前 夜 |
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作者 namelessさん |
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54歳の寺山紀夫は、自宅のダイニングで一人娘の沙織と、レストランからデリバリーした最後の晩餐を楽しんでいた。明日は沙織の結婚式で、彼女が家に居るのは、今晩が最後だった。紀夫は改めて、グラマーなナイスバディに育った美しい顔立ちの沙織を見つめ、感慨深げに話し掛けた。 「…それにしても、沙織は綺麗になったなあ。本当に、お母さんそっくりに成長したよ」 「嫌だわ、お義父さん…照れるじゃないの。今更、そんな事を言ったりして…」 一人娘と言っても、紀夫と25歳になった沙織に、血の繋がりは無かった。彼女は、三年前に膵臓癌で亡くなった、妻の秀美の連れ子だった。沙織が小学四年生の15年前、シングルマザーで当時31歳の秀美と、39歳でまだ独身だった紀夫が結婚して、三人家族となったのだった。 15年前、紀夫が勤めている大手機械メーカーに、派遣社員でかなり美人の秀美が働き始めて、二人は知り合った。最初は総務部の係長と、派遣の事務員という立場を崩さなかったのだが、ある事がきっかけで、紀夫と秀美は急接近して、結婚した。結婚後、秀美は専業主婦となり、家事と沙織の教育に専念した。独身時代が長かった紀夫は、連れ子の沙織が懐いてくれた事もあり、幸せな家庭生活を過ごす事が出来た。沙織はすくすくと育ち、秀美の美貌を受け継いだ、美しい娘に成長した。 紀夫は幸せな家庭生活を12年間送っていたが、沙織が大学を卒業する時期に、秀美が癌で倒れてしまった。紀夫と沙織は嘆き悲しみ、交代で病院に泊まり込んで看病したが、全身に転移していた秀美の癌は、急速に進行していった。 入院して二ヶ月後、体中に点滴のチューブを繋がれた秀美は、病院のベッドでやつれた身体を横たえ、最後の力を振り絞って、傍らの紀夫と沙織に話し掛けた。 「紀夫さん…今まで私と沙織を養ってくれて、本当にありがとう…沙織、お母さんみたいな、シングルマザーだけにはならないで…お義父さんみたいに誠実な人を見つけてね…お願いよ…」 秀美は、やっとの思いでそれだけを言い残すと、目を閉じて、二度と開かなかった。沙織は秀美の身体に取りすがって号泣し、紀夫は力無く病室の床にへたり込んだ。 秀美が亡くなった後、紀夫は悲しみを紛らわすかのように、仕事に没頭した。その甲斐があってか、53歳で部長に昇進し、現在は役員選抜の可能性も噂されている。沙織は大学を卒業すると、大手飲料メーカーに就職し、自宅から通勤した。 多忙な紀夫と、仕事に慣れていない新入社員の沙織は、二人で家事を分担して、何とか暮らしていた。すれ違いの多い二人だったが、親子関係は悪くなかった。時たま二人で食事する時、紀夫は亡くなった秀美にますます似てきた沙織を、目を細めて眩しげに見つめた。 そして、三年があっという間に過ぎ、沙織は社内恋愛相手の、将来性があり真面目そうな青年との結婚が決まったのだった。 晩餐を終えた紀夫と沙織は、食器を片付け、良い香りがする食後のコーヒーを楽しんだ。 「それにしても、沙織が家を出ると、寂しくなるな…自分一人じゃ、この家は広過ぎるし…売却処分して、小さいマンションにでも引っ越そうかな…」 紀夫はダイニングを見回して、独り言のように話した。紀夫の家は、彼の亡くなった両親の代からのもので、郊外の立派な一軒家だった。 