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週末の休日、卓也は父親が趣味に使っていた部屋の扉を開け、中を見渡して、ため息をついた。
(今年から年金を貰って、悠々自適の生活が送れる筈だったのに…親父もさぞかし心残りだっただろうな…)
卓也の父親である中村巌夫は、65歳になって年金受給を開始したばかりの二ヶ月前に、心筋梗塞で突然亡くなってしまった。今年32歳になる卓也は、高校一年の時に母親を病気で亡くし、それ以来父子二人で暮らしてきた。父親の巌夫は、名前が示す通りに区役所勤めの厳格な堅物であったが、一人息子の卓也を何かと気遣ってくれ、卓也も父親のために料理・洗濯・掃除等の家事を一通りこなした。彼は特に料理が面白くなって興味を持ち、その影響からか、大学を卒業した後は大手食品メーカーの新商品開発部門で、夕方遅くまで残業して熱心に働いている。
父親の巌夫は、区役所の住民課課長を定年まで勤めた後、65歳で任期が切れるまで嘱託職員として働いていた。そして年金を受給し、これから第二の人生を謳歌しようと言う矢先に、急逝してしまったのだ。急に父親を亡くした卓也は、葬儀の手配、父親と同居していた家や父親名義の預貯金の相続手続き、父親名義の車の処分、父親名義のカード関係の停止、四十九日の法要と、悲しむ暇が無いくらいに忙しく動き回らなければならなかった。そして一通りの事が済んで落ち着いた今、ようやくしんみりと亡父を悼む事が出来たのだった。
(結婚は無理だと諦めていた僕に、理美さんを引き合わせてくれたのも、親父だったしな…)
端整な顔立ちのイケメンではあるが、体の線が細く、外向的でない卓也は女性関係には全くの奥手で、30歳を過ぎても、まともに女性とつき合った事が無かった。さすがに見るに見かねた巌夫が、卓也を区役所の非正規職員である当時27歳の理美と強引に見合いさせたのだった。
見合いの席で、卓也は女性と何を話していいのか分からず、最初は口ごもっていたが、理美が積極的に色々と話題を振ってくれて、何とか会話が盛り上がった。上背があり、美人でナイスバディの理美は、なぜだか卓也を凄く気に入り、彼女から積極的に卓也に迫って、一年前無事に結婚したのだった。結婚式は理美の希望で、ごく親しい友人を数人のみ招いただけの内輪で行った。
結婚後、理美は区役所の仕事は続けたが、如何にも新妻らしく、卓也にかいがいしく尽くした。卓也は、他の男達が放っておかない程の美人である理美が、なぜ冴えない自分を気に入ってくれたのか、全く不思議だった。結婚式の後に理美は、
「私、マッチョで経済力を鼻に掛けて、自信満々に寄って来る男性は大嫌いなの。物静かで線の細い文学青年タイプか学者タイプで、知性を感じさせる卓也さんみたいな男性が私の好みなのよ」
と打ち明けた。
実は卓也が女性に奥手で、まともに付き合った事が無く、結婚が遅れたのには、誰にも言えない理由があった。それは卓也の性癖によるもので、彼は強度のマゾヒストだったのだ。卓也が高校2年生の時、書店で立ち読みしたアダルト雑誌に、妖艶なグラマー美人が小柄で貧相な男の顔を豊満なお尻で押し潰しているイラストが載っていて、それに衝撃を受けたのがきっかけだった。卓也はそのイラストを見た時、背骨に電流が走り、脳髄が痺れるような感覚に捕らわれ、ズボンを突き破る程の勢いで勃起してしまい、自分のマゾの性癖をはっきりと自覚してしまった。それからは、少ない小遣いをやりくりし、街中の書店や古本屋を廻ってSM雑誌を買い集めたり、レンタルDVD店で数少ないマゾ男ものDVDを借りたり、父親が不在の時には家のパソコンでマゾ男専用のサイトを見たりしていた。
しかし、男のマゾが如何に恥ずかしく、世間からどれ程軽蔑されるのかを、本能的に知っていた卓也は、厳格で堅物な父親には勿論秘密にして、誰にも打ち明けられず、必死に隠し通してきた。大学時代にマゾの性癖を何とか矯正しようと、ソープやヘルス等の風俗にも足を運んでみたが、結局マゾの性癖が直る事は無かった。それで卓也は、女性との付き合いと結婚をすっかり諦めていたのだった。
理美と結婚して初めての夜、性経験が少なく素人童貞の卓也は、セックスへの自信が無くて不安だったが、何とか無事に夫婦の営みを済ます事が出来た。その上驚いた事に、普段の積極的で活動的な言動とは裏腹に、理美は初めてだったのだ。
「…27歳にもなって処女だなんて、おかしいでしょう…恥ずかしい」
そう恥じらいながら、理美は卓也の胸に顔を埋めた。卓也は感激して、
「理美さん、何言ってるんだ!素晴らしいよ、素敵だよ…僕は一生、理美さんを離さないよ!」
と言って、力強く理美を抱き締めた。そして自分のマゾの性癖は、清純な理美には絶対に隠し通さねばならないと、改めて自分に誓ったのだった。
(そろそろ、親父の遺品整理に取り掛からないといけないな…)
卓也は亡父の部屋に足を踏み入れた。その部屋は、去年卓也の結婚が決まった時に、父親の巌夫が、昔やっていたフォークギターの練習をしたいと突然言い出し、物置代わりにしていた部屋を完全防音にして、床もフローリングに張り替えるリフォーム工事を行っていた。部屋の中には、壁に立て掛けてあるギター、折り畳み式の長椅子、ぶら下がり健康器、それに部屋の隅に設置してあるデジタルビデオカメラ以外に、家具らしい物は何も無かった。
(リフォームして、一年位しか経っていないのに…親父はどれだけフォークギターの練習が出来たのかな…)
卓也は壁に立て掛けてあるギターを何気なく手にし、ふと妙な事に気がついた。
(何年も使ってないみたいに、ギターの弦が全部ボロボロに錆びている…全然弾いた形跡が無い?)
卓也が部屋の押し入れを開けると、中には大型のキャリーケース三つと丸めたゴムマットが入っていた。
(親父は、旅行らしい旅行なんて殆どしなかったのに、なぜキャリーケースが三つもあるんだ?)
卓也はキャリーケースを開けようとしたが、四桁の暗証番号が必要だった。彼はふと、父親の誕生日が12月25日で、ワシはキリストの生まれ変わりだと、馬鹿な冗談を言っていたのを思い出した。試しに“1225”の数字で暗証番号を合わせると、カチャッと音がして、キャリーケースの錠が解けた。キャリーケースを開けて中を確認した卓也は、驚いて目を剥いた。中には、丸めた一本鞭、九尾鞭、乗馬鞭、革手錠、コックケージ、ボールギャグ、アナルフック等々、SMプレイに使う道具が一通り入っていたのだ。
卓也は、他の二つのキャリーケースも同じ暗証番号で開け、中を確認した。一つのキャリーケースには、革製のロングハイヒールブーツやハイヒール等の各種女性用靴が何足も入っており、もう一つには、バタフライマスクや魔女の仮面、派手で扇情的な女性用下着、革製ビスチェやガードル等と、スクラップ帳が一冊入っていた。卓也がスクラップ帳を開くと、デジタルビデオカメラのメモリーカードが、几帳面な巌夫らしく日付順に整理されていた。
卓也はスクラップ帳を手にして、三つのキャリーケースを閉じると、急いで自分の部屋に向かった。その時、玄関のドアが開き、妻の理美が買い物から帰って来た。
「ただいま、卓也さん。有名なケーキ屋さんで、新製品の美味しそうなタルトを買って来たの。直ぐお茶にしましょう…あら、卓也さん、どうしたの?顔色が少し変よ?」
「ああ…いや、何でも無いよ。そろそろ、親父の遺品を整理しようと思ってね…部屋を確認したけど、手つかずの通帳とかは特に無かったな…」
理美に話し掛けられた卓也は、曖昧に誤魔化して、自分の部屋に入った。そしてパソコンを起動させ、スクラップ帳からメモリーカードを取り出し、パソコンに差し込んだ。
(あの部屋の隅に設置されたビデオカメラに、部屋で何が行われていたのか、撮影されている筈だ…)
卓也はマウスを手にし、理美に聞かれないよう音声をミュートにして、動画再生を行った。卓也の予想通り、やはりSMプレイの動画だった。それも、全裸に犬の首輪を着けた巌夫が、バタフライマスクを着け、扇情的な下着姿でハイヒールブーツを履いた、妖艶な若い女性に虐められている内容だった。動画を見た卓也は、愕然とした。
(あの厳格な親父が、マゾヒストだったなんて…ひょっとして僕がマゾなのも、親父の遺伝だったのか…?)
