秘 密

作者 namelessさん
秘 密



 今年27歳になる松村孝明は、かなり焦っていた。孝明が一目惚れしてずっと憧れている橋本亜希子と、同期入社で同い年の杉田明彦がつき合っているのは知っていたが、結婚間近との噂を最近耳にしたのだ。

 大手不動産会社の営業部で、まだ若いのに係長になり、今期売り上げトップの杉田明彦は、一流大卒のスポーツマンタイプで背が高く、爽やかな性格のイケメンでリーダーシップがあり、女性社員達の憧れの的になっていた。総務人事部で25歳の橋本亜希子は、卵形の小顔で眼が大きく、鼻梁がスッと通った色白美人だった。身長は160㎝で、くびれたウェストが豊満な胸とボリュームのあるヒップを強調して、まるでグラビアアイドルみたいな体型だった。性格は明るく社交的で、男性社員達からひっきりなしにあるデートの誘いを断るのに苦労していた。

 聡明で仕事が有能な橋本亜希子は主任の肩書きで、総務人事部長からの信頼も厚いが、学歴は高卒だった。これは彼女が母子家庭で、大学進学するには経済的な余裕が無かった事が理由で、商業高校を卒業して今の大手不動産会社に入ったのだった。

 杉田明彦と橋本亜希子がつき合っていると周囲に知れた時は、男性社員も女性社員も嫉妬するより、あの二人ならお似合い過ぎて、文句のつけようが無いといった反応だった。しかし、松村孝明は違った。彼は何とかして杉田明彦を陥れて、橋本亜希子を手中に出来ないかと、陰湿にあれこれと考えていた。

 松村孝明は偏差値の低い大学を留年すれすれで何とか卒業して、今の会社に入ったのだった。勉強はまるで駄目、何かスポーツかアートかボランティア等に打ち込んだ訳でもなく、何の特技・資格も無い孝明は、大手不動産会社を通常なら書類選考の段階で振るい落とされる筈なのだが、入社出来たのは彼の父親が今の会社のオーナー社長だからであった。

 孝明の父親は、先を見通す才覚に優れた事業家で、バブル時代に裸一貫で株や土地を扱って莫大な財を成し、バブルが弾ける寸前には手持ちの株・土地を全て処分して財産を保全し、それを国や自治体が行う新たな土地開発・都市計画に投資して、公共事業に食い込む事で、一代で大手不動産会社を築き上げたのだった。

 孝明はFランクの底辺大学出身で、お世辞にもイケメンとは言えず、スポーツもからっきし、身長は165㎝で男としては小柄で痩せており、性格も暗く内向的で、同期入社の杉田明彦とは全く正反対のタイプだった。全くモテずに女と全然縁が無い孝明は、今まで女性とまともにつき合った事が無く、彼に寄って来るのは金目当ての女だけだった。そのために孝明は、女性に対してひねくれた見方しか出来なくなっていた。

 そんな彼が入社して総務人事部に行った時、橋本亜希子に出会って一目惚れをしてしまったのだ。内気な彼は、亜希子になかなか思いを伝えられず、一度思い切って食事に誘ってみたが、あっさりと断られてしまった。それ以来、孝明は亜希子を遠くからじっと見つめる事しか出来なくなっていた。

「松村君、宅建の資格試験が、また不合格だったのか…それと、今期も成績がよくないね。取引先の新規開拓も無いし、売り上げの数字も全然上がっていないな…同期の杉田君から、営業方法を少しアドバイスしてもらってはどうかね?」

 出勤して朝から部長席に呼ばれた孝明は、営業部長からやんわりと説教された。孝明の父親は彼を鍛えるため、営業部に配属させたのだが、仕事が全く無能な孝明は営業センスが無く、営業成績は当然最下位だった。営業部長も他の営業部員なら叱り飛ばして、怒鳴りつけるところだが、さすがにオーナー社長の一人息子である孝明には強く言えなかった。

しばらくして部長の説教から解放された孝明が廊下に出ると、杉田明彦と橋本亜希子が立ち話をしていた。

「明彦さん、今日は県外出張なのね…今夜のデートは無理かしら?」

「大丈夫だよ…県外と言ってもすぐ隣だし、高速道路を使うから、夕方までには帰社出来るさ」

 二人の会話を小耳に挟んだ孝明は、そのまま社用車が置いてある地下駐車場に向かった。



 孝明が昼に得意先回りから会社に戻ると、社内が騒然としていた。社員の一人に訊ねると、杉田明彦が高速道路の交通事故で死亡したという事だった。事故概要は、高速道路上で社用車が急にパンクして、ふらついて横転し、そこに後続の大型トラックが突っ込んで来たというものらしかった。それを聞いた孝明は、顔色を変えた。

実は、孝明は杉田明彦に嫌がらせをしてやろうと、彼が使う予定の社用車の、左前輪タイヤの空気を一般道の走行ではぎりぎり気づかれない程度に抜いておいたのだ。空気圧の低いタイヤで高速運転をすると、スタンディングウェーブ現象を引き起こし、タイヤがバーストする可能性がある。高速道路で前輪がバーストすれば事故を起こし、杉田明彦は大怪我をして、橋本亜希子との結婚が出来なくなるかもしれない。怪我をしなくても、事故処理で時間を取られ、少なくとも今夜のデートは出来なくなるだろう…陰険な孝明は、そう考えたのだ。しかし、まさか死ぬとは思わなかった。これでは、自分は殺人犯だ…孝明はこの事を、一生涯の秘密にする決心をした。

社葬では、杉田明彦を悼む社員達が沈痛な面持ちをしていた。営業部長は有能な部下を失った事を大いに嘆き、女子社員達は全員ハンカチで目頭を押さえ、特に橋本亜希子の憔悴振りは見るのも気の毒な程だった。孝明も悲しそうな表情を取り繕っていたが、内心はほくそ笑んでいた。ライバルがいなくなり、悲しみに打ちひしがれている亜希子を慰めて取り入る絶好のチャンスだと、姑息にも孝明はそう考えたのだ。

杉田明彦の社葬後、孝明は社長である父親に、営業の仕事は5年やって大体分かったので、次は総務人事関係の仕事を覚えたいと訴え、営業部から総務人事部に人事異動してもらった。オーナー社長である父親は、自分が思い通りに会社を動かすために株式を上場しておらず、人事に関しても自由に出来た。仕事が全くの無能で営業部の足を引っ張る孝明が異動し、営業部長は大喜びだったが、お荷物を引き受ける総務人事部長は憂鬱な顔をしていた。

総務人事部に異動した孝明は、早速亜希子にアプローチし始めた。しかし亜希子は孝明を全く相手にせず、迷惑した彼女に相談された総務人事部長は、内心関わりたくないという風情で、

「松村君、会社内で勤務時間中に個人的な誘いをするのは、あまり好ましい事ではないね」

とやんわり注意した。それでも、内気なのに粘着質なところもある孝明は、何かと口実を作っては亜希子にモーションを掛け続けた。



 孝明が総務人事部に異動して10日目の金曜日、彼は唐突に亜希子から誘いを受けた。

「松村さん…今晩、お食事につき合って頂けませんか?少し、相談したい事があって…」

 孝明は天にも昇る気持ちでOKし、直ぐに洒落たレストランを予約しようとしたが、亜希子から既に市内の高級ホテル内にあるレストランを予約したと言われ、彼女の意外な積極性に些か驚いた。退社した後に亜希子と二人でその高級ホテルに行き、レストランで食事をした。食事中、相談したいと言っていた亜希子は、なぜか当たり障りの無い世間話しかしなかったが、レストランを出ると、彼女の方から孝明をホテル内にあるバーに誘った。

 高級感漂う静かなバーで、孝明と亜希子はカウンターに座り、亜希子が二人の飲み物を注文した、先程のレストランで亜希子からワインを頻繁に勧められ、かなり酔いが回っていた孝明であったが、憧れの亜希子を口説けるかもという緊張感が、彼を何とか素面に保たせていた。バーで亜希子は孝明にアルコール度の高いカクテルを勧めて、話を切りだした。

「…私、つき合っていた杉田さんが亡くなり、落ち込んで途方に暮れていたの…そんな私に松村さんが気遣って、色々と誘ってくれて…最初は戸惑っていたけど、段々と松村さんの優しさが分かってきて、私も松村さんの事が気になってしまったの…」

 孝明は、亜希子が自分の気持ちを受け入れてくれた事が分かり、舞い上がってアルコール度が高いカクテルを一気に飲み干した。亜希子はすかさず、おかわりのカクテルを注文し、バーテンダーが孝明の前にカクテルを置いた。孝明はカクテルに口をつけながら、亜希子に告白した。

「橋本さん…いや、亜希子さん。僕は以前から亜希子さんが好きだったんだ。杉田君がいたから、とても告白出来なかったけど、今夜こそ言わせてくれ…亜希子さん、僕とつき合って下さい!」

「嬉しい、喜んでおつき合いさせて頂きます、松村さん…いえ、孝明さん。孝明さんがそんなに私を想ってくれていたなんて、感激だわ…実は、このホテルに部屋を取っているの…酔い醒ましに、部屋で少し休まない?」

 予想外な亜希子の積極性に、孝明は一瞬唖然としたが、直ぐに笑顔になってアルコール度の高いカクテルを又一気飲みした。

「そ、そうだね…僕も少し飲み過ぎたし、部屋でちょっと休もうかな…」

 二人はバーを出ると、亜希子がフロントで鍵を受け取り、それからエレベーターに乗って部屋に向かった。酔いが回って足元がふらついている孝明が、部屋に入ってベッドに腰掛けると、亜希子がミネラルウォーターの入ったコップを彼に差し出した。

「孝明さん、少し飲み過ぎたみたいだから、先に水を飲んだ方がいいわ」

「それもそうだね…」

 孝明は亜希子からコップを受け取ると、一気に飲み干した。確かに酔いが回った体には、冷えた水が五臓六腑に染み渡り、とても美味かった。急に亜希子が孝明と並んでベッドに腰掛け、服を脱ぎ始めた。

「亜希子さん…」

 驚いた孝明が戸惑った声を出すと、亜希子は、

「お互いに子供じゃないでしょう、孝明さん…」

と答え、大きな瞳で彼をじっと見つめた。

「そ、それもそうだね…」

 孝明はどぎまぎしながらも、スーツの上着を脱ぎ、ネクタイを外し、ワイシャツを脱いだ。しかし彼の意識は、そこで途切れた。



(うーん、今何時だ…?)

 目を覚ました孝明は、ズキズキ痛む頭に手をやり、ベッドサイトの時計を見た。デジタル時計の表示は、8:43になっていた。

(まずい、遅刻だ!…あっ、今日は土曜日か…休みで助かった…それにしても、いつ眠ったんだろう?)

 ふと傍らを見ると、亜希子が裸で寝息を立てていた。そして、自分も裸なのに気がついた。

(えっ、これは…?)

 孝明は焦って、昨晩の事を思い出そうとすると、亜希子が目を覚ました。

「あら、孝明さん、起きたの…私達二人ともよく眠ったわね。昨夜の孝明さんったら、凄く情熱的だったわ…」

 亜希子は胸元を毛布で隠しながら、頬を赤らめて恥ずかしそうに言った。孝明はそれを聞いて、昨夜の記憶は飛んでいたが、憧れの亜希子と結ばれた事が分かった。女に全くモテた事が無く、初体験はソープでして、性処理は全て風俗で済ませてきた素人童貞の孝明は感激した。思わず孝明が亜希子を抱き締めようとすると、彼女は身をひるがえすように、裸身にシーツを纏った姿でベッドから立ち上がった。

「私、お先にシャワーを浴びてくるわ」

 バスルームに向かう亜希子の後ろ姿を見ながら、孝明はフツフツと湧き上がってくる幸福感を噛み締めた。



 以前につき合っていた杉田明彦が亡くなって、まだそんなに日にちが経っていないという理由で、孝明は亜希子から、二人のつき合いは会社では内緒にして欲しいと頼まれた。それで孝明は、社内では亜希子に仕事に関する事だけを事務的に話すようにした。総務人事部長は、そんな孝明の様子を見て、オーナー社長の一人息子である彼が、嫌がっている亜希子に手を出すのを止めたと思い、ほっと胸を撫で下ろした。

 それから孝明は、亜希子を何度もデートに誘ったが、彼女は家で母の面倒を見なくてはいけないという理由で、週に一度食事だけのデートに応じた。そしてホテルの一夜から一ヶ月後、孝明は亜希子から驚く知らせを受けた。何と亜希子が妊娠したというのだ。孝明は驚愕したが、直ぐに気を取り直し、

「亜希子さん、僕も男だ、責任は取る…結婚しよう!これは二人の運命だ!」

と言って、亜希子にプロポーズした。亜希子は喜んでプロポーズを受け入れ、孝明は早速父親に報告した。

急に結婚すると言われた父親も凄く驚いたが、女に全く縁の無い孝明が、社内でも評判の美人OLを射止めた事を喜び、二人の結婚を快く了承した。孝明の母親は、彼が大学生の時に病気で亡くなっていた。出来の悪い子程可愛いと言われるが、父親は一人息子である孝明の将来をずっと気に掛けており、特に結婚出来ないのではないかと心配していたのだ。

孝明と亜希子の結婚が決まった話は、社内中を駆け巡り、全社員が驚いた。何しろ、オーナー社長の一人息子にも関わらず、全女性社員から敬遠されている孝明と、社内一の美人である亜希子との出来ちゃった婚なのだ。文字通りの美女と野獣だとか、杉田明彦が草葉の陰で泣いているだとか、孝明がレイプして妊娠させただとか、亜希子が金に目が眩んだとか、好き勝手な噂が飛び交った。それでもオーナー社長が盛大に開いた結婚式に招待された社員達は、歯の浮くような祝辞を競って述べた。正に華燭の典と呼べる結婚式で、孝明は幸福の絶頂を体現したような笑顔を振りまいていたが、亜希子の笑顔はどこかぎこちなく見えた。

まだ安定期に入っておらず、流産の虞があるという理由で、新婚旅行には行かなかった。父親は孝明と亜希子の結婚祝いとして、郊外の広い一軒家を用意した。亜希子は孝明に、結婚しても今の仕事は続けたいし、今までシングルマザーで苦労して自分を育ててくれた母親を同居させたい、そうすれば家事をして貰えるし、生まれてくる子供の世話も見て貰えるからと頼み込んだ。孝明としては、新婚家庭に姑を入れるのは気が進まなかったが、惚れた弱みで亜希子の頼みを断れなかった。

亜希子の母親である昌代は50歳だが、まだ30代後半位に若く見える美魔女で、亜希子の美貌は母親譲りなのが窺えた。昌代が新居に来た時、孝明は結婚式で顔を合わせた事があるにも関わらず、彼女のセクシーな美貌に一瞬呆然と見とれた程だった。

昌代は亜希子がまだ小学生の時、親戚中の反対を押し切り駆け落ちして一緒になった夫と死別し、絶縁された親族からの援助が受けられず、昼は清掃や配送の仕事、夜は水商売の仕事を掛け持ちして、女手一つで亜希子を育て上げたと、孝明は亜希子から説明を受けた。