「お義父さん、そんな事言わないで…お母さんの思い出が残っているし、結婚して家を出ても、ここからそれ程遠くに住む訳じゃないから、しょっちゅう戻って来るわよ」 沙織の返事に、紀夫は苦笑して優しく答えた。 「おいおい、しょっちゅう家に戻って来たら、先方の親御さんから、実家離れ出来ない駄目な嫁だと思われてしまうよ…まあ、余計な事は考えずに、若い二人の新婚生活を考えなさい」 紀夫はコーヒーを飲み干すと、壁の時計を見て、沙織に言った。 「さあ、今晩は早めに寝て、明日の結婚式に備えよう。沙織も寝不足だと、美しい花嫁姿を御披露目出来ないからな」 紀夫が席を立って、寝室に向かおうとすると、不意に沙織が鋭い声で、彼を制した。 「待って、お義父さん!ちょっと話があるの…」 先程のなごやかな雰囲気とは打って変わった、沙織のきつい声と表情に、些か驚いた紀夫は、席に腰を下ろした。 「どうしたんだ、沙織…?話って、何だい?」 沙織は真剣な声で、紀夫に告げた。 「お義父さん、私は明日、この家を出て行きます…ですから最後に、今晩は私がお母さんの代わりになって、お義父さんのお相手をします」 紀夫は、沙織の言う意味が分からず、当惑して訊ねた。 「沙織、何を言ってるんだ?お母さんの代わりに相手をするって、どういう意味だい?」 ここで沙織は、紀夫の触れられたくない核心を突く、驚きの発言をした。 「お義父さんはマゾヒストで、お母さんの奴隷だったんでしょう…だから、今晩は私がお母さんの代わりに、お義父さんを奴隷にして、虐めてあげると言っているのよ!」 「な、な、何を言ってるんだ!?沙織、正気なのか?」 ずっと秘密にしていた、自分の恥ずかしい性癖を沙織に直に言われ、紀夫は驚愕して動揺し、うわずった声を上げた。沙織は、きっと紀夫を睨みつけると、厳しい言葉を浴びせ掛けた。 「私、お義父さんが、絶対入らないようにと言っていた部屋で、お母さんと何をしていたか、全部知っているわ…真っ裸でお母さんの足元に這いつくばって、鞭打たれて泣き喚いたり、人間便器にされて、お母さんのおしっこを飲まされていた最低の変態が、偉そうに私を呼び捨てにするんじゃないわよ!」 沙織に激しい口調で罵られた紀夫は、衝撃と恥ずかしさで顔を真っ赤にして、肩を落とし、がっくりとうつむいた。 15年前に、紀夫と秀美が急接近したのは、当時秀美が夜のバイトで勤めていたSMクラブに、紀夫が足を踏み入れたからだった。紀夫には、誰にも言えない被虐の性癖があり、そのために39歳になっても、まだ独身だった。秀美は、派遣社員で昼間に事務の仕事をするだけでは、一人娘の沙織との生活が成り立たず、夜は風俗のバイトをしていた。元々、嗜虐の性嗜好があった秀美は、SMクラブの女王様が性に合い、実にサマになっていた。 SMクラブで鉢合わせした二人は、とても驚いたが、秀美は直ぐに平常心を取り戻し、紀夫に対して、 「あーら、係長さんにこんなご趣味がおありとは、存じませんでしたわ。最低の変態マゾのくせに、よくも会社で偉そうにあれこれ指図して下さいましたわね…そのお礼に、たっぷりと虐めてやるわよ、変態のマゾ豚!」 と言い放ち、酷い虐待を加えた。惨めな全裸姿の紀夫は、ヒイヒイ泣き喚きながら、秀美の足元に取り縋って、慈悲を請うたが、 「私が秘密にしていた姿を見て、生きて帰れるとでも思っているのかい!?嬲り殺しにしてやるから、覚悟おし!」 と言って、紀夫の顔をブーツで踏みにじり、体中を一本鞭で力強く打ちのめしてから、彼が失神するまで、ありとあらゆる方法で虐め抜いた。この責めで、紀夫は秀美にすっかり嵌ってしまった。 昼間の会社では、二人とも今まで通りに、係長と派遣社員の態度を変えなかったが、夜のSMクラブでは、絶対権力を持つ女王様と、絶対服従する奴隷の関係になった。