犬のように四つん這いで部屋を這い回っている巌夫を、首輪に繋がれたリードを持った女性が、乗馬鞭で彼の尻を鞭打ったり、巌夫にチンチンさせて、股間に屹立している彼のものを、女性が乗馬鞭の先でつついたり、軽く叩いたりして辱めている動画を見た卓也は、父親があの部屋を完全防音とフローリングの床にリフォームした理由と、ギターが全く使われていない訳が、やっと理解出来た。
(平日、僕はいつも帰りが遅いから、区役所から帰った夕方にSMプレイをしていたんだろう…この女性は、デリヘルのSM嬢かな…?)
卓也が動画に見入っていると、動画の女性が不意にバタフライマスクを取って顔を晒し、彼は再度愕然とした。動画の女性は、何と妻の理美だったのだ。卓也の全身が震えた。
(う、嘘だ、理美が親父のSM女王様だったなんて…)
卓也は一旦動画を止め、メモリーカードをパソコンから引き抜き、別のメモリーカードを差し込んでみた。次の動画は、口元にボールギャグをかまされた全裸の巌夫が、ぶら下がり健康器に両手を吊され、理美に一本鞭で鞭打たれて悶え苦しんでいたり、折り畳み式長椅子の上で仰向けに拘束された巌夫の顔を、理美が尻で押し潰して苦しめている様子が映されていた。卓也がまた別のメモリーカードを確認してみると、床に拡げられたゴムマットの上で、全裸の巌夫とTバックの水着姿の理美が格闘している動画だった。格闘と言っても、指が出ている総合格闘技用のグローブを嵌めた理美が、一方的に巌夫にパンチとキックを浴びせ、色々なプロレス技で巌夫を苦しめているものだった。しかし巌夫は苦しそうに顔を歪めながらも、股間のものが下腹を叩く程に勃起していた。最後はダウンしてゴムマットの上で仰向けに倒れ、口を開けて喘いでいる巌夫に、Tバックを脱ぎ捨てた理美がしゃがみ込み、彼に尿を飲ませていた。
呆然と動画を見ていた卓也は、父親の部屋にぶら下がり健康器と折り畳み式の長椅子、それと丸めたゴムマットがあった理由が、ようやく理解出来た。ダミーのギターを除いては、全てSMプレイ用の道具で、それ以外の無駄な物は全く無かったのだ。
「…卓也さん、見てしまったのね」
理美に背後から不意に声を掛けられた卓也は、椅子から飛び上がりそうになった。彼は恐る恐る振り向き、
「や、やあ、理美さん…どうしたの…?」
と震え声で何とか返事をした。冷徹な顔で腕組みをして、卓也を見つめていた理美は、
「お茶を淹れたから、呼びに来たのよ…丁度いいわ、卓也さんに話があるから、リビングまで来て頂戴」
と冷静な口調で言うと、踵を返して卓也の部屋から出て行った。
(しまった…焦っていて、ついドアに鍵を掛けるのを忘れていた…)
卓也はパソコンをシャットダウンすると、重い足取りでリビングに向かった。リビングで、理美は既にテーブルに着いていた。テーブルの上には、ティーポットと紅茶を淹れたティーカップ2個、それと一口サイズのタルトが5,6個乗せられた皿が置かれていた。卓也はのろのろと、テーブルを挟んで理美の対面に座った。
「卓也さん…まず、紅茶を一口飲んで、落ち着いて頂戴」
卓也は理美に言われた通り、まだ熱い紅茶を一口飲み、気を落ち着かせた。理美もティーカップに口を着けた。
「…理美さん、親父の部屋にあったビデオカメラのメモリーカードを確認していたんだけど…一体いつから親父とそういう関係になったんだい?」
ティーカップをテーブルに置いた卓也は、恐る恐る理美に問い掛けた。理美は唇の端を歪めて、苦笑いした。
「あなたと結婚する、何年も前からよ…私が中学生の時、両親を交通事故で亡くしたの。それで、親戚の家に引き取られたんだけど、家政婦同然にこき使われてね…」
理美は、唐突に身の上話を始めた。
「高校はまあ、行かせて貰えたんだけど、アルバイトをしてバイト代を親戚に納めなければならなかったの。勿論、大学進学なんてさせて貰えなかったわ。だから、放課後のアルバイトをいくつか掛け持ちして、何とかお金を貯めて、大学を受験したの。高校を卒業した後は親戚の家を出て、それ以来連絡は取ってないわ…大学生活の費用は、奨学金だけではとても足りなくて、風俗のバイトをする事に決めたの。女が身体一つで稼ぐとなると、昔からこの方法しか無いものね…」
卓也は理美の話を聞いて、彼女が親しい友人達だけしか招待せずに内輪で結婚式を済ませ、親族関係を一切呼ばなかった理由が分かった。しかし、彼は疑問に思った。風俗のバイトをしたと言っても、理美は清純な処女だった筈だが…?理美の話は続いた。
「風俗と言っても、汚らわしい男客に自分の身体を許すのは、絶対に嫌だった。だから、セックスしなくてもいい風俗を選んだら、SMクラブの女王様がぴったりだったのよ…最初は慣れなくて、男客を痛めつけ過ぎてクレームが来た事もあったけど、段々慣れていくと人気が出て、リピーターの固定客も増えて、いい収入になったわ。自分でも知らなかったけど、私は男を虐めて楽しむのが性に合っていたのね…昼は大学の講義、夜はSMクラブのバイト、その他の時間は大学の課題をこなすのが精一杯で、男子学生と付き合う時間なんて全く無かったわ。それで、私には性体験が無かったの…大学時代の生活費は、SMクラブのバイト代で何とか賄えたわ。中には、月々の高額な手当を出すから、プライベート女王様になって欲しいと言う男客もいたけど、それはさすがに断ったの。プライベート女王様になったら、結局最後は身体を許す事になるからね…」
理美の話を聞いていた卓也は、彼女が男性と付き合った事すら無く、処女だった理由がようやく理解出来た。
「お義父さんは、私がSMクラブでバイトを始めた頃からのお客さんだから、もう8年以上も前からのお付き合いになるわね。私の事を凄く気に入ってくれて、直ぐリピーターになってくれたわ。同伴出勤に付き合って貰ったり、アフターで食事を奢って貰ったりしてたの…私、3年生の頃から就活を頑張ったんだけど、何のコネも無いし、どこも不採用だった。大学を卒業しても就職先が無く、風俗一本で生活するのは気が進まなかったわ。それでお義父さんに相談したら、区役所の非正規職員に採用して貰えたの。奨学金返済のために、SMクラブのバイトはこっそり続けていたけどね…」
卓也は口をポカンと開けて、理美の話を聞いていた。
「生活の安定のため、私は公務員である正規職員になりたかったんだけど、それには代議士か都庁の幹部クラス位のコネが必要で、お義父さんの力では無理だった…いつ契約を打ち切られるか分からない、不安定な非正規職員で5年間も働いて27歳になった私には、焦りが生じたわ。それでお義父さんに、結婚して生活を安定させたいと相談したの。そしたら、自分の息子である卓也さんと見合いをさせてくれたわ。金をひけらかす柄の悪い風俗の男客とは違い、物静かで知性的な雰囲気の卓也さんは私の好みだったから、喜んで結婚を決めたのよ。お義父さんも喜んでくれて、結婚祝いとして、私の奨学金を一括で返済してくれたわ…ただ条件が一つあって、それは卓也さんとの結婚後に、SMクラブはきっぱりと辞めて、お義父さんのプライベート女王様になる事だった。私も男を虐めるのが楽しくて興奮するから、進んでその条件を呑み、お義父さんのお相手を務めたって訳…お義父さんは私の一番の理解者だったし、急にお亡くなりになった時は、私も本当に悲しかったわ…」
卓也は、自分が結婚する時に父親が部屋をリフォームした理由と、父親の預貯金の額が思ったより遥かに少ない訳がようやく分かった。SMクラブに足繁く通ったり、理美の奨学金の肩代わりをしたり、SMグッズを沢山買い集めたり、リフォーム工事をしたりすれば、金が貯まらない筈だ。
理美の話を聞いていた卓也は、いつの間にか強い喉の渇きを覚え、ティーカップを手にすると、冷めた紅茶を一気に飲み干した。卓也はティーカップをテーブルに置き、理美に尋ねた。
「あの厳格で堅物な親父が、まさかマゾヒストだったなんて、全く思いもよらなかったな…それで理美さんは、これからどうするつもりなんだい?」