「孝明さん、これからお世話になります…亜希子は仕事を続けるつもりですから、家事は私がさせて頂きますね。今後、どうか宜しくお願い致します」

 昌代から深々と頭を下げられた孝明は、少しどぎまぎして、

「い、いえ、お義母さん、そんな他人行儀にならなくても、自分の家みたいに気楽にして下さい」

と答えて、昌代を歓迎した。



 孝明は結婚したことで精神が高揚し、今までいい加減だった仕事に熱心に打ち込み始めた。しかし、無能な孝明の仕事にはミスが多く、その尻ぬぐいは総務人事部長がため息をつきながら、処理していた。それに疲れ果てた部長は、孝明がした仕事のチェックを、主任である亜希子に全て任せた。初めの内は、亜希子は孝明に優しくミスを指摘していたが、段々ときつい口調に変わっていった。

「松村君、また同じミスをしているわよ!発注書の個数の桁が違ってるわ。そのまま送ったら、大変な事になるところよ。もっと気を付けて頂戴!」

「わ、分かったよ、亜希子さん…」

「松村君、ここは会社なのよ!私の事は松村主任と呼ぶように、何回も注意したでしょう。公私混同は厳禁よ!」

「…はい、分かりました…松村主任」

 小心者の孝明は、亜希子にきつく叱られる度に萎縮してしまい、段々と彼女の前では顔が上げられなくなり、卑屈な態度を取るようになった。

 私生活でも、孝明は不遇を感じていた。憧れの亜希子と結婚して一緒に暮らすことになり、当初は舞い上がっていたが、亜希子は会社の上司としての態度を家でもして、孝明に対して高圧的な言動をするようになった。その様子を見ていた義母の昌代も、最初は孝明に遠慮して控え目な言動をしていたのに、段々とぞんざいな口の利き方をするようになった。

その上、亜希子から妊娠中なのを理由に夫婦の営みを堅く拒絶され、孝明は性的欲求不満が高まっていた。寝室では布団を並べて寝るのだが、亜希子の寝息を傍で聞く度に、孝明の股間のものは弾けそうに硬くなった。おまけに義母の昌代は50歳の熟女なのに胸が大きく、ウェストは適度にくびれてヒップが大きいという、娘の亜希子よりふくよかであるがセクシーな体型で、結構露出の高い服装をして孝明の傍で家事をしたりした。昌代が孝明の直ぐ傍で拭き掃除をすると、ほのかな香水の匂いと熟女の体臭がミックスされた何とも言えない魅惑的な香りが彼の鼻をくすぐり、思わず抱きつきたくなる衝動を抑えるのに、物凄く苦労していた。それでも日々大きくなっていく亜希子の下腹を見て、自分は父親になるのだからと、孝明は自分に強く言い聞かせて自制していた。



ある週末の朝、亜希子は高校時代の友人に会いに行くと言って、外出した。家に残された孝明は、顔でも洗おうとパジャマ姿で洗面台に向かった。浴室の前にある洗面台に行った孝明は、洗濯籠の中で他の洗濯物の上にあった赤色のパンティが、目に飛び込んだ。亜希子のものか昌代のものかは分からなかったが、孝明は思わずその赤色パンティを手にして、クロッチ部分を見つめた。そこには黄色い染みがあり、後ろの方には焦げ茶色の筋が付いていて、顔を近づけると強烈な女の臭いがした。夫婦の営みをさせてもらえず、性的欲求不満が極限まで高まっていた孝明は、その女の臭いで理性が吹っ飛んでしまった。

孝明はパンティの汚れたクロッチ部分に鼻を押し付けると、鼻孔から思い切り臭いを吸った。女の饐えたような強い臭いが鼻孔の奥まで流れ込み、彼の脳髄を痺れさせた。孝明はもどかしげにパジャマの下衣を膝までずり下げ、硬く屹立した股間のものを右手で掴むと、激しくしごき始めた。

孝明は目をつぶり、亜希子の美しい顔とセクシーなプロポーションを思い浮かべ、汚れたパンティの臭いを嗅ぎながら、右手を動かし続けた。程なくして、孝明は下半身を振るわせ、硬く屹立したものから夥しい量の白濁液を噴出させた。射精して頭がスッキリした孝明は、我に返った。

(何をしてるんだ、俺は…早く片付けなければ…)

 孝明は赤色パンティを洗濯籠に戻し、タオルを濡らして自分の股間部分を拭うと、パジャマの下衣を腰までずり上げ、しゃがんで床に飛び散った精液を拭こうとした。その時、不意に声を掛けられ、心臓が口から飛び出しそうになった。

「孝明さん、何をしているのかしら?」

 声の主は、義母の昌代だった。彼女はスマホを片手に、妖艶な笑みを浮かべていた。孝明は慌てて、濡れタオルで床の精液を拭き取りながら、

「ああ、お義母さん…うっかり床に水をこぼしてしまったので、拭いているんですよ」

と答えて誤魔化そうとした。しかし、昌代は微笑みながら、スマホの液晶画面を孝明に突き出した。

「孝明さん、水じゃなくて精液でしょう…私、最初から見てたのよ」

 スマホには、孝明が赤色パンティを嗅ぎながら、オナニーしている動画が鮮明に映っていた。汚れたパンティの臭いに欲情して、理性が飛んでしまった孝明には、いつ昌代が洗面台に来たのか、全く気がつかなかった。

「うふふ、面白い動画が撮れたから、亜希子にも見てもらおうかしら?孝明さんのお父様に見て頂くのも、面白そうね…」

 昌代は、からかうような口調で恐ろしい事を言い、孝明は顔が真っ青になった。孝明は思わず昌代の足元にひれ伏して、

「お義母さん、お願いします。亜希子さんには内緒にして下さい。親父にも内緒にして下さい、お願いです…内緒にして下さるのなら、何でも言う事を聞きます。何でも言う通りにします…」

 孝明は、亜希子にだけは、この恥ずかしい姿を知られたくなかった。会社では亜希子に上司として厳しく注意され、家でも上から目線の口を利かれてはいるが、それでも孝明は亜希子が好きだった。仕事上のミス続きで亜希子から軽んじられているのは、孝明にも分かってはいたが、これ以上彼女から軽蔑されたくなかった。それに、父親は一人息子の孝明を気に掛けてはくれるが、彼が小さい時から躾には厳しく、悪い事や恥ずかしい真似をしたら、こっぴどく叱られてひどく叩かれ、それが大人になった今でもトラウマになっている程だった。

 自分の足元に土下座して、必死に懇願する孝明を見下した昌代は、邪悪な笑みを浮かべた。

「そう、何でも言う事を聞いてくれるの…だったら、私の部屋にいらっしゃい」

 昌代は踵を返して自分の部屋に向かい、孝明は慌てて立ち上がり、彼女の後を追った。昌代は自分の部屋に入ると、シングルベッドに腰掛けた。スマホを手にしたまま顎をしゃくり、孝明に指示した。

「孝明さん、そこに座って頂戴」

 孝明は恥ずかしさで顔を赤くしたまま、昌代の足元に正座した。
   
「孝明さん…さっき、私の言う事は何でも聞く、何でも言う通りにするって言ったわね…それは、本当なの?」

 昌代の問いに、孝明は震え声で答えた。

「はい…本当です。ですから亜希子さんには、是非内緒に…」

 昌代は満足そうに微笑み、孝明に語り掛けた。

「私、夫を亡くしてから、あらゆる辛酸を舐め尽くしたの…アルバイトや派遣の仕事を色々掛け持ちしてね…非正規の仕事で働いている女は、男から軽く見られて、随分と侮辱的な扱いを受けたものよ。それでも亜希子を育てるために、歯を食いしばって我慢して、寝る間も惜しんで働いたわ。でも貧乏から抜け出せずに、亜希子を大学に進学させてやれなかった…頭がよくて勉強が出来る子だったから、大学に行きたがっていたけど、仕方なく高卒で就職したの…亜希子も就職したての時は、高卒だから大卒の男から見くびられると言って、憤っていたわ…」

 昌代の話を正座して聞いていた孝明は、彼女が何を言いたいのかさっぱり分からず、内心首をひねった。昌代の話は続いた。

「…だから私は、自分を軽く見て侮辱した男というものに、恨みがあるのよ。男を奴隷にして辱めてやりたいと、ずっと思っていたの…孝明さん、さっき本当に私の言う通りにするって、繰り返し言ったわよね。だったら、私の奴隷になって頂戴」

 正座している孝明には、昌代が言う“奴隷”の意味が、全く理解出来なかった。

「あ、あの、お義母さん…奴隷になるって、一体どうすれば…?」

 すると昌代は不意に足裏で、正座している孝明の顔を押し出すように蹴り、彼はたまらず床に倒れた。昌代はベッドから立ち上がり、横倒しになった孝明の頭を素足で踏みにじり、怒鳴りつけた。

「亜希子も言っていたけど、お前は本当に理解力の無い馬鹿なんだね!奴隷になるって言うのは、私の言いなりになって、何でもすると言う意味だよ!私の奴隷になるか、それともオナニーしている恥ずかしい姿を亜希子と自分の父親に見られるか、好きな方を選びなさい!」

 昌代は既に孝明を名前で呼ばず、お前呼ばわりした。孝明に選択肢がある筈も無く、昌代の素足の下から苦しげな声で返事をした。

「…はい、分かりました…お義母さんの奴隷になります」

 孝明の返事を聞いた昌代は、満足そうに微笑んで彼の頭から素足を外し、再びベッドに腰掛けた。

「そう、私の奴隷になるのね…奴隷が服を着ているのは、おかしいわ。パジャマを脱いで、素っ裸におなり!」

 体を起こした孝明は、昌代の命令に面食らい、思わず口答えをした。

「お義母さん、いくら何でも、それは…」

「お黙り!お前みたいな、汚れたパンティの臭いを嗅ぎながらオナニーする変態に“お義母さん”と呼ばれたくないわよ!私の事は“昌代様”とお呼び!」

昌代にピシャリと言われて、きつい目つきで睨まれた孝明は、渋々パジャマを脱いで全裸になった。両手で股間を隠した孝明が、再び床に正座すると、昌代は、

「私の奴隷になるんだから、まず奴隷の誓いを立てなければならないわね…『私はマゾの変態なんです。是非とも昌代様の奴隷にさせて下さい』とお願いおし!」

と孝明に命じた。彼は困惑したが、止む得ずに、

「わ、私は…マゾの…変態なんです。是非とも昌代様の…ど、奴隷にさせて…下さい」

とつっかえながらも、昌代に命じられた通りに話した。昌代は孝明が話し始めると、すかさずスマホで動画の録画を始め、彼が話し終えると直ぐに録画を停止した。

「次にこう言うんだよ…『変態マゾの私に、是非昌代様のおみ足へ、奴隷のキスをさせて下さい』ってね」

 孝明は恥ずかしさで顔が赤くなったが、昌代の命令には逆らえず、

「へ、変態マゾの…私に、是非昌代様の…おみ足へ…ど、奴隷のキスを…させて下さい」

と同じ様につっかえながら、何とか話した。昌代は孝明が話し始めると、再度スマホで動画の録画を始めた。そして録画を続けながら、全裸で正座している孝明の顔に、右足の爪先を突き付けた。

孝明が戸惑っていると、昌代は録画を一旦止めて、

「何をぼんやりしてるの!『ありがとうございます。身に余る光栄です』と言い、両手で私の足をうやうやしく持って、爪先にキスするんだよ!」

と命じ、再度録画を始めた。孝明は小刻みに震える両手で、昌代の右足を挟むように持ち、

「あ、ありがとうございます…身に余る光栄です」

と言って、爪先に唇を着けた。昌代は録画を続けながら、

「そうなの…それなら、足指の間もしゃぶらせてあげるわ…ほら、遠慮しないで!」

と言った。昌代の言う意味が分かった孝明は、彼女の足指の間に舌を這わせた。スリッパを履きっぱなしで蒸れていたのか、汗と脂のねっとりとしたしょっぱさを舌に感じ、汗のきつい臭いが鼻を突いて、孝明は惨めさと屈辱で体を震わせた。

「おやおや、身震いする程嬉しいんだね…だったら、全部の足指の間を舐めさせてあげるよ」

 孝明は口惜しさで目に涙を浮かべたが、自分の弱味を握っている昌代には逆らえず、右足の指の間を全て舐めさせられた。孝明が何とか舐め終わると、昌代は右足を引き、代わりに左足を彼の顔に突き出した。

「右足だけじゃなく、左足も舐めて頂戴…あら、お礼はどうしたの?」

 昌代にからかうような口調で、お礼の催促をされた孝明は、

「ど、どうもありがとうございます…」

と絞り出すような声で礼を述べて舌を伸ばし、左足の足指の間を舐め始めた。

 孝明が左足をようやく舐め終わって、同じ様に礼を述べると、昌代は笑みを浮かべて足を引いた。孝明の口中は、昌代の足の蒸れたような汗の臭いが充満し、汗と脂のねっとりとした汚れの不快な感触が舌に残って、惨めさで鼻の奥が熱くなり、目に涙が浮かんだ。

 昌代はスマホの録画を一旦止め、又も孝明に屈辱的な命令をした。

「お前は自分から、私の奴隷にさせて下さいと言ったんだから、今からお前の事は“男奴隷”と呼ぶからね…男奴隷、『私は、汚れたパンティが大好きなんです。どうか、昌代様のパンティを恵んで下さい』とお言い!」

 孝明は面食らったが、昌代には逆らえず、

「わ、私は…汚れたパンティが…だ、大好きなんです…どうか、昌代様のパ、パンティを恵んで…下さい…」

と恥ずかしそうに口ごもりながら、何とか命じられた通りに述べた。孝明が話し出すと、昌代は直ぐに録画を始めた。昌代はそのまま録画を続けながら、

「そう、そんなに私のパンティが欲しいのかい…それなら、変態の男奴隷に恵んであげるわよ」

と言ってベッドから立ち上がり、穿いていたピンク色のパンティを脱いで、全裸で正座している孝明の顔に放り投げた。

「さっき、私の汚れたパンティの臭いを嗅いでいたわね…同じ様に、脱ぎたてのパンティの臭いも嗅いでご覧」

 孝明は昌代に言われて、洗濯籠の赤色パンティは亜希子のではなく、彼女のだったのが分かった。孝明は両手で昌代が脱ぎ捨てた、まだ体温が感じられるパンティを持ち、汚れたクロッチ部分に鼻を近づけ、臭いを嗅いだ。先程オナニーした時と同じ様な、饐えたような女の強い臭いがして、孝明は頭がクラクラした。昌代は又も一旦録画を止めて、孝明に命令した。

「男奴隷、『どうか昌代様のパンティの、汚れている所をしゃぶらせて、きれいにさせて下さい』とお願いおし!」

 孝明は顔が引きつったが、仕方無く昌代から命じられた通りにお願いし始めた。

「ど、どうか、昌代様の…パ、パンティの、汚れている所を…しゃぶらせて、きれいにさせて下さい…」

 孝明が話し出すと、昌代は直ぐに録画を再開した。昌代は先程から、孝明が彼女に命令されて仕方無く話すのではなく、自分から進んでお願いしているみたいに見えるように、タイミングを見計らってスマホで録画しているようだった。

