幻   覚

作者 namelessさん
池永孝之はコットンシャツの袖で額の汗を拭い、一歩前を歩いている女性に喘いだ声を掛けた。
 「美里さん、一息入れようよ…それにしても、美里さんの実家がこんなに山奥だとは、想定外だったな」
 孝之に話し掛けられた中谷美里は、振り向いて白い歯を見せて笑い、彼を叱咤激励した。
 「孝之君、この程度の山歩きで疲れたなんて言ったら、男のくせに情けないわよ。後少しで到着するから、もう少し頑張って。中途半端に休むと、余計にきつくなるからね」

 「やれやれ、分かったよ…しかし、美里さんはタフだね」
 今年で21歳になった孝之は、同級生の美里に促され、息が切れそうになりながらも、山道を歩き続けた。大学3年生の孝之は、子供の時から色々な民族の独特な風習に興味があり、将来は文化人類学の研究者になりたいと考えていた。その夢の実現のために、同年代の男子学生が車だ、合コンだと浮かれて遊んでいるのを尻目に、ゼミの研究室で色々な文献に熱心に目を通して、研究論文を作成していた。

 そんな彼に、何かとアプローチしてきたのが、同じゼミの中谷美里だった。彼女はナイスバディの結構な美人だったので、多くの男子学生が言い寄って来たが、全て適当にあしらって相手にしなかった。しかし、端正な顔立ちで、生真面目に研究に勤しむ孝之に、他の軽薄な男子学生とは違う魅力を感じたのか、彼女の方から近づいて来て、恋人として付き合い始めるようになったのだった。
 孝之も男なので、美里みたいな美人にアプローチされるのは悪い気分ではなかったが、研究者になる夢を持っている彼は、今は学問に打ち込む時期と、彼女に深入りする事は無かった。それを、美里はもどかしく思っていた。

 夏休みに入る直前、美里は孝之に、自分の故郷は山に囲まれた僻地の集落で、昔は他の村落との交流が殆ど無く、巫女の神託で集落を統治する、女性上位の独特な風習があり、自分の実家は代々その巫女を務めていたと話した。まるで邪馬台国みたいだと、好奇心を掻き立てられた孝之は、是非故郷に案内して欲しいと美里に頼み込んだ。夏休みに入り、快諾した彼女と共に列車とバスを乗り継ぎ、途中から山歩きで、彼女の故郷に向かったのだった。

 しかし、スポーツ好きで体力のある美里とは対照的に、普段から机にかじり付いている孝之には、山歩きは負担が大き過ぎた。先に歩いている躍動感溢れた美里の身体を後ろから見ている孝之は、痩せて体力の劣っている自分の肉体を、男として内心恥ずかしく思った。
 喘ぎながらも、気力で美里の後を付いて山道を歩いていた孝之だったが、急に視界が開け、目を見開いた。彼の眼下には、眩しい青空の下できれいな棚田と濃い緑の段々畑が広がり、伝統的な日本家屋が点在していた。正に、美しい日本の原風景だ…都会育ちの孝之は、うっとりと山間の集落に見とれた。

「さあ、着いたわ。あそこの家が、私の実家よ」
 美里は、神社と隣り合っている大きな家屋を指差し、さっさと下り坂を降り始めた。孝之は我に返り、慌てて彼女の後を付いて行った。美里の実家に着くまで、数人の村人と擦れ違い、会釈して挨拶を交わしたが、なぜだか全て女性ばかりだった。
 美里の実家に到着すると、彼女の母親が愛想よく出迎えてくれた。母親は初代と名乗り、年齢は47歳という事だが、まだ三十代前半に見える清楚な美人だった。美里の美貌は、母親譲りなのが窺えた。

 居間に通された孝之は、出された冷たい麦茶を一気に飲み干して、一息ついた。彼は美里を交えて初代としばらく雑談し、山歩きの疲れが癒されたところで、神事に使われる隣の神社を見せて欲しいと頼んだ。初代は快く了承し、孝之を隣の神社に案内して、彼の色々な質問に答えた。孝之は熱心にメモを取り、保管されている書状や巻物や、神事に使用される数々の道具をデジカメで撮影した。
 この集落は、最初は邪馬台国の卑弥呼の様に、トランス状態となった巫女の神託に民が従っていたが、時代の移り変わりと共に、神道や仏教や戦国時代に入ってきたキリスト教等の、一部の思想や儀式が、おそらくは行商人を通じて流入し、混ざり合い、独自の進化を遂げたものと、孝之は推測した。世紀の大発見とはいかなかったが、孝之は興味深く調査し、調べ終えた頃は、既に夕方になっていた。
 用意された夕食の席に着いた孝之は、初代に謝った。
「こんなに遅くなってしまい、申し訳ありません。つい、夢中になってしまいまして…」
 初代は、愛想のいい笑顔で応じた。
「いいえ、全く構いませんよ…それにしても、熱心に研究する殿方のお顔は素敵ね。美里が惚れる筈だわ」
「ちょっと、止めてよ、お母さん!」
 美里は顔を赤らめて、母親に抗議した。苦笑した孝之は、ふと初代に尋ねた。
「ところで、この集落に着いた時、女性ばかりで男性の姿を全く見掛けなかったのですが、何か理由でもあるのですか?」
 初代は些か顔を翳らせて、答えた。
「この村も仕事が無くてね…農業だけではとても生活出来ないから、私の夫もだけど、村の男衆は昔から出稼ぎしているの。残っているのは女子供ばかりで、村議会の運営は女だけで行っているし、議長は代々巫女を司ってきた我家がしているの。だから、今は私が村長なのよ」
「…そうだったんですか。色々と大変なんですね」 
 美里が話していた女性上位の気風は、留守がちな男性の代わりに女性が村の運営を仕切っている事から成り立ったのが、孝之にはおぼろげながら理解出来た。
「さあ、鍋が煮えたわ。この村の名物で、しし肉入りのキノコ鍋よ。こんな粗末な田舎料理は、都会の人の口に合わないかもしれないけど…」

「とんでもありません!これ程の素晴らしい郷土料理は、街中では食べられませんよ。正に御馳走ですね。遠慮無く、頂きます」
 孝之は食欲をそそる匂いに鼻をくすぐられ、待ち切れない様に箸を伸ばし、自家製の味噌で味付けされたキノコ鍋に舌鼓を打った。美里が孝之にビールを注いでくれ、彼は旺盛な食欲を示して、初代を喜ばせた。ビールでほろ酔いとなった孝之が、初代に自分が取り組んでいる研究のテーマを説明している最中、不意に目の前が暗くなり、意識を失ってしまった。


 不快な頭痛を感じ、板敷きの床に横たわっていた孝之は目を覚ました。一体、どうしたんだ…彼は痛む頭に手をやり、体を起こした。まだ、よく焦点の定まらない目で周囲を見回した孝之は、驚愕した。そこは、初代に案内された神社の広い板の間で、壁沿いに並べられた多数のローソクの光が、彼を中心に円陣となって正座している、美里を含む数人の女性達と、一段高い祭壇に腰掛けて座っている初代を照らしていた。

 異様なのは女性達の姿で、彼女達は全員が赤い腰巻を着けただけの裸体であり、恥ずかしげも無く、豊満な乳房を露出していた。唖然としている孝之を見据えた初代が、厳かに口を開いた。
「やっと目が覚めた様ね…皆さん、大変お待たせしました。ただ今から、神事を行います」
 ようやく頭がはっきりした孝之は、自分が一服盛られて昏睡させられた事が分かり、立ち上がって大声を出した。
「僕をこんな目に遭わせて、一体どういうつもりですか!」
 初代は孝之を見下し、嘲笑った。

「見苦しいものをぶらぶらさせて、一人前の口を利くものじゃないわよ、坊や」
 その時に初めて、孝之は自分が一糸まとわぬ全裸にされている事に気づき、恥ずかしさで顔を赤らめ、慌てて両手で股間のものを隠した。
「皆の衆、制圧の儀!」
 初代の厳かな声が板の間に響き、孝之を取り囲んで正座していた女性達が一斉に立ち上がった。孝之の正面に立った美里が、形の良い乳房を誇らしげに突き出し、凛とした声で彼に告げた。
「孝之君、この村に一歩踏み込んだ男は皆、家畜奴隷にされるの…痛い目に遭いたくなければ、土下座して絶対服従を誓いなさい」
「美里さん、何を訳の分からない事を言っているんだ!?」
 美里は、大声で抗議した孝之の頬を、平手で思い切り引っぱたき、怒鳴りつけた。
「人が優しく諭してあげているのに、その態度は何よ!痛い目を見ないと、ものが分からないの!」

 恋人として付き合っていた美里に頬を張られ、理不尽な事を言われた孝之は逆上し、彼女に掴み掛かった。しかし、強烈な下突きをみぞおちに喰らい、呻き声を漏らして、その場にしゃがみ込んだ。身体に広がる痛みに耐え、何とか立ち上がろうと、孝之が床に手を着いて顔を上げると、威力のある踵蹴りが首筋を襲い、横にふっ飛ばされた。
「ぐわあぁっ」
 呻き声を上げて、床に横倒しになった孝之の腹を、美里は何度も蹴りつけて罵った。
「男のくせに、女に負けて恥ずかしくないの?早く立ちなさいよ!」
 他の女性が美里の肩を叩き、彼女を諌めた。
「美里ちゃん、最初から飛ばし過ぎよ。久しぶりの男が壊れちゃうじゃないの。私達にも楽しませてよ」
 些か冷静になった美里は、少し顔を赤らめて、声を掛けた女性に場所を譲った。その女性は、集落の道で擦れ違った、三十半ばの気の良さそうな農婦だった。

