ぐに立ち上がった。その途端、強烈なビンタを喰らい、短い悲鳴を上げた。
「ひいぃっ」
「何を偉そうに、人間様みたいに二本足で立っているの!お前はもう、人間じゃなく、最低の男奴隷なんだよ!お許しのある時以外は、常に四つん這いでいるように、言ったでしょう。言う事が聞けないのなら、鞭でお前の身分を教えてやるわよ!」
有希子に叱り付けられた秀夫は、震え上がり、急いで四つん這いになった。

「今から、朝の散歩をするわよ。これは、お嬢様の言いつけだからね!」
有希子はリードを乱暴に引っ張って、芝生が敷き詰められた広い庭に、秀夫を連れ出した。彼は首輪を着けただけの全裸であったが、庭は高い塀で囲まれていたので、外から見られる心配は無かった。
庭には、既に他のメイド達と春香が、秀夫を待ち構えていた。この時、彼は彼女達がメイド服ではなく、Tシャツとハーフパンツにスニーカーと、ジョギングでもする様な格好をしているのに気づいた。しかし、彼女達がそれぞれ鞭を手にしていたので、ただジョギングをするのではない事は、一目瞭然だった。

「さあ、散歩を始めるわよ。犬らしく、とっととお走り!」
有希子はリードを引き、四つん這いになっている秀夫の先導をして、足早に歩き出した。リードを強く引かれ、首輪で喉を絞められそうになった彼は、慌てて手足を動かし、有希子の後を追った。その時、奈美恵が乗馬鞭で彼の尻に、鋭い一撃を見舞った。
「ぎゃあっ」
尻に焼け火箸を押し付けられた様な激痛を感じた秀夫は、哀れな悲鳴を上げて芝生へ横倒しになり、両手で尻を押さえて体を丸くした。彼の尻に、赤い筋が見る見るうちに浮かび上がった。奈美恵は、横倒しになった秀夫の頭をスニーカーで蹴り、叱りつけた。
「横着に膝を地面に着けるんじゃないわよ!犬は、膝を地面に着けたりしないでしょう。犬らしく、手のひらと足裏だけで、走りなさい!」

秀夫は泣きたくなるのを堪えて、奈美恵に命じられた通りに、腰を高く上げ、手のひらと足裏だけを芝生に着けて、四つん這いになった。有希子はニヤリと笑って、面白そうに声を掛けた。
「うふふ、少しは犬らしくなったわね…さあ、行くわよ!」
有希子はリードを引っ張りながら、小走りに進んだ。秀夫は急いで彼女について、這って行った。膝を着けずに腰を上げているので、自然に尻を左右に振って、這い進む格好となった。彼の珍妙な格好を見たメイド達は、どっと笑った。
「ああ、可笑しい…でも、男が真っ裸でお尻を振りながら這い回るなんて、醜悪だわね」
「女の前で、股の醜いものをブラブラさせるなんて、本当に恥知らずだわ」

「若奥さんの前で、よくこんな見苦しい姿を晒け出せるわね。最低の変態!」
メイド達の嘲りが秀夫の頭にこだまして、眼の奥が熱くなり、涙が込み上げて来た。しかし、鞭のお仕置きに怯え切っている彼には、尻を振りながら這い進む醜態を、メイド達に見せる事しか出来なかった。春香は黙り込み、怒りと侮蔑の目で秀夫を凝視していた。
有希子にリードを引かれ、汗だくになりながら這い回っていた秀夫だが、途中で耐え難い尿意に襲われた。彼は寝る前にトイレへ行かせて貰えなかったので、膀胱がはち切れんばかりに張っていた。秀夫はかなり躊躇ったが、強烈な尿意には勝てず、有希子に恐る恐る申し出た。
「あの…すみません、トイレに行かせて下さい…おしっこが漏れそうなんです…」
有希子は歩みを止め、秀夫に振り返った。
「何ですって?お前をわざわざ散歩に連れて行ってあげている途中で、随分図々しい事を言うわね。少しは、分をわきまえなさい…と言っても、生理現象だから、仕方ないか…こっちへ、おいで!」
有希子は塀沿いに植えられている立ち木まで、秀夫を引っ張って行った。
「この木に向けて、おしっこしなさい。犬らしく、片足を上げてね」
有希子は邪悪な笑みを浮かべ、秀夫に酷い命令を下した。秀夫は顔色を変えたが、抗える筈も無く、尿意が限界まで来ていた事もあり、命じられた通りに立ち木に向けて、片足を上げた。その屈辱的な格好で、勢いよく放尿すると、メイド達から再び笑い声が上がった。
「本当に、犬みたいにおしっこしているわ。もう、人間を止めたのね」
「それにしても、女の前で平気でおしっこ出来るなんて、人間としての最低限のプライドさえ捨てたみたい」
「春香さんも、よくこんな最低の男と結婚したわよねぇ」