卓也は、父親と理美の秘密の関係を知ってしまったからには、もう普通の夫婦関係ではいられないだろうと思っていた。今の彼は、父親の遺品を探って、秘密を知ってしまった事を心底後悔していた。知らなければ理美とは、今まで通りに仲睦まじい夫婦でいられたのに…しかし、理美の答えは意外なものであった。
「どうするつもり…ですって?それは、卓也さん次第よ」
「卓也さん次第って…どう言う意味?」
卓也が戸惑っていると、理美は開き直ったように言い出した。
「卓也さんもお義父さんと同じで、マゾヒストなんでしょう?女に虐められたいと思っているんでしょう?正直に言ってご覧なさいよ!」
「な、な、何を突然…」
自分が誰にも言わずに隠し通してきた恥ずかしいマゾの性癖を、理美にズバリ指摘され、卓也は動揺した。理美は、更に畳み掛けるように説明した。
「卓也さんと結婚する随分前の話だけど、お義父さんは卓也さんの事で悩んで、私に相談した事があったのよ…息子が高校生の頃、息子の部屋にマゾ男専門誌やマゾ男DVDが隠されていたのを見つけた。家のパソコンのネット履歴を確認してみたら、マゾ男専用のサイトばかりに繋がっていた。息子がマゾになったのは、自分の血のせいかもしれない。どうしたらいいんだろう…てね。私は、息子さんのマゾは、あなたのせいじゃないし、マゾの性癖でも、あなたみたいにちゃんと社会生活を営んでいる人は沢山いるから、何の心配も要らないって答えたら、お義父さんは安心したみたい…でも、お義父さんみたいに、マゾの性癖は一生治らないわ。だから、卓也さんも高校生の頃から、ずっとマゾヒストだったんでしょう?」
卓也は愕然として、口をポカンと開けた。
(親父はとっくの昔に、僕の恥ずかしい秘密を知っていたのか…理美さんにも伝えていたなんて…)
そして卓也は、自分のマゾの性癖を理美に言われた恥ずかしさで、顔を真っ赤にして俯いた。理美は卓也を諭すように、話を続けた。
「卓也さん、私達は夫婦でしょう?隠し事は無しにしましょう。自分の心に正直になって…私に虐められたくない?私の奴隷になりたくない?正直に答えてくれれば、卓也さんの昔からの夢が叶うのよ…どうなの!はっきり答えなさい!」
急に理美から強い口調で言われた卓也は、驚いて顔を上げた。卓也の目は、理美の強い意志を宿して輝いている目と合い、彼は蛇に睨まれたカエルのように竦んでしまって、視線を外す事が出来なくなった。
「あ、あの…僕は、理美さんの奴隷になって…ずっと虐められたいと思っていました…正直、夫婦の営みも…理美さんから虐められる事を想像しながら、務めていました…」
まるで、鬼刑事から厳しい取り調べを受けた犯人が自白するような口調で、卓也は自分の気持ちを理美に打ち明けた。卓也の気持ちを聞いた理美は、満足そうに微笑んだ。
「分かったわ、卓也さん。お望み通り、私の奴隷にしてあげる…それと奴隷が服を着ていては、おかしいわね…直ぐに服を全部脱いで、真っ裸におなり!」
急に理美から厳しい口調で命じられた卓也は、慌てて立ち上がり、服を全て脱ぎ捨て全裸となった。ただ、それからどうすれば良いのか分からず、両手で股間を隠して恥ずかしそうに立っていた。
「何ぼんやりと立っているの!?奴隷は普通、許可が無い限り、女王様の前では平伏すものよ。さっさと私の足元に平伏しなさい!」
「は、はい…」
卓也は急いでテーブルの下に入り、理美の足元に平伏した。理美はスリッパを履いた足で、卓也の頭を踏みにじりながら、彼に告げた。
「卓也さんはもう私の奴隷になったんだから、これから卓也さんの事は、“男奴隷”と呼ぶわ。私の事は、“女御主人様”か“理美様”と呼んで頂戴…ところで、男奴隷、今までSMクラブに行ったり、他の女王様の調教を受けた事はあるの?」
卓也は理美に頭を踏みにじられ、額を床に押し付けられたまま、彼女の足下から苦しげに返事をした。
「…いいえ、ありません。私のマゾは、想像上のファンタジーだけで、実践した事はありません」
理美は、軽いため息をついた。
「ふうっ、一から奴隷の躾をしなければならないわね…でも、変な癖がついてないから、私の思い通りに調教出来そうだわ。私はお前にバージンを捧げたんだから、お返しにお前の奴隷バージンは、私が頂く事にするわね」
理美は卓也の頭から足を外し、スリッパを脱いだ。彼女はテーブル上の一口サイズのタルトに手を伸ばし、口に入れた。
「うん、評判のお店だけあって、結構美味しいわ…男奴隷、お前もお上がり」
理美はタルトを右足の指に挟んで、テーブルの下で平伏している卓也の顔に突き付けた。卓也は一瞬躊躇ったが、
「ありがとうございます、理美様…頂きます」
と礼を言って、理美の足の指に挟まれているタルトを口にした。タルト自体は美味しかったが、理美の足の蒸れた臭いが鼻について、惨めな気持ちになった。
(これが、奴隷の気分か…)
SMプレイとしては他愛の無いものであったが、SM初心者の卓也には結構応えた。
「男奴隷、いちいち言われなくても、足指の間を舐めて、きれいにおし!」
タルトを飲み込んだ卓也は、急いで理美の足指の間を舐めた。理美は右足の足指の間を全て舐めさせると、今度は左足を突き出した。
「男奴隷、左足も蒸れて、汗と脂が残っているから、お前の舌できれいにおし!」
卓也は、蒸れた足の饐えたような臭いに耐えながら、理美の左足に舌を這わせた。理美は左足の足指の間も全て舐めさせると、卓也に命令した。
「男奴隷、テーブルの下から出て、私の横でお座りおし!」
卓也はテーブルの下から這い出て、椅子に座っている理美の横で、犬のようにお座りした。理美はタルトに手を伸ばし、頬張りながら卓也に命じた。
「男奴隷、顔を上げて、口をお開き!」
卓也が命じられた通りにすると、理美は咀嚼してドロドロになったタルトを、彼の口に吐き入れた。そして彼女は、冷めた紅茶で口をゆすぐと、その紅茶も卓也の口に吐き入れた。卓也は咽せそうになって目を白黒させたが、何とか飲み下した。
妻の理美が吐いたものを口に流し込まれるのは、夫の卓也にとって、胸が掻きむしられる程の屈辱だった。しかし、その屈辱感が彼のマゾの性癖を刺激し、股間のものが徐々に頭をもたげてきた。
「男奴隷、言っておくけど、この程度の餌付けは男奴隷にとっては、贅沢過ぎる程のご褒美なんだよ。今日は初めてだから、これくらいにしておいてあげるけど、お前はもう、まともな人間の食事は出来ないからね…いずれ、グチャグチャの汚らしい残飯でも、感謝して嬉し涙を流しながら貪るように調教してあげるわ!」
理美から残酷な事を言われ、卓也は背筋に鳥肌が立った。彼は、自分が本当に理美の男奴隷になれるのかどうか、自信が無くなってきた。理美は卓也に命令した。
「男奴隷、お義父さんの部屋にお行き!」
「は、はい…」
父親の部屋に行こうと、卓也が床から立ち上がると、理美も椅子から立ち上がり、不意に目が眩む程の強烈な往復ビンタを、彼の両頬に浴びせた。
「ヒイィッ」
卓也は短い悲鳴を上げて、痛む頬を両手で押さえた。更に理美は、卓也の股間に鋭い蹴りを入れた。
「グエエェッ」
陰嚢を蹴られた卓也は、ヒキガエルが鳴いたような呻き声を上げ、両手で股間を押さえて床に倒れ、芋虫みたいに体を丸めて苦しんだ。理美は、床で苦しんでいる卓也の頭を素足で踏みにじり、怒鳴りつけた。
「誰が立っていいと言ったの!男奴隷の分際で、人間様みたいに偉そうに二本足で立つんじゃないわよ、生意気な!女御主人様の許しが無い限り、男奴隷は犬畜生みたいに這って行くものなのよ!」
「も、申し訳ございません…以後、気をつけますから、何とぞお許し下さいませ、理美様…」
理美の足下で、卓也は半泣きの声で許しを請うた。両頬の痛みと股間の痛み、その上理美に踏みにじられている頭の痛みで、卓也の目から涙がこぼれた。妻に往復ビンタされ、股間を蹴られ、頭を踏みにじられる屈辱は、常人の夫であれば、とても耐えられる筈が無い。しかしマゾヒストである卓也は、痛みに苦しんで涙を流しながらも、背中がゾクゾクするような悦びを感じていた。理美は卓也の頭を蹴りつけ、再度命令した。
「男奴隷、いつまでも横着に寝てないで、さっさとお義父さんの部屋へお行き!」
「は、はい、理美様…」
卓也は、まだ股間に残る痛みを堪え、何とか四つん這いになり、父親の部屋に向かって這い進んだ。卓也の後をついて歩く理美は、彼を酷く侮蔑した。