「軟弱な坊や、さっさとお立ち!」
 女性に嘲るような声を掛けられた孝之は、頭に血が上り、歯を食いしばって、ふらつきながらも立ち上がった。しかし、立ち上がった途端、女性の連続突きが目にも留まらぬスピードで孝之の顔面とボディを襲い、彼は短い悲鳴を漏らして、両腕で顔面をカバーした。すると、女性は孝之の片腕を掴み、柔道の一本背負いの要領で彼を投げ飛ばし、背中から板床に叩き付けた。
「ぐえぇっ」
 背中を強打した孝之は、カエルが踏み潰された様な呻き声を上げて、悶絶した。女性は苦しんでいる孝之の顔を、素足で踏みにじって嘲笑った。
「坊や、もう、お仕舞いかい?都会の若い男は、本当にひ弱だね」
 女性の侮蔑の言葉が孝之の胸を深く抉り、彼は口惜しさで目の奥が熱くなった。他の女性が、孝之を踏みつけている女性の肩を叩いて、注意した。
「ちょっと、朋子さんも飛ばし過ぎよ。坊やを壊すのは早過ぎるわ。私にも回して頂戴」
「…分かったわよ」

 朋子と呼ばれた女性は、孝之の顔を踏み付けていた足を外し、彼から離れた。代わりに孝之に近づいた四十代前半の女性は、仰向けに倒れていた彼の頭を蹴って、怒鳴りつけた。
「いつまで寝てるんだい、坊や!甘ったれてないで、とっとと起きなさい!」
 女性から頭を足蹴にされた屈辱で、顔を真っ赤にした孝之は、よろめきながらも気力で立ち上がった。
「行くわよ、都会育ちの僕ちゃん!」
 女性は鋭い前蹴りを、ふらついている孝之の下腹に喰らわせ、呻き声を漏らして前屈みになった彼の側頭部へ、赤い腰巻を撥ね上げて、豪快な回し蹴りを放った。
「ひいっ」
 短い悲鳴を上げてふっ飛ばされた孝之は、脳震盪を起こして又も床に倒れた。しかし、彼に気絶を許して楽にさせてやる程、女性は優しくなかった。彼女は倒れた孝之に飛び掛り、素早く腕を取って関節技を決めた。
「ぎゃあーっ」
 腕と肩をバラバラにへし折られそうな激痛に、気絶すら許されない孝之は絶叫を上げた。
「ちょっと、早苗さん、やり過ぎよ。坊やを私達まで、ちゃんと回してよ」
「まだ全然もの足りないけど、仕方無いわね…」
 早苗と呼ばれた女性は、関節技を解いて孝之の腕を引き上げ、彼を無理やり立たせた。空ろな表情でふらつきながら立っている孝之の前に、三十代後半の女性が立ちはだかった。
「もやしみたいな坊や、少しは男らしく歯応えのあるところを見せてご覧!」
 女性は孝之を叱咤すると、獰猛に襲い掛かった。


 美里を含む7,8人の女性全員に叩きのめされた孝之は、全身打撲で身動き出来なくなって、喘ぎながら床に横たわっていた。孝之の耳に、初代の得意げな声が響いた。
「ホホホ、都会の軟弱な坊や、この村に伝わる古流の柔術は楽しめたかしら…」

 体中の痛みと、女に負けた口惜しさで、孝之の目から無念の涙がこぼれた。しかし、彼の難行苦行は、これからが本番だった。初代が再び厳かな声で、女性達に指示した。
「皆の衆、鞭撻の儀!」
 横たわって喘いでいる孝之を囲む女性達の手には、いつの間にか不気味に黒光りする一本鞭が握られていた。
「行くわよ!」
 美里が口火を切り、女性達は一斉に鞭を振り上げた。横たわっている孝之が目を見張ると、複数の一本鞭が空気を切り裂き、彼の体へ同時に叩き込まれた。
「ぎゃあぁーっ」
 体中を焼けた刃物で瞬時に切り刻まれた様な激痛を味わされた孝之は、絶叫を上げ、身悶えして苦しんだ。女性達は情け容赦なく、次々と孝之の体に鞭を打ち込んだ。
「うわあーっ、止めて、止めてくれ、ひいぃーっ、助けてくれーっ」
 体中を切り裂かれ、生肉を削ぎ取られる様な激痛に、孝之は頭を抱えて泣き喚き、女性達へ必死に慈悲を請うた。しかし、孝之の悲鳴と哀願で逆に触発されたのか、女性達は更に気持ちを昂ぶらせて、上気した顔で乳房を揺らし、残酷に鞭を振るい続けた。
「皆の衆、止めなさい!」

 初代の凛とした声が響き、興奮して孝之を鞭打っていた女性達の手が、ようやく止まった。孝之の全身には、縦横無尽に鞭の条痕が刻み込まれ、彼は息も絶え絶えでボロ雑巾の様に床にのびていた。鞭痕で体中が引きつり、まともに動けなくなった孝之は、自分がまだ生きているのを不思議に感じた程だった。
「ご先祖様が南蛮人から伝授されたと言われる、南蛮渡来の鞭打ちの技は如何だったかしらね、坊や…皆の衆、屈従の儀!」
 初代の号令に従い、女性達はうつ伏せで呻いている孝之の両手足を取り押さえた。美里は祭壇に置かれていた棒状の物と木槌を手にして、孝之に見せつけた。

「うふふ、これをどう使うか、分かる?」
 棒状の物は木製で、長さが30cm、直径が2.5cm位の円筒形をしており、先端は細くなって丸みを帯び、表面は滑らかで光沢を放っていた。使い道の見当がつかなかった孝之が黙っていると、美里は棒の先端に油を塗りたくりながら、彼に説明した。
「これはね…男のお尻を可愛がる道具よ。今から、たっぷりとよがらせてあげるわ」
 美里は邪悪な笑みを浮かべ、顔色を変えた孝之の後ろに回った。彼女は両手足を押さえられている孝之の尻たぶを押し広げ、肛門に棒の先端を当てがい、力を込めた。
「ひいぃっ、止めてくれ!」
 孝之は泣きそうな声で悲鳴を上げ、肛門を窄めた。しかし、美里は力強く先端部分を肛門に押し込むと、杭打ちの様に木槌でコーン、コーンと打ち込み始めた。
「うわっ、ああっ、わあぁっ」
 棒が肛門に打ち込まれる度に、孝之は情けない悲鳴を漏らし、手足を押さえつけている女性達の失笑を買った。
「おやおや、男のくせにお尻を可愛がられて、喜んでいるのかい」
「肛門で感じるなんて、オカマを掘られた事があるんじゃない?」
 手足を押さえつけている女性達の嘲りが耳に反響して、孝之の胸を深く傷つけたが、肛門と直腸に響く衝撃で、口惜しがる余裕すら奪われていた。美里は木製の棒を半分位を孝之の肛門に打ち込んだところで、女性達に彼を仰向けに引っくり返すよう声を掛けた。
 孝之が仰向けにされ、改めて大の字に手足を押さえられると、女性達から嬌声が上がった。彼の股間のものが、前立腺を刺激されたためか、猛々しくそそり立っていたのだ。
「見てよ!この坊やは興奮して、おちんちんを硬くしているわよ!」
「やっぱり、お尻の穴で感じていたのね…絶対にオカマだわ」
「自分で肛門を弄って、オナニーしていたんじゃないの?」
 孝之は女性達に嘲られて、自分が勃起しているのに初めて気づき、恥ずかしさで顔を紅潮させ、本気で死にたいと思った。美里は邪悪な笑みを浮かべ、手を伸ばして硬く屹立している孝之のものを握って、口汚く罵った。
「ふんっ、肛門に棒を突っ込まれて感じるなんて、ホモじゃないの?男のくせに、最低の変態よね…それなら、もっと感じさせてあげるわ!」
美里は孝之の屹立したものを握ったまま、手を激しく上下させ、力強くしごいた。硬く勃起して敏感になったものをしごかれた孝之は、泣きそうな声で美里に哀願した。
「止めて、止めてくれ、お願いだから、止めてぇーっ」

 孝之の手足を抑えていた女性達は、どっと笑った。
「気持ちいいくせに、何を嫌がっているんだい、坊や」
「先走りの汁が滲み出ているじゃないの。いやらしいわね」
「自分を痛めつけた女の手で感じるなんて、お前はもう男じゃないわよ」
 女性達の侮蔑が、孝之の精神を立ち直れない程に貶めた。孝之は昂ぶる快感から意識を逸らそうと、頭を左右に激しく振ったが、所詮は儚い抵抗だった。彼は、直ぐに自分の硬くなったものが破裂したように感じて、悲鳴を上げた