紀夫は何回か続けてSMクラブに通ったが、女王様と奴隷の関係にも相性があるのか、秀美も紀夫を気に入り、SMクラブ以外にプライベートでも会うようになった。 そして、紀夫は秀美に結婚を申し込み、秀美が快諾して、夫婦になったのだった。被虐の性癖のため、結婚を諦めていた紀夫は、自分の性癖に適合した女性と一緒になれた。秀美も自分の嗜虐を満足させられ、不安定で苦しい生活のシングルマザーから、安定した専業主婦になれて、余裕を持って一人娘の沙織を育てる事が出来た。そのため、この結婚は互いに大きなメリットがあった。 紀夫は結婚すると直ぐ、自宅の一室を防音改造し、連れ子の沙織には、会社の機密資料があるからと説明して、出入りを厳しく禁じた。そして、各種の鞭、ロープ、ディルドゥ、ローソク、浣腸器等、あらゆるSM用品を買い揃えた。秀美も、扇情的で派手な下着に、各種のセクシーなストッキングや網タイツ、それに黒光りする革のハイヒールブーツ等を購入して、それらを色々と組み合わせて着こなし、妖艶なドミナファッションを紀夫に見せつけ、彼を興奮させた。 二人は結婚して、秀美が亡くなるまでの12年間、沙織が熟睡している深夜に、SMプレイを満喫していたのだった。 恥ずかしさで顔を赤らめて、うつむいている紀夫に、沙織は落ち着いた声で、彼に言い聞かせるように話し始めた。 「私が高校二年の時、夜中にトイレに行ったら、出入り禁止にされた部屋から、微かに呻き声が聞こえたの…普段は厳重に施錠されているドアが、僅かに開いていたので、そこから声が洩れたのね…そっと覗いてみると、黒色の下着にハイヒールブーツを履いたお母さんが、猿ぐつわをかまされ、拘束された全裸のお義父さんを踏みにじり、鞭打っていたわ…息が止まる程驚いたけど、私は目を逸らす事が出来なかった…お母さんはお義父さんの顔をお尻で押し潰したり、四つん這いにして背中に跨って、這い回させたり、肛門にディルドウを押し込んだり、おしっこを飲ませたりと、凄い痴態を繰り広げていたわ…普通の女子高生だったら、吐き気を催して、目を背けていたでしょうね…でも、私は違った。凄く興奮して、覗きながら、自分の指であそこを弄って、絶頂に達したの。その後、そっとその場を離れて、ベッドに戻ったけど、なかなか寝つけなかった…翌日は寝坊して、学校に遅刻しそうになったわ。授業中に寝不足のまま、ずっと自分の心内を考えていたのよ。そして、私もお母さんと同じく、男を虐めて興奮する女だと分かったの…」 紀夫は顔を赤くしてうつむいたまま、沙織の話を聞いて、唖然としていた。沙織の話は続いた。 「自分の性嗜好が分かった私は、ネットでピンホールカメラを買って、その部屋の隅に見つからないように偽装して仕掛けたの…お母さんとお義父さんのSMプレイをもっと見たかったから…その盗撮した動画を見ながら、自分の指で自分を慰めていたわ…本当はそれだけじゃ物足りなくて、お母さんとお義父さんに言って、私もSMの世界に参加させて貰いたかった…でも、お母さんがシングルマザーの時にどれ程苦労して私を育ててくれて、結婚した後はどんなに良妻賢母で頑張ってくれたか…お義父さんも、連れ子の私を実の娘みたいに可愛がってくれたのを、十二分に分かっていたから、幸せな家族関係を壊すのが恐くて、とても言い出せなかったの…」 紀夫は沙織の話を聞かされ、頭がすっかり混乱していた。自分と秀美のSMプレイを見られていたショックもあったが、沙織にも秀美と同じ嗜虐の性癖があったとは…。 