「ふんっ、本当にいやらしい男奴隷だねぇ…いいわよ、好きなだけしゃぶってご覧」

 昌代に促された孝明は、少し躊躇っていたが、思い切って汚れたクロッチ部分に舌を這わせた。何とも表現しづらいえぐ味が舌に拡がり、饐えたような女の臭いが鼻をついて、孝明は恥辱で体を震わせた。しかしそれは、マゾ男が歓喜と興奮で身震いしているようにも見えた。昌代はスマホの録画を一旦止め、

「男奴隷、『昌代様、もう我慢出来ません。オナニーさせて下さい。どうか私のオナニーを、是非見て下さい』とお願いしてから、パンティをしゃぶりながら、オナニーおし!」

と孝明に恥ずかしい命令を下した。驚いた孝明はさすがに、

「ええっ…そ、そんな事は、とても…」

と言い返そうとすると、

「お黙り!私の言う事が聞けないんだったら、お前の恥ずかしい姿を亜希子とお前の父親だけじゃなく、皆に晒してやるわよ!」

と昌代にピシャリと言われて、力無くうつむいた。

「それに、お前…興奮して、さっきからそこを硬くしてるじゃないの。体は正直だね、最低の変態!」

 昌代から股間を指差されて嘲った口調で罵られた孝明は、自分のものが硬く屹立しているのに、初めて気がついた。昌代の汚れたパンティの臭いで、不覚にも股間のものが反応してしまったのだ。恥ずかしさで、孝明の顔は真っ赤になった。

「汚れたパンティをしゃぶって興奮している変態が、今更何を躊躇っているのよ!さっさとお願いして、オナニーおし!」

 昌代から強い口調で重ねて命じられた孝明は、

「も、もう我慢出来ません…どうか、私にオ、オナニーさせて下さい…ま、昌代様が見て下さい…」

と震え声で途切れ途切れに言って、パンティの汚れたクロッチ部分を舐めながら、右手で自分の屹立したものを握り、ゆっくりしごき始めた。孝明が話し始めると、昌代は直ぐにスマホで録画しながら、

「私が言った台詞と少し違うけど、まあいいか…」

と聞こえないような小声で呟いた。

 孝明にとって、昌代に見られながらオナニーするのは、恥ずかし過ぎて死にたくなる程だった。しかし、この強烈な羞恥がなぜか孝明を凄く昂らせて、股間の屹立しているものは硬度を増していき、しごく手の動きも知らず速くなっていった。昌代の蔑んだ視線を痛い程感じながら、彼女の汚れたパンティをしゃぶり、自分の硬くなったものをしごいている孝明は、ある種異様な興奮状態に陥っていた。

 間もなく孝明は、先程洗面所で射精したにも関わらず、体を震わせて多量の白濁液を放出した。孝明は、昌代に見られながらオナニーして射精したことで、彼女から体力・気力と言ったものを全て体から引き抜かれたように感じ、がっくりと力無くうなだれた。昌代はスマホの録画を続けながら、

「おやまあ、床をこんなに汚しちゃって…責任を取って、お前が全部きれいに舐め取るんだよ!」

と孝明に命じた。最早、反抗する気力も失った孝明は、

「…はい、分かりました、昌代様」

と蚊が鳴くような声で従順に答えて四つん這いになり、床に飛び散った精液を舐め取り始めた。自分のものとは言え、精液の生臭さが口中に拡がり、孝明の心に今更ながら屈辱感が湧き上がって、目に涙が浮かんできた。孝明が床の精液を舐め取っている間、昌代は録画を中断し、スマホをいじって何やら操作していた。

 床の精液を全て舐め取った孝明が顔を上げると、昌代は立ち上がってスカートを脱ぎ、下半身裸になった。昌代は再びベッドに腰掛けると、両脚を開いて自分の陰部を指差し、

「男奴隷、次はお前の舌でここに奉仕して、私を喜ばせなさい!」

と孝明に命じた。孝明は、催眠術にでも掛けられたような虚ろな目で昌代に這い寄り、彼女の股間に顔を近づけた。昌代は孝明を嬲って気が昂ったのか、彼女の陰唇は赤く充血し、めくれてぬめっていた。饐えたような強い女の臭いがして、孝明は一瞬自分が、食べられると分かっているのに、自ら食虫植物の花弁に吸い寄せられていく虫けらのように思えた。

 孝明は舌を伸ばし、舐め犬のように昌代の陰部をペロペロと舐め始めた。孝明の舌にアンモニア臭の混じった酸味と塩味が拡がり、彼の屈辱感を倍増させた。昌代は気持ちよさそうにしばらく孝明に陰部を舐めさせていたが、不意に彼の頭を平手で叩き、

「男奴隷、舐めるだけじゃなく、唇も使ってクリトリスを吸うとか、吸いながら舐めるとか、少しは工夫しなさい!」

と注意した。素人童貞だった孝明は、女の喜ばし方に疎かったが、昌代に言われた通りに唇で陰核を吸い、吸いながら舌を動かす等の努力をした。孝明の努力の甲斐あって昌代は感じてきたのか、粘っこい淫液が次々に湧き出て、彼の口元をベトベトに濡らした。強い異臭がする淫液が口中に流れ込み、孝明は咽返りそうになったが、身震いして堪えて飲み込み、舌奉仕を続けた。

 昌代は、孝明の舌奉仕をじっくりと楽しんでいたが、気が昂っていたためか、不意に強烈な快感が込み上げてきた。昌代は孝明の顔を豊かな太腿で強く挟み、背を仰け反らせて絶頂に達した。昌代はそのまま余韻を楽しんでいたが、彼女の太腿で力強く顔を挟まれている孝明は、呼吸が満足に出来ずに窒息しそうになり、悶え苦しんだ。

 昌代が太腿の力を緩め、孝明を解放すると、彼はゼイゼイと荒い息をした。孝明は舌奉仕が済んだと思って、昌代の下半身から離れようとしたが、彼女は両手で彼の髪を掴み、又も自分の股間に孝明の顔を引き寄せた。

「男奴隷、まだまだ終わりじゃないよ!もっと私を喜ばせなさい!」

 昌代に命令された孝明は、止むを得ずに再び彼女の陰部に舌を這わせたが、彼は女の性に対する貪欲さに慄然とした。それでも孝明は、昌代の陰部から発する咽返りそうな程強い臭気の中で、舌と唇を最大限に活用し、何とか彼女を喜ばせようと努力した。

 孝明が昌代の股間に顔を埋め、懸命に舌奉仕に励んでいると、不意にバタンと音がしてドアが開き、妊娠中で下腹が膨らんできた亜希子が、昌代の部屋に入って来た。

「あなた、何してるのよ!」

 亜希子は大声を出すと、下半身裸でベッドに腰掛けている昌代の股間に顔を埋めている、全裸で四つん這いの孝明の脇腹を思い切り蹴りつけた。

「ヒイィッ」

 亜希子は、悲鳴を上げて床に転がった孝明の顔を踏みにじり、激しく罵った。

「お母さんから、《面白い事をしているから、早く帰って来て》とラインが来たので家に戻ってみたら、こんな破廉恥な真似をしていたなんて、信じられないわよ!絶対許さないからね、この恥知らず!」

 亜希子から凄い剣幕で怒られた孝明は、何とか弁明しようと、彼女の足下から苦しそうな声を出した。

「ち、違うんだ、亜希子さん…これには、訳があって…」

 亜希子は孝明の顔から足を外すと、自分のスマホを取り出して、彼に突きつけた。

「何がどう違うの!お母さんから動画が送られて来て、見たら驚いたわよ。あなたは、マゾの変態だったのね!」

 その動画は、昌代が孝明に恥ずかしい事を言わせて、タイミングよく録画したもので、まるで彼が変態マゾで、自分から昌代に奴隷志願したように映っていた。

「そ、そんな…お義母さん、亜希子には内緒にと、言ってくれたじゃないですか…」

 孝明は昌代の方を向いて弱弱しい声で抗議したが、彼女は知らん顔でそっぽを向き、薄ら笑いを浮かべるだけだった。亜希子は更に孝明を強く蹴りつけ、又も怒鳴りつけた。

「何が亜希子には内緒に、なのよ!ふざけるんじゃないわよ!自分の変態マゾの性癖を隠して、私と結婚しただなんて、酷過ぎるわ。私の人生は台無しよ…一体、どうしてくれるの!」

「亜希子さん、待ってくれ…実は、その…」

 孝明は思わず亜希子の足元で正座し、何とか説明しようとしたが、上手く説明出来る言葉が見つからなかった。

「自分の変態マゾがバレたのに、何が言いたいのよ!ふざけないで!それと、お母さんの奴隷になったのなら、私の奴隷にもなってもらうわよ。いいわね!」

 全裸で亜希子の足元に正坐してうつむいていた孝明は、仁王立ちになっている彼女を思わず見上げて、言い返そうとした。

「ど、奴隷って…僕達は夫婦じゃないか…それは、あまりにも…」

「うるさいわね!私に逆らうのなら、お前の恥ずかしい動画を、お義父さんと社員全員に一斉送信してやるわよ!」

 亜希子からも既にお前呼ばわりされ、厳しい事を言われた孝明は、がっくりとうなだれた。昌代に嵌められて、這い上がれない奈落に突き落とされてしまった事を、孝明はようやく悟った。これからは、昌代と亜希子母娘の奴隷となって嬲られる、惨めな生活が始まるのか…孝明はひどく落ち込んだが、奈落の落とし穴には底が無い事を、まだ彼には分っていなかった。

「それと、お前に聞いてもらいたいんだけど…」

 亜希子はスマホを何やら操作すると、自分の足元で正座している孝明に突きつけた。スマホからは、孝明の寝ぼけたような声が流れた。

「…ああ、杉田が乗る車の…タイヤの空気を…抜いたよ…高速でパンクして…事故が…起きるように…死ぬとは思わなかった…あいつが…邪魔だったから…」

 自分の声を聞いた孝明は、顔が真っ青になった。

「こ、これは、一体…?」

 孝明が震え声で亜希子に問い掛けると、彼女は周囲が凍りつくような冷たい声で答えた。

「昨夜お前がうなされて、何か寝言を言っていたから、何だろうと思ってスマホで録音してみたのよ。朝になって聞いてみて、本当に驚いたわ…あの高速道路の死亡事故は、お前が仕組んだのね!お前が明彦さんを殺したのね!」

 顔面蒼白となった孝明は、亜希子の足元にがばっとひれ伏し、土下座して謝罪した。

「許してくれ…殺すつもりは無かったんだ。僕は亜希子さんとつき合っている杉田が妬ましくて、事故でも起こして困ればいいと思っただけなんだ…まさか死ぬとは思わなかった…どうか、頼むから許してくれ」

 亜希子は感情を押し殺したような、機械的な冷たい口調で答えた。

「法律事務所に勤めている高校時代の友達に、午前中会いに行って来たわ。彼女にこの音声を聞いてもらって、高速道路での死亡事故の事を話したら、未必の故意である殺人罪が成立すると説明してくれたの…つまりお前は、殺人犯なのよ!」

 土下座している孝明はガタガタ震え出し、亜希子へ必死に哀願した。

「た、頼む、許してくれ。この事は誰にも言わないで、秘密にしてくれ…秘密にしてくれたら、何でもする、何でも言う事を聞くから…頼む、お願いだ」

 亜希子は土下座で哀願する孝明の頭を踏みにじり、些か苦悩を滲ませた声で答えた。

「本当なら、お前を警察に引き渡して、殺人罪で刑務所に入れてもらうところだけど、もうお前とは結婚してしまって夫婦になっているし、何よりお腹の子の父親を殺人犯にする訳にはいかないわ…いいわよ、秘密にしてあげる。その代わり、明彦さんを死なせた罰として、私とお母さんの奴隷にして、一生虐めてやるからね!覚悟しなさい!」

 亜希子から物凄く厳しい事を言われたが、秘密にしてあげるとも言ってもらい、孝明は彼女の足下で内心ホッとして、胸を撫で下ろした。亜希子が土下座している孝明の頭から足を外すと、下半身裸のままの昌代がベッドから立ち上がり、口を挟んだ。

「こいつは男奴隷なだけじゃなく、殺人を犯した罪人でもあるんだね…罪人なら、それなりの罰を受けなければいけないわ…」

 昌代の声を聞いた孝明は、嫌な予感がして、ぞくりと背筋に冷たいものが走った。孝明が恐る恐る上体を起こし、正坐の姿勢に戻ると、昌代はクローゼットを開け、中から女性用の細い革ベルトを取り出した。そして正坐している孝明の後ろに回り、いきなり彼の背中を革ベルトで思い切り叩いた。

「ギャアァーッ」

 不意に背中の生皮を剝ぎ取られたような強い痛みを受け、孝明は悲鳴を上げて床に倒れた。

「この家は防音仕様で、いくら喚いてもご近所には聞こえないから、安心だけど…ちょっと耳障りだねぇ」

 昌代は独り言のように呟くと、床に放っていた自分のピンク色パンティを手にし、

「男奴隷、口をお開け!」

と孝明に命じた。孝明がおずおずと口を開けると、昌代はピンク色パンティを彼の口に押し込んだ。それから、亜希子に声を掛けた。

「薄いパンティだから、もう一枚要りそうね…亜希子、パンティを脱いで頂戴」

 亜希子は薄ら笑いを浮かべて、パンティストッキングとベージュ色パンティを脱ぎ、昌代に手渡した。昌代はベージュ色パンティを孝明の口に押し込み、亜希子が脱いだパンティストッキングを彼の口元から後頭部に掛けてぐるぐる巻きにして結び、猿ぐつわにした。

 昌代の臭いに亜希子の臭いが加わり、何か発酵したようなむっとする異臭が口中に充満し、鼻孔の奥まで届いて、孝明は屈辱で身震いした。

「男奴隷、両手を背中にお回し!」

 昌代は孝明に命令し、彼が背中に両手を回すと、部屋にあった細紐で両手首を手際よく縛って、孝明を後ろ手に拘束した。

「男奴隷、両脚を拡げて膝立ちになり、上体を倒して額を床に着け、お尻を上に突き出すんだよ!」

 孝明が昌代から命じられた通りの、屈辱的で全く無防備な姿勢を取ると、彼女は革ベルトを手にして、彼の後ろに回った。

「男奴隷、お前は罪人なんだから、まず鞭打ちの刑に処すわ。その姿勢を崩すんじゃないよ。10回打って、その姿勢を崩さなかったら、鞭打ちは止めてあげるわ…いくわよ!」

 昌代は革ベルトを振り上げると、上に突き出された孝明の尻を、横殴りに叩いた。風を切る音と共に、尻の生皮を剥ぎ取られるような痛みを受け、孝明はパンストの猿ぐつわの下から、くぐもった呻き声を上げた。