「うわあぁーっ」
 孝之の屹立したものは、美里の激しく上下する手の中で、夥しい白濁液を勢いよく噴出した。孝之は自分の気力と体力を、美里の手で全て搾り取られたように錯覚し、がっくりと全身の力が抜けてしまった。屈辱の射精を強いられ、心が深く傷ついた孝之の目から、涙が滾々と湧き出た。しかし、女性達は傷ついた孝之を、まだ許そうとはしなかった。

「あら、泣いてるの、坊や?嬉し泣きする位、気持ちよかったのね…美里ちゃん、私と代わって頂戴」
 孝之の右足を押さえていた四十代の女性に声を掛けられた美里は、苦笑して濡れた手拭いで自分の手と孝之の股間を拭い、女性と交代した。四十代の女性は、まだ硬度を保っている孝之のものを両手で握ると、独特な指使いでしごき始めた。
「坊や、私が普段から山羊の乳搾りで鍛えた手技を、たっぷり味わさせてあげるよ」
「ああっ、嫌だ、止めてぇーっ」

 孝之は涙を流して嫌がったが、女性の絶妙な指使いには勝てず、二回目の放出にも関わらず、程なく果ててしまった。間を置かず、今度は孝之の左足を押さえていた三十代後半の女性が、声を掛けた。
「由香里さん、私にもやらせてよ」
 由香里と呼ばれた四十代の女性は美里と同じ様に、濡れた手拭いで自分の手と孝之の股間を拭って交代した。三十代後半の女性が孝之の股間に手を伸ばしたが、二回も射精を強要された彼のものは、さすがに硬度を失っていた。
「若いくせにフニャフニャになって、情けないわねぇ…仕方ないから、元気付けてあげるわ」
 女性は孝之の肛門に挿されたままになっている木の棒に手をやり、ゆっくりと抉るように動かし始めた。
「うわあぁっ」
 肛門と直腸をこね回された孝之は、堪らずに悲鳴をあげた。しかし、前立腺を刺激されたためか、彼の股間のものは、むくむくと頭をもたげ始めた。女性は硬度を取り戻した孝之のものを握り、ニヤリと笑った。
「元気になったじゃない、坊や…たっぷりと可愛がってあげるわ」

 女性は孝之の肛門に挿さっている木の棒を更にこね回しながら、彼の硬くなったものを力強くしごいた。
「い、痛い、痛いです、止めて下さいっ」
 二回も放出を強要された孝之のものは、包皮が赤く腫れていた。それを強くしごかれたため、快感よりも痛みの方が遥かに強く、孝之は泣き叫んで慈悲を請うた。しかし、女性の手が止まる事は無かった。
「こんなに興奮して硬くしているくせに、痛がるのはお止め!」
 女性は更に激しく孝之のものをしごき上げ、彼の悲鳴と共に三回目の射精を強いた。股間の痛みで苦しんでいる孝之を尻目に、今度は彼の右腕を押さえていた四十代前半の女性が、交代を申し出た。
「坊やの精液が血に変わるまで、しごいてやるからね!」
 交代した女性は、孝之に身の毛がよだつような恐ろしい事を言い、同じ様に肛門の木の棒をこね回しながら、腫れた彼のものをしごき始めた。


 それから何度か女性が交代し、孝之は結局五回の射精を強要された。孝之のものは、触れるだけで飛び上がる位に痛みを感じる程、赤く腫れ上がっていた。精を限界まで搾り取られ、全ての気力・体力を奪われた孝之は、既に女性達に手足を押さえられなくとも、ぐったりとして身動きが取れず、床に仰向けで横たわって喘いでいた。美里が孝之の肛門から木の棒を強引に引き抜き、彼に情けない呻き声を出させた。
「皆の衆、神水拝受の儀!」
 初代の厳かな声が板の間に響き、孝之の両手足を押さえていた女性達が一斉に離れた。初代は腰掛けていた祭壇から立ち上がり、横たわっている孝之に近づいた。初代に道を譲るように、女性達は二手に分かれた。初代は仰向けになっている孝之の顔を跨いで立ち、彼を見下して、凛とした声で命じた。

「お前に神水を与えます…口をお開け!」
 孝之が怯えながら口を開けると、初代は赤い腰巻を捲くり上げ、豊満な乳房を揺らせて、彼の顔にしゃがみ込んだ。薄暗いローソクの灯りであったが、孝之には初代の濃い陰毛に縁取られた赤い陰唇が迫って来るのが、はっきりと見えた。
 おしっこを飲まされるんだ…孝之には神水の意味が直ぐに分かった。しかし、肉体も精神も極限まで痛めつけられ、反抗する気力が一片も残っていなかった彼には、命じられた通りに大きく口を開け、身震いして初代の排尿を待つ事しか出来なかった。
「一滴でもこぼして床を汚したりしたら、鞭で死ぬまで打ちのめしてやるからね…出るわよ!」
 初代の陰唇が一瞬震えると、尿がチョロチョロと排出され、孝之の口に流し込まれた。彼が尿を全て飲めるように、初代は排尿の勢いを調節しているようだった。初代の濃い尿は、孝之の口中と鼻孔の奥まで強烈なアンモニア臭を充満させ、喉を焼き、胃に重く溜まっていった。尿の堪らない臭いと刺激の強過ぎる味に、孝之は咽て吐きそうになったが、これ以上痛めつけられたくないという思いだけで、生理的嫌悪感を押し殺して必死に飲み続けた。

「うふふ、本当に女のおしっこを飲んでいるわ…この坊やは、もう男じゃないわね」
「男どころか、人間ですらないわよ。最低の便器になったんだわ」
「この坊やは、皆の公衆便所に使いましょうよ」
 女性達のひそひそとした侮蔑の声が、孝之の頭で空ろに響き、彼の目から涙が溢れ出して、途切れることなく流れた。
 初代は長い排尿を終えると、孝之に舌で後始末するよう命じた。逆らえる筈もない孝之は、おずおずと舌を伸ばし、尿で濡れそぼった初代の陰唇を舐め始めた。改めて尿の強烈な味が舌を刺し、自分の惨めさを思い知らされた。初代は孝之に陰部を舐めさせながら、残酷な宣告をした。

「これで、お前を家畜奴隷に仕込む儀式は終了よ…明日から村共有の家畜として、こき使ってあげるからね。お前はもう、人間じゃなくて家畜なんだから、人間と同じものは、二度と口に出来ないわよ。飲み物は女のおしっこだけ、食べ物は、私達の残飯を餌として与えるわ。楽しみでしょう、ホホホ…」
 孝之の耳に初代の嘲笑が響き、彼は絶望で目の前が真っ暗になった。


 次の日から、孝之の地獄が始まった。全裸に首輪だけを着けられた彼は、朝を迎えると、閉じ込められていた大型犬用の檻から引き摺り出され、美里と初代から朝一番の濃い尿を飲まされた。まともな神経であれば、強烈なアンモニア臭と刺激が強過ぎる味に吐き出すところだが、一滴でもこぼしたら鞭打ちと脅かされている孝之は、精神を無理やり麻痺させて飲むしかなかった。尿を飲まされた後は、舌での後始末を強要され、人間トイレットペーパーとか人間ビデとか、美里と初代に嘲笑われて、あまりの情けなさに胸が引き裂かれそうな気分にさせられた。
 それから、孝之は朝食も与えられず、全裸のまま後ろ手に縛られて、畑に連れて行かれた。畑で、美里と初代は孝之の体に大型のスキを結わえ付けた。

「さあ、家畜奴隷らしく、畑を耕すんだよ!」
 初代に命令された孝之は、泣きたい程の無念な気持ちを押し殺し、足を進めて畑を耕し始めた。しかし、普段机にかじりついて研究ばかりしている彼は体力的に劣っており、10分も経たないうちに息を切らし、足がもつれだした。その様子をみた初代は、すかさず手にしていた一本鞭を孝之の体に叩きつけた。
「ぎゃあーっ」
 体を切り裂かれるような激痛で悲鳴を上げた孝之を、初代は容赦なく怒鳴りつけた。
「何をさぼろうとしているんだい!野良仕事を始めたばかりで、横着するんじゃないよ!家畜奴隷のくせに、牛馬の役にも立たないのなら、手足をへし折って肥溜めに叩き込んでやるからね!