「三年前にお母さんが亡くなった後、余程お義父さんに、私の奴隷になってと言おうと思ったけど、やっぱり今までの親子関係を壊したくなくて、言えなかった…この事は、死ぬまで黙っていようと思っていたの…でも、三日前に、見てはいけないものを見てしまったわ…」 うつむいたままの紀夫は、沙織の話に心当たりがあり、全身に冷や汗が噴き出た。 「お義父さんと私は、出来るだけ家事を分担していたわよね…料理も掃除も洗濯も…三日前、久しぶりに早く家に帰った時、私の帰宅に気がつかなかったお義父さんが、洗濯機の前で私の汚れたパンティを手にしてた…そして、汚れのひどい部分に鼻を当てて、臭いを嗅いだ後に、舌を伸ばして舐めていたわね…」 紀夫は恥ずかしさで赤くした顔を、更に赤くさせた。沙織に見られるよりかなり前、洗濯する際に沙織の汚れたパンティを手にした紀夫は、沙織が亡くなった秀美によく似てきた事もあって、秀美を懐かしみ、思わずパンティの汚れたクロッチ部分に、鼻を押し付けて臭いを嗅ぎ、舌を這わせてしまったのだった。饐えたような強い臭いと、酸味がかった生臭い刺激的な味に、紀夫の頭を真っ白になり、彼の股間は痛い程に突っ張った。紀夫が秀美に責められる時は、しょっちゅう彼女の汚れたパンティを口に押し込まれてから、猿ぐつわされた事を思い出し、興奮すると同時に亡き秀美を懐かしく思い出して、目に涙を浮かべた。 一度、沙織の汚れたパンティを弄ってしまうと、もう歯止めは効かなかった。紀夫はそれからも、沙織の目を盗んでは、彼女の汚れたパンティの臭いと味を楽しみ、亡き秀美を偲んでいたのだった。 「私の恥ずかしい、汚れたパンティの臭いを嗅いで、舐めているお義父さんを見て、こう思ったの…私を本当の娘と思ってくれているのなら、そんな嫌らしい事をする訳が無い。私を単なる欲望の対象として見ているから、そんな恥知らずな真似が出来るんだってね…」 ここで紀夫は顔を上げ、慌てて弁解しようとした。 「そ、それは違う!私は沙織を、本当に自分の娘だと思って、今まで…」 「お黙り、この変態!」 沙織は大声で紀夫を一喝すると、立ち上がって、彼の頬を思い切り平手打ちした。 「ヒイッ」 紀夫は短い悲鳴を漏らして、椅子ごと床に倒れた。沙織はテーブルを廻って、横倒しになった紀夫の傍に来ると、彼の頭を踏みにじった。 「自分の娘だと思ってですって!?お前は自分の娘のパンティを、嗅いだり舐めたりするの?いい加減におし、最低の変態が!」 今まで“お義父さん”と呼んでくれた沙織から、お前呼ばわりされて酷く罵られ、頭を踏みにじられた紀夫は、目から恥辱の涙をこぼした。それでも紀夫は、沙織へ必死に弁解した。 「さ、沙織…私は沙織を、本当に自分の娘だと思っている…それだけは、信じてくれ…ただ、沙織が亡くなった秀美さんに凄く似てきたから、秀美さんを想って、あんな事をしてしまったんだ…どうか、許してくれ…」 沙織は、やや表情を和らげると、紀夫の頭から一旦足を外して、厳しい口調で命令した。 「ふんっ、いつまでも横になってないで、正座おし!」 紀夫がよろよろと、その場に正座すると、沙織は目が眩む程の力強い往復ビンタを浴びせた。 「ヒイィッ」 「適当な事を言って、誤魔化そうとするんじゃないわよ!それに、汚れたパンティを嗅いで舐める最低の変態のくせに、私を呼び捨てにするなんて、許せないわ!」 沙織に罵倒された紀夫は、土下座して謝罪した。 「申し訳ございません。どうか、お許し下さい…沙織…様」 今まで実の娘のように育ててきた、沙織の足元で土下座して謝罪し、名前に“様”を付けて呼ぶのは、屈辱の極みであったが、紀夫にはそうするしかなかった。土下座している紀夫の頭を、沙織は再度踏みにじった。 