「2回目いくよ…そらっ!」

 昌代の掛け声と共に、孝明は再度尻の生皮が剥ぎ取られるような激痛を受けて、呻き声を漏らした。それでも孝明は体を震わせて、姿勢を崩さないように耐えた。

「ふ~ん、結構我慢強いんだね…ほら、3回目!」

 昌代は、又も孝明の尻を横殴りに叩き、彼は呻きながらも、全身を硬直させて耐えた。そんな調子で昌代に9回も革ベルトで叩かれた孝明の尻は、真っ赤に腫れ上がってしまい、触るだけでも痛そうだった。

「よく頑張ったね、男奴隷…これが最後の1回だよ!」

 孝明にとっては、永遠の長さにも感じられた昌代の鞭打ちであったが、彼女から最後の1回と言われ、何としても姿勢を崩すまいと、全身に力を入れた。しかし昌代は、今までは横殴りに孝明の尻を叩いていたのに、10回目は革ベルトを下から上へ掬い上げるように振るい、彼の股間部分を強かに叩いた。股間の急所部分を打たれた孝明は、とても耐えられずにくぐもった呻き声を上げ、今まで必死に維持していた姿勢を崩して横倒しとなり、いも虫みたいに体を曲げ伸ばしして悶え苦しんだ。

 昌代は孝明を仰向けに蹴り転がし、彼の腹を踏みつけて見下し、傲慢な口調で言い放った。

「あれ程姿勢を崩すなと言ったのに、何てザマよ!鞭打ち10回追加だね!」

 それを聞いた孝明は、涙をボロボロこぼしながら、首を左右に激しく振って呻き声を上げた。

「うん?何か言いたい事でもあるの?」

 昌代は孝明の腹から足を外し、しゃがんで彼の口元から猿ぐつわのパンストを解き、口中から2枚のパンティを引っ張り出した。

「あの…お願いです…鞭だけは勘弁して下さい…お願いします…」

 ようやく口が利けるようになった孝明は、涙ながらの哀願を昌代にしたが、彼女からの返事は目が眩む程の強烈な往復ビンタだった。

「ヒイィッ」

 情けない悲鳴を漏らした孝明を、昌代は怒鳴りつけた。

「寝ぼけた事を言うんじゃないよ、男奴隷で罪人のくせに!そんなたわけた事を言う暇があったら、とっととお立ち!」

 昌代は孝明の髪を掴み、立ちながら上に強く引っ張り上げた。孝明は止むを得ずに、後ろ手に縛られた不自由な体をよじって、何とか立ち上がった。

「亜希子もやってみない?男を鞭打つのって、気分がスッキリして、いいストレス解消になるわよ」

 孝明を前に昌代はそう言って、微笑んで頷く亜希子に革ベルトを手渡した。亜希子は立っている孝明の前に回り、

「男奴隷、足を肩幅に開いて、腰を突き出すのよ!」

と命じた。泣きたくなった孝明は、いっその事、昌代と亜希子の母娘から逃げ出そうかと思ったが、致命的な弱味を握られている立場では、逃げる事さえ出来なかった。孝明は渋々と、足を肩幅に開いて腰を突き出す恥ずかしい姿勢を取った。その途端、亜希子の右腕が一閃し、革ベルトが孝明の股間のものを強かに打ち据えた。

「ウギャアァーッ」

 股間のものがちぎり取られたような激痛に、孝明は絶叫を上げ、床に倒れてのたうち回った。亜希子は孝明の首筋を踏みつけて、うつ伏せに固定すると、

「誰が動いていいと言ったの!勝手に姿勢を崩すんじゃないわよ!」

と怒鳴りつけ、彼の体を革ベルトで滅多打ちにした。孝明の背中と後ろ手に縛られた両腕には、赤い筋が何本も刻み込まれ、彼は亜希子の足下で悲鳴を上げ続けた。恋人の杉田明彦を殺された怒りと恨みが込められているのか、髪を振り乱して革ベルトを振るう亜希子の姿には、鬼気迫るものがあった。

 亜希子が息を乱して革ベルトを振るうのを止め、孝明の首筋から足を外した時、彼は息も絶え絶えで声も出せずに、床にぐったりとうつ伏して、動けそうもなかった。しかし、亜希子はまだ容赦しなかった。彼女はうつ伏している孝明の脇腹を蹴り、

「誰も寝ていいと言ってないでしょう!さっさと起きなさいよ!」

と怒鳴りつけた。

「は、はい…」

 孝明は蚊が鳴くような声で返事をして、革ベルトで打たれた痕が引きつる上に、後ろ手に縛られていて不自由な体を無理によじって動かし、よろめきながらも何とか立ち上がった。孝明が立ち上がると、亜希子は直ぐに革ベルトを振り上げた。

 打たれる…孝明は革ベルトで叩かれる痛みに怯え、目をつぶり、体を強張らせた。しかし、意外にも昌代が、

「ちょっと待ちなさい、亜希子!」

と言って、亜希子が振り上げた右手を掴み、革ベルトの鞭打ちを止めてくれた。

「これ以上叩いたら、男奴隷の体が保たないわよ…鞭打ちはこれ位にしておきましょう」

「…分かったわ、お母さん」

 昌代に諭された亜希子は、革ベルトを持った右手を渋々下した。孝明はホッと安堵して、内心昌代に感謝した。しかし、昌代はそれ程優しくはなかった。

「この男奴隷には、他の使い道があるからね…ちょっと風呂場においで!」

 昌代はそう言うと、右手を伸ばして孝明の股間のものをむんずと握り、浴室に引っ張って行った。

「ああっ、待って、待って下さい…」

 孝明は、股間のものが引きちぎられそうな痛みで、昌代に情けない声で懇願しながら、腰を突き出してよたよたと不様について行った。その後を、革ベルトを手にした亜希子がついて行きながら、

「ふんっ、男のくせにあそこを女に引っ張られて連れて行かれるなんて、本当にみっともないわね…自分でも恥ずかしいと思わないのかしら」

と孝明を蔑み、彼の心を深く傷つけた。

 浴室に入ると、昌代は孝明のものを下に引っ張り、

「男奴隷、床に仰向けにおなり!」

と命令した。下に引っ張られた股間のものの痛みで、膝を着いた孝明は、急いで床に横たわり仰向けになった。下半身裸のままの昌代は、孝明の顔面に跨って立ち、彼の顔を見下した。

「私、催してきたからね…男奴隷、今から人間便器になって、私のおしっこをお飲み!」

 信じられない事を昌代に命じられ、孝明は顔色が変わり、思わず拒否してしまった。

「そ、そんな、おしっこなんて飲めません…絶対嫌です!」

 昌代は孝明の顔を踏みつけ、怒鳴りつけた。

「お黙り!男奴隷で人殺しの罪人のくせに、生意気な口を利くんじゃないよ!」

 亜希子も孝明に大声を出した。

「男奴隷のくせに、お母さんのおしっこが飲めないなんて、随分と思い上がった事を言うわね!ふざけるんじゃないわよ…いいわ、お前に選ばせてあげる。人間便器になってお母さんのおしっこを飲むか、それとも私から死ぬ程鞭打たれるか、どっちにするの!?」

 亜希子はそう言うと、浴室の床を革ベルトで思い切り叩き、派手な音を響かせた。革ベルトで体中を散々打たれて、皮膚と肉がズタズタに引き裂かれるような地獄の痛みを味わされた孝明にとって、その音は恐怖以外の何ものでも無かった。

「ヒィッ、ヒイィッ、の、飲みます、昌代様のおしっこを飲みます!」

 孝明は情けない悲鳴を上げて、自分から尿を飲むと、昌代の足下から言った。亜希子は、

「ふんっ、人間としての最低限の矜持も無いのね、お前は…普通の男なら、女のおしっこを飲むよりも、鞭打ちの痛みに耐える方を選ぶ筈だわ…お前は痛みから逃れるためには、女のおしっこでも飲む最低の男奴隷、いえ、豚にも劣る汚らわしい便器なのよ!」

と孝明を酷く罵倒した。亜希子の侮蔑は孝明の胸を深く抉り、彼の目に涙を浮かばせた。

 昌代は孝明の顔面から足を外して、彼の顔を軽蔑した目つきで見下し、からかうような声で問い掛けた。

「お前、私のおしっこを飲むと言ったわね…本当に飲めるの?」

 孝明は一瞬、顔を歪めて口ごもったが、直ぐに、

「はい、飲めます…いえ、飲ませて下さい」

と答えた。

「そうなの…それじゃ、遠慮せずにお飲み」

 孝明の顔を跨って立っていた昌代は、しゃがんで自分の陰部を彼の顔面に近づけた。先程の舌奉仕で嫌でも見せつけられた昌代の陰部であったが、濃い陰毛に縁どられている赤くぬめった陰唇が、上方から降りて来て顔面に接近する様子は、妖怪が自分に襲い掛かって喰い殺す様に、孝明に錯覚させた。

 降りて来た陰唇が、孝明の顔面から約5cmの間隔で止まると、

「男奴隷、口をお開け!」

と昌代は命じた。孝明がこわごわと口を開け、

「お前は自分で私のおしっこを飲むと言ったんだからね…絶対にこぼすんじゃないよ!もし、こぼしたり吐き出したりしたら、亜希子にお前の体中を鞭打ってもらうわ…出るわよ、一滴もこぼさずにお飲み!」

と昌代が言った途端に、彼女の陰唇から黄色い奔流が迸った。孝明の開いた口に、昌代のアンモニア臭が強くて刺激的な味がする尿が注ぎ込まれ、彼は咽て吐きそうになった。普通なら人が排泄した尿など、喉につかえてとても飲めるものではない。しかし、亜希子からの革ベルトの鞭打ちを何よりも恐れている孝明は、お仕置きを受けないように昌代の尿を、目を白黒させて必死に飲み下した。昌代の濃い尿が孝明の喉を焼き、溶けた鉛のように重く胃に溜まっていった。

 昌代は排尿を終えると、更に腰を落とし、尿で濡れた陰部を孝明の口元に押し付けて、命令した。

「男奴隷、おしっこを飲んだら、お前の舌で後始末おし!」

 孝明は仕方無く舌を伸ばして、尿で濡れそぼった昌代の陰部を舐め始めた。舌に改めて、アンモニア臭が強く酸味と塩味がする尿の刺激的な味が拡がり、それが孝明に、自分は女のおしっこを飲んだんだ、革ベルトの鞭打ちが恐ろしくて、女のおしっこを飲む方を選んだんだ、人間の男から女の便器に落ちぶれてしまったんだ、と思い知らせて彼の心を酷く苛んだ。

「男奴隷、舐めるだけじゃなく唇も使って、残っているおしっこを吸い取るんだよ!」

 昌代から更に酷い命令を受け、反抗する気力をとっくに喪失した孝明は、言われた通りに唇を彼女の陰唇に密着させ、残存している尿の雫を吸い取った。尿の強いアンモニア臭と、陰部の饐えたような臭いが孝明の口中に充満し、それが彼を更に惨めな気持ちにさせた。

 昌代は立ち上がると、亜希子に話し掛けた。

「亜希子も、この人間便器を使ってみない?ウォシュレットにも使えて、結構便利よ」

「そうね…お母さんが使っているのを見て、私もしたくなっちゃったわ」

 昌代は亜希子と交代し、今度は亜希子が孝明の顔を跨って立った。亜希子は身を屈めると、孝明の顔を見つめて命令した。

「男奴隷、私もお前を人間便器に使ってあげるわ…口を大きくお開け!」

 泣き出しそうな表情の孝明が口を開けると、亜希子はわざとカーッ、ペッと大きな音を立てて、彼の口に痰を吐き入れた。

「男奴隷、飲み込むのよ!」

 亜希子に命じられた孝明は、止むを得ず彼女の吐き出した痰を飲み込んだ。痰のぬるりとした不快な感触を口と喉で感じた孝明は、屈辱で顔を歪めて身震いした。

「うふふ、お前は便器だけじゃなく、痰壺にも使えるわね」

 孝明に嘲るように言った亜希子は、身を起こすとスカートを捲り上げた。先程パンティストッキングとパンティを脱いでいたので、スカートを捲ると下半身は裸になっていた。亜希子は昌代と同じ様に、少しだけ間隔を取って孝明の顔にしゃがみ込み、

「男奴隷、口を大きく開けるのよ…少しでもこぼしたら、承知しないからね!」

と彼に言いつけた。孝明が言われた通りにおずおずと口を開けると、亜希子は、

「出るわよ!こぼすんじゃないよ!」

と言って、彼の開いた口に放尿した。妊娠の影響があるためか、亜希子の尿は昌代のより更に臭いがきつく、味もより刺激的だった。孝明は吐きそうになったが、亜希子からの鞭打ちを恐れ、体を震わせながら死に物狂いで彼女の尿を飲み下した。亜希子の濃くて臭いと味が強烈な尿は、孝明の喉を焼き、胃に溶岩が流れ込んだように感じた。孝明は体の内側から、亜希子に精神を組み伏せられ、鞭打たれているような気分になった。亜希子も排尿を終えると、昌代と同じ様に孝明の舌と唇で後始末させた。妊娠中で臭いがきつい陰部を口できれいにするのは、正に難行苦行だった。傍で見ていた昌代は、

「男奴隷の口におしっこするのは、本当に気持ちよかったわ…私はもう、普通のトイレじゃおしっこ出来ないわね。これから、おしっこは全てお前の口にすることにしたわ。大きい方を済ませた後の汚れた肛門も、お前の口をウォシュレット代わりに使って、きれいにさせてやるわよ。お前も楽しみでしょう?オホホホ…」

と言って、孝明を嘲笑した。昌代の侮蔑を込めた笑い声が浴室に響き、亜希子の陰部を口で後始末している孝明の目から、知らず涙が流れた。

 昌代と亜希子の母娘に致命的な弱味を握られ、革ベルトで鞭打たれ痛い目に遭わされて畏怖の念を抱かされ、人間便器にされて尿を飲まされた孝明は、精神的に去勢されてしまい、二人に反抗することは最早不可能となっていた。



 この日から、孝明の家庭生活は悲惨なものに変わった。今までは一応、夫・娘婿として扱ってもらえたのだが、奴隷の身分へ落とされた上に、罪人として昌代と亜希子から酷く嬲られる日々が始まったのである。まず昌代から、

「この家は空調が効いているから、服を着る必要は無いわね」

と言われ、孝明は家で常に全裸でいる事が義務付けられた。孝明が会社に出勤する以外は、外出を一切禁止され、昌代の監督の元で家事や雑事にこき使われた。孝明が慣れない家事で粗相をすると、昌代から情け容赦無く革ベルトで叩かれた。孝明は、家事・雑事をする時以外は、常に四つん這いでいるよう厳しく言いつけられ、許しを得ず不用意に二本足で立ったりすると、革ベルトで嫌と言う程打たれた。

 料理はさすがに昌代が作ったが、食器洗いや掃除・洗濯等は、全て孝明にやらせた。不器用な孝明がトイレ掃除した後、昌代が確認して、便器に黄ばみが残っているのを見つけると、彼女は激怒し、