 孝之は鞭打たれた痛みと屈辱で、目に涙を浮かべながら、赦しを請うた。
「勘弁して下さい…さぼるつもりじゃなく、足がうまく動かないんです…」
 すると、今度は美里から鋭く鞭が飛んだ。
「うぎゃあぁっ」
 孝之は焼き鏝を押し付けられたような激痛に、絶叫を上げて悶え苦しんだ。
「家畜奴隷の分際で、何て口の利き方をするの!こういう時は、“お許し下さいませ、女御主人様”とか“何とぞ御慈悲を”とか言うものよ。少しは分をわきまえなさい!」
 鞭の激痛とあまりの口惜しさに、孝之は涙をボロボロこぼしたが、これ以上痛い目に遭わないためには、美里と初代へ卑屈にへりくだるしか無かった。
「申し訳ございません、女御主人様…どうか御慈悲を…」
美里は一本鞭を丸めて輪にしながら、孝之に言い放った。
「ふんっ、言葉遣いから教えないといけないなんて、全く手間が掛かるわ…ぼやぼやしてないで、さっさと畑を耕しなさい!」
「…はい、かしこまりました、女御主人様」
 つい昨日まで恋人として付き合っていた美里から高飛車に命令された孝之は、無念さに胸を掻き毟られたが、鞭打たれる事を恐れ、おどおどと卑屈に答えて、よろける足を動かし、再度スキを引き始めた。
 しかし、夏の太陽は直ぐに高くなり、全裸の孝之の肌を強い日差しで、じりじりと容赦なく照らした。小一時間も経つと、汗が滝の様に流れ、肌は赤く焼けて、彼の足は又も止まってしまった。初代は鞭をしごきながら、孝之を大声で叱りつけた。
「誰が止まっていいと言ったの!家畜奴隷のくせに、勝手に休むんじゃないよ!そんなに鞭が欲しいのかい!」
 孝之は泣きそうな声で、必死に赦しを請うた。

「女御主人様、お許しを…体がもう、言う事を聞かなくて…何とぞお慈悲を」
 美里は苦笑して、孝之の前に立ちはだかった。
「仕方ないわね…私が動けるようにしてあげるわよ」
 彼女は右手を孝之の股間に伸ばし、彼のものをむんずと掴むと、強く引っ張りながら、先に歩き始めた。
「ああっ、い、痛い、待って、待って下さい…」

 股間のものが引きちぎられそうな痛みに、孝之は悲鳴を上げ、動かなくなった足を無理やり動かして、前に進み始めた。
「家畜なら手綱を引くところだけど、家畜奴隷は股にぶら下げているものを引かれるのがお似合いね。ホホホ…」
 初代の嘲笑が孝之の耳に響き、彼は度を越えた恥辱で無念の涙を地面にこぼした。しばらくは美里に股間のものを引かれて、気力で足を動かして前に進んで畑を耕していたが、彼女が手を離した瞬間、その場にへたり込んでしまった。すかさず、初代の鞭が孝之の体に打ち込まれ、甲高い悲鳴を上げさせたが、体力も気力もとっくに限界まで来ていた彼は、立ち上がる事さえ出来なかった。初代は肩をすくめ、ため息をついた。

「全く動けないのかい…都会育ちのひ弱な坊やは、牛馬の役にも立たないんだね。本当に情けないわ」
 そこで、意外にも美里が優しくとりなした。
「お母さん、牛馬だって休憩は必要よ…家畜奴隷に一服させて、水分補給させてやりましょう」
 美里は、孝之を結わえていたスキから解き放ち、彼を木陰に引っ張って行った。彼女は孝之に、仰向けに横たわるよう命じた。喘いでいた孝之は、嫌な予感を覚えつつ、命令通りに横たわった。美里は孝之の顔に跨って立つと、農作業用のズボンとパンティを、膝まで一気に下ろした。

「家畜奴隷、特別に水分補給させてあげるわ…口をお開け!」
 おしっこを飲まされるんだ…孝之は顔色を変えたが、彼に逆らう事など出来る筈も無く、口を大きく開いた。また、炎天下で重労働を強いられた孝之は脱水症状寸前で、どんな汚水であっても体が熱烈に水分を欲していた。美里は孝之の顔にしゃがみ込み、嘲るような口調で告げた。
「家畜奴隷、出るわよ…一滴もこぼさずにお飲み!」
 彼女の陰唇から黄色い奔流が勢いよく噴き出し、孝之の口に注ぎ込まれた。彼は目を白黒させながら、アンモニア臭のきつい美里の尿を、夢中になって飲んだ。普通なら喉につかえて吐き出すところだが、水分を渇望していた孝之の喉は、美里の尿を滑らかに通した。胃に尿が溜まっていくのを感じた孝之は、自分がどんどん貶められていくのを実感した。
 美里は排尿を終えると、放心状態の孝之を叱りつけた。
「何をぼんやりしているの!おしっこを飲み終えたら、直ぐに舐めて後始末おし!何度も同じ事を言わせるんじゃないわよ!」
「は、はい、女御主人様…」

 孝之は、恋人だった美里を女御主人様と卑屈に呼び、頭を浮かせて舌を伸ばして、尿で濡れた彼女の陰唇を舐め始めた。
「随分熱心に、あそこを舐め回しているんだね。本当にいやらしい家畜奴隷だよ…どうせ美里のおしっこだけじゃ足りないでしょうから、私のも恵んであげるわ」
 傍で見ていた初代が孝之に侮蔑の声を掛けて、美里と交代し、彼の顔に跨った。初代も農作業用のズボンと下着を膝まで下げ、孝之の顔面にしゃがみこんだ。孝之は、迫って来る初代の陰部を怯えながら見つめた。
 彼の精神は、既に発狂寸前まで追い込まれていた。それは無理やり尿を飲まされたからではなく、体の水分が不足して喉がカラカラに渇いているとはいえ、もっと飲みたいと、自ら女性の尿を欲しているのを自覚したためだった。


 夕方になって、ようやく農作業が終了し、美里と初代は孝之を引き連れて、家路についた。孝之の縛めは解かれていたが、家畜奴隷は人間みたいに二足歩行は許さないと、四つん這いにされ、首輪に縄を繋がれて、初代に引っ張られた。孝之は犬の様な扱いに屈辱で体を震わせたが、首輪が喉を絞めつける苦しさには抗えず、よたよたと惨めに初代の後を這ってついて行った。
「こうしていると、本当の犬みたいね…お尻を揺らせて、股にぶら下げているものを、尻尾の代わりに振ってみなさいよ」
 後ろを歩いていた美里が、孝之にからかう様な声を掛け、彼は恥辱で顔を紅潮させた。しかし、敢えて無視し、黙々と這い進んだ。すると、美里の一本鞭が空気を切り裂いて、孝之の尻に叩き込まれた。
「ぎゃあぁーっ」
 尻肉を真っ赤に焼けた刃物で切り裂かれた様な激痛に、孝之は絶叫を上げ、両手で打たれたしりを押さえ、地面に倒れて苦しんだ。美里は泥の付いたゴム長靴で孝之の頭を踏みにじり、怒鳴りつけた。
「家畜奴隷の分際で、生意気に知らんぷりするんじゃないわよ!そんなにお仕置きして欲しかったら、全身を万遍無く鞭打って、体中に赤い筋を刻み込んでやるからね!」
 孝之は美里のゴム長靴の下で、ヒィヒィ泣きながら赦しを請うた。
「お許しを、どうか御慈悲を、女御主人様…」
 美里は、孝之の頭を蹴って叱責した。

「ふんっ、鞭一発で泣き喚く意気地無しの家畜奴隷が、つまらない意地を張るんじゃないよ!とっととお歩き!」
 孝之は、涙をこぼしながら、再び四つん這いになった。
「ぼやぼやしてたら、日が暮れるわよ。早く帰りましょう」
 初代は孝之の首輪に繋がれた縄を強く引きながら、どんどん先に歩いて行った。首輪で喉が絞められそうになった孝之は、慌てて初代の後を這い進んだ。
 家路の途中、神社での儀式の際、孝之を散々痛めつけた女性の一人と出会った。
「あらっ、初代さん、家畜奴隷を早速畑仕事に使ったのね。ちゃんと働いた?」
「朋子さん、それがね…都会育ちのひ弱な甘ったれ坊やは体力が無くて、予定の半分位しか畑を耕せなかったの。牛馬の役に立ちそうもないから、愛玩用のお座敷犬にして、バター犬にでも使おうかと考えているの」
「それもいいわね。ウチも亭主が出稼ぎで、体が寂しいから、家畜奴隷を早く回してね」

 孝之は、女性達の身勝手な会話を耳にし、怒りと屈辱で顔を赤くし、体を震わせた。朋子と呼ばれた女性が、孝之に話し掛けた。
「家畜奴隷、今日は初日だから、初代さんも大目に見てくれたけど、もっと頑張らないと処分されちゃうわよ」
 内心、怒り心頭だった孝之は、話し掛けた朋子から、黙って顔を背けた。すると、朋子は孝之の後ろに回り、四つん這いになっている彼の股間を蹴り上げた。
「ぐうおぉっ」
 急所を蹴られた孝之は、獣じみた呻き声を上げて横倒しとなり、両手で股間を押さえ、芋虫みたいに体を丸めて悶え苦しんだ。朋子は美里と同じように、孝之の頭を踏みつけて、怒鳴った。
「人が優しく諭してあげているのに、無視するなんて、どういうつもりなの!家畜奴隷のくせに、そんな横着な態度を取るのなら、睾丸をじわじわ踏み潰してやるからね!」

 
 初代の家に着くと、孝之はホースの水で体中の汚れを洗い流され、古タオルで体を拭くように命じられた。そして、大型犬用の檻に閉じ込められて、放置された。朝から何も食べさせてもらえず、重労働の農作業を強いられた孝之は、空腹で身動き出来ず、檻の中でうずくまっていた。
 永遠とも思える時間が過ぎ、ようやく美里が残飯の入った古い洗面器を持って来た。
「随分待たせたわね…お母さんとお風呂に入って、夕御飯を食べて、一服したら、遅くなっちゃった。お腹空いたでしょう。お前の餌よ。頭を出して、遠慮せずに食べなさい」