「お前がお母さんを忘れられないのは、私も知っていたわ…だから、最後の夜になる今晩、私がお母さんの代わりをしてあげると、言っているのよ!私の厚意を無にするつもり!?」 沙織の足で、額を床に強く押し付けられている紀夫は、頭がすっかり混乱しながらも、苦しそうな声で返事をした。 「と、とんでもございません…夢の様にありがたいお話です…身に余る光栄でございます、沙織様…」 満足そうに微笑んだ沙織は、紀夫の頭から足を外し、強い口調で命じた。 「変態、顔をお上げ!」 紀夫が恐る恐る上半身を起こすと、沙織は又も強烈な往復ビンタを張った。 「ヒイッ、ヒイッ」 情けない悲鳴を上げた紀夫に、沙織は威厳のある声で命令を下した。 「変態、ぼやぼやしてないで、真っ裸になって、例の部屋へ這ってお行き!私は身支度に少し時間が掛かるから、土下座して待っていなさい!」 「は、はい、ただ今…」 紀夫は大慌てで服を全部脱ぎ捨て、全裸になると、秘密の調教部屋へ向かって、這って行った。 「ふんっ、股の見苦しいものを、ぶらぶらさせて…全裸男の四つん這い姿程、醜いものは無いわね」 背後から沙織の侮蔑が聞こえ、それが紀夫の胸を深く傷つけた。紀夫は眼の奥が熱くなり、涙がこみ上げてきたが、彼の股間のものは、不思議と硬くなっていた。女性から受ける耐え難い屈辱が、紀夫のマゾヒストとしての性を、効果的に刺激していたのだ。 調教部屋に入った紀夫は、沙織に命じられた通り、部屋中央で土下座の姿勢を取った。フローリングの床で平伏しながら、紀夫は色々と考え込んでいた。 自分は確かにマゾヒストだが、人並みに幸せな家庭を持ちたかった…亡くなった秀美も、沙織には二人の特殊な性の営みは、知られたくなかった…沙織の父親になれて、とても嬉しかった…父親と娘の、普通の関係を壊したくはなかった…なのに、沙織に虐められる事になった自分は興奮して、硬く勃起している…紀夫は考えを巡らせる程、頭が混乱していった。 紀夫が平伏したまま、二十分位経過した。不意にドアを開閉する音が聞こえ、コツコツと靴音が響いた。平伏している紀夫の前で、靴音が止まり、凛とした声が頭上から降ってきた。 「顔をお上げ、最低の変態!」 紀夫がびくつきながら、上半身を起こすと、目の前に沙織が仁王立ちになっていた。髪をポニーテイルでまとめた沙織は、きつめのメークをして、乳首と猛々しい陰毛が透けて見える、黒色シースルーのブラジャーとパンティを身に着け、ガーターベルトで吊された黒色網タイツと、膝まである黒光りする革のハイヒールブーツを履いていた。右手には丸めて輪にした一本鞭を持ち、左手は腰に添えて、正座している紀夫を見下している。沙織の威厳ある姿を見て、紀夫は若き秀美が復活して、再び光臨したかのように、一瞬錯覚した。沙織は、ハイヒールブーツで床をドンッと踏み鳴らし、紀夫に命じた。 「お前はもう、義父じゃないわ…私の男奴隷に転落したんだよ!さっさと、奴隷の挨拶をおし!」 紀夫は、沙織の足元に再度土下座し、 「沙織様、ご調教を宜しくお願い致します…」 と、奴隷の口上を述べた。すると、唸りを上げて、一本鞭が紀夫の背中に振り下ろされた。 「ギャアァーッ」 背中を焼けた刃物で切り裂かれた様な激痛に、紀夫は背を仰け反らせて、絶叫を上げた。怒りで目を吊り上げた沙織は、豊かな胸を揺らせて立て続けに一本鞭を振るい、紀夫を痛めつけた。紀夫は両手で頭を抱えて、床を転げ回り、悲鳴を上げながら、沙織に慈悲を請うた。 「ウギャーッ、お、お許しを、アァーッ、御慈悲を、沙織様…」 ようやく沙織が鞭打ちを止めた時、紀夫の体には、縦横無尽に赤い条痕が刻み込まれていた。