「男奴隷の分際で手抜きをするなんて、ふざけるんじゃないわよ!」

と怒鳴りつけ、孝明の両頬が腫れ上がる程の強烈な往復ビンタを張り、涙目になった彼に便器の黄ばみを舐めさせた。

 洗濯は全自動洗濯機が殆どするので楽な筈だが、意地の悪い昌代は、洗濯物の中から自分と亜希子のパンティを選り分け、汚れのひどいクロッチ部分を孝明にしゃぶらせ、汚れが見えなくなる程薄くなったのを確認してから、洗濯機に入れさせた。黄色いしみと茶色い筋が付着しているパンティのクロッチ部分をしゃぶると、饐えたような女の強い臭いが鼻を突き、舌と口中には酸味と塩味が混じったような独特の臭みが拡がって、あまりの惨めさに目から涙がこぼれた。

 しかし、男の悲しい性で、女の臭いに孝明の股間のものが反応して、硬く屹立してしまった。孝明は全裸なので、自分の屹立したものを昌代に隠すことが出来なかった。昌代は孝明の股間を見て、
   「おや、お前は汚れたパンティをしゃぶって、興奮してるのかい?本当にいやらしい、スケベな男奴隷だね、お前は!最低の変態だよ!」

と孝明を罵った。孝明は恥ずかしさで、火が噴き出る程に顔が真っ赤になった。孝明を蔑んだ目で見ていた昌代は、

「そう言えば、お前は私の汚れたパンティの臭いを嗅ぎながら、オナニーしていたんだよねぇ…見ていてあげるから、パンティの汚れをしゃぶりながら、オナニーしてご覧!」

と更に追い打ちを掛けるような酷い命令をした。孝明は嫌そうに顔を歪めたが、昌代に逆らえる筈もなく、命じられた通りにパンティの汚れたクロッチ部分をしゃぶりながら、膝立ちしてオナニーをした。昌代に見られながらのオナニーは初めてではないが、彼女の視線を痛い程感じながらするオナニーは、孝明の心をじわじわと蝕んでいった。そして射精した後は、床に飛び散った精液を舐め取らされて、更に屈辱を与えられた。

 洗濯の度に昌代の監視の元で、汚れたパンティをしゃぶりながらオナニーさせられるのが、孝明の日課にされてしまった。習慣とは恐ろしいもので、いつの間にか孝明は洗濯物のパンティをみると、条件反射で硬く勃起するようになってしまった。

 亜希子は、会社では今まで通りに孝明と、上司と部下の関係を崩さなかったが、家に帰ると残酷な暴君に変貌した。毎日のように、全裸で四つん這いの孝明に尻を高く上げさせ、

「今日も仕事でミスしたわね!お前の尻ぬぐいは、もういい加減うんざりだわ。お仕置きよ!」

と怒鳴って、彼の尻を革ベルトで数回打った。孝明は打たれる度に悲鳴を漏らし、身悶えした。しかし、四つん這いの姿勢を崩すと打たれる回数が増えるので、歯を食いしばって耐えるしかなかった。

 亜希子は度々孝明を痰壺に使い、

「男奴隷、顔を上げて、口をお開き!」


と命じ、開いた彼の口にカーッ、ペッと大きな音を立てて、痰を吐き入れた。孝明は、痰のぬるりとした気持ち悪い感触に慣れる事は出来なかったが、吐き出す訳にはいかず、屈辱で身震いしながら飲み込むしかなかった。

 昌代と亜希子は、トイレで排尿をせずに、必ず孝明に飲ませた。排尿を済ませた昌代は、孝明の舌と唇で後始末させながら、

「お前も人間便器が板に着いてきたねぇ…体の芯から歯の裏側まで、私と亜希子のおしっこの臭いが染み付いているんじゃないの?ウフフ…」

と嘲笑って耐え難い屈辱を味わさせ、彼の目に涙を浮かばせた。

 大便を食べさせるのは、さすがに健康上の問題があるという理由で、免除してもらえたのは不幸中の幸いであったが、昌代と亜希子が大を済ませた後、孝明はトイレットペーパーの代わりに彼女達の汚れた肛門を、舌を使ってきれいにしなければならなかった。

 大を済ませた亜希子は、トイレの前に正坐して待機している孝明を呼びつけて、四つん這いになった彼の顔に尻を突き出し、自分の両手で尻たぶを開き、露出した汚れのひどい肛門を舐めてきれいにするよう命じた。孝明が褐色に汚れた肛門に舌を這わすと、筆舌に尽くしがたい強烈な臭みとえぐ味と酸味が舌と口中に拡がり、あまりのおぞましさに体が震えた。それでも孝明が懸命に舌を動かし、肛門の汚れを舐め取っていくと、亜希子は、

「うふふ、ちょっとくすぐったいけど、いい気持ちだわ…お前はほんの少しと言っても、大便を口にしているのよ。東南アジアや中国の地方では、便所の下に豚を飼っていて、人間の大便を餌として食べさせているらしいけど、お前はそんな豚と全く同じ身分よね…まあ、男奴隷で罪人のお前には、相応しい身分だけど」

と孝明を蔑んで屈辱を与え、彼を口惜しさで身震いさせて涙ぐませた。それでも孝明は屈辱に堪えて、ピンク色の肛門の襞が露出するまで舌を動かし、褐色の汚れを全て舐め取らなければならなかった。孝明は内心、こんな生活を続けていると、昌代と亜希子のお下の臭いが自分の舌と口に染み付いてしまうのではないかと、本気で心配した。

 孝明にとって、家での食事も悲惨なものとなった。今までは一緒のテーブルに着いて食事をしていたのだが、テーブルに着くどころか昌代と亜希子の足元の床で、ステンレスのボウルに入れられた彼女達の残飯を食べるように強いられたのだ。それも、箸やスプーンどころか手を使うことすら許されず、犬のように口を直接着けて食べるよう強制された。

 その上、亜希子は残飯の上に必ず唾や痰を吐き掛け、時にはボウルに跨って放尿し、残飯を尿まみれにすることもあった。さすがに孝明も、尿の湯気が立ち上る残飯に口を着ける気にはなれず、残飯が入ったボウルの上に顔を寄せたまま固まっていると、昌代から、

「何を躊躇っているのよ!男奴隷で罪人のお前には、相応しい餌でしょう。せっかく亜希子が味付けしてくれたんだから、さっさとお食べ!」

と怒鳴られ、頭を踏まれて、顔を尿まみれの残飯に埋められた。孝明は必死の思いで吐き気を堪えて、体を震わせながら尿まみれの残飯を口にするしかなかった。

 唯一の安楽と言える就寝も、孝明にとっては難行苦行となった。昌代と亜希子は、毎晩孝明に舌奉仕を強制した。昌代は貪欲に絶頂を何回も求め、彼女が疲れて眠る頃には、孝明の舌の付け根に痛みが生じていた。しかも、それで解放してもらえずに、次は亜希子の所に行かされた。妊娠中である亜希子の陰部は臭いがきつく、孝明は咽返りそうになったが、付け根が痛む舌を懸命に動かし、彼女に満足してもらうよう努めた。亜希子が満足して眠る頃には、孝明は疲れ果て、彼女の股間に顔を埋めたまま寝入ってしまうことが度々あった。

 この様な生活を強いられている孝明は、慢性の睡眠不足となり、日中会社でも頭がぼうっとして、ミスを繰り返しては上司の亜希子に厳しく叱られ、帰宅すると会社のミスの件で亜希子から酷いお仕置きを受けるという、悪循環に陥ってしまった。



 孝明が奴隷の身分に落とされて二週間後の週末、家に大きな段ボール箱が二つ届いた。

「男奴隷、これを例の調教部屋に持って行きなさい!」

 亜希子に命じられた全裸の孝明は、重くて大きい段ボール箱を八畳の広さがあるフローリングの部屋に運んだ。その部屋は物置代わりに色々な荷物を置いていたのだが、先日亜希子はここを調教部屋にすると宣言し、彼女に命令されて、孝明は荷物を全部彼の部屋に移し、完全な空き部屋になっていた。そして孝明の部屋は荷物で隙間無く埋め尽くされ、人が入れるスペースが無くなってしまった。

 孝明が二つの段ボール箱を調教部屋に運び入れると、昌代と亜希子は嬉しそうに箱を開封した。一つの大きな箱には、大型犬用の檻のパーツと折り畳まれたぶら下がり健康器が入っていた。亜希子は檻のパーツを指差し、

「男奴隷、工具を持って来て、この檻を組み立てなさい!」

と孝明に命じた。孝明は、今や物置になってしまった自分の部屋から家庭用工具箱を取って来て、大型犬用の檻を組み立て始めた。

「男奴隷、今日からこの檻がお前の住み家になるんだからね…手を抜かずにきっちり組み立てるんだよ!」

 亜希子はそう言って腕組みをし、檻を組み立てている孝明の作業を監視した。孝明は、なぜ自分が閉じ込められる檻を、自分の手で組み立てなければならないのかと、屈辱に苛まれながら作業を続けた。その間に、昌代は畳まれているぶら下がり健康器を組みたてて、調教部屋の端に置いた。

 孝明が檻を組み立てて、工具箱を彼の部屋に持って行き、調教部屋に戻ると、昌代と亜希子がもう一つの段ボール箱を開けて、はしゃぎながら中身を取り出し、フローリングの床に並べているところだった。それらは、一本鞭、乗馬鞭、九尾鞭、手錠、首輪、ボールギャグ、ペニスバンド、他に孝明には使用法がよく分からない革製品や器具等、SMクラブが開けそうな程の種類と品揃えの責め道具だった。孝明は見ただけで身の毛がよだったが、昌代と亜希子は、

「今時はネットショッピングで何でも買えるから、本当に便利ね…全部でいくら位したの?」

「さあ…男奴隷のカードを使ったから、よく分からないわ」

と楽しそうに話していた。

 昌代は、丈夫そうな革製の黒色首輪を手にし、

「男奴隷、こっちにおいで!」

と部屋の隅で正座している孝明に声を掛けた。孝明は内心嫌々ながらも、四つん這いで昌代の足元に這い寄った。昌代は孝明に、

「男奴隷のお前に相応しい、いいものを着けてあげるわ」

と言って、彼の首に首輪を巻き付け、固定した。

「うん、よく似合っているわよ。一段と奴隷らしくなったわ。オホホホ…」

 昌代は孝明を嘲笑い、彼は屈辱で顔を真っ赤にした。亜希子は手錠を二つ手にし、

「男奴隷、このぶら下がり健康器に、こちら側を向いてぶら下がりなさい!」

と孝明に命じた。孝明が調教部屋の端にあるぶら下がり健康器まで這って行き、立ち上がって両手でバーを掴むと、亜希子は爪先立ちになって、彼の両手首とバーを手早く手錠で繋いだ。そして、床に置いていた九尾鞭を手にした。その九尾鞭は、SMクラブでよく使われるような、打った音だけ大きくてそれ程は痛くない房鞭とは違い、本革を一本ずつ綿密に編み込んだ細い鞭を9本束ねている、本格的なものだった。亜希子は、ぶら下がり健康器に両手を吊られた格好になっている孝明と向き合い、

「男奴隷、私は今から、お前を鞭で打つわ…これは別に、お前が逆らったとか粗相したとかじゃなくて、奴隷に鞭の味を覚えさせるのは、女御主人様の務めだからよ…いくわよ!」

と言って、九尾鞭を振り上げた。孝明は恐怖で、思わず目をつぶった。亜希子は、孝明の胸から腹に掛けて、袈裟懸けに思い切り打った。

「ギャアァーッ」

 何本もの革ベルトで同時に打たれたような痛みが、孝明に悲鳴を上げさせて、体をくねらせた。すると昌代が、

「いくらこの家が防音仕様だからと言っても、そんな大声を出すんじゃないわよ!お前の悲鳴は、本当に耳障りだねぇ」

と言って、ボールギャグを手にした。昌代は、吊られている孝明に、

「男奴隷、口をお開け!」

と命じて彼に口を開かせ、ボールギャグを咥えさせて、後頭部でしっかり固定した。

「男奴隷、いくよ!」

 亜希子はそう言って、昌代がボールギャグを孝明に嵌める間に中断していた鞭打ちを再開した。亜希子が九尾鞭で孝明を打つ度に、彼はボールギャグの下からくぐもった呻き声を漏らし、身をよじって苦しんだ。亜希子は九尾鞭で孝明を数回打つと、一旦鞭打ちを止めた。孝明の胸と腹は、びっしりと赤い筋で覆われていた。

亜希子は、九尾鞭と乗馬鞭を取り替えた。

「この鞭とさっきの鞭とでは、どちらが痛いかしらね…とりあえず、お前の体で試してみるわ。いくわよ!」

 亜希子が乗馬鞭を振り上げ、孝明が恐怖で目をつぶると、不意に昌代が声を掛けた。

「亜希子、ちょっと待ちなさい!」

 昌代は、声を掛けられて動作が止まった亜希子の手から、乗馬鞭を取り上げた。止めてくれた…孝明はホッと安堵して、昌代に内心感謝したが、彼女がそれ程優しい筈は無かった。

「亜希子ばっかり、ズルいわ…私にも打たせてよ」

 昌代はそう言うと、吊られている孝明の脇腹を、横殴りに打った。

「グモォオゥッ」

 脇腹を切り裂かれるような痛みに、ボールギャグを咬まされている孝明は、くぐもった呻き声を上げて、悶え苦しんだ。

「ウフフ、革ベルトじゃなくて、本物の鞭で男を打つと、実に気持ちいいわねぇ…ホラ、まだまだいくよ!」

 昌代は豊かな胸を揺らしながら、孝明の胸、腹、脇腹、両腕、太腿と、所構わずに乗馬鞭を振るい、彼を苦悶させた。九尾鞭の全体的に拡がる痛みとは違い、体の皮膚と肉を切り裂くような乗馬鞭の痛みは、孝明へ鞭の恐怖を植え付けるのに、十分過ぎる程だった。

 昌代が7,8回孝明を打ったところで、彼女はようやく乗馬鞭を止めた。がっくりと力無くうなだれている孝明の体中には、九尾鞭とは違う、乗馬鞭によるやや太めの赤い筋が、くっきりと刻み込まれていた。

「お母さんも、結構やるわね…これじゃ、男奴隷の体が保たないかもしれないわ」

「ウフッ、つい興奮してしまってね…でも、男を鞭打つのがこんなに楽しいだなんて、全然知らなかったわ」

「普通の生活をしている女の人は、当然知らないわよ…さてと、最後にこの鞭を試してみるわ」

 亜希子は一本鞭を手にすると、吊られている孝明の前に立った。孝明は、亜希子が手にしている一本鞭を見て、恐怖で全身に鳥肌が立った。その不気味に黒光りしている一本鞭は、一目で重量がありそうなのがわかり、それで裸身を打たれたらどれ程のダメージを受けるのか、想像するだけで恐ろしかった。孝明は亜希子に、