 美里は、残飯入りの洗面器を檻の前に置いた。檻の鉄格子には、下の方に人間の頭がぎりぎり出せる位の穴が空けられており、孝之はそこから頭を突き出して、洗面器に入れられている残飯を見つめた。それは、歯形の付いた煮物や、咀嚼した肉片がドロドロの米飯に混じったものに、ぬめりのある唾と痰が吐き掛けられており、汚らしさが強調されていた。
 空腹で倒れそうな孝之だったが、さすがに口を着ける気にならず、体が固まってしまった。すると、美里は孝之の頭に足を乗せ、冷たく言い放った。

「家畜奴隷が、餌の選り好みをするんじゃないわよ!さっさとお食べ!」
 美里は足に体重を掛け、孝之の顔を残飯に埋めさせた。半ば自暴自棄に陥った孝之は、空腹だったためもあって、残飯を貪り始めた。残飯のねっとりとした口当たりが嘔吐感を催したが、精神を無理に麻痺させて、食べ続けた。
 孝之は不意に、頭に温かい液体を掛けられ、鼻につく独特の臭気を感じた。いつの間にか、下衣を脱いだ美里が、仁王立ちで彼の頭に尿を浴びせていたのだ。

「うふっ、ごめんなさいね。餌に味付けのおしっこを掛けるのを、忘れてたわ。少し遅れたけど、しっかり味わってね」
 美里は放尿を続けながら、嘲る口調で孝之に声を掛けた。彼は、度を越えた屈辱に体が震え、涙で視界がぼやけた。


 残飯を食べ終えた孝之は、再度ホースの水で全身を洗われ、口中もすすがれて、古タオルで体を拭かされた。美里は縄を孝之の首輪に繋ぐと、彼を初代の寝室まで引っ張って行った。浴衣姿の初代は、薄暗い和室の中央に敷いた布団の上で、片膝を立てて座っていた。
「お母さん、お待たせ。家畜奴隷を連れて来たわよ」
 美里は初代に縄を手渡すと、直ぐに部屋を出て行った。初代は縄をぐいっと引っ張り、孝之を自分の足元に引き寄せた。
「主人がずっと出稼ぎに行っていて、体が寂しいんだよ…お前の舌で、無聊を慰めておくれ」
 初代は浴衣の裾を捲くると、両脚を広げた。両脚の付け根中央のぬめりを帯びた赤い陰唇が、薄暗い灯りの中で妖しく蠢き、孝之にはまるで自分を喰い殺す怪物の様に見えた。
「ぼうっとしていないで、とっととお舐め!」
 初代は更に縄を引き寄せ、孝之の髪を掴んで、彼の顔を自分の陰部に押し付けた。逆らったら何をされるか分からない恐怖に怯えた孝之は、舌を伸ばして初代の陰唇を舐め始めた。たちまち彼の口中と鼻孔に中年女の饐えた臭いが広がり、咽そうになった。しかし、お仕置きを恐れた孝之は、心を無にして懸命に舌を動かした。
「ああっ、そうだよ…もっと舌を入れて…唇も使って…」
 快感に喘いだ初代は、両手で孝之の髪を掴んで、強く彼の顔面を引き寄せ、更なる舌奉仕を促した。孝之は泣きそうになりながらも、女の淫液で口元をべとべとに汚しながら、舌と唇を酷使して、初代を喜ばせる事に専念した。その甲斐があって、孝之の舌がいい加減疲れた頃、ようやく初代が両脚を突っ張らせて、絶頂に達した。初代は、べとべとに濡れた股間に孝之の顔を挟んだまま、しばらく余韻を楽しんだ。
   やっと、終わった…孝之がほっとしていると、初代が踵で彼の背中を小突き、
「家畜奴隷、何をさぼっているんだい?もっと、私を喜ばせるんだよ!」
 と、再度舌奉仕を命じた。孝之は嗚咽を漏らしながら、疲れた舌を再び動かし始めた。深夜になり、初代が寝入るまで舌奉仕を強要された孝之は疲れ果て、舌の付け根は腫れ上がってしまった。

早朝になり、頭を蹴られて起こされた孝之は、昨日と同じ様に、美里と初代の朝一番の濃い尿を飲まされた。そして、朝食も与えられず、首輪の縄を引かれ、畑に向かって這わされた。また、牛や馬の様に、スキを引かされるのか…孝之はうんざりしたが、その予想は外れた。
「お早う、朋子さん。待たせたわね。村共用の家畜奴隷を引き渡しに来たわ」
 初代は、自分の畑から少し離れたともこの畑に孝之を引き連れ、首輪の縄を彼女に手渡した。
「ありがとう。出稼ぎで男手が無いから、この家畜奴隷には目一杯働いてもらわないとね」
 朋子は受け取った首輪の縄を強く引いて、孝之に命令を下した。
「家畜奴隷、ぼやぼやしてないで、伸びた雑草を引き抜くんだよ。抜いた雑草は、このゴミ袋にお入れ!」
「は、はい、女御主人様…」
 昨日、朋子に股間を蹴られた強烈な痛みを思い出した孝之は、彼女の機嫌を損なわないよう、卑屈に返事をして、慌てて草むしりを始めた。

「じゃあ、家畜奴隷の檻は、朋子さんの家に持って行っておくから」
 初代は朋子にそう告げると、美里と一緒に自分の畑に向かった。裸で夏の熱い日差しに照らされながら草むしりをしていた孝之は、直ぐに汗びっしょりになり、強い喉の渇きを覚えた。しかし、朋子が恐ろしくて、水を飲ませて欲しいとは、とても言い出せず、悶々としていた。朋子は、そんな孝之の様子を見て、邪悪な笑みを浮かべた。
「家畜奴隷、喉が渇いたんでしょう。それならそうと、はっきり言いなさいよ。おしっこ位、いくらでも飲ませてあげるわ」
 そう言うと、朋子は屈んで草むしりをしている孝之を蹴り転がした。仰向けに倒れた孝之に跨った朋子は、農作業用ズボンと下着を一度に引き下ろし、彼の顔にしゃがみ込んだ。

「大きく口をお開け!こぼすんじゃないよ!」
 朋子は、おずおずと口を開いた孝之に、何の躊躇いもなく放尿した。孝之は、あまりの屈辱に顔を真っ赤にしたが、ただひたすら尿を飲み下す事に専念した。臭いのきつい、濃い尿が喉を焼き、胃に溜まっていくのを感じた孝之は、人間としての尊厳が自分から削られていくのを実感し、涙がこみ上げた。
 朋子の長い排尿が終わると、孝之は美里と初代に躾けられた通り、命じられなくとも自分から舌を伸ばし、尿で濡れた朋子の陰部を舐め始めた。
「うふふ、お前は家畜奴隷より、便器奴隷に向いているようね。その内、大きい方も食べさせてあげるよ」
 朋子の軽蔑し切った声が、孝之の頭に空ろに響き、彼の目から涙が溢れ出た。しばらく、孝之の舌の動きを楽しんでいた朋子は、不意に立ち上がり、下着と農作業用ズボンを引き上げると、ゴム長靴の先で孝之の頭を小突いて命令した。
「家畜奴隷、いつまでもいやらしく舐めていないで、四つん這いにおなり!」
 孝之がのろのろと四つん這いになると、朋子は彼の傍にしゃがみ、
「私がよしと言うまで、ぴくりとも動くんじゃないよ!」
と、きつい口調で命じて、彼の股間に手を伸ばした。朋子の柔らかな指が、孝之の陰嚢や肛門付近の敏感な個所を、触れるか触れないかのタッチで、焦らす様に這い回り、絶妙な刺激を彼に与えた。若い孝之に耐えられる筈もなく、彼の股間のものは、直ぐに硬くそそり立った。

「うふっ、この間、由香里さんに山羊の世話の手伝いを頼まれて、乳搾りの仕方を教えてもらったから、お前のこれで試してみるわ」
 朋子は、孝之の硬く屹立したものを手にすると、ゆっくり揉み始めた。じわじわと強弱をつけて、中身を全て搾り出すような独特の指使いに、孝之の口から喘ぎ声が漏れた。とても耐えられそうもなく、直ぐにでも射精してしまいそうだった。朋子は、孝之が小刻みに体を震わせ、必死に我慢しているのを面白そうに見て、嘲る口調で釘を刺した。
「家畜奴隷、言っておくけど、許しも得ず、勝手にお漏らしして、私の手に汚らしい白い汁を引っ掛けたりしたら、どんな目に遭うか分かっているわね…生まれて来たのを、後悔させてやるわよ!」