沙織は、両手で頭を抱え、体を丸めて床に横になり、震えている紀夫に近づくと、ハイヒールブーツで彼の頭を踏みにじった。 「お前、よくそれで、お母さんの奴隷が務まったわね!奴隷の分際で調教を要求するなんて、何事よ!奴隷の口上を言うのなら、“私の卑しい体を捧げますので、ご自由にお使い下さいませ”でしょう。一から奴隷として、躾し直さないといけないわね!」 「も、申し訳ございません…どうか、お許しを、沙織様…」 紀夫は、殆ど涙声で、沙織に許しを請うた。今まで本当の父娘のように接してきた沙織に平伏し、鞭打たれ、頭をブーツで踏みにじられるのは、耐え難い屈辱であったが、一方で紀夫のマゾ性をいたく刺激した。あれ程痛い目に遭ったにも関わらず、紀夫の硬く屹立した股間のものは、萎える気配が無かった。沙織は、更に力を込めて、紀夫の頭をグリグリと踏みにじり、命じた。 「それと、私は今晩、お母さんの代わりに、お前の相手をしてあげているんだからね…私の事は“沙織様”じゃなくて、“秀美様”とお呼び!」 「は、はい、承知致しました、沙織…いえ、秀美様…」 紀夫がひどく痛む頭で何とか答えると、沙織はようやく彼の頭から、ブーツを外した。 「お前の事は、男奴隷と呼ぶわよ…男奴隷、仰向けにおなり!」 沙織に命じられた紀夫は、鞭痕で引きつる体を無理に伸ばして、床に仰向けになった。沙織は、紀夫の顔に跨って仁王立ちになり、見下して言い放った。 「男奴隷、お前の顔に、この秀美様の臭いを染み込ませてあげるわ!」 沙織は紀夫の顔面に腰を下ろし、股間の柔らかい、盛り上がった秘肉部分を、彼の鼻と口に押し付けた。紀夫を鞭打って気分が昂ぶったためか、黒色シースルーパンティのクロッチ部分は、沙織の淫液でべったりと濡れていた。 饐えたような強烈な女の臭いが鼻孔の奥まで流れ込み、紀夫は頭がクラクラした。しかし、その臭いが紀夫をますます興奮させ、彼の股間のものは更に硬度を増した。よく秀美に顔面騎乗で責められたのを思い出し、紀夫は陶酔して、幸福を感じた。だが、幸福感に浸ってばかりは、いられなかった。なにしろ、沙織の柔らかい秘肉で鼻と口をぴったりと塞がれ、呼吸が出来ないのだ。窒息状態に耐えられず、苦しくなった紀夫は、両手で沙織の尻を持ち上げようとした。 紀夫の両手が、沙織の尻に触れた瞬間、彼女がほんの少し腰を浮かせてくれたので、僅かな隙間から、何とか呼吸する事が出来た。咽せながらも、思い切り息を吸い込んだので、沙織の陰部の臭いが胸一杯に拡がった。紀夫は、沙織の強烈な臭いが、体中に染み渡ったように感じた。 「うふふ、息が出来なくて、苦しかったの?でも、男奴隷の分際で、女主人である秀美様のお尻に触るなんて、身の程知らずもいいとこね…許せないわ!ひと思いに殺して下さいと、哀願する程の地獄を見せてやるわよ、マゾ豚!」 沙織に怒鳴られた紀夫は、恐怖で身がすくみ、全身に鳥肌が立った。沙織は、再度腰を下ろして、股間を紀夫の鼻と口に密着させ、窒息させた。そして、紀夫が耐えられなくなるのを見計らって、僅かに腰を浮かせた。それを何度も繰り返し、紀夫は酸素不足と、沙織の饐えたような強烈な臭いで、頭の中を掻き回されたようになり、まともに物が考えられなくなってしまった。 沙織は不意に立ち上がると、紀夫に大声で命じた。 「男奴隷、いつまでも寝転がってないで、さっさとお立ち!」 紀夫は、グラグラと揺れる頭に手を添えて、よろよろと立ち上がった。 「両手を背中にお回し!」 紀夫が言われた通りに両手を背中にすると、後ろに廻った沙織は、手際よく革手錠で後ろ手に拘束した。彼女は紀夫の前に廻ると、彼の硬く屹立している股間のものを掴み、ゆっくりとしごきながら、恐ろしい事を言った。 