メイド達の嘲笑と蔑みの声で、秀夫は胸をズタズタに切り裂かれる思いで、堪えていた涙が目からこぼれ落ちた。秀夫が長い放尿を終えて、足を下ろすと、恭子が乗馬鞭で股間のものをつついて、命令した。
「まだ、おしっこの雫が垂れているわよ。腰を振って、きちんと雫をお切り!」
秀夫は恥辱で顔を真っ赤にしながらも、命じられた通りに腰を上下に振って、尿の雫を切った。その滑稽な姿に、メイド達は又も大笑いし、あまりの惨めさに秀夫は嗚咽を漏らした。笑わなかったのは、恐い顔で秀夫を凝視している春香だけだった。
この時、玄関の扉が開き、麗奈が庭に出て来た。彼女は、黒色ジャケットと白色乗馬ズボンを着こなし、乗馬用の帽子を被り、鋭い拍車が取り付けられた膝まで丈のある黒色乗馬用ブーツを履いていた。長身で目鼻立ちの派手な麗奈は、乗馬スタイルが実に似合っており、英国貴族が狐狩りに出かける様な、威厳のある雰囲気を醸し出していた。
有希子はリードを引っ張り、四つん這いの秀夫を麗奈の前に連れて来た。

「お早うございます、お嬢様…男奴隷、何をぼうっとしているの!お嬢様の前で、チンチンしてご挨拶おし!」
有希子に怒鳴られた秀夫は、恥ずかしさを堪え、麗奈の前でチンチンのポーズを取った。
「あはは、大の男が女性の前で、股のものをぶらぶらさせて、犬みたいにチンチンするなんて、恥ずかしくない?恥も外聞も捨て去ったなんて、本当に奴隷らしくなったわね」
麗奈に嘲笑われた秀夫は、度を越えた恥辱に、耳まで顔を赤くして、体を振るわせた。有希子が、些か得意げに話した。
「私どもが、昨日から苦労して躾けましたので、奴隷の身分が少しは分かった様です…それで、お嬢様の言いつけ通りに、犬として散歩させ、ウオーミングアップは済んでおりますので、早速馬としてお使いになりますか?」
「そうね、お願いするわ」
麗奈から返事を貰った有希子は、後ろを向いて、他のメイド達に指示を出した。彼女達は、前もって打ち合わせしていたみたいで、玄関から革製品を取り出すと、手分けして、秀夫の顔に手綱付きのハミを、膝にはパットを、手にはグローブをと、手際よく装着した。
秀夫の首からリードを取り外した有希子は、彼に厳しく命じた。
「さっさと、四つん這いになって、お嬢様の馬の役目をするのよ!途中で勝手に休んだり、へたばったりしたら、ただじゃ済まないからね!」
青ざめた顔をした秀夫が四つん這いになると、麗奈は彼の背中に跨り、手綱を手に取って、恭子から乗馬鞭を受け取った。麗奈は秀夫の尻に一鞭浴びせ、勝ち誇った様な声で命じた。
「さあ、馬らしく、とっととお走り!」
尻に焼け付くような痛みを与えられた秀夫は、慌てて手足を動かし、這い進んだ。出来るだけ速く進んだつもりだったが、麗奈は満足しなかった。
「何をとろとろ歩いているの!これじゃ、馬ではなく、のろまな豚じゃないの!もっと、速くお走り!」
麗奈は秀夫を叱咤すると、鋭い拍車を彼の脇腹に突き立てた。口にハミを咬まされている秀夫は、くぐもった悲鳴を漏らし、懸命に手足を動かした。成人女性の体重を背中に乗せて四つん這いで進む秀夫に、スピードを要求する事自体が無茶であった。しかし、残酷な麗奈は、無茶を承知で秀夫に命令し、彼が苦しむ姿を楽しんでいた。息を切らし、大汗をかいて、よたよた這い進む秀夫に、麗奈は容赦なく乗馬鞭を浴びせ、拍車を突き立てた。直ぐに彼の尻は赤い筋で覆われ、脇腹は傷だらけとなり、血が滲んだ。
「止まれ!」