 陳腐な脅し文句ではあったが、村の女性達から酷い虐待を受けてきた孝之を震え上がらせるには、十分過ぎる程であった。
「は、はい、女ご主人様…」
 怯えた孝之は、震え声で返事をして、急速に高まる快感に、身震いしながら耐えた。しかし、朋子は巧みな手つきで、若い孝之をどんどん追い詰めていった。彼の硬く屹立したものは、更に硬度を増していった。
「ああぁーっ」
 孝之は悲痛な叫び声を上げ、遂に果ててしまった。耐えに耐えてきた孝之だったが、朋子の巧みで独特な指使いには勝てず、股間のものが破裂した様に錯覚し、夥しい量の白濁液を放出してしまった。孝之は体の中から、体力と気力を全て搾り取られ、下半身が溶けて無くなった様な気がして、頭から地面に突っ伏した。彼の目から涙が溢れ出し、途切れることなく流れ続けた。
 しかし、孝之が泣くのは、これからが本番だった。朋子はうつ伏せている孝之の髪を掴んで上に引っ張り、彼の顔を引き上げ、大声で命じた。
「口をお開け、家畜奴隷!」
 孝之が口を開くと、朋子は精液が付着している指を突っ込んだ。
「よくも、私の指に汚らしい汁を付けてくれたわね!お前の口で、きれいにおし!」
 彼女の指の精液を舐め取った孝之は、青臭い味が口中に広がり、とことん惨めな気分にさせられた。朋子は、指を孝之の口から引き抜いて、首に掛けていたタオルで拭い、傍らの一本鞭を手にして、すっくと立ち上がった。
「勝手にお漏らしするんじゃないと、あれ程言ったでしょう!お仕置きだよ!」
 朋子は一本鞭を振り上げると、孝之の体に思い切り叩きつけた。
「うぎゃあーっ」

 孝之は、体を切り裂かれる様な激痛に、背を仰け反らせて、絶叫を上げた。
「この程度で泣き喚くなんて、早過ぎるわよ!ホラホラ!」
 朋子は続けざまに、孝之の体に一本鞭を振り下ろした。空気を切り裂く音を立て、嵐の様に襲って来る鞭を受けた孝之は、両手で頭を抱えて、地面を転がり回った。
「家畜奴隷、どこへ逃げるつもりよ!」
 孝之の苦しむ姿を見て興奮した朋子は、顔を上記させ、更に激しく鞭を振るった。生きながら全身を切り刻まれる様な激痛に、孝之は泣き喚いて、悶え苦しんだ。腕に疲労を感じた朋子が、ようやく鞭打ちを止めた時、孝之の全身は赤い条痕で覆われ、息も絶え絶えになっていた。
 朋子は、うつ伏せで横たわっている孝之の頭を、ゴム長靴で踏みつけて嘲った。
「家畜奴隷、これで許しも無く勝手な真似をしたら、どんな目に遭うか分かったでしょう」
「…はい、分かりました…身に沁みて分かりました、女御主人様」
 朋子に頭を踏まれながら、孝之は度を越えた屈辱感を押し殺し、絞り出す様な声で返事をした。朋子は、更に孝之の頭を踏みにじり、
「全く、低脳な家畜奴隷を躾けるのは、本当に手間が掛かるわ」
と、侮蔑した。全身の引きつる様な痛みと、あまりの恥辱に、孝之の目から涙が途切れる事は無かった。
 朋子は、孝之の頭から一旦足を外し、ゴム長靴と靴下を脱ぎ、素足になった。
「家畜奴隷、顔を上げて、口をお開け!」
 朋子に命令された孝之は、うつ伏していた顔を上げ、嫌な予感を覚えながらも、口を開けた。朋子は、孝之の口に、右の足先を突っ込んだ。

「私はただでさえ脂足なのに、この暑さでゴム長靴を履いていたから、足がすっかり蒸れて、汗と脂で指の間がべとべとになったわ…お前の口で、きれいにおし!」
 孝之の口中に、朋子の汗と脂の凄まじい味と臭いが広がった。鼻孔の奥まで悪臭が到達して、頭がクラクラし、咽て吐きそうになった。しかし、朋子からのお仕置きを恐れた孝之は、体を震わせて耐え、足指の間に舌を這わせた。汗と脂の混じった粘り気のある垢を舌に感じた孝之は、心底おぞましさを感じ、うだるような夏の暑さでも、全身に鳥肌が立った。それでも、鞭で打たれるよりはマシと、自分に言い聞かせ、吐き気を必死に堪えて、足指の汚れを舐め取り続けた。
 いい加減舐めさせたところで、朋子は足を換えて、孝之の口に左の足先を突っ込んだ。
「家畜奴隷、こっちの足の汚れも、丁寧に舐め取るんだよ!」

 孝之は怒りで目が眩み、いっそ足指に噛み付いてやりたいと思ったが、お仕置きが恐くて、朋子の言いなりに、悪臭に耐えて汚れを舐め取る事しか出来なかった。
 孝之の舌が痺れる程、足指を舐めさせた朋子は、一旦足先を引き抜くと、足裏で彼の顔を蹴って転がした。朋子は靴下とゴム長靴を履きながら、孝之に命じた。
「休憩時間はお終いだよ。さっさと、草むしりにお戻り!」
 孝之は涙を呑んで、よろよろと這いつくばり、草むしりを再開した。そこに、軽四トラックで由香里が通りかかり、朋子に声を掛けた。
「こんにちは、朋子さん。精が出るわね…家畜奴隷は、ちゃんと働いている?」
 朋子は、這いつくばって草むしりをしている孝之を見下しながら、苦笑して答えた。
「それがね…都会育ちの甘ったれ坊やだから、直ぐに音を上げて、全然役に立たないのよ。もう、家畜奴隷から便器奴隷に格下げし、手足をへし折って、公民館のトイレに備え付けた方がいいかもね」
「それは、この坊やが発狂して、完全な廃人になってからにしましょうよ…そうだ、ちょっと待ってね。私が、この家畜奴隷の体調を整えてあげるわ」
 由香里は軽四トラックの荷台から、布袋に入れられた何かの道具と、ポリタンクを下ろした。
「家畜奴隷、これが何だか分かる?」
 由香里は布袋から、ガラス製で注射器型の巨大な浣腸器を取り出し、孝之に見せつけた。目を丸くした孝之が、黙って首を横に振ると、すかさず朋子から強烈な往復ビンタを喰らった。
「ひいぃっ」

 目から火花が散る様な衝撃を受け、情けない悲鳴を漏らした孝之を、朋子はひどく怒鳴りつけた。
「由香里さんが訊ねているのに、まともに返事もしないとは、何事よ!お前は、口が無いのかい!家畜奴隷のくせに、生意気な!」
「ひっ、ひいっ、申し訳ございません。どうか、お許し下さい、女御主人様…」
 孝之は頬に強い痛みを感じ、慌てて朋子と由香里の足元で土下座し、必死に謝罪した。由香里は笑って、孝之に器具の説明した。
「まあ、いいわ…家畜奴隷、これはね、馬用の浣腸器よ。これでお前のお腹をすっきりさせてあげる。腸がきれいになったら、お前の働きもよくなるわよ」

 由香里が巨大な浣腸器に、ポリタンクの溶液を充填するのを見た孝之は、顔が真っ青になった。あれだけの量を浣腸されたら、腸が破裂してしまう…恐怖を感じた孝之は、本能的に逃げる素振りを見せたが、直ぐに朋子に取り押さえられてしまった。
「家畜奴隷、どこに逃げるつもりなんだい!由香里さんが親切にも、お前のために浣腸して下さるんだからね。ありがたく、お受け!」
 うつ伏せに押さえられた孝之に背中に、後ろ向きに跨った朋子は、両手で孝之の尻たぶを広げ、彼の肛門を露出させた。
「うふふ、家畜奴隷、いくわよ!」
 由香里は、情け容赦なく浣腸器の先端を孝之の肛門に挿入すると、力強く浣腸器のシリンダーを押し込み、多量の溶液を彼の直腸に注入した。孝之の下腹は、見る見るカエルの様に膨らんでいった。溶液を全て注入した由香里は、浣腸器を引き抜くと、ゴム製の栓を孝之の肛門に挿し込んだ。
「さあ、家畜奴隷、私がよしと言うまで、我慢するのよ。勝手にお漏らししたら、煮えたぎった熱湯を、お前の肛門に注ぎ込んでやるからね!」
 由香里が強い口調で孝之に命じると、彼の背に跨って押さえていた朋子も立ち上がり、同じ様に命令を下した。
「由香里さんの許しを得るまで、絶対に漏らすんじゃないよ!もし、勝手に漏らしでもしたら、鞭で全身の生皮を剥ぎ取ってやるわ!」
「は、はい、分かりました、女御主人様…」
 由香里と朋子に脅かされた孝之は、か細い声で何とか返答した。しかし、動物用の浣腸液の効力は凄まじく、孝之の腸は直ぐに激しく脈動し、強烈な便意に襲われた。
「ああっ、女御主人様、お許し下さいませ…どうか、お慈悲を…」
 孝之は脂汗を流して、由香里と朋子に哀願したが、鼻で笑われただけだった。
「ふんっ、甘ったれの坊やは、本当に堪え性が無いわね!」
「よしと言うまで、漏らすんじゃないと、さっき言ったばかりじゃないの!もう、忘れたのかい!」
 由香里は、孝之の膨れた下腹を踏みつけ、彼に腸が捻じ切れる様な地獄の苦しみを与えた。涙を流して悶え苦しむ孝之の様子を、由香里と朋子は残酷に笑いながら、見物して楽しんだ。