「うふふ、裸の男が四つん這いで動くと、股の醜いものがぶらぶらして、本当に見苦しいわね…お前、自分が今、どんなに恥ずかしい姿か分かるかしら?薄汚い野良犬よりも、醜悪で情けないわ!」
理美の侮蔑は、卓也の胸を深く抉った。彼は自分の股間に理美の視線を感じ、恥辱で顔を赤らめた。しかし、その恥辱が卓也を興奮させ、まだ痛みが残っているにも関わらず、股間のものを硬く屹立させてしまった。
「ふんっ、犬畜生みたいに惨めな四つん這いで動いているくせに、興奮して勃起するなんて、お前は本当に最低の変態マゾなんだね…お義父さんの部屋に入ったら、もっと痛めつけて、もっと辱めてやるわよ!」
理美に酷く罵られ、卓也の胸は深く傷ついたが、彼の股間のものは更に硬度を増してしまった。父親の部屋の前に着くと、理美は卓也に、
「男奴隷、お前はここでお座りしていなさい!」
と命じ、扉を開けて一人で部屋に入った。理美は押し入れを開け、大型のキャリーケースから犬用の首輪を取り出した。彼女は、扉の前で犬のようにお座りしている卓也にその首輪を放り投げ、
「私はこの部屋で着替えるから、首輪を着けて、そこで待っていなさい!」
と命じて、僅かに隙間を空けて扉を閉めた。卓也はほんの少しの間、黒色革製で頑丈そうな大型犬用の首輪を見つめていたが、理美に命じられた通りに、自分の首に犬用の首輪を巻き付けた。カチャカチャと鳴る首輪の金具の音が、自分は夫から奴隷に転落したんだと教えているように聞こえ、惨めな気持ちになった。しかし、その惨めさが股間の屹立したものの硬度を維持させていた。しばらくして部屋の中から、
「男奴隷、もういいわよ…部屋にお入り!」
と理美の命令する声が、扉の隙間から聞こえた。卓也は一瞬立ち上がりそうになったが、先程の理美のきついお叱りを思い出し、四つん這いのまま扉を開けて部屋に入り、部屋の中央に視線を向けた。
そこには、豊かで形のいい胸にレースの黒色ブラジャーを着け、濃い陰毛が透けて見える程に薄手の黒色Tバックを穿き、セクシーな黒色網タイツを黒革のビスチェで吊り、膝上まである黒革ハイヒールブーツを履いた理美が、乗馬鞭を持って仁王立ちになっていた。上背があってナイスバディの理美には、黒を基調としたドミナファッションが実に似合っており、まるで卓也が昔こっそり見て楽しんだ女王様グラビアから抜け出たようだった。
卓也は理美の姿に見とれ、ふらふらと彼女の足元に這い寄った。しかし、理美は卓也と擦れ違って歩き、部屋の扉をきちんと閉め、カチリと内鍵を掛けた。卓也の方に振り向いた理美は、
「これでお前がどんなに大声で泣き喚いても、外には全く聞こえないわよ」
と言って邪悪な笑みを浮かべ、卓也を震撼させた。理美は空中で乗馬鞭を一振りし、空気を切り裂く音を卓也に聞かせて、命令を下した。
「男奴隷、ぼやぼやしてないで、女御主人様にご挨拶おし!」
改めて理美の足元に這い寄った卓也は、奴隷の挨拶の仕方が分からなかったが、昔見たマゾ男ものDVDやマゾ男小説のシーンを思い出しながら、
「理美様、ご調教をよろしくお願い致します」
と言って、ハイヒールブーツの爪先に奴隷のキスをした。その途端、風を切って乗馬鞭が卓也の背中に振り下ろされた。卓也は、真っ赤に焼けた鉄棒を背中に押し付けられたような激痛で、絶叫して背を仰け反らせた。仰け反った卓也の顔を、理美はハイヒールブーツの靴底で押し出すように蹴り、彼を床へ仰向けに倒した。更に理美は、仰向けに倒れた卓也の顔を、ハイヒールブーツで踏みにじった。
「男奴隷、調教をお願いしますって、何よ!最底の身分である男奴隷の分際で、女御主人様に対して調教してくれって、ねだるつもりなの?こんな時は、“下賤な私の体をお使い下さり、存分にお楽しみ頂けたら、最高の幸せに存じます”とか言うものよ。本当に口の利き方がなってないわね!」
理美に厳しく叱責された卓也は、ハイヒールブーツの靴底で顔を歪められながらも、必死に謝罪した。
「も、申し訳ございません…どうか、お許しを…」
しかし、理美は更に卓也の顔を踏みにじり、叱責を続けた。
「それとお前は、勝手にブーツの爪先にキスしたわね!男奴隷のキスは爪先じゃなく、靴裏にするものよ。お前は、靴裏にへばり付いたガムの噛み滓くらいの価値しか無いんだよ。爪先のキスは、ご褒美でさせてあげるものなのに、お前は何か褒められるような事をした覚えでもあるのかい!」
「ヒイッ、ヒイッ、お許しを…どうか、御慈悲を…」
靴底から卓也の哀れな声がして、理美はやっと彼の顔からハイヒールブーツを外した。
「全く、奴隷の挨拶も満足に出来ないなんて…本当に一から躾なければいけないわね…男奴隷、横着に横たわってないで、跪きなさい!」
理美に命じられた卓也は、よろよろとその場に正座した。理美は、キャリーケースから革手錠を取り出した。
「男奴隷、両手を背中にお回し!」
卓也が両手を背中に回すと、理美は革手錠で手際良く後ろ手に拘束した。そして彼女は、乗馬鞭を一本鞭に取り替えた。理美は黒光りする革の一本鞭を空中で勢い良く振り、バチンッと大きな鞭音を室内に響かせ、卓也を怯えさせた。
「男奴隷、私は今からお前を鞭打つわ…別にお前が逆らったとか、粗相があったとかじゃなくて、鞭の痛さを知っておかなければ、ちゃんとした奴隷になれないからね。昔のアメリカ南部では、“鞭を惜しめば、子供と奴隷を損なう”と言われてたらしいわよ…」
卓也は震え上がった。あんな重みがありそうな一本鞭で打たれたら、とても体が保たない。卓也は何とか鞭打ちを許してもらおうと、理美に哀願した。
「理美様、どうかお許し下さい。先程理美様に鞭打たれて、鞭の痛みは十分に分かりました。理美様の意に添うような、ちゃんとした奴隷になりますので、その一本鞭だけはお許し下さいませ…」
理美は鼻でフンッと笑い、卓也の哀願を一蹴した。
「調子のいい事ばかり言うんじゃないわよ。乗馬鞭の痛みなんて、この一本鞭の痛みに比べれば、大人と子供位の差があるわ…それに、お前は心の底で、自分は私の夫だという甘えがあるのよ。その甘えを拭い取らなければ、ちゃんとした奴隷にはなれないわ。この一本鞭を一度味わえば、私が鞭を持っただけで、お前は直ぐに平伏して、どんな無理な命令にも従うようになるわよ」
卓也は焦って、
「そ、そんな、理美様、どんな御命令にも従いますから、その鞭だけはお許し下さいませ…」
と訴えたが、理美は、
「お前の能書きは聞き飽きたわ!問答無用よ!」
と言って、一本鞭を振り上げた。卓也は本能的に避けるため、焦って立ち上がろうとしたが、後ろ手に拘束されているためにバランスを崩し、床に倒れてしまった。そこに、凶暴な呻りを上げて、一本鞭が襲い掛かり、卓也の体に叩きつけられた。
「ウギャアアァッ」
乗馬鞭とは比べ物にならない激痛と衝撃に、卓也は絶叫を上げて苦しんだ。理美は一本鞭を振り続け、床に転がった卓也の体を万遍なく鞭打った。卓也は、真っ赤に焼けた刃物で全身の生肉を削ぎ取られていくような激痛に、絶叫を上げ続けて、のたうち回った。卓也は、この鞭の嵐が永遠に続き、このまま打ち殺されるように感じて、気が遠くなりかけた頃、ようやく理美の鞭が止んだ。実際に理美が卓也を鞭打ったのは10回位だったのだが、それでも卓也の体中に赤い条痕が刻み込まれ、彼は息が絶え絶えとなって、床に伏せっていた。
「男奴隷、女御主人様の前で寝転がるなんて、行儀が悪過ぎるわよ!さっさと跪きなさい!」
理美は、床に横たわっている卓也の傍を一本鞭で叩き、彼に正座するよう促した。
「ヒッ、ヒイッ、ただいま…」
鞭音に怯えきった卓也は、鞭痕で引きつる体を無理やり動かし、後ろ手に拘束された不自由な体をよじらせて、何とか理美の足元に正座した。理美は一本鞭を空中で振り、再度バチンッと大きな鞭音を響かせて、卓也に尋ねた。
「どうだい、男奴隷、鞭を存分に味わったかい?それとも、まだ足りないかしら?」
「ヒイッ、十分に堪能致しました…どうか、鞭だけはご勘弁下さい。何でも言う事を聞きます、いえ何でも御命令通りに致しますから…」