麗奈は、不意に手綱を強く引き、秀夫を停止させた。彼女は見物しているメイド達に、酷い指示を出した。
「この馬に、尻尾を付けてあげるのを忘れてたわ…誰か付けてあげて」
彼女の指示を聞いた麻美が、一旦玄関に入ると、毛の房が付いた固いゴム製品を手にして出てきた。それは、まるで屹立したペニスの様な形をしていた。彼女は、背中に麗奈を乗せて、四つん這いになっている秀夫の後ろ側に回った。
「男奴隷、お嬢様のお慈悲で、お前に尻尾を付けてあげるわよ」
麻美は秀夫の尻たぶを広げ、彼の肛門にゴム製品を当てがった。秀夫は、本能的に肛門を狭めた。すると、麻美は左手を伸ばして彼の陰嚢を掴み、じわりと握り締めた。

「力をお抜き!言う事を聞かなかったら、睾丸を握り潰してやるわよ!」
「ぐううっ」
睾丸を圧迫された痛みで、秀夫はくぐもった呻き声を漏らし、麻美の言いなりに肛門の力を抜いた。彼女は、すかさずゴム製品を、右手で力強く秀夫の肛門に押し込んだ。

「ぐもおぅっ」
ワセリン等の潤滑剤も塗っていない、勃起したペニスの形をしているゴム製品を、無理やり肛門に挿入された秀夫は、あまりの痛みに再度くぐもった呻き声を漏らした。麻美は、ゴム製品が抜け落ちないように、深く押し込むと、秀夫の体から離れた。
「お嬢様、男奴隷に尻尾を付けました」
麻美の報告を聞いた麗奈は、満足そうな微笑を浮かべ、秀夫の尻に乗馬鞭の一撃を浴びせた。
「男奴隷、尻尾を付けてもらって、嬉しいでしょう。今度こそ、馬らしくお走り!」
尻に焼け火箸を押し付けられた様な痛みを感じた秀夫は、すすり泣きながらも手足を動かして、這い進んだ。しかし、肛門に突き立てられたゴム製品が、体を動かす度に直腸内で擦れ、彼を酷く苦しめた。それでも、麗奈の鞭と拍車が秀夫の歩みを止める事を許さず、彼は体の外側と内側を同時に痛めつけられながら、よたよたと這い進んだ。
「うふふ、お尻に尻尾を差し込まれて、馬にされるなんて、完全に人間じゃないわよね」
「お嬢様の乗馬が済んだら、私達もこの男奴隷に乗って、遊ばせてもらいましょうよ」
「それまで、この男奴隷のお尻と脇腹が保てばいいけどね…もう、地肌が見えないくらい血に染まっているわ」
見物しているメイド達の勝手な言い草が、体力の限界ぎりぎりに這い進んでいる秀夫の耳に遠く響いた。
麗奈を背にして、広い庭を必死に這い回っていた秀夫であったが、さすがに限界が来た。不意に目の前が真っ白になり、そのまま芝生の上にうつ伏してしまった。
「何するのよ!危ないじゃないの!」