 孝之が永遠とも感じた時間が過ぎ、由香里がようやく肛門に挿し込んだゴム栓を引き抜き、「よし!」と一言告げた。その途端、大きな音を立てて、孝之の肛門から多量の軟便が排出された。
「わあっ、臭い!よく、こんなに沢山、恥知らずにも大便が出せるわね!」
「女性の前で、大便をお漏らしするなんて、男どころか人間でもないわよ。やっぱり、家畜奴隷ね!」
 由香里と朋子の嘲りが、孝之の耳に響いた。しかし、内臓が全て溶け出した様な苦しみに、孝之は口惜しがったり、恥ずかしがったりする余裕すら、奪われていた。朋子は、地面に横たわっている孝之の頭を蹴りつけ、きつい口調で命じた。
「家畜奴隷、由香里さんにお腹の掃除をしてもらって、すっきりしたでしょう。とっとと、草むしりをお続け!」
 孝之は、もう何も考えられず、軟便で汚れた尻も脚もそのままに、よろよろと這いつくばって、草むしりを始めた。
「家畜奴隷、私の家に回されたら、お前のあそこに牛用の搾乳機をはめて、腎虚になるまで精液を搾り取ってあげるからね。楽しみにしておきなさい。オホホホ…」
 ふらつきながら草むしりをしている孝之の頭に、由香里の嘲笑が空ろに反響した。


 夕方まで草むしりにこき使われた孝之は、行きと同じ様に、四つん這いで首輪の縄を引かれ、朋子の家まで連れて行かれた。それからは、昨日の初代の家と同じ様に、ホースの水を浴びせられて体を洗われ、残飯の餌を与えられ、口をすすがれ、寝屋に引き込まれて、舌奉仕を強要された。性に対する中年女性の貪欲さは、朋子も初代に負けず劣らずで、孝之は舌が腫れ上がるまで酷使された。心身共に疲れ果てた孝之は、いつの間にか、朋子のきつい臭いがする陰部に顔を埋めて、寝入ってしまった。


 朝が来ると、村共有の家畜奴隷にされた孝之は、また別の女性の家に引き渡され、正に牛馬の如く、重労働の農作業にこき使われた。村の女性達は、水分補給として、孝之に尿を飲ませ、面白半分に鞭打ったり、足蹴にしたりして、彼の苦しむ姿を楽しんだ。食事は、夕方に一度与えられる残飯だけで、唯一の休息である睡眠時間ですら、男達が出稼ぎで体の火照りを持て余している中年女性達の舌奉仕に削られた。孝之の肉体はボロボロになり、精神は発狂寸前まで追い詰められていた。


 ある家で、中年女性が執拗に強要する舌奉仕からようやく解放され、檻に戻された孝之は、疲れ果ててボロ雑巾の様に体を横たえた。彼の口と鼻には、中年女性の饐えた様なきつい臭いが染み付き、ひどく惨めな気持ちにさせた。横になった孝之の目から、涙が次から次に湧いて出た。

 ふと、孝之は、檻が施錠されていない事に気がついた。女性が、うっかり鍵を掛け忘れたのだろう。孝之が胸を高鳴らせて檻の扉をそっと押すと、少し軋む音がして、扉が開いた。逃げるなら、今しかない…孝之はこっそりと檻から這い出て、自分の首から首輪を外し、檻の傍に置いた。それから、出来るだけ音を立てないように、慎重に歩いて、家から離れた。孝之は農道に出たところで、走り出した。全裸のフリチン姿であったが、そんな事に構っていられなかった。真夜中で、誰も外にいないのを幸いに、孝之は裸足が傷ついて痛むのも構わず、走り続けた。孝之は山道に入ったところで、息が切れそうになり、心臓が破裂しそうに苦しくなって、しゃがみ込み、ゼイゼイと荒い息で喘いだ。しかし、 こんな地獄の村から、一刻も早く抜け出したいとの思いで立ち上がり、月明かりを頼りに、暗い山道を歩き出した。この山を越えれば、隣の集落に着いて、助けを呼べる…その希望だけが、虐待で弱った体を動かしていた。

 だが、孝之は、山道を歩き出した時から、体に異変を感じ始めた。急な嘔吐感に悪寒、関節の痛みに筋肉の痙攣、そして皮膚と肉の間に無数の虫が這いずり回っている様な、耐え難い不快感を覚え、それがどんどんひどくなっていった。
 女のおしっこが飲みたい…孝之の本能は、女性の尿を飲めば、この不快感が消えると分かっていた。孝之は踵を返し、何としても逃げ出したいと願っていた筈の、地獄の村に戻って行った。
 おしっこが飲みたい、早く飲みたい…その強い願いが、孝之を懸命に走らせた。孝之が山道を抜け、農道を走り、最も近い家の門に辿り着くと、そこにはなぜか、彼が外した首輪を手にした美里が、月光に照らされて立っていた。どうして、美里がここにいるのか…孝之は一瞬疑問に思ったが、全身に深く広がっている強烈な不快感が、彼の思考を停止させた。孝之は恥も外聞も捨てて、美里の足元に土下座し、必死に懇願した。

「ああっ、美里様、女御主人様、おしっこを飲ませて下さい…お願いです、どうか、おしっこを恵んで下さいませ…何とぞ、お慈悲を…」
 美里は、体を震わせながら土下座して懇願する孝之を、冷笑して見下し、彼の前に手にしていた首輪を放り投げた。
「そろそろ戻って来る頃だと思ってたわ…自分の手で首輪を着けて、心から家畜奴隷になると誓いなさい。そうすれば、おしっこを飲ませてあげるわよ」
 孝之は、震える手で首輪を掴み、急いで自分の首に装着した。そして、再び土下座して、奴隷の誓いを口にした。
「女御主人様、私は家畜奴隷になります…心の底から忠実な家畜奴隷になります…ですから、おしっこを、どうか、おしっこをお恵み下さい」
 美里は苦笑し、からかう様な口調で孝之に問い掛けた。
「あら、そう…でも、一度逃げ出したお前の誓いを、誰が信じられるのかしら?」
 孝之は美里の足元にすがり付き、必死に哀願した。


「美里様、逃げた事はお詫びします…私を罰して下さい。私を鞭打って、踏みにじって下さい…ですから、お願いです。私を便器に使って、おしっこを飲ませて下さい。お願いします、女御主人様…」

美里は、悪魔の様な邪悪な笑みを浮かべ、足元にすがり付く孝之を蹴り転がし、凛とした口調で命じた。
「そこまで言うのなら、特別におしっこを恵んであげるわ。仰向けになって、口をお開け!」
 孝之が待ちかねた様に、命令通りに仰向けで口を大きく開けると、美里は彼の顔に跨って仁王立ちになり、スカートを捲くり、パンティを膝まで下ろすと、しゃがみ込んだ。
「家畜奴隷、貴重で尊い女のおしっこを、一滴もこぼすんじゃないわよ!」

 美里は、腰を一瞬揺らすと、大きく開いた孝之の口を目掛けて、勢いよく放尿した。孝之は、美里の陰唇から迸る黄色い奔流を、喉を上下させて、ごくごくと飲み続けた。今の彼には、きついアンモニア臭も気にならなかった。美里は放尿を終えると、孝之の顔に腰を下ろし、彼の口に自分の陰部を押し当てた。
「家畜奴隷、おしっこを飲んだら、いちいち言われなくても、お前の舌で後始末おし!」
 美里に命令された孝之は、舌を精一杯伸ばして、彼女の尿に塗れた陰唇をペロペロ舐め始めた。美里の尿を飲んだ孝之は、全身に広がっていた耐え難い不快感が、潮が引くように消えていくのを感じていた。舌に広がる尿の刺激的な味ですら、今の孝之には甘露に等しかった。
 美里は、孝之に陰部を舐めさせながら、嘲るような口調で説明し始めた。
「…この村にはね、ご先祖様が長年掛けて、阿片の採れるケシと色々な薬草を掛け合わせて品種改良した、特別な野菜があるの。それを食べていると、食べた本人は何とも無いけれど、その人のおしっこには、強力な麻薬成分が含まれるようになるの。この村の女性達は皆、毎日その野菜を食べているわ…つまり、お前は村の女性達のおしっこを飲まされ続けて、重度の麻薬中毒者になってしまったのよ。もう、お前はこの村の女性のおしっこ無しでは、生きていけないわ」

 美里の説明を聞いた孝之は、頭を棍棒で殴られた様なショックを感じた。孝之は、村の女性達が執拗に尿を、自分に飲ませた理由が、ようやく理解出来た。美里の説明は続いた。
「そろそろ、中毒が十分に進んだ頃だと思って、今晩檻に鍵を掛けないように頼んで、わざとお前を逃がしてみたのよ。予想通り、禁断症状に苦しんで、舞い戻って来たわね…これで分かったでしょう。お前はもう一生、この村の共有家畜奴隷として生きるしかないのよ。オホホホ…」
 美里の陰部を懸命に舐めながら、彼女の高笑いを聞かされた孝之は、絶望のあまり、目の前が真っ暗になって、そのまま意識を失ってしまった。


 意識が戻ると、孝之は布団の中で、横になっていた。彼が重い頭に手を当てながら、上半身を起こすと、傍で美里と初代が自分を見つめていたのに気づいた。美里が心配そうに、孝之に声を掛けた。
「やっと、気がついたのね…孝之君、大丈夫?気分悪くない?」
 孝之は、慌てて周囲を見渡した。そこは初代の家の中で、自分はきちんと服を着て、布団に入っていた。どういう事だ…孝之が呆然としていると、初代が説明した。