卓也は上体を倒し、額を床に着けて、理美に懇願した。卓也は鞭を心底恐れた。卓也にとって鞭を持った理美は、最早妻ではなく、彼が平伏して絶対服従する女御主人様になっていた。卓也の態度から彼の心情を見て取った理美は、満足そうに微笑んだ。
「少しは奴隷らしくなったわね…やっぱり奴隷の躾に、鞭は欠かせないわ。まあ、お前がそうやって奴隷らしく振る舞えば、鞭打ちは勘弁してあげるわよ」
理美は長椅子の上に、一本鞭を丸めて置いた。卓也はとりあえず鞭打ちが終わった事に、心底ほっとした。理美はキャリーケースの中から、大型のガラス製シリンダー式の浣腸器を取り出すと、後ろ手に拘束されて跪いている卓也の首輪を掴み、上に引っ張って、彼を立たせた。
「さて痛いばかりじゃ、いくら男奴隷でも可哀想だから、少しは気持ちいい事をしてあげるわ…男奴隷、バスルームにお行き!四つん這いは無理だから、特別に二本足で歩くのを許可してあげる」
理美は浴室に卓也を連れて行くと、彼を空のバスタブに入れて一旦正座させ、上体を倒して額をバスタブの底に着かせてから膝立ちさせ、尻を上に突き出させる屈辱的なポーズを取らせた。
「男奴隷、その姿勢でしばらく待っていなさい。絶対に姿勢を崩すんじゃないわよ!」
理美はボディソープの液を洗面器に入れ、お湯を混ぜて、即席の浣腸液を作った。それを大型のシリンダー式の浣腸器で吸い上げると、浣腸器の先端を、尻を上に突き出している卓也の肛門に突っ込んだ。
「アヒイィッ」
異様な感覚に卓也は思わず悲鳴を漏らしたが、理美は、
「姿勢を崩したら、鞭だからね!」
と卓也に釘を刺し、浣腸器のシリンダーを力強く押し込んで、浣腸液を彼の直腸に注ぎ入れた。理美はその動作を何回か繰り返し、洗面器一杯の浣腸液を全て卓也の直腸に注ぎ込んだ。卓也の下腹はカエルの様に膨れ上がり、急激な便意に脂汗が出始めた。
「あ、あの、理美様、漏れそうです…」
下腹の痛みを伴う便意で、卓也は理美に恐る恐る訴えた。理美は、
「男奴隷、もう少し我慢おし!本当なら肛門拡張を兼ねて、太いディルドゥ型のホースを無理やり突っ込んで、バケツ一杯の浣腸液を流し込み、バルーン式アナル栓で肛門を完全に塞いで、最低一時間は我慢させてやるところよ…お前は初心者だから今日は、はらわたを掃除するだけで済ませてあげるんだからね!」
と言って、排便を許さなかった。しばらくして、卓也は全身に脂汗をかき、体を小刻みに震わせた。もう限界と判断した理美は、卓也の首輪を掴んで引っ張り、彼をバスタブの中で中腰にさせた。
「仕方無いわね…男奴隷、排水口に肛門を宛って、大便おし!」
卓也は返事をする間も無く、派手な音を立てて多量に排便し、下半身を茶色く汚した。
「あ〜あ、臭いし、汚いわね!大体、大の男が女の前で大便を漏らして、恥ずかしくないの?まあ、男奴隷に恥も外聞も無いでしょうけど…」
理美は文句を言いながらも、シャワーで卓也の体の汚れを洗い流し、軟便をお湯で溶かして排水口に流し入れた。卓也は恥ずかしさのあまり、顔を紅潮させて、すすり泣いていた。
「男奴隷、泣く暇があったら、さっきの姿勢を取りなさい!」
理美に命じられた卓也は、すすり泣きながらも、先程の屈辱的な姿勢を取った。理美はシャワーのヘッドを外すと、シャワーホースを卓也の肛門に宛い、ぬるま湯を注ぎ込んだ。
「ああっ」
卓也が思わず声を漏らすと、
「男奴隷、お前のはらわたを掃除してあげるんだから、動くんじゃないよ!動いたら、鞭だよ!」
と理美が注意した。理美がシャワーホースを卓也の肛門から外すと、少し茶色いお湯が噴出した。理美が二、三回それを繰り返すと、噴出するお湯が透明になった。
「ふう〜、やっと男奴隷のはらわたが綺麗になったわ。本当に手間の掛かる…」
理美はぶつくさ文句を言いながら、シャワーホースにヘッドを嵌めて、シャワーを片付けた。理美の前で恥ずかしい陰部や肛門を晒し、浣腸で強制的に排便させられた卓也は、あまりの恥辱ですすり泣きが止まなかった。しかしマゾヒストの恥ずかしい性で、彼の股間のものは硬く屹立し続けていた。
理美は卓也の首輪を掴んで、引っ張り上げて立たせ、彼を浴室から出すと、バスタオルでさっと体を拭ってやった。その時、理美は卓也の股間の状態に気がつき、
「はらわたを掃除されているのに、興奮して勃起するなんて…マゾって言う生き物は、どこまで浅ましいだろうね…さあ、お義父さんの部屋に戻るわよ!」
と言うと、卓也の屹立したもの掴み、引っ張って行った。後ろ手に拘束されている卓也は、
「ああっ、待って、待って下さい、理美様…」
と情けなく懇願しながら、股間のものを引きちぎられそうな痛みに、腰を突き出した惨めな格好で、慌てて理美の後をついて行った。大の男が女性に陰部を掴まれて、引っ張られて行く屈辱は、卓也の心を深く傷つけたが、それでも屹立したものの硬度は衰えなかった。
理美が卓也を連れて父親の部屋に戻ると、彼の額を床に着けさせ、足を開かせて膝を立てさせ、尻を上に突き出す、先程の浴室と同じ屈辱的な姿勢を取らせた。
「男奴隷、そのまま動くんじゃないよ…動いたら、鞭が飛ぶからね!」
理美は医療用の薄いゴム手袋を嵌め、ローションを右手の指先に付けた。そして、左手で卓也の陰嚢を柔らかく握り、右手人差し指を彼の肛門にゆっくりと挿入し始めた。
「アヒイィッ」
肛門の異様な感覚に、卓也の口から短い悲鳴が漏れたが、先程の浣腸とぬるぬるしたローションの効果で、理美の人差し指は大した抵抗も無く、すんなりと挿入された。理美は、肛門に挿入した右手人差し指を微妙に曲げ伸ばししながら、左手で卓也の陰嚢を柔らかく揉みほぐした。
「男奴隷、前立腺って聞いた事あるでしょう?今からお前のアナルを開発してあげるからね…それと今後は私の調教を受ける前に、必ず自分で浣腸を済ませ、シャワーを浴びて、体の内も外も綺麗にしておきなさい。それが女御主人様に拝謁する男奴隷の、最低限の礼儀だからね」
「あうっ…は、はい、かしこまりました、理美様…」
卓也は肛門の異様な感覚と、陰嚢の甘美な快感に喘ぎながらも、何とか返事をした。
「言っておくけど、私がお前のアナルを可愛がる時に、もし腸に大便が少しでも残っていたら、大変な事になるよ…バケツ一杯の浣腸液を無理やり流し込んで、バルーン式アナル栓で肛門を完全に塞ぎ、膨れた腹を蹴ったり踏んだりしてやるからね!一度お義父さんに試してみたら、狂ったように泣き喚いて、ひと思いに殺して下さいと哀願されたわ。後で聞いたら、腸がねじ切れる程の激痛だったと言っていたわね…お前も同じ事をされたい?」
卓也は、恐怖で震え上がった。
「い、いえ、決してその様な粗相は致しませんので、お許しを…」
「うふふ…まあ、これからのお前の心掛け次第ね…さてと、お前の前立腺はここら辺かしら?」
理美は卓也の肛門に挿入している人差し指をわずかに曲げて、直腸のある一点に押し当てた。
「イヒイィッ」
股間から下腹に拡がる、何とも表現出来ない痺れるような感覚に、卓也は思わず悲鳴を上げた。股間の屹立しているものが、ますます硬くなった。理美は、右手人差し指で卓也の前立腺を刺激しながら、彼の陰嚢を優しく揉みほぐしていた左手を、硬く屹立しているものに移動させ、ゆっくりとしごき始めた。
「アガァ、グワァ、ガァ…」
下半身がとろけるような強烈な快感に、卓也は意味不明の呟きを漏らし、口から涎を垂らした。直ぐに射精しそうになる。しかし、射精しようとする瞬間、理美はしごいていた左手を急に離し、肛門に挿入していた右手人差し指も引き抜いた。
「はあぁ…」
後一歩のところで射精出来なかった卓也は、切なそうなため息をついた。理美は立ち上がり、キャリーケースからペニスバンドを取り出し、自分の腰に装着した。そして卓也の前に回り、彼の首輪を掴んで引き上げ、上体を起こさせた。理美はペニスバンドのディルドゥ部分を卓也の口元に突き付け、
「男奴隷、このペニスバンドがお前のアナルを可愛がって、女に犯される悦びを教えてくれるんだから、心の底から感謝して、丁寧におしゃぶり!」