転げそうになった麗奈は激怒し、立ち上がって、彼の背中を乗馬鞭で何度も打ち据えた。秀夫は背中に焼け付くような激痛を感じたが、半分意識を失っている彼にはもう、身動きすら出来なかった。さすがに見かねた有希子が、麗奈に意見した。
「お嬢様、もう、そのくらいで…この男奴隷は、本当に限界みたいですよ。お仕置きは、こいつが目を覚ましてから、たっぷりしてやりましょう」
有希子の言葉で些か冷静になった麗奈は、鞭を止め、乗馬用ブーツで秀夫の頭を蹴飛ばした。
「男奴隷、体を起こして、正座しなさい!」
秀夫は、半ば意識を喪失している状態であったが、麗奈に命令され、催眠術にでも掛かったかの様に、空ろな目でよろよろと上体を起こし、何とか跪いた。麗奈は、メイド達に声を掛けた。
「あなた達、男奴隷の体から、乗馬用具を全て外してやって」
メイド達は秀夫に駆け寄ると、分担して手際よく、彼の体に装着された革製品を全て取り外し、肛門からゴム製品を引き抜いた。メイド達が秀夫から離れると、麗奈は彼に力強い往復ビンタを浴びせた。
「ひえぇっ」
情けない悲鳴を漏らした秀夫に、麗奈は目を吊り上げて叱りつけた。
「勝手に休んだり、へたばったりしたら、ただじゃ済まさないと、言っておいたでしょう!何で勝手に、へたばったのよ!」
ビンタの衝撃で頭がクラクラしながらも、秀夫は必死に許しを請うた。
「も、申し訳ございません…もう、体力の限界で、意識が飛んでしまったのです…どうか、お慈悲を…」
そこで、麗奈は悪魔的な笑みを浮かべた。
「そう…私にだって情けはあるわよ。お前が、絶対的な忠誠心を示してくれるのなら、許してあげるわ」
「な、何でもします…お許しを頂けるのなら、何でも…」
秀夫は、溺れる者がわらをも掴む気持ちで、麗奈の足元で土下座して、慈悲を請うた。彼女は、やけに優しそうな口調で、秀夫に命じた。

「お前も大汗をかいて、喉が渇いたでしょう?今から、メイドさん達に、こうお願いしなさい。『お願いですから、私を便器にして、おしっこを飲ませて下さい』ってね…それが出来たら、お前に忠誠心があると認めてあげるわ」
秀夫は、一瞬で顔を青くした。
「いくら何でも…そんな事は…」
確かに喉はカラカラではあったが、メイド達におしっこを飲ませて欲しいと頼むなんて…躊躇している秀夫の前で、麗奈は乗馬鞭を空中で振り、ブーツで芝生をドンと踏みしめて、怒鳴った。
「この私が、男奴隷のお前に情けを掛けてあげるというのに、それを蹴るつもりなの?それなら、肛門に物干し竿を突っ込んでから、手と膝の骨が出るまで、馬として這い回らせてやるわよ!覚悟しなさい!」
秀夫は震え上がって、再度麗奈の足元で土下座し、必死に哀願した。
「申し訳ございません。言われた通りにします。どうか、お許しを…」
麗奈は乗馬用ブーツで、秀夫の頭を踏みにじり、勝ち誇った声を出した。
「ふんっ、最初からそういう態度をすればいいのよ…さっさと、メイドさん達にお願いおし!」

彼女が秀夫の頭からブーツを外すと、彼は急いでメイド達の元へ這い寄った。
「お、お願いします…私を…便器にして…お、おしっこを飲ませて下さい…」
秀夫が恥じも外聞も捨てて懇願する様子を、メイド達は腹を抱えて大笑いした。
「ねえ、聞いた?こいつ、私達のおしっこが飲みたいんだって!」
「自分から女の便器になりたいとお願いする男なんて、今まで見た事が無いわ。最低の変態よ!」
「犬でも、おしっこなんて飲まないわよ。こいつは、犬畜生以下ね!」
メイド達の笑い声と蔑みが、秀夫の胸を深く抉って傷つけたが、今の彼には男のプライド云々にこだわる余裕は無かった。メイド達の尿を飲ませてもらえなかったら、麗奈からどれ程酷いお仕置きを受けるのか、それが恐ろしかった。彼は、再びメイド達に懇願した。

「お願いします…どうか、私を便器に使って下さい。おしっこを飲ませて下さい…お願いです」
メイド達はニヤニヤ笑いながら、土下座して懇願する秀夫を見下ろしていた。
「便器に使って下さいと言われても、皆の前でわねぇ…」
「お前と違って、私達は恥を知っているから、人前でおしっこなんか出来ないわよ」
「お前みたいに、人間の尊厳を捨て去れば、出来るでしょうけど…」