「お願いです、その鞭だけは勘弁して下さい。お願いですから、許して下さい」

と必死に訴えたが、ボールギャグを咥えさせられているため、モガモガと意味不明の呻き声にしかならなかった。亜希子は孝明に、

「おそらく、この鞭が一番痛いわよ…覚悟おし!」

 と言って、一本鞭を振り上げた。孝明は恐怖で目をつぶり、ガタガタ震え出した。

「いくわよ、男奴隷!」

 亜希子はそう言って、吊るされている孝明を一本鞭で袈裟懸けに打った。

「ムグゥワァーッ」

 真っ赤に焼けた日本刀で体を切り裂かれたような激痛と、内臓まで響く衝撃を受けた孝明は、ボールギャグの下から断末魔のような呻き声を上げ、全身を痙攣させて悶え苦しんだ。亜希子は苦悶する孝明に構わず、続けて一本鞭を振るった。しかし一本鞭の威力は凄過ぎて、亜希子が5回打ったところで、孝明はぐったりとなり、身悶えすら出来なくなった。

 亜希子は鞭打ちで気が昂ったのか、顔を紅潮させ、

「男奴隷、まだまだこれからよ!しっかりおし!」

と言って、一本鞭を下から上に掬うように振り上げ、孝明の股間を打った。股間の急所部分と、神経が集中している肛門を一本鞭で強かに打たれた孝明は、

「グモォオゥーッ」

とくぐもった呻き声を上げて、動けなかった体をよじらせ、目から涙をボロボロこぼしながら、死にそうな程苦しんだ。亜希子が一本鞭を振り上げて、孝明を更に打とうとすると、

「ちょっと待ちなさい、亜希子!さすがに限界よ!」

と昌代が大声で言い、今度は本当に止めてくれた。

「これ以上鞭打ったら、男奴隷が壊れて、家事にこき使えなくなるわよ…鞭打ちは、これ位にしておきましょう」

 昌代が冷静に判断して諭し、亜希子は振り上げた一本鞭を渋々下した。昌代と亜希子が背伸びして、孝明の両手首に掛けられた手錠を外すと、彼はその場で崩れ落ちるように力無く倒れた。昌代は孝明の頭を足蹴にして、

「横になってないで、ちゃんと正坐しなさい!」

と𠮟りつけた。しかし孝明は、ボールギャグの下から苦し気な呻き声を漏らすだけで、動けそうもなかった。昌代がしゃがんで、孝明の口からボールギャグを外してやり、彼の髪を掴んで上に引っ張って、顔を上向かせた。昌代が、

「男奴隷、どうしたの?何か言いたい事でもあるのかい?」

と孝明に訊ねると、

「…とても動けないんです…どうかもう、許して下さい」

とかすれた声で答えた。しかし、孝明の哀願に対する昌代からの返答は、目から火花が散る程の力強い往復ビンタだった。

「ヒイィッ」

 昌代は、情けない声で悲鳴を上げた孝明の髪を放し、立ち上がって亜希子に指示した。

「亜希子、この男奴隷はちょっと甘い顔を見せると、直ぐつけ上がるみたいだから、自分の身分を思い知らせておやり!」

「…分かったわ、お母さん」

 亜希子は一本鞭を振り上げると、まだそれ程鞭痕が付いていない孝明の背中に振り下ろした。風を切り、不気味な唸りを上げて孝明の背中を打った一本鞭は、体を切り裂くような激痛と、背骨が砕ける程の衝撃を彼に与え、獣じみた絶叫を上げさせた。

「グギャアァーッ」

 孝明は這って逃げようとしたが、一本鞭の激痛で体が硬直してしまい、カクカクと潤滑油が切れて壊れたロボットみたいな、ぎこちない動きしか出来なかった。亜希子はわざと間を置いて、四つん這いで逃げようとしている孝明の背中に、第二撃を放った。

「ウギャアァーッ」

 孝明はあまりにも酷い激痛に、喉が裂けるような絶叫を上げ、体を強張らせて苦しんだ。孝明の体は、一本鞭の激痛で硬直して引きつってしまい、まともに動ける状態ではなかったが、それでも彼は鞭打ちから逃れるために、強張る腕を伸ばして、必死に這い進もうとした。そこに亜希子から一本鞭の第三撃が、孝明の背中を襲った。

「ギャワアァーッ」

 ショック死するのではないかと思える程の激痛を背中に受けて、断末魔のような絶叫を上げた孝明は遂に力尽き、その場でうつ伏せに倒れて動けなくなってしまった。

「あらあら、これで本当に動けなくなったみたい…しかし、女の細腕で鞭打たれてのびてしまうなんて、本当に情けない男…いや、男奴隷だね」

 うつ伏せで動けなくなっている孝明の耳に、昌代の侮蔑が空ろに響き、彼の目から涙がこぼれた。しかし、亜希子はまだ容赦しなかった。彼女は、うつ伏している孝明の傍の床を、一本鞭で叩いて大きな鞭音を響かせ、彼を怒鳴りつけた。

「何を勝手に寝転んでいるのよ!誰が寝ていいと言ったの!男奴隷のくせに生意気な…さっさと正坐おし!」

「ヒィッ」

 鞭音に怯えた孝明は短い悲鳴を漏らし、もう動けない筈の体を気力で必死に動かして、ぎこちなくその場に正坐した。亜希子は一本鞭を一振りし、空中でバチンッと大きな鞭音を立てた。

「ヒッ、ヒィッ」

 亜希子は、鞭の恐怖で悲鳴を上げた孝明に、

「これでお前も、少しは奴隷の身分が分かったかい?どうなの!」

と大声で問い詰めた。孝明は引きつる上体を無理に倒して、その場で土下座し、

「は、はい、分かりました…身に染みて分かりました…僕は亜希子様と昌代様に絶対服従し、生涯お仕えする男奴隷です…」

と震え声で、自ら奴隷の誓いを述べた。自分から妻と姑に改めて奴隷の宣誓するのは、普通ならとても耐えられない屈辱だったが、鞭の恐怖には勝てなかった。革ベルトで打たれるのも相当痛かったが、本格的な一本鞭の比では無かった。鞭の激痛と恐怖を文字通り体に叩き込まれた孝明にとって、今や鞭を手にした女性は絶対的な支配者になっていた。

「それにしても亜希子、その鞭は随分痛そうね…」

 昌代が亜希子に話し掛けると、亜希子は、

「ネットで注文する時、ホームページの商品説明に、芯にピアノ線、先端には鉛玉が仕込んであって、仔牛の滑らかな革を丁寧に編み込んだ特別の牛追い鞭で、打てば皮の分厚い牛でも逃げ回る一級品だと載っていたから、この鞭に決めたのよ…牛でも逃げる位だから、裸の人間には大した威力だわ」

と答えた。昌代は納得したように、微笑んで頷いた

「ふ~ん、それなら男奴隷のお仕置き用に、丁度いいわね」

 孝明は土下座したまま昌代と亜希子の会話を聞き、自分が放牧されている家畜並みに扱われる屈辱で、胸が搔きむしられる思いだった。

「さてと、男奴隷の健康管理は、私達女御主人様の義務ね…男奴隷、風呂場にお行き!」

「は、はい、昌代様…」

 昌代に命じられた孝明は、全身に赤い条痕を刻み込まれて引きつる体を無理に動かし、四つん這いで浴室に向かって這い進み始めた。

「亜希子、濡れるから、服を脱いで下着だけになった方がいいわね」

 昌代は亜希子にそう言うと、服を脱いでブラジャーとパンティだけの下着姿になり、亜希子も彼女に倣った。亜希子は地味なベージュ色のブラジャーとパンティだったが、昌代は年甲斐もなく、派手な紫色のブラジャーとパンティだった。亜希子は乗馬鞭と手錠を、昌代は注射器のような大型のガラス製シリンダーと何か液体の入った瓶、それと後部をチューブでポンプと繋がれてペニスの形状をしたゴム製品を手にして、四つん這いの孝明に続き、浴室に向かった。

 孝明が浴室に入ると、亜希子から、

「男奴隷、正坐して両手を後ろにお回し!」

と命じられた。孝明が言われた通りに、浴室の床に正坐して両手を背中に回すと、亜希子は彼の背後に回って後ろ手錠を掛けた。

「上体を倒して額を床に着け、両脚を肩幅に拡げて膝立ちになり、お尻を上に突き出すのよ!」

 亜希子は、乗馬鞭で自分の手の平をペチペチ叩きながら、孝明に命令した。孝明は鞭で打たれぬよう、直ぐ亜希子に命じられた通りの屈辱的な姿勢を取った。その姿勢は、孝明が初めて革ベルトで鞭打たれた時と同じもので、これから何をされるのか嫌な予感しかせずに、ぞくりと背筋に戦慄が走った。

 昌代は大きめの洗面器にぬるま湯を入れると、目を細めて持って来た瓶のラベルの文字を読み、

「ええと、グリセリン原液とお湯の割合は…まあ、適当でいいわね」

と独り言を言って、瓶の液体を全てぬるま湯の入った洗面器に注ぎ入れ、掻き混ぜた。昌代の独り言と大型のガラス製シリンダーで、孝明は今から自分が何をされるのか容易に予想出来て、額を床に着けたまま顔を泣き出しそうに歪めた。昌代は大型のガラス製シリンダーで洗面器のグリセリン液を吸い取ると、屈辱的な姿勢で尻を上げている孝明の肛門に、シリンダーの先端を挿入した。

「ヒィッ」

 肛門の異様な感触に、孝明は思わず短い悲鳴を漏らし、体を震わせた。

「男奴隷、健康のために、今からお前のはらわたをきれいにしてあげるからね…絶対に動いたり漏らしたりするんじゃないよ!」

 昌代は大型シリンダーのピストン部分を押し込み、孝明の直腸にグリセリン液を注入した。徐々に下腹が張っていく不快な感覚に、孝明は立ち上がって逃げ出したくなったが、亜希子の鞭が恐ろしく、じっとして尻を上げた屈辱的な姿勢を保つしかなかった。昌代がその動作を3回繰り返すと、洗面器のグリセリン液はすっかり無くなり、孝明の下腹はかなり膨れた。昌代に浣腸される口惜しさと恥ずかしさは、孝明の心をボロボロに蹂躙し、目に涙が浮かんできた。

 次に昌代は、ペニス型のゴム製品にボディソープを塗ってヌルヌルにし、それを孝明の肛門に宛がうと、一気に押し込んで挿入した。

「アヒイィッ」

 肛門を犯された孝明は、悲鳴を漏らして身震いしたが、昌代は全く構わずに、ペニス型ゴム製品の後部とチューブで繋がっている丸いポンプを何度も握っては空気を送り込み、ペニス型ゴム製品の亀頭部分を膨らませて、彼の直腸を完全に塞ぐ栓にした。

「ウフフ、グリセリン液が効いてくるまで、このまま動くんじゃないわよ」

 昌代は嘲笑うように言ったが、グリセリン液の濃度が濃過ぎたためか、早速孝明の膨れた下腹が痛み出し、ギュルルッと音を発した。下腹の痛みは段々と増してきて、便意も高まっていった。孝明は、尻を上に突き出した屈辱的な姿勢のまま、高まる便意に我慢していたが、直ぐに耐えられなくなってしまった。

「あ、あの、昌代様…どうか、トイレに行かせて下さい…お願いします」

 孝明は、恥ずかしそうな声で昌代に懇願したが、彼女は鼻で笑い、

「うふふ、浣腸して、まだ時間が経ってないでしょう。しばらく間を置かないと、グリセリン液の効果が無いわよ」

と言って、彼の願いを一蹴した。だが腸の脈動が激しくなり、下腹の痛みは加速度的に増して、孝明の顔は真っ青になった。排便が出来れば楽になるのだが、昌代が許す筈が無いし、第一直腸内で膨らんでいるペニス型ゴム製品が完全に肛門を塞いでおり、排便は不可能であった。孝明は苦し気な声で再度、

「あの、お願いです…トイレに行かせて下さい…お腹が痛くて、死にそうです…」

と昌代に懇願した。しかし彼女の返事は、足蹴りと罵声だった。昌代は孝明を蹴りつけて、仰向けに倒し、

「男奴隷の分際で、甘えるんじゃないよ!間を置かないと効果が無いって、さっき言ったばかりでしょう。お前は、私の言う事を聞いてないのかい!」

と罵った。それでも、下腹の痛みに耐えられなくなった孝明は、

「お、お願いです…後生ですから、トイレに行かせて下さい…お腹が痛くて、本当に死にそうなんです…」

と泣きそうな声で、昌代へ必死に哀願した。すると今度は亜希子が、仰向けになっている孝明の膨れた下腹を踏みつけ、

「ふざけた事を言うんじゃないわよ!これ位で死ぬんだったら、遠慮無く死んでおしまい!」

と怒鳴りつけた。亜希子に下腹を踏みにじられた孝明は、腸が捻じ切れるような激痛で白目を剥いて悶え苦しんだ。

 孝明が浣腸されて、5分位経過したところで、昌代が浴室の排水口の蓋を外し、

「男奴隷、用足しを許してあげるから、お尻の穴をここに宛がうんだよ」

と言って、その排水口を指差した。浴室に横たわって、下腹の激痛に脂汗を流して悶え苦しみ、地獄の5分間を過ごした孝明は、既に体がまともに動かなかった。それでも孝明は、僅かに残った気力を振り絞り、体を無理に動かして、何とか排水口の上にしゃがむ事が出来た。昌代は亜希子に、

「こいつの便が飛び散るかもしれないから、離れた方がいいわよ」

と注意し、孝明の肛門を塞いでるペニス型ゴム製品のチューブを出来るだけ引き伸ばして、自分もなるべく距離を取り、ポンプの弁を捻って空気を抜いた。シューと音がして空気が抜けると、孝明の肛門から破裂したみたいな派手な音と共に、ペニス型ゴム製品が飛び出し、大量の軟便が噴き出た。軟便の大部分は排水口に流れ落ちたが、昌代の予想通りに結構な量が周りに飛び散った。

「ああっ、やだっ、汚い、臭いわね…しかし、お前はよく女の前で、大便を漏らせるものね…男のくせに、恥ずかしくないのかい?まあ、男奴隷に恥も外聞も無いか…」

 腸が捻じ切れるような激痛からようやく解放されて、ホッとした孝明であったが、昌代から酷く侮蔑され、今更ながら恥ずかしさで顔が赤くなった。昌代は、ペニス型ゴム製品の汚れと床に飛び散った軟便を、勢いのあるシャワーの温水で洗い流した。

「男奴隷、お前の体も洗ってあげるから、さっきの姿勢におなり!」

 昌代に言われて、孝明は先程のように額を床に着け、尻を上に突き出す屈辱的な姿勢を取った。昌代は、孝明の尻を中心に、飛び散って下半身に付着した軟便を、シャワーで洗い流してやった。