と命じた。卓也は命じられた通りに、ディルドゥ部分を口に含み、舌を使って舐め回した。そのディルドゥ部分は、日本の成人男子が勃起した平均サイズより若干大きい太さと長さがあり、卓也は舐めながら、こんな大きさのものが自分の肛門に入るのか、不安を感じた。
「お前は初心者だから、今日は一番小さいサイズを選んであげたけど、段々太くして、いずれ片腕が入る位に肛門を拡張してやるからね」
理美はそう言って腰を引き、ペニスバンドのディルドゥ部分を卓也の口から引き抜いた。そして卓也の頭を押さえて上体を倒し、彼の額を再度床に着けた。卓也の後ろに回った理美は、唾でべとべとになったディルドゥ部分へ更にローションを塗りたくった。理美は卓也の後ろで膝を着き、ディルドゥ部分の先端を彼の肛門に宛い、両手で彼の腰をしっかりと把持した。
「男奴隷、お尻の力をお抜き!下手に力んだら、肛門が裂けてしまうわよ!」
卓也に注意した理美は、腰をゆっくりと、しかし力強く前に突き出した。先程理美の指でほぐされていたのとローションのおかげで、ペニスバンドのディルドゥ部分は、滑らかに卓也の肛門に挿入された。
「ああうっ」
卓也の口から、切なそうな喘ぎ声が漏れた。理美は腰を前後にゆっくり動かしながら、右手で卓也の硬くなっている股間のものを掴んだ。
「お前は男のくせに、女に犯されて、凄く感じているなんて、本当の変態だね…興奮して、こんなに硬くして、恥ずかしくないのかい、最低のマゾ豚!」
理美は卓也を酷く罵りながら、腰の動きに合わせて、彼の硬く屹立したものを、ゆっくりしごき始めた。理美の酷い侮蔑は、卓也に強い屈辱感を味わせて、彼の目に涙を浮かべさせたが、股間のものは更に猛々しくいきり立っていた。ペニスバンドによる前立腺への刺激、硬く屹立したものをゆっくりしごき上げる理美の柔らかい手、そして何よりも、理美から与えられた酷い屈辱感が、マゾヒストである卓也をいたく興奮させたのだった。
理美の腰と、いきり立っているものをしごく右手の動きが段々と速くなり、卓也のものは極限まで硬く膨張した。そして、後一息で射精しようかと言う瞬間、またも理美はしごいていた右手をぱっと離し、腰を引いてペニスバンドを引き抜いた。射精をじらされた卓也は、
「ああん、止めないで…お願い、続けて…」
とオカマみたいな口調で理美に懇願し、上に突き出した尻を左右に揺らせた。
「見苦しいわよ、男奴隷!本当に醜悪なマゾ豚だね!」
理美はそう罵って、卓也の尻を蹴り飛ばし、彼を床へうつ伏せに倒した。ペニスバンドを腰から外した理美は、先端が球形状になっている鉤の形をしたアナルフックと、細紐を取り出し、アナルフックにローションを塗りたくった。そしてアナルフックの先端を、うつ伏せに倒れている卓也の肛門に宛い、ゆっくりと挿入した。
「ああっ…うぅっ…」
理美に肛門を責められた卓也は、喘ぎ声を上げて身悶えした。理美は卓也の首輪を掴み、引き上げながら命令した。
「男奴隷、いつまでも横着に寝転がってないで、さっさとお立ち!」
後ろ手に革手錠で拘束されていて、不自由な卓也がよろよろと何とか立ち上がると、理美は彼の肛門にアナルフックを挿入させたまま、ぶら下がり健康器まで引っ立てて行った。そして、理美は卓也の両脚を開かせ、左右の足首をそれぞれ、ぶら下がり健康器の縦のパイプに細紐で括り付けて固定し、アナルフックの根元の孔に細紐を通して結び、ぶら下がる所のパイプにその細紐を括り付けて、卓也を立たせた状態に吊した。アナルフック先端の球形部分が、卓也の前立腺を絶妙に刺激し、彼を悶えさせた。
卓也の前に回った理美は、彼の股間で硬く屹立しているものを握り、ゆっくりしごきながら問い掛けた。
「ねえ、男奴隷…出したい?射精したい?」
「は、はい、出したいです、射精したいです!お願いですから、逝かせて下さい!」
散々射精をじらされた卓也は、切実に訴えた。理美は、卓也に射精させないように注意しながら、彼のものをゆっくりしごき続け、悪魔的な笑みを浮かべた。
「うふふ、男奴隷の分際で、自由に射精する権利があるとでも思っているの?男奴隷の射精は、女御主人様である私の気分次第で決めるものなの…何だったらコックケージを嵌めて、今日から一ヶ月は射精禁止にするのも面白そうね」
理美の柔らかい手で硬くいきり立っているものをしごかれながら、彼女に残酷な事を言われた卓也は、身悶えして哀願した。
「ああっ、そんな…お願いです、理美様。何でも言う事を聞きます、何でも従います!理美様に生涯絶対服従致します…お願いですから、逝かせて下さい、射精させて下さい!」
卓也の切実な哀願を聞いた理美は、満足そうに微笑むと、彼のものから手を離して、九尾鞭を取り出した。
「まあ、そこまで言うのなら、お前は初心者でもあるし、今日のところは特別に射精を許可してあげるわ…但し男奴隷の射精は、鞭でするものなのよ!」
そう言うと理美は、極限まで硬く屹立した卓也のものを、九尾鞭で最初は撫でる様に打ち始めた。徐々に力を込めて、次第に強く打っていく。敏感になっているものを打たれる痛みに、卓也が体を揺らすと、肛門に挿入されているアナルフックが前立腺を刺激して、痺れるような感覚が股間に拡がり、彼を身悶えさせた。
理美が卓也のものを九尾鞭で強く打ち据え、彼に絶叫を上げさせると、急に鞭打ちを止めた。そして再び卓也の硬く屹立しているものを握り、ゆっくりとしごき上げて彼に快感を与え、喘ぎ声を出させた。理美はしばらく卓也のものをしごくと、不意に手を離し、またそこを鞭打ち始めた。理美はこの動作を何度か繰り返し、卓也の感覚はすっかり狂ってしまった。それから、理美は卓也の前にしゃがみ込み、彼の限界まで硬くいきり立っているものを口にくわえると、舌を絡ませてねっとりと舐めながら、頭を前後に動かし、彼のものが充血し過ぎて破裂しそうになる程の快感を与えた。
「あっ、ああっ、理美様…お口を汚してしまいます…」
卓也は、強烈な快感に喘ぎながら理美に訴えたが、彼女は構わずに手で卓也の陰嚢を優しく揉みほぐしながら、硬くそそり立っているものを舐め、吸い、しゃぶった。卓也はとても耐えられず、体を小刻みに震わすと、アナルフックが前立腺を刺激し、更に射精を促した。そして射精しようとする瞬間、またも理美は卓也から素早く離れた。
「ああっ、そんな…酷い…」
何度も後一歩で射精させられなかった卓也は、今にも泣き出しそうな声で嘆いた。九尾鞭をしっかりと握り直した理美は、手で口を拭いながら立ち上がり、身悶えしている卓也に言い放った。
「そろそろ頃合いね…男奴隷、とどめを刺してあげるわ!」
理美は九尾鞭で、卓也の硬くそそり立っているものだけではなく、彼の胸、腹、太腿と全身を強く鞭打ち始めた。自身も興奮した理美は、顔を上気させて目を吊り上げ、髪を振り乱し、豊満な乳房を揺らせて、卓也の全身を滅多打ちにした。卓也の体には、多数の赤い筋が見る見る刻み込まれた。
「うあっ、ああっ、痛い、許して、打たないで、ああーっ…」
と卓也は泣き喚いたが、彼の硬く屹立しているものは、全く萎える気配が無かった。不意に理美の九尾鞭が、卓也の拡げられた両足の間に下から勢いよく振り上げられ、彼の陰嚢を強かに打った。
「アグエェーッ」
急所を鞭打たれた卓也は、下半身に拡がる激痛に、獣じみた絶叫を上げて苦しんだ。しかし理美は卓也の苦悶に全く構わず、続けて彼の極限まで硬くそそり立っているものに、力を込めて九尾鞭を思い切り振り下ろし、強く打ち据えた。その瞬間、卓也の絶叫が部屋中に響き、硬く屹立したものから夥しい白濁液を噴出して、遂に彼は射精を果たした。理美の九尾鞭の嵐も、ようやく止んだ。卓也はがっくりとうなだれ、目から涙がぼろぼろとこぼれた。
理美の鞭によって屈辱の射精をさせられた卓也は、自分の体から魂や気力・体力と言うものを、全て彼女に抜き取られて奪われた様に思え、全身の力が抜けてしまった。卓也はそのまま、その場にへたり込みたいところだったが、肛門に挿入されて、彼を吊しているアナルフックがそれすら許さなかった。
鞭打ちで少し息を乱した理美が、卓也の両足首を拘束している細紐を解き、アナルフックを吊していた細紐をぶら下がり健康器のパイプから外して、アナルフックを彼の肛門から引き抜いた。それでようやく、卓也はその場に崩れ落ちる事が出来た。