「男奴隷、さっき、この秀美様のお尻を勝手に触ったお仕置きは、何がいいかしらね…この恥知らずに硬くしたものを、鞭で叩き折られたい?だらしなく垂れ下がっている睾丸を、鞭で叩き潰されたい?それとも、尿道に鉄串をねじ込まれたい?熱く溶けたロウソクを、肛門に流し込むのもいいわね…お前に選ばせてあげるから、好きなお仕置きをお言い!」 紀夫は恐怖で震え上がり、涙目で沙織に哀願した。 「沙織…いえ、秀美様、何とぞお許し下さいませ…不調法は、平にお詫び致します。今回だけは、許して下さい。どうか、御慈悲を…」 沙織は邪悪な笑みを浮かべ、紀夫の硬いものをしごきながら、残酷に言い渡した。 「いいわ、特別に情けを掛けてあげる…但し、この秀美様がお前を可愛がってあげている間、射精を我慢出来たらね…勝手に射精して、秀美様の手を汚しでもしたら、この醜悪なものをロウソクの炎で、こんがり焼き尽くしてやるわよ!」 沙織は柔らかい手で、紀夫のものをゆっくりとしごき、もう片方の手で、陰嚢を優しく揉みほぐし始めた。 「ああっ、お許しを…」 紀夫は、沙織の巧みな指捌きで、直ぐに絶頂に達しそうになる。彼は目をつぶり、歯を食いしばって、とろけるような快感に耐えた。沙織はしごきながら、陰嚢を揉みほぐしていた手で、不意に紀夫へ強烈な往復ビンタを浴びせた。 「ヒイィッ」 目から火花が散る程の衝撃と痛みを受けた紀夫は、哀れな悲鳴を上げた。 「目を閉じるんじゃないよ!お前を可愛がってあげている、この秀美様の目を見つめるのよ!目を逸らしたりしたら、睾丸を握り潰してやるからね!」 「は、はい、分かりました…秀美様」 紀夫は、殆ど泣き声で沙織に返事をした。沙織は、勝ち誇った表情で紀夫を見つめて、彼のものをしごき続け、陰嚢や股間の敏感な箇所に指を沿わして、とても長くは耐えられない快感を与えた。 紀夫は思わず腰を引いてしまったが、沙織から再度、力強い往復ビンタを張られ、動かないように怒鳴り付けられた。沙織の巧みな指と手の動きに、紀夫は限界まで追い詰められていった。彼の頭はすっかり混乱しており、自分を見つめている沙織を、本当の秀美のように錯覚した。 「ああっ、もう、もう駄目…許して…」 あと、ひと擦りで射精するところまで、紀夫は追い詰められ、泣き言を漏らすと、沙織は不意に手を離した。そして、床の一本鞭を拾うと、頭上に振り上げて、紀夫を罵った。 「男奴隷のくせに、自分だけ気持ちよくなるんじゃないわよ!変態のマゾ豚!」 沙織は紀夫に向けて、一本鞭を鋭く振り下ろした。自分の屹立したものを打たれると思った紀夫は、恐怖で身をすくめたが、鞭は彼の体を外し、傍の床を叩いた。バシーンッと部屋に響き渡る鞭音で、紀夫の緊張の糸が切れた。 「うわあぁーっ」 彼は喚きながら、夥しい白濁液を放出してしまった。沙織に禁じられた射精をしてしまった紀夫は、体中の力が抜け、涙をこぼしながら、その場にへたり込んだ。 「うふふ、鞭音だけで射精するなんて、本当にマゾなんだね…お前は、最低の変態だよ!」 沙織に侮蔑された紀夫の目から、涙が止めどなく流れた。沙織は一本鞭を床に放ると、床に座り込んでいる紀夫に近づき、彼の髪を掴んで顔を上に引き上げると、目が眩む程の往復ビンタを浴びせた。 「男奴隷、勝手に射精したら、どういう目に遭うか、言っておいたわよね!」 「ひいぃ、お許しを…どうか御慈悲を…秀美様…」 脅えきった紀夫は、震え声で沙織に慈悲を請うた。 「お許しを、御慈悲をなんて、いい加減聞き飽きたわよ!男奴隷のくせに、甘えるじゃないわ…まあ、いいわ。