「孝之さん、ごめんなさい…キノコ鍋の中に、地元民でも見分けが難しい、食用キノコによく似た毒キノコが混じっていたの。毒キノコといっても、命に別状は無いんだけど、食べると意識不明になって、色々な幻覚を見てしまうのよ。後遺症等は無いけど、孝之さんには、不快な目に遭わせてしまったわ…本当にごめんなさいね」
 平身低頭して謝る初代を見ながら、孝之は愕然とした。家畜奴隷として、村の女性達に虐待された日々が、全て毒キノコによる幻覚だったなんて…孝之には、動揺が隠せなかった。


 孝之と美里が東京に戻って、三日が経った。夜、孝之は自分のワンルームマンションで机に着き、民俗学の文献を読んでいたが、目が活字を追うだけで、内容は全く頭に入らなかった。孝之の頭は、別の思いで占められていたのだ。
 それは、美里の足元に跪きたい、美里に踏みにじられたい、美里に鞭打たれたい、美里の尻で顔を押し潰されたい、美里に便器にされて、おしっこを飲まされたい…等といった、自分でも恥ずかしく、おぞましい願望で、美里には勿論、誰にも話せる内容ではなかった。自分は一体、どうしてしまったのだろう…孝之は頭を抱え、ため息をついた。
 その時、不意にインターフォンが鳴った。孝之がドアスコープで確認すると、美里が立っていた。孝之は妙な胸騒ぎがしたが、ドアを開けて、美里を部屋に招き入れた。美里は、部屋中央のちゃぶ台に着いて正座した。孝之は、
「ちょっと待って、直ぐコーヒーを淹れるから…ところで、こんなに夜遅く、どうしたの?何の用だい?」
と、訊ねた。すると、美里は真剣な面持ちで、

「コーヒーはいいから、そこに座って頂戴。お話があるの」
と、些か強い口調で返事をして、孝之を自分の前に座らせた。孝之は胡坐をかき、怪訝そうに訊ねた。
「美里さん、こんな時間に、一体何の話?」
「孝之君が私の実家で、毒キノコの混ざった鍋を食べて、意識不明になったでしょう…あれ、本当は、私がお母さんに頼んで、毒キノコを鍋に入れてもらったの」
 孝之は驚いて、目を見開いた。
「う、嘘だろう…美里さん、なんで、そんな事を…?」

 美里は少し躊躇う様子を見せたが、思い切って話し始めた。
「あの毒キノコは、実家の村だけに自生する独特のキノコでね…特に体に害は無いんだけど、昏睡状態で自分が本当に求めているものを話し出す、自白剤みたいな効用があるのよ。私、孝之君が、私をどう思っているのか、本心を知りたかったの。だって、私達は一応恋人同士なのに、孝之君は勉強と研究ばかり夢中になって、私にはあまり関心が無かったみたいだったから…」
 孝之は唖然として、美里の話を聞いていた。美里は、話を続けた。

「でも、驚いたわ。孝之君が『美里様、私を鞭打って下さい、踏みにじって下さい』とか『便器に使って、おしっこを飲ませて下さい』とか、口走るんですもの…傍でお母さんに聞かれて、凄く恥ずかしかったわ」
 孝之は幻覚でそんな内容を口走った事を思い出して、恥ずかしさで顔が耳まで真っ赤になり、とても美里の目を直視出来ずに俯いた。美里は、更に話を続けた。
「孝之君が、女に虐められたがるマゾの変態だと分かって、私も随分悩んだわ…それでも、私、決心したの。私はやっぱり孝之君が好きだから、孝之君の好みに合わせようって」
「…?」
 恥ずかしくて俯いたままの孝之は、美里が何を言っているのか、さっぱり理解出来なかった。美里は不意に立ち上がり、きつい口調で孝之に命令した。

「孝之君…いえ、孝之、私の足元に跪きなさい!」
 孝之が驚いて、俯いた顔を上げると、美里は今まで孝之に見せたことのない妖艶な笑みを浮かべていた。孝之が呆然として、美里の妖艶な微笑に見とれていると、彼女の足裏で顔面を蹴られ、その場に転がった。美里は横倒しになった孝之の頭を踏みにじり、叱りつけた。
「女の私が恥ずかしさを堪えて、孝之の変態マゾに合わせてあげようとしているのに、何をぼうっとしているのよ!さっさと、私に言われた通りにしなさい!そうすれば、自分が本当に求めていた世界が手に入るのよ!」

 美里に頭を踏みにじられながら、孝之は村での幻覚と、東京に戻ってから悶々と夢想した内容が、次から次へと頭に浮かんだ。それが今、現実になろうとしている…美里が孝之の頭から足を外すと、彼は直ぐに美里の足元に土下座して、懇願した。
「美里さん…いや、美里様。どうか、僕を美里様の奴隷にして下さい。僕を思う存分嬲って、お楽しみ下さい。僕を一生美里様の奴隷として、飼って下さい」

 美里は、自分の足元で土下座して懇願する孝之を、満足そうに見下した。美里は、孝之を再び蹴り転がして仰向けにさせ、彼の顔に跨って仁王立ちとなった。
「お望み通りに、たっぷり虐めてやるわよ、この変態!」
 美里はスカートを捲くると、孝之の顔にしゃがみ込み、薄いパンティで覆われた股間を、彼の口と鼻に強く押し付けた。孝之は酸素の代わりに、美里の臭いをたっぷり吸わされ、彼女の饐えた様な股間の強烈な臭いに、頭がクラクラした。
「お前みたいな変態マゾの顔には、私の股の臭いを染み付かせてやるわ!

 美里は腰を揺すって、孝之の顔面に自分の股間を擦り付けた。女の股間で、男の顔を蹂躙される恥辱に、孝之は身震いした。しかし、彼のズボンの股間部分は、はち切れそうに突っ張っていた。
 美里は一旦立ち上がると、パンティを膝まで下ろし、孝之に命令した。

「お前は『便器に使って、おしっこを飲ませて下さい』とか、口走っていたわね…望みを叶えてあげるわ。口を大きくお開け!」
 孝之は、期待と恥辱で体を震わせながらも、命令通りに口を限界まで開いた。美里は再び孝之の顔にしゃがみ込んだ。
「部屋が汚れるからね…一滴もこぼすんじゃないわよ!」
 孝之は、口を大きく開けたまま、頷いた。
「…出るわよ。全部お飲み!」

 美里は、陰唇を僅かに震わせると、孝之の口に遠慮なく放尿した。勢いのある黄色い水流が孝之の口に注ぎ込まれ、彼は目を白黒させながらも、懸命に飲み続けた。部屋にアンモニア臭が漂ったが、夢中になって尿を飲んでいる孝之は、全く気づかなかった。孝之は喉を通り、胃に溜まっていく美里の尿を意識し、恋人から彼女の便器に落ちた事を実感した。しかし、それは今の孝之にとって、耐え難い恥辱ではなく、何にも勝る喜びとなっていた。

 美里は放尿を終えると、再度孝之に命じた。
「おしっこを飲んだら、ビデの役目をおし!お前の舌で、おしっこで濡れたあそこをきれいにするのよ!」
 孝之は、出来る限り舌を伸ばして、美里の尿で濡れた陰部をペロペロ舐め始めた。美里は孝之の舌の動きを楽しみながら、高らかに宣言した。
「孝之、お前は便器になって、私のおしっこを飲んだのよ。お前はもう、私の恋人じゃなく、私所有の奴隷に墜ちたのよ。今後、私に絶対服従する奴隷になるんだよ。これからは、お前を“孝之君”ではなく、“男奴隷”と呼ぶからね。私のことは、“美里様”か、“女御主人様”とお呼び…分かったかい、男奴隷!」
「は、はい、美里様…」
 孝之は一旦舌の動きを止めて返答してから、再び舌で丁寧に美里の陰部を舐め回した。


 翌日の夕方、美里は自分のマンションで、母親とスマートホンで話していた。
「…お母さん、いい加減にライン位覚えたら…うん、うん、分かったわよ、お母さんが、ガラケー世代なのは…ところで、孝之は見事に私の奴隷に墜ちたわ…さすが、村に代々伝わる秘術は、効果抜群ね…幻覚作用のあるキノコを食べさせ、意識を混濁させてから、強力な暗示を掛けて、男達に自分は女に虐められて喜ぶ被虐趣味があると信じ込ませるのは…これで、優秀な男達を村の女性達の奴隷にして、大企業や官庁に出稼ぎに行かせ、収入を全て村に貢がせるのが、故郷の村の伝統だものね…お母さんもお父さんを、この方法で奴隷にしたんでしょう…あのキノコは、インカ帝国で神の生贄に選ばれた者に食べさせ、自分から喜んで死を選ばせる暗示に使うのを、戦国時代に南蛮人が持ち込んだキノコだ と言い伝えがあるけど、本当かしら…うん、また近い内に孝之を連れて、実家に帰るわ…分かってるわよ、お母さんにも、孝之をバター犬として貸してあげるから…じゃあ、また電話するから。じゃあね」
 母親との電話を終えた美里は、これからどのように孝之を調教しようかと色々考え、邪悪な笑みを浮かべた。
                                                    おわり