しかし、理美はまだ卓也を許さず、へたり込んだ彼の背中を九尾鞭で強く打ち据えた。
「ヒイィッ」
悲鳴を上げて仰け反った卓也を、理美は厳しく叱りつけた。
「男奴隷、女御主人様の許しも得ずに、何を勝手に休んでいるのよ!お前が汚らしい白い汁を撒き散らして、床を汚した後始末がまだ済んでないでしょう!自分が出したものは、自分の舌で全部舐め取って、床を綺麗におし!」
「は、はい、ただいま…」
理美に強い口調で叱責された卓也は、後ろ手に革手錠で拘束されている不自由な体を起こし、膝で這い進み、上体を倒して床の精液を舐め取り始めた。自分が出したものとは言え、生臭い精液と床のざらついた埃の感触を舌で味わされた卓也は、もう自分が男どころか人間ではなく、犬畜生以下の下等な生物に思えて、凄く惨めな気持ちになった。
しかし、彼の股間のものは、射精したばかりだと言うのに、またも硬くなりつつあった。卓也は、理美の蔑んだ視線を受けながら、犬畜生以下の惨めな姿を晒け出す屈辱に興奮してしまったのだ。卓也は自分のマゾの性癖に、我ながら情けなさを感じた。
ようやく卓也が床の精液を全て舐め取ると、理美は彼を後ろ手に拘束している革手錠を外し、キャリーケースからボールギャグ、拍車、膝当てパッドを取り出した。理美は卓也に膝当てパッドを放り投げ、彼に命令した。
「お前に何もさせないで、私だけが鞭打ちの運動するのも何だから、お前にも運動させて、一汗かかせてあげるわ…さっさとその膝当てパッドをお着け!」
卓也が急いで膝当てパッドを両膝に着けている間、理美は黒革ハイヒールブーツによく光る鋭そうな拍車を付けていた。
「男奴隷、四つん這いにおなり!」
理美は、四つん這いになった卓也の口にボールギャグをかませ、後頭部で締めて金具でしっかり固定した。そのボールギャグには、手綱となる革紐が付いていた。理美は乗馬鞭を手にすると、四つん這いになっている卓也の背中に跨り、ボールギャグの手綱を取った。理美は手綱を引き、下を向いていた卓也の顔を上げさせた。
「男奴隷、お前を女御主人様の馬に使ってあげるわ…とっととお走り!」
理美は、卓也の脇腹に拍車を蹴り込み、彼の尻を乗馬鞭で強かに打った。
「むぐうぅっ」
口にボールギャグをかまされているため、くぐもった呻き声を上げた卓也は、慌てて手足を動かし、床を這い進んだ。上背があってナイスバディな理美は結構体重があり、卓也の背骨はたわみ、手足にかなりの負担が掛かった。しかし、脇腹を刃物で切り付けられた様な拍車の痛みと、尻に焼け火箸を押し付けられた様な乗馬鞭の痛みが、卓也に泣き言を許さなかった。卓也は一生懸命に這い進んで、部屋を回ったが、それでも理美から、
「何てのろまなの!これじゃ、馬じゃなくて豚だわ。もっと速くお走り!」
と叱咤され、何度か拍車と乗馬鞭の激励を受けさせられた。その上、背中の理美から、
「うふふ、お前、今の自分の立場が分かる?お前は、私に馬として使われているんだよ…つまり、お前は人間の奴隷から、家畜奴隷に格下げされたと言う事よ。まあ、最低の変態マゾである男奴隷には、本当に相応しい身分だけどね」
と酷く蔑まれて、心が傷つき、胸を深く抉られた。しかし、疲労と苦痛で苦しんでいる卓也の股間のものは、いつの間にか硬くそそり立っていた。マゾヒストの卓也にとっては、理美から侮蔑されて生じる屈辱感が、疲労と苦痛を凌駕する程の興奮を与えてくれるのだった。
しかし、そんな卓也も部屋を何周か這い進むと、さすがに体力の限界が来た。疲労で手足が痙攣し始め、這い進むのが極端に遅くなってしまったのだ。理美から、
「何をとろとろしてるの!とっととお進み!」
と叱咤され、脇腹に拍車を強く蹴り込まれた瞬間、肘が曲がり、へたって床に突っ伏してしまった。卓也の背中から立ち上がった理美は、
「何を勝手に潰れてるのよ!お前は、私を転げ落とすつもりなのかい!」
と怒鳴りつけ、床に伏している卓也の背中と尻を乗馬鞭で3,4回打って、彼にくぐもった悲鳴を上げさせた。それから、理美は卓也の口からボールギャグを外し、
「馬にもなれない役立たずの男奴隷め、さっさと膝当てパッドを外して、跪きなさい!」
と命じた。卓也は、疲労困憊の上に鞭痕で引きつる体を無理に動かして、膝当てパッドを外した。そして、乗馬鞭を一本鞭に持ち替えて仁王立ちになっている、理美の足元に正座して平伏した。
実際のところ、卓也の背中に跨っていた理美は、彼がそろそろ限界だと分かっていた。だから、3,4回鞭打つだけのお仕置きで済ましたのだ。それでも理美は心内を明かさずに、平伏している卓也の頭をハイヒールブーツで踏みにじり、怒鳴りつけた。
「家畜奴隷も務まらない役立たずなんて、要らないわよ!今からこの一本鞭で打ち殺して、処分してやるからね!」
理美は平伏している卓也の、傍の床を一本鞭で叩き、大きな鞭音を響かせた。鞭音を聞かされ、床の震動を感じた卓也は、心底震え上がった。ハイヒールブーツの靴裏から、卓也の苦しげな哀願が聞こえた。
「理美様、どうかお許し下さい。何でも致します、どんな償いでも致します…ですから、鞭だけは、その一本鞭だけはお許し下さいませ…」
理美から一本鞭で打たれた卓也は、心と体に一本鞭の恐怖が染み付いていた。理美は、卓也の頭からハイヒールブーツを外した。
「男奴隷、顔をお上げ!」
理美に命じられた卓也は、恐る恐る上体を起こした。
「男奴隷、どんな償いでもするって言ったわね…それは本当なの?」
「は、はい、本当です。どんな償いでも致します。ですから、一本鞭だけはお許し下さいませ」
理美の問い掛けに、卓也は慌てて答え、再度平伏した。
「顔をお上げって言ってるでしょう…そう、どんな償いでもするのね?」
また上体を起こした卓也は、
「はい、どんな償いでも致します…ですから、一本鞭だけは許して下さいませ…」
と必死に懇願した。それを聞いた理美は、ニヤリと邪悪な笑みを浮かべた。
「そう、その覚悟があるのなら、一本鞭は勘弁してあげてもいいわ…でも、お前は家畜奴隷すら務まらなかった役立たずの男奴隷だから、身分を更に格下げするからね…」
卓也は、家畜奴隷以下のもっと下の身分とは何か不安になり、ごくりと生唾を飲み込んだ。
「男奴隷、お前を最底辺の便器奴隷に堕として、今から私のおしっこを飲ませてやるからね!覚悟おし!」
理美の宣言が卓也の耳に反響し、彼は驚きで目を見開いた。確かに卓也はマゾヒストで、昔からマゾ男専門誌やマゾ男ものDVDを熱心に見ていたが、いわゆる聖水シーンには馴染めなかった。勿論、黄金などは論外で、想像上のファンタジーであっても、人が人の排泄物を口にすると言うのは、卓也には生理的に合わなかったのだ。
「そ、そんな…おしっこなんて、とても飲めません…」
卓也が震え声で返事をすると、理美は目から火花が散る程の強烈な往復ビンタを、彼の両頬に張った。
「ヒイィッ」
目が眩む程の強い痛みに、卓也は悲鳴を漏らして、両頬を手で押さえた。理美は怒りで目を吊り上げ、卓也を怒鳴りつけた。
「何をとぼけた事を言ってるのよ!たった今、どんな償いでもしますって、言ったばかりじゃないの!男奴隷の分際で、女御主人様に適当な事を言って、誤魔化そうとしたのかい!大体、女御主人様のおしっこは、マゾ奴隷が“聖水”と呼んで珍重し、ご褒美として頂くものなんだよ!それを、お前は…もういいわ、今からこの一本鞭で打ち殺してやる!」
理美は一本鞭を空中で一振りし、バチンッと大きな鞭音を卓也に聞かせて、彼を恐怖で顔面蒼白にさせ、震え上がらせた。卓也はまたも理美に平伏し、震え声で命がけの哀願をした。
「ヒッ、ヒイッ、お許しを、どうかお許し下さいませ…なります、理美様の便器奴隷になります…いえ、是非とも便器奴隷にさせて下さいませ。そして、理美様のおしっこを…いえ、聖水を頂かせて下さいませ…」
卓也は、一本鞭から逃れられるのなら、何でも出来る気がした。卓也のそんな様子を見た理美は、苦笑して彼に言った。
「男奴隷、分かったから、とにかく顔を上げなさい…もう一度だけ訊くけど、本当に便器奴隷になって、私のおしっこを飲むのね?」
上体を起こした卓也は、直ぐに答えた。