メイド達は秀夫を嘲笑いながら固辞したが、その中の一人だけが進み出て、秀夫の前に立ちはだかり、
「私が飲ませてあげるわ」
と宣言した。それは、意外にも妻の春香だった。麗奈も他のメイド達も意外そうな顔で春香を見つめたが、彼女は跪いている秀夫の前で、何の恥ずかしげも無く、ハーフパンツとパンティを膝下まで一気に下ろし、両手で秀夫の髪を掴んで、彼の顔を自分の股間に引き寄せた。秀夫の鼻と口は、春香の濃い茂みに埋められ、彼は目を白黒させた。
「口を大きく開けるのよ!」
秀夫は、愛しい春香の手で便器にされる事を実感し、愕然とした。春香は秀夫を見下ろし、言い聞かす様に話しかけた。
「秀夫さん、あなたと夫婦になったために、工務店の苦しい経営で散々苦労させられ、多額の借金も背負わされ、ヤクザから脅かされ、ここでメイドとして働かされるようになった…なぜ、あなたと結婚したのか、もう分からなくなったわ。せめて、男らしいところを見せてくれれば、こんな気持ちにはならなかったけど、昨日からあなたの醜態を見せられて、本当に愛想が尽きたわ。今は、あなたと結婚したのを、凄く後悔している。もう、私達はお終いよ。今からあなたに私のおしっこを飲ませて、夫婦の絆を断ち切ってやるわ!」

不意に、春香の陰唇から尿が吹き出て、秀夫の開いている口に流し込まれた。強烈なアンモニア臭のする尿を口に入れられた秀夫は咽返りそうになったが、吐き出した場合の懲罰を恐れ、必死に飲み下した。朝方の濃い尿は、口中と鼻孔にきつい臭いを充満させ、喉を焼き、胃にどんどん溜まっていった。春香の尿を飲まされている秀夫は、自分が愛する妻から完全に愛想尽かしされ、便器に落とされてしまった事を実感し、悲しさと無念さで目から涙が溢れ出た。
秀夫が永遠とも感じた、春香の長い排尿が終わると、彼女は一旦秀雄の顔を引き剥がし、強い口調で命令した。
「おしっこを飲み終えたら、お前の舌で後始末しなさい!」
春香は再び秀雄の顔を、自分の股間に押し付けた。秀雄は春香に見捨てられたショックで何も考えられず、命じられた通りに舌を伸ばして、彼女の尿で濡れた陰部を舐め始めた。春香は自分の股間に舌を這わす秀雄を見下ろし、自分自身にも言い聞かせる様に、話し掛けた。

「秀雄さん…いえ、男奴隷!お前は私のおしっこを飲んだのよ。これで、お前はもう、私の夫どころか人間ですらなく、最低の便器になったのよ。これから、最低の男奴隷の身分を、お前の体に思い知らせてやるからね。それが、私に対するお前の償いよ!」
秀雄は春香の陰部をひたすら舐め続け、舌にきつい尿の味が広がるのを感じながら、涙を流して彼女の決別宣言を呆然と聞いていた。


そろそろ朝食の時間が迫り、麗奈とメイド達はそれぞれシャワーを浴び、食卓についた。秀夫は、庭の水道ホースで水を掛けられて、古タオルで体を拭かれて、ダイニングルームの隅で正座させられていた。女性達は朝食を済ますと、麗奈は高級外車に乗り込んで出勤し、メイド達は家事全般に取り掛かった。残飯の朝食を食べ終えた秀夫も家事に駆り出されたが、鞭を持ったメイドの監督付きだった。その監督役には、何と春香が志願した。彼女は秀夫の些細な粗相にも容赦せず、厳しく叱りつけ、彼の体に鞭を浴びせた。
「お前は、私がまだ自分の妻だと思って、甘えがあるみたいね。その甘えを、取り払ってやるわ!」
以前の可愛らしく優しい春香とは別人の様に彼女は、秀夫が土下座して泣いて許しを請うまで、非情に鞭を振るった。半日も経たずに、秀夫は怯えながら春香の顔色を窺う、卑屈な男奴隷に成り下がった。