 昌代は一旦シャワーを止め、

「男奴隷、そのままの格好で、動くんじゃないよ!」

と孝明に言うと、シャワーのヘッドを外し、シャワーホースの先端を彼の肛門にズブリと挿入した。

「アヒィッ」

 肛門に不意の刺激を受けた孝明は、思わず短い悲鳴を漏らした。昌代は、

「浣腸の仕上げに直腸洗浄して、お前のはらわたをきれいにしてあげるわ」

と言ってコックを捻り、孝明の直腸に温水を流し込んだ。孝明の下腹は見る見るカエルみたいに膨らみ、彼を再び苦しめた。

 昌代が温水を止め、シャワーホースを引き抜くと、孝明の肛門から薄茶色のぬるま湯が噴水のように迸った。

「まだ、お前のはらわたは汚れているようだね…」

 昌代は再度、孝明の肛門にシャワーホースの先端を挿入し、温水を注ぎ込んだ。二度目に孝明の肛門から噴出したぬるま湯は、殆ど透明になっていた。昌代はシャワーホースにヘッドを付けながら、

「ようやく、お前のはらわたがきれいになったようね」

と言って、シャワーを浴室の壁に掛けた。孝明は尻を上に突き出した屈辱的な姿勢のまま、男の自分が女の昌代から恥ずかしい箇所の肛門を好き勝手に弄られるという、度を越えた恥辱で顔を歪めて涙を流していた。

「男奴隷、調教部屋に戻るわよ…さっさとお立ち!」

 昌代に命じられた孝明は、鞭痕で引きつり、後ろ手錠で不自由な体をもぞもぞと動かし、何とか立ち上がった。孝明を浴室から出した昌代と亜希子は、バスタオルで彼の濡れている体をざっと拭い、自分達も濡れた足元を拭いた。

 乗馬鞭を右手に持っている亜希子は、孝明の下半身に左手を伸ばし、股間のものをむんずと掴んで、

「男奴隷、とっとと来るのよ!」

と言い、調教部屋に向かって引っ張って歩いた。

「ああっ、ま、待って下さい…亜希子様」

 孝明は股間のものを引きちぎられそうな痛みに、後ろ手錠姿で腰を突き出した恥ずかしい格好でよたよた歩き、その後を浣腸に使った道具を持った昌代が続いた。フローリングの調教部屋に戻ると、亜希子は孝明の股間のものを下に引っ張り、彼を床に正坐させた。昌代は浣腸に使った道具を段ボール箱に入れ、代わりにペニスバンドを取り出し、腰に装着した。

 昌代は正座している孝明の前に回ると、両手で彼の頭を挟むように持ち、ペニスバンドのディルドゥ部分を彼の口元に突き付け、

「男奴隷、フェラチオしてご覧。お前も男だから、どこを舐めれば感じるか、よく分かってるでしょう?」

と言いつけた。孝明は嫌そうに顔を歪めたが、拒否した場合のお仕置きが恐ろしく、素直にディルドゥ部分の先端を咥えた。そして、ピチャピチャと音を立てて、ディルドゥ部分を舐め始めた。傍で見ていた亜希子は、

「あはは、男がフェラチオするなんて、本当に滑稽ね…でも、随分と慣れているみたい。ひょっとして、ホモの経験があるんじゃないの?」

と嘲笑い、孝明の目に悔し涙を浮かばせた。昌代は面白そうに腰を前に突き出して、孝明の喉付近までディルドゥ部分を押し込み、彼に空嘔吐させて苦しめ、笑顔を浮かべた。

 いい加減、孝明にしゃぶらせた昌代は、腰を引いてディルドゥ部分を彼の口から引き抜き、命令を下した。

「男奴隷、さっき風呂場で浣腸してあげた時の姿勢におなり!」

 後ろ手錠姿の孝明は、屈辱で下唇を噛みしめながらも、上体を倒して額を床に着け、膝を立てて尻を上に突き出す恥ずかしい姿勢を取った。今から昌代に何をされるのか、十二分に分かっている孝明は、屈辱と恐怖で身震いした。昌代は段ボール箱からローションの入れ物を取り出し、孝明の後ろに回ると、既に彼の唾でベトベトになっているペニスバンドのディルドゥ部分へ、更にローションを塗りたくった。昌代は膝を着くと、ディルドゥ部分の先端を孝明の肛門に宛がい、両手で彼の腰を掴んで、

「男奴隷、力をお抜き…力んでいたら、肛門が裂けてしまうわよ!」

と注意するように言うと、力強く腰を突き出した。孝明の唾とローションで潤滑が十分なのと、浴室で浣腸されて肛門がかなり拡張されているのもあり、予想以上にディルドゥ部分は滑らかに孝明の肛門に挿入された。

「アグウゥッ」

 それでも肛門に異物を挿入された孝明は、その異様な感覚に呻き声を上げた。孝明の腰を両手でしっかり保持した昌代は、最初はゆっくりと腰を前後に動かした。

「ハアァッ」

 神経が集中している肛門をペニスバンドのディルドゥ部分で責められ、直腸を擦られる恥辱的な感覚は、孝明に切なそうな吐息を漏らさせた。腰をゆっくりと動かしている昌代は、孝明の腰を掴んでいる右手を、彼の股間部分に移動させた。

「おやおや、お前は男のくせに、女に犯されて感じているのかい?本当に最低の変態だね!」

 昌代は腰を動かしながら、孝明の股間で硬く屹立しているものを右手で握り、彼を軽蔑し切った声で罵った。昌代に罵られ、孝明は初めて自分が勃起しているのに気づき、恥ずかしさで顔を真っ赤にした。自分は男なのに、女に肛門を犯されて勃起してしまったという恥辱が、孝明の心を酷く苛んだ。

「肛門を犯されて興奮しているなんて、本物の変態よね!やっぱりお前はホモの経験があって、オカマを掘られたことがあるんでしょう?」

 傍で見物している亜希子から侮蔑され、孝明は違うと言い返したかったが、昌代から肛門を犯されている強烈な刺激で、まともな声が出せなかった。ディルドゥ部分で前立腺を刺激されたために勃起したと思われるが、今の孝明にはそこまで頭が回らなかった。昌代は腰の動きを徐々に速め、孝明の硬く屹立したものを右手でしごき始めた。

「アアァッ」

 肛門と硬く屹立したものへの刺激を同時に受けた孝明の口から、情けない喘ぎ声が漏れた。

「やっぱりお前は、女から肛門を犯されて感じる変態なんだよ!それなら、もっと感じさせてあげるわ!」

 昌代は腰の動きと、孝明の屹立したものをしごく右手の動きを更に速めて、彼を悶えさせた。しかし、悶えている孝明が射精する寸前に、昌代は彼のものをしごいていた右手を放し、腰を引いてペニスバンドのディルドゥ部分を彼の肛門から引き抜いた。

「ハアァンッ」

 後一歩のところで射精出来なかった孝明は、切なそうな喘ぎ声を出して、体を震わせた。昌代は立ち上がり、孝明の脇腹を蹴って、彼を仰向けに転がした。再びしゃがんだ昌代は、仰向けになった孝明の両脚を肩に担ぎ、改めてペニスバンドのディルドゥ部分先端を彼の肛門に宛がった。

「女に犯されているお前の顔が見えないと、面白くないからね…いくわよ!」

 昌代は力強く腰を突き出し、孝明の肛門を再度犯した。

「ヒイィッ」
    昌代に頷いて同意した亜希子は、ベージュ色のパンティを脱ぎ捨て、仰向けで喘いでいる孝明の顔に昌代と対面する方向で跨り、腰を下ろした。下腹が目立つ程度に大きくなった亜希子に、妊娠中のきつい臭いがする陰部で鼻と口元を塞がれた孝明は、窒息しそうになり、首を懸命に振って僅かな隙間を作り出し、何とかぎりぎりの呼吸をした。しかし、陰部との僅かな隙間で空気を吸うと、嫌でも亜希子のきつい臭いも吸い込むようになり、その饐えたような強烈な臭いは、孝明の脳髄を痺れさせた。

「うふふ、私のお下の臭いを、お前の顔に擦り込んで、染み付かせてあげるわ」

 亜希子は腰を揺らし、興奮してぬめっている陰部を孝明の顔面に擦りつけた。鼻と口元から亜希子の陰部が少しは動くので、呼吸は若干楽にはなったが、強い臭いがする陰部の分泌液を顔中に塗り付けられるのは、孝明にとって骨身にこたえる屈辱であった。

不意に亜希子は右手を伸ばして、孝明の股間で硬く屹立しているものを握り、ゆっくりとしごき始めた。


 昌代は、情けない悲鳴を上げた孝明の顔を見ながら、腰を前後に動かした。昌代は腰を動かしながら、亜希子に声を掛けた。

「亜希子も見物するだけじゃなくて、こいつのみっともない顔に跨って、お下の臭いを覚えさせておやりよ!」

「…それも悪くないわね」


「男のくせしてお母さんに肛門を犯されて、こんなに興奮するなんて、真正の変態だわ!」

「ムグウッ」


 亜希子に罵られた孝明は、彼女の尻の下でくぐもった呻き声を漏らした。その間も昌代から肛門を責め続けられており、しかも彼女の腰の動きは段々激しくなっていた。亜希子も屹立しているものをしごく右手の動きを速め、昌代に前立腺を刺激されている孝明は、直ぐにも射精してしまいそうな状態だった。

 しかし、孝明が射精する寸前に、亜希子は右手を放し、急に立ち上がった。又も後一歩で射精させてもらえなかった孝明は悶えて、切ない呻き声を漏らした。亜希子は床に置いていた乗馬鞭を手にすると、

「私とお母さんの前で、恥知らずにこんなにも硬く勃起して、本当にいやらしい男奴隷ね!お仕置きよ!」

と言って、ある程度手加減してではあるが、孝明の股間で極限まで硬く屹立しているものを鋭く打ち据えた。

「ギャワアァーッ」

 まだ昌代から肛門を犯されている孝明は、股間のものがちぎり取られたような激痛で、獣じみた絶叫を上げた。しかし、どういう訳か、屹立しているものを鞭打たれた孝明は、夥しい白濁液を噴出させて射精してしまった。昌代は腰を引いて、ペニスバンドのディルドゥ部分を孝明の肛門から引き抜き、担いでいた彼の両脚を肩から下して立ち上がった。

「おやおや、この男奴隷は亜希子にあそこを鞭打たれて、射精してしまったのかい…正真正銘の変態なんだね、こいつは!大体こんな醜いものをぶら下げているから、私達の前で汚らしい精液を撒き散らすんだよ。こんなもの、踏み潰してやるわ!」

 孝明を罵った昌代は、床にぐったりと横たわっている彼の陰嚢を、素足で踏みつけた。

「ガワアァーッ」

 孝明は断末魔のような絶叫を上げ、跳ね上がるように上体を起こすと床に転がり、いも虫のように体を曲げ伸ばしして、涙をボロボロ流した。睾丸を昌代の足裏と床に挟まれて強く圧迫され、まるで踏み潰されたような激痛が下半身全体に拡がって、孝明の視界と頭は真っ白になり、のたうち回って悶え苦しんだ。昌代と亜希子は笑みを浮かべ、孝明が苦悶する様子を楽しそうに見下ろしていた。



 孝明が奴隷の身分に落とされてからの生活は悲惨だったが、本格的な責め道具が届いてから、彼の生活は更に悲惨なものとなった。孝明は帰宅すると、直ちに服を全て脱ぎ捨てて全裸になり、自ら犬の首輪を装着して、犬の様に四つん這いで這い回らなければならなかった。

家事や雑事をする際に、昌代が監督するのは同じであったが、彼女が手にするのは革ベルトから乗馬鞭に代わった。表層的な痛みの革ベルトとは違い、乗馬鞭の打撃は心底骨身にこたえた。

亜希子が帰宅すると、孝明は檻のある調教部屋に連れて行かれて、仕事のミスを責められ鞭打たれた。今までは革ベルトで打たれていたのだが、責め道具が届いてからは一本鞭で打たれるようになり、体がズタズタに引き裂かれるような、死の恐怖を感じる程の激痛を亜希子から与えられた。孝明は亜希子に対する畏怖で、会社でも彼女とまともに目が合わせられなくなってしまった。

孝明の居場所は、彼が組み立てた大型犬用の檻となり、今まで餌の残飯はリビングの床で食べていたが、昌代と亜希子が見下ろす檻の中で食べさせられるようになった。孝明の排泄は檻の中で、残飯を入れるステンレスのボウルにするよう命じられた。孝明の排泄物はトイレに流すのだが、汚れたボウルは浴室で彼の手で洗い、食器と兼用にされた。

昌代と亜希子に対する夜の舌奉仕は相変わらずであったが、舌奉仕に疲れ果てた孝明が寝させてもらえる場所は、古毛布を投げ入れられた檻の中だけだった。それまでは布団で寝させてもらえた孝明が、手足も満足に伸ばせない檻の中で古毛布にくるまって寝ていると、奴隷の身分を嫌でも自覚させられて、知らず涙がこぼれた。

孝明は亜希子に命じられて、調教部屋の壁に沢山の丈夫なフックを取り付け、責め道具を壁に掛けておくようした。責め道具には鞭を始めとして革製品が多いのだが、孝明は革製の責め道具をアルコールで拭き、薄く油をひいて手入れしなければならなかった。自分を痛めつける責め道具を自分で手入れする惨めさは、孝明の心に暗い影を落とした。



そんな悲惨な日々を送っているうちに、亜希子のお腹はどんどん大きくなっていった。昌代と亜希子から毎日酷い虐待を受けている孝明であったが、彼は産まれて来る子供に一縷の望みを託していた。子供が産まれれば、自分は父親になるので、昌代と亜希子から虐められなくなるかもしれないし、虐めが続くにしても、子供の前では父親として扱ってくれるだろう…孝明は、そんなご都合主義の考えを抱いていた。



孝明が亜希子とホテルで一夜を過ごしてから、いつの間にか八ヶ月が経過した。亜希子は通っていた産婦人科医院に入院すると、直ぐに出産した。かなりの早産になるので、孝明は子供の心配をしたが、亜希子は無事に立派な女の子を産み、母子共に健康であった。

亜希子が入院して家を留守にしている間、昌代がネットを見ては、面白そうな責め道具を注文するので、調教部屋には責め道具が段々と増えていった。昌代は、

「亜希子が入院して留守にしている間は、私が亜希子の分までお前を可愛がってあげるからね…お前も嬉しいでしょう?」

と嫌なことを孝明に言って、彼を徹底して虐め続けた。

 ある週末、髪をアップにまとめた昌代は、赤色のブラジャーとパンティだけの下着姿で、膝上まである黒色ハイヒールブーツを履き、調教部屋の床に全裸で正坐して、かしこまっている孝明の前で仁王立ちとなって、彼に膝あてサポーターと手綱付きのボールギャグを放り投げた。

「男奴隷、今日はお前を馬に使ってあげるから、それを自分でさっさと装着おし!」

 昌代に命令された孝明は、暗い顔をして両膝にサポーターを着けてからボールギャグを咥え、後頭部でベルトを締めて固定した。その間、昌代は履いているハイヒールブーツに拍車を取り付けた。

「男奴隷、四つん這いにおなり!」

 孝明がおずおずと四つん這いになると、乗馬鞭を右手に持った昌代は彼の背中に跨り、左手で手綱を握った。グラマーでセクシーな体形ではあるが、若干ふくよかな昌代は結構体重があり、跨られた孝明の背骨にかなりの負荷が掛かって、彼に男の自分が女に家畜の馬として使われる屈辱を十分に味わさせた。昌代は拍車を孝明の脇腹を蹴り込み、乗馬鞭で彼の尻を叩いて、