「はい、なります。理美様の便器奴隷にさせて下さいませ。そして、理美様の聖水を頂かせて下さいませ」
「…分かったわ。これが最後のチャンスだからね。二度目は無いわよ」
理美はそう言って、卓也の目前で何の恥じらいも無くTバックを脱ぎ捨て、濃い繁みに縁取られている陰唇を見せつけた。そして、正座している卓也の髪を両手で掴み、引き寄せて、彼の顔面を自分の陰部に押し付けた。卓也を散々虐めて興奮したためか、理美の陰唇は赤く充血してめくれ上がり、強い臭いがする淫液でぬるぬるになっていた。卓也はその臭いで咽せ返りそうになったが、何とか耐えて、大きく開いた口を理美の陰唇に密着させた。
「男奴隷…いえ、最低の便器奴隷、出るわよ!一滴もこぼすんじゃないわよ!」
理美が卓也に告げると同時に、彼女の陰唇から尿が排出された。理美は、SM初心者の卓也が口から尿を溢れ出させないないようにと、コントロールして少しずつ排尿した。しかし、卓也は理美のそんな気遣いに気がつく余裕も無く、口に次々と流し込まれる彼女の尿を飲み下すのに精一杯だった。卓也にとって初めて飲む尿は、アンモニア臭がきつく、喉につっかえて、普通ならとても飲める代物ではなかった。しかし、一本鞭で打たれるのを恐れた卓也は、吐き出しそうになるのを必死に堪え、精神を麻痺させて心を無にし、何とか理美の尿を飲み続けた。口中に尿の刺激的な味が拡がり、鼻孔の奥までアンモニア臭が充満した。理美の尿は、卓也の喉を焼き、胃に鉛の様に重く溜まっていった。卓也は理美の尿を飲み下しながら、自分が体の内側から彼女に鞭打たれ、組み敷かれ、制圧されたように感じ、知らず目から涙がこぼれた。
卓也にとっては永遠とも感じた理美の排尿が、やっと終わった。卓也は口を理美の陰部に密着させたまま、ぼんやりと考え事をした。
(これで僕は、理美様の便器にされてしまった…もう僕は人間どころか家畜ですらなく、最底辺の便器に堕とされてしまったんだ…)
両手で卓也の顔を自分の陰部に引き寄せていた理美は、不意に彼の顔を引き離すと、力強い往復ビンタを喰らわせた。
「ヒィッ」
短い悲鳴を上げた卓也を、理美は叱りつけた。
「男奴隷、何をぼんやりしてるんだい!女御主人様のおしっこを飲み終わったら、いちいち言われなくても、お前の舌で後始末するものよ!私にトイレットペーパーとして使われる悦びを噛み締めながら、さっさとお舐め!」
理美は、再度卓也の顔を自分の陰部に引き寄せた。卓也はおずおずと舌を伸ばし、尿で濡れた理美の陰部を舐め始めた。改めて舌に尿の刺激的な味が拡がり、卓也を更に惨めな思いをさせた。
「男奴隷、舐めるだけじゃなくて、あそこの内側に残っている尿も、唇を使って吸い取るんだよ!」
理美の指示を受け、卓也は彼女の陰唇に残っている尿を唇で吸い取り、再び口中と鼻孔に強いアンモニア臭が充満した。理美は、卓也に排尿の後始末をさせながら、彼を酷く蔑んだ。
「うふふ、男奴隷、お前は私のおしっこを飲んだのよ。もうこれでお前は、私の夫どころか、人間の奴隷でも家畜奴隷ですらなく、最低の便器にまで落ちぶれてしまったんだよ。お前の口も体の内側も汚れて、元には戻らないわ。お前の汚れた上の口は、私の下の口か肛門にしか触れられないんだよ。最底辺の汚らわしい便器奴隷には、何の気遣いも要らないわよね。今後お前は、人間様と同じものは口に出来ないわよ。お前の飲み物は私のおしっこだけ、お前の餌は私の残飯に私のおしっこを掛けたものだけにするからね。おしっこだけじゃなくて、唾も痰も生理の経血も掛けてあげるわよ。食べるのを嫌がったら、一本鞭で体中を打ち据えてやるわ。これからもお前には、もう自分が人間じゃなく、最低の便器なんだって、心と体に思い知らせてあげるから、楽しみにしてなさい!」
卓也は理美の蔑みを聞かされ、両手を床に着けて、がっくりとうなだれ、すすり泣き始めた。最初は夫婦間の軽いSMプレイのつもりだったのに、徹底的に調教されて、妻である理美の便器にまで堕とされ、二度と人間に這い上がれないのだ。しかし、こんな悲惨な状況に追い込まれても、卓也の股間のものは硬くいきり立っていた。それに自分で気づいた卓也は、我ながらマゾとはどうしょうもない生き物だと、自己嫌悪に陥った。
理美は、うなだれている卓也の首に手を伸ばし、犬の首輪を外した。そして、
「バスルームに行きなさい」
と卓也に冷静な口調で指示をした。卓也はすすり泣きながらも、四つん這いで浴室に向かい、その後を理美が続いた。卓也が浴室に着くと、理美は黒革ハイヒールブーツと身に着けていた衣裳を全て脱ぎ、卓也と同じ全裸になった。
「卓也さん、今日はもう、SMプレイは終わりよ。一緒にシャワーを浴びましょう」
と理美は、今までとは全く違う口調で卓也に言って、四つん這いの彼を立たせ、一緒に浴室に入った。シャワーを手にした理美は、
「卓也さん、口を開けて、うがいして」
と言って、卓也の口にシャワーのぬるま湯を流し込み、彼にうがいさせた。それから理美は、先程“お前の汚れた上の口は、私の下の口と肛門にしか触れられない”と言っていたにも関わらず、卓也に抱きついて、自分の口を彼の口に重ねて舌を差し込み、ねっとりとしたフレンチ・キスをした。
「傷が痛むといけないから、ぬるま湯で流して、タオルを使わずに手で洗った方がいいわね」
理美はそう言うと、シャワーのぬるま湯を卓也に浴びせ、手にボディソープを付けて泡立て、彼の体中を撫で回した。卓也は、理美の急変した優しい態度に戸惑いながらも、礼を言った
「理美様、ありがとうございます…」
理美は笑って、卓也に注意した。
「卓也さん、止めてよ…もうSMプレイは終わったんだから、普通に話して頂戴。今日は休日だから、卓也さんが初心者でも少しハードにしたけど、平日は今まで通りに普通の夫婦生活を送りましょう。普段からSMプレイをしていたら、体調を崩して仕事に支障が出てしまい、まともに生活出来なくなるわ…でも休日は24時間、女御主人様と男奴隷の主従関係になるわよ。卓也さんは全裸に首輪だけを着けて、常に四つん這いで、びくびくしながら私の顔色を窺うようになるわ。休日の卓也さんの食事は私の残飯だけにするし、飲み物も私のおしっこだけにするからね」
卓也は困惑して顔を歪めたが、理美の話を聞かされて股間のものが直ぐに硬く勃起してしまい、体は正直だと、我ながら自分のマゾの性癖に呆れた。理美は、卓也の体中に手で泡立てたボディソープを塗りたくって洗い、シャワーで泡を流した。
「理美様…いや、理美さんも、僕が洗ってあげるよ」
別に理美は肌に傷がある訳ではないので、卓也はタオルでボディソープを泡立て、彼女の体中を軽く擦った。理美は気持ちよさそうに洗って貰いながら、卓也に話し始めた。
「ありがとう、卓也さん、大好きよ…卓也さんと結婚させてくれたお義父さんには、感謝してもしきれないわね。お義父さんが、卓也さんに些か強引に私と見合いさせたのは、私が結婚して安定したいとお義父さんに相談したのもあるんだけど、何より卓也さんを一番に心配していたからなの。卓也さんはマゾの性癖をひた隠しにして、30歳過ぎても独身で、このまま結婚出来ないんじゃないか、仮に結婚出来たとしても、マゾだと奥さんに分かったら離婚されるんじゃないかってね…私が相手なら、卓也さんがマゾだと分かっても、愛想を尽かして離婚を切り出す事も無いし、私も男を虐めるのが楽しくて興奮するから、これこそがウィンウィンの関係だわ…それに女王様と結婚するなんて、マゾ男の夢じゃない?」
正にその通りで、理美の話を聞いた卓也は、亡くなった父親の深い愛情を身に染みて感じ、感激で胸が一杯になって、目頭が熱くなった。残された沢山のSMグッズ、完全防音の調教部屋、何より真性サディスティンである理美との結婚…自分にとっては何ものにも代え難い、素晴らしい父親の遺品だった。卓也はシャワーで理美の体の泡を流してやり、彼女を抱き締めて、
「愛してるよ、理美さん…ずっと一緒にいようね」
と言って、情熱的な熱いキスをした。
終わり
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