夕方になり、帰宅した麗奈は、メイド達から春香が秀夫を厳しく躾けた様子を聞いて、満足そうに微笑んだ。夜になり、麗奈は寝室に秀夫を引き入れた。秀夫は逃走防止のため、革紐で後ろ手に縛られ、両足にも手錠が嵌められていた。
麗奈はネグリジェの裾を上げて、パンティを脱ぎ捨て、ベッドの端に腰掛けると、脚を開いて、秀夫の首輪に繋がれたリードを引き寄せた。彼女は秀夫の顔を自分の陰部に引き付けた。
「丁度、生理が始まったの…お前の舌でメンスの血を舐め取って頂戴」
拘束されている秀夫は、抗う事も出来ず、麗奈の陰部に口をつけた。その途端、腐った魚の血と錆びた鉄を混ぜた様な味が口中に広がり、吐き気がこみ上げて、体が震えた。しかし、奴隷根性を叩き込まれ、麗奈のお仕置きを恐れている秀夫は、吐き気を我慢して舌を伸ばし、彼女の陰部を犬の様に舐め始めた。次々に染み出てくる生理の経血を舐め取っている秀夫は、あまりの惨めさに、涙で視界がぼやけた。
麗奈は自分の陰部を舐め続けている秀夫を、勝ち誇った表情で見下しながら、話し始めた。

「お前は以前、私は性格が悪いから結婚出来ない、自分は幸せな結婚生活を送っている、と偉そうに言ってたわね…その愛しい奥さんから、厳しく鞭打たれる気分は如何かしら?」

麗奈に問い掛けられた秀夫は、思わず体を震わせた。彼女は、面白そうに話を続けた。
「我が宮城グループにとって、お前のちっぽけな工務店の取引先と金融機関に圧力を掛けて、倒産に追い込むなんて、巨象が蟻を踏み潰すより簡単な事よ。それなりにお付き合いのある裏社会の人達に、お前の債務を集めさせる事もね…」
やはり、そうだったのか…秀夫は麗奈に再会してから、坂道を転がり落ちる様に工務店の経営が行き詰った事で、彼女の影を薄々とは感じていた。

「お前が解雇した従業員の再就職も、妨害してやったわ。それで、生活に困窮した従業員の奥さん連中にお前の悪口を散々吹き込んでから、高給でメイドとして迎え入れたのよ。彼女達は、お前への恨みと私への恩義で、お前を虐め抜いてくれたわ…彼女達には、お前の愛しい春香さんに、お前の醜悪な姿を見せつける様にお願いしてたの。予想以上に、春香さんは、お前を見下げ果てたみたいね」
秀夫は麗奈の陰部を舐めながら、無念さで涙が込み上げた。

「お前が、家族同然に仲良くお付き合いしていた元従業員の奥さん達と、愛し合っていた自分の奥さんに虐められるなんて、最高だわ…こうやって下々の者達がお互いにいがみ合っていれば、上位者の立場は安泰だというのは、父から習った帝王学よ。中国の古い言葉で「豆を煮るのに、豆殻を焚く」と言うんですって。面白いでしょう」
麗奈の勝ち誇った口調に、秀夫は怒りと屈辱で顔を紅潮させた。彼女は、まだ楽しそうに話を続けた。
「人間は、生まれながらに身分が決まっているの。お前は、小中学校の時から変わらず、いじめられっ子の身分だったのよ…そうそう、明日から、お前は水を飲ませてもらえなくなるわ。水分補給は、全てメイドさん達のおしっこを飲ませてもらうようになるからね。それと、お前の餌には、必ずメイドさんのおしっこを掛けてもらえるわよ。嬉しいでしょう。これはね、お前の奥さんである、春香さんからの提案なのよ。ホホホ…」

麗奈の陰部を舐め続けている秀夫の頭に、彼女の高らかな笑い声が空ろに響いた。
春香が、そこまで自分を追い込むなんて…生臭い生理の経血を味わされている秀夫は、絶望で意識が奈落の底まで落ちていくのを感じていた。


                                                    おわり