丁度催してきたから、お前のお仕置きは後にして、先に人間便器にしてあげる」 沙織は、何の恥ずかしげも無く、紀夫の面前で黒色シースルーパンティを脱ぎ捨てると、彼の髪を掴んで引き寄せ、口を自分の陰部に押し付けた。 「男奴隷、口をお開け!奴隷以下の最低の人間便器になって、この秀美様のおしっこをお飲み!」 沙織に命じられた紀夫は、慌てて口を大きく開いた。 「うふふ、いくわよ!」 情け容赦無く、沙織は紀夫の口に放尿した。アンモニア臭の強く濃い沙織の尿に、紀夫は吐きそうになったが、目を白黒させて必死に飲み下した。沙織の尿が喉を焼き、胃に溜まっていくのを実感した紀夫は、秀美から便器にされた日々を思い出し、先程放出したにも関わらず、股間のものを再び硬く屹立させた。 排尿を済ませた沙織は、一旦紀夫の顔を自分の陰部から引き離すと、 「秀美様のおしっこが済んだら、言われなくても舌で後始末おし!」 と命じて、再度彼の顔を自分の陰部に引き寄せた。紀夫は沙織に命じられた通り、尿で濡れた彼女の陰部へ舌を伸ばし、必死に舐め回した。 「舌使いは、まあ悪くないわね…この秀美様がいいと言うまで、舐め続けるのよ!」 沙織は気分が出てきたのか、紀夫に延々と陰部を舐めさせた。陰唇から尿とは違う、臭いのきつい分泌液が湧き出て、紀夫は咽せそうになったが、舌の付け根が痛くなる程、沙織の陰部を舐めさせられた。しばらくして、沙織は背を仰け反らせて、絶頂に達した。 しばらく紀夫の顔を陰部に押し付けて、余韻を楽しんでいた沙織は、不意に彼の顔を引き離し、床に蹴り倒した。沙織は紀夫から離れると、部屋の物入れから浣腸器・電動バイブ・ペニスバンド・ロウソク・アナルフック・コックケージ・人間馬用グッズ等の、秀美と結婚した時に紀夫が買い揃えた責め道具を取り出して、床に並べた。沙織は責め道具を手にすると、脅える紀夫に近づいた。 「勝手に射精したお仕置きが、まだだったわね…今から地獄を見せてあげるから、覚悟しなさい!」 恐怖で失禁しそうになった紀夫は、床にへたり込んだまま、後ずさりして、沙織に哀願した。 「ひいっ、秀美様、許して、許して下さい…お願いです、秀美様…」 沙織に酷く虐められた紀夫は、一種の錯乱状況に陥り、今の彼は本気で、沙織を秀美だと思い込んでいた。 「お黙り!この秀美様を、軽く見るんじゃないわよ!男奴隷のくせに、甘えるのはお止め!」 沙織の結婚式の前夜、紀夫は深夜まで、彼女から半死半生になるまで、徹底的に虐め抜かれた。 翌日、沙織の結婚式に、紀夫は燕尾服を着込んで出席した。彼の胸ポケットには、亡き秀美の顔写真が挿さっていた。華やかな結婚式で沙織は、昨夜とは打って変わって、初々しい清純な花嫁姿で、イケメンの新郎に寄り添っていた。 結婚式の終盤、長身でハンサムなタキシード姿の新郎と、純白のウェディングドレスを見事に着こなし、はにかんで清純な雰囲気を出している美しい沙織に向け、紀夫は父親のスピーチ原稿を読み上げた。 「…ですから、三年前に亡くなった秀美も、天国から沙織のきれいな花嫁姿を見て、さぞかし喜んでいることでしょう。彼女は母親として、目に入れても痛くない程、可愛いがっていた一人娘の沙織を育てるために…」 紀夫はスピーチしながら、前日に奴隷調教が終わった後、沙織が自分に言い放った言葉を思い返していた。 『男奴隷、お前を虐めるのは今晩だけにするつもりだったけど、気が変わったわ…結婚した後も、たびたび家に帰って、お母さんの代わりをしてあげるわよ。この秀美様の責めを、楽しみにしといで、変態のマゾ豚!』 紀夫は、参列者全員が感動するスピーチをしながら、内心では亡き秀美に代わって、沙織から虐められるこれからの日々を思い、股間のものを硬くしていた。 終わり |