「男奴隷、さっさとお進み!」

と命令した。孝明は脇腹を切られるような痛みと、尻に焼け火箸を当てられたような痛みで、ボールギャグの下からくぐもった呻き声を漏らし、手足を動かしてよたよたと這い進み始めた。小柄で痩せている孝明は体力があまり無く、昌代の体重を背中に負担して這い進むのは、彼にとってはかなりの重労働で、直ぐに手足が震え出して息が荒くなった。昌代に言われて膝あてサポーターを着けているので、幸い膝は擦り剥かずに済んだが、それは彼女が孝明を思いやった訳ではなく、彼を出来るだけ長く這い回らせて苦しめるためのものであった。

「何をとろとろしてるの!これじゃ、馬じゃなくてのろまな豚だわ。お前は馬にすらなれないのかい!とっととお走り!」

 昌代は、ふらついて這い進む速度が遅くなった孝明を叱りつけ、何度も拍車を彼の脇腹に蹴り込み、乗馬鞭で彼の尻を立て続けに叩いた。昌代から与えられる激痛と屈辱で、孝明はくぐもった呻き声を上げ、目から涙がこぼれた。それでも昌代の鞭と拍車は孝明を駆り立て、彼は気力を振り絞って手足を懸命に動かし、調教部屋を這い回った。

 しかし、調教部屋を何周這い回ったか分からなくなり、遂に体力の限界が訪れた孝明は、疲労で目の前と頭が真っ白になり、床へうつ伏せに倒れ込んでしまった。跨っていた孝明の背中から立ち上がった昌代は、

「誰が休んでいいと言ったの!勝手に寝転ぶなんて、許さないわよ!」

と怒鳴り、彼の尻と背中に乗馬鞭を数回振り下ろした。見る見る赤い筋が浮かび上がってきたが、それでも孝明は苦しそうな呻き声をボールギャグの下から漏らすだけで、とても動けそうになかった。

 昌代は乗馬鞭を床に放り、先端が球形になっている金属製のアナルフックを手に取ってローションを塗ると、うつ伏している孝明の肛門に先端を宛がい、力を込めて一気に押し込んだ。

「グムウゥッ」

 肛門に異様な刺激を受けた孝明は、くぐもった呻き声を上げて体を跳ね上がらせ、2,3歩這い進むと又もうつ伏せに倒れた。昌代は孝明の口元から手綱付きボールギャグを取り外し、彼の肛門に挿さっているアナルフックを掴むと、

「男奴隷、いつまでも寝てないで、さっさとお立ち!」

と怒鳴って、上に強く引っ張った。

「ヒイィッ、お、お許しを…」

 肛門を引き裂かれそうな痛みに、孝明は殆ど泣き声で昌代に哀願し、何とかよろよろと立ち上がった。昌代は手錠を手にして、

「男奴隷、両手を背中にお回し!」

と命じ、孝明に後ろ手錠を掛けた。それから、孝明の肛門に挿さったままになっているアナルフックを掴み、彼をぶら下がり健康器の下まで引っ張って行った。昌代はアナルフック後ろの孔に紐を通して、その紐をぶら下がり健康器のバーに跨がせ、下に引っ張って端を又アナルフック後ろの孔に通して結び付けた。肛門に挿入されたアナルフックで、ぶら下がり健康器に吊るされた後ろ手錠姿の孝明は、惨めにすすり泣くことしか出来なかった。昌代は孝明の股間に両手を伸ばし、

「うふふ、あんまり痛い目に遭わせるだけじゃ、いくら罪人の男奴隷でも可哀想だから、少しはいい気持ちにさせてあげるわよ」

と邪悪な笑みを浮かべて言い、右手で陰茎をそうっと掴んで撫でるようにしごき、左手で陰嚢を優しく揉みほぐした。

「ああっ、そんな…」

 アナルフックの丸い先端が前立腺を刺激していることもあり、孝明の股間のものはたちまち硬くそそり立った。昌代はしゃがむと、両手を使った愛撫を続けながら、孝明の屹立したものを口に含み、舌を動かしてねっとりと舐め始めた。

「あうっ…はあっ…」

 急激に高まる快感で、孝明の口から切なげな吐息が漏れた。昌代は孝明の硬くなったものを舐めながら、自分の胸から赤色ブラジャーを外し、豊満な胸を露わにした。昌代は孝明の屹立しているものから口を離し、それを大きな乳房で挟んで揺らせ、彼の口から喘ぎ声を出させた。孝明がとろけるような快感に浸っていると、昌代は一旦立ち上がって赤色パンティを脱ぎ、黒色ハイヒールブーツを履いただけの全裸になった。昌代は脱いだ赤色パンティを、快感で半開きになっている孝明の口に押し込んだ。たちまち饐えたような女の強い臭いが口中に充満し、鼻孔の奥まで届いて、孝明の脳を痺れさせた。昌代は孝明に抱きつくと、彼の猛々しく硬くなったものを豊かな太腿で挟み、腰を前後に揺らせて素股で彼のものを刺激した。

「グムゥッ…グゥッ…」

 昌代の柔らかく弾力のある太腿に挟まれて前後にしごかれた上に、彼女の濃い陰毛とぬめった陰唇が孝明の硬く屹立しているものに擦りつけられ、彼は射精しそうになるまで追い込まれた。しかし射精寸前に、昌代は孝明の体からぱっと離れ、赤色パンティを咥えさせられている彼の口から、くぐもった呻き声を出させた。昌代が孝明の口から赤色パンティを引っ張り出すと、彼は切ないため息を漏らした。

孝明から離れた昌代は、竹串程の細いステンレス棒を手にし、何かゼリーのようなものを塗り付けた。そのステンレス棒の先端は、大きさがビーズ玉位の球形になっていた。ぶら下がり健康器にアナルフックで吊るされている孝明のところに戻って来た昌代は、左手で彼の極限まで硬くなって屹立しているものを掴み、右手でステンレス棒の先端を尿道に宛がった。

「おちんちんの表面だけを可愛がるのは能が無いから、内側も可愛がってあげるわよ…男奴隷、ありがたく思いなさい!」

 昌代はそう言うと、ステンレス棒をゆっくりと孝明の尿道に押し込み始めた。

「ああっ、い、痛い、許して、許して下さい…」

 尿道に鋭い痛みを感じた孝明は、身をよじって昌代に懇願した。しかし昌代は、

「動くんじゃないよ!体を動かしたら、益々痛くなるわよ。潤滑剤に殺菌ゼリーも塗ってあげているんだから、大人しくおし!」

と孝明を叱って、彼の尿道にステンレス棒を力強く押し込んだ。孝明は尿道の強い痛みで逃げ出したくなったが、後ろ手錠にアナルフックで肛門を吊られていては、どうしようもなかった。昌代は孝明の苦悶する顔を楽しみながら、右手でステンレス棒をゆっくりとピストン運動させた。それと同時に、昌代は左手で孝明の硬く屹立しているものをゆっくりしごき始めた。

「アグゥッ、痛いっ、ああっ、許して、許して下さい…ガアァッ」

 尿道を引っ掻き回されるような強い痛みと、陰茎表面の溶けるような快楽を同時に感じさせられている孝明は、目に涙を浮かべ首を振って昌代に哀願した。しかし昌代は手の動きを段々速くして、孝明の悶え苦しむ姿を楽しんでいた。

 昌代はいい加減孝明を苦悶させたところで、ステンレス棒を右手で彼の尿道から引き抜き、左手で彼の硬く屹立しているものを速く強くしごきあげた。

「グワアァーッ」

 孝明は絶叫を上げて、夥しい量の白濁液を迸らせて射精した。射精した瞬間、孝明は脊髄を抜き取られたように感じ、がっくりと力無くうなだれ、目からボロボロと涙をこぼした。昌代がアナルフックを吊るしている紐を解くと、孝明はその場で膝が崩れるようにうずくまって、うつ伏せに倒れた。昌代は床に放った乗馬鞭を手にすると、床に倒れている孝明の背中を力強く鞭打った。

「アヒイィッ」

 背中を切り裂かれるような激痛を受けた孝明は、悲鳴を上げて背を仰け反らせた。

「何を横着に寝ているんだい!汚らしい精液で床をこんなに汚して、どうするつもりなのよ!自分で出したものは、自分で舐め取りなさい!」

 昌代に叱りつけられた孝明は、アナルフックを肛門に挿したままで、よろよろと四つん這いになり、すすり泣きながら床に飛び散った自分の精液を舐め取り始めた。



 亜希子が入院している間、昌代は孝明を酷く虐めたが、その虐め方はただ強烈な痛みを与えるだけではなく、彼を極限まで辱めて屈辱の射精を強いるものだった。孝明の精神と肉体は、昌代から与えられる酷い痛みと屈辱にまみれた異様な快感で徹底的に蹂躙され、彼は自分でも知らないうちに、いつしか普通のセックスが出来ない体になっていた。

 そうこうしているうちに、亜希子が可愛い女の赤ん坊を連れて、家に戻って来た。亜希子は娘に“環奈”と名付けたと話した。孝明は、ひょっとして自分を父親として扱ってもらえて、虐待が無くなるかもと儚い期待をしたが、相変わらず男奴隷で罪人の身分に変わりはなかった。亜希子は、

「お前は最底辺の身分である男奴隷で、汚らわしい罪人なんだから、私がお腹を痛めて生んだ可愛い環奈に触れさせるわけにはいかないわ。環奈が成長したら、お前はこの子の奴隷にするからね!」

と孝明に言い放ち、彼に娘の環奈へ指一本触れさせようとしなかった。昌代は乳児の環奈を抱いてあやしながら、

「可愛い初孫の環奈を、とてもお前の汚れた手で抱かせられないからね…赤ん坊で自分の血を分けた娘と言っても、お前は男奴隷の分をわきまえて、環奈の前ではひれ伏して服従し、礼を尽くすんだよ…分かってるのかい!」

と孝明に強く言って、彼を暗い気持ちにさせた。孝明は、血の繋がる自分の娘を抱かせてもらえるどころか、指一本触れるのさえ禁じられて、男奴隷の身分から父親の立場に這い上がれない惨めな境遇は、彼をひどく落ち込ませた。

 しかし、亜希子と昌代が環奈のオムツを替える際には、孝明は彼女達に呼びつけられた。全裸で首輪を着けただけの孝明が、四つん這いで這い寄ると、亜希子は紙オムツを外されて仰向けになっている環奈の股間を指差し、

「男奴隷、お前の舌で環奈のお股を舐めて、きれいにおし!」

と命令した。孝明は一瞬嫌そうに顔を歪めたが、亜希子に逆らえる筈も無く、渋々環奈の股間に顔を近づけようとした。その途端、昌代から乗馬鞭で背中を強く打たれた。

「ギャアァーッ」

背中へ真っ赤に焼けた鉄棒を押し付けられた様な激痛で、孝明は背を仰け反らせて絶叫を上げた。昌代は仰け反った孝明の顔を蹴り飛ばし、彼を床に横倒しにさせた。昌代は倒れた孝明の頭を踏みにじり、

「可愛い初孫のお股を、最底辺の男奴隷で汚らわしい罪人のお前に、特別に舐めさせてあげようと言うのに、挨拶も無いのかい!この礼儀知らずめ!環奈はいずれお前の女御主人様になるんだから、“環奈様、卑しい男奴隷の身分で僭越ですが、私の舌でお股をきれいに舐めさせて下さいませ”と礼を尽くして、お願いおし!」

と大声で叱りつけた。昌代が孝明の頭から足を外すと、彼はよろよろと仰向いている乳児の環奈に向かって土下座し、

「か、環奈様…卑しい男奴隷の身分で…僭越ですが…わ、私の舌で…お股をきれいに…な、舐めさせて…下さいませ…」

と今にも泣き出しそうな声で、途切れ途切れに何とかお願いした。まだ乳児である自分の娘に、なぜひれ伏して懇願しなければならないのかと、孝明は心底情けなくなった。昌代は、土下座している孝明の股間部分を乗馬鞭の先で小突き、

「もういいから、とろとろしてないで、さっさとお舐め!環奈をいつまで下半身裸にさせておくつもりなんだい!全く使えない男奴隷だね!」

と彼を理不尽に叱った。孝明は改めて四つん這いになり、環奈の股間に顔を近づけると、尿独特の強いアンモニア臭がした。孝明は昌代から鞭打たれないように、

「環奈様、失礼致します…」

と一言断って、環奈の股間に舌を這わせた。乳児であっても、舌と口中に大人並みの強いアンモニア臭がする尿の刺激的な味が拡がり、孝明の惨めさに拍車が掛かった。それでも孝明は、自分の血を分けた実の娘に奉仕するんだ、と思い直して舌を懸命に動かした。

 四つん這いの孝明が、集中して環奈の股間を舐めていると、不意に亜希子が彼の脇腹を蹴りつけて床に転がした。

「いつまで環奈のお股を舐めてるのよ!お股をきれいにおしと言ったのに、お前の汚らわしい唾でベトベトにするなんて、ふざけるんじゃないわよ、最低の男奴隷め!」

 亜希子は、昌代以上に理不尽な理由で孝明を叱りつけて、環奈の股間をウェットティッシュで丁寧に拭い、新しい紙オムツを着けた。蹴り転がされた孝明は、身震いして屈辱の涙を床にこぼしていた。

環奈が大便をした際は、亜希子か昌代が環奈の股間をウェットティッシュで大雑把に拭うのだが、その後はやはり孝明の舌できれいに舐めさせた。亜希子と昌代から、いつも排便を済ませた後のトイレットペーパー代わりに孝明の舌が使われるのだが、その時と同じに強烈な臭みと酸っぱさが混じったようなえぐ味が口中に充満し、ごく僅かな量とは言っても自分の娘の大便を口にさせられる屈辱は、彼の精神を酷く苛んだ。



 亜希子は仕事に復帰し、孝明は会社でしょっちゅう彼女に叱られ、帰宅してからは仕事のミスの件で酷いお仕置きされる日々が戻った。それでも家にいる時は、亜希子と昌代は乳児である環奈の世話に手を取られ、孝明が虐められる割り合いが少し減ったのが、せめてもの慰めであった。



 環奈が立って歩けるようになると、昌代と亜希子は孝明を人間馬にして、環奈を背中に跨らせ、調教部屋で延々と這い回らせた。それは、普通の家庭で父親が幼い娘とお馬さんごっこして遊ぶような、微笑ましいものではなかった。全裸の孝明の口にかまされたボールギャグに付いている手綱を持ってはしゃいでいる環奈を背にし、鞭を手にした昌代か亜希子の監視下で這い回されるのだ。

 幼い環奈は体重が軽いので、昌代や亜希子から人間馬にされるより体力的には凄く楽だったが、自分の娘の家畜として馬に使われる屈辱は、孝明の心を蝕んでいった。しかし、いくら環奈が軽いと言っても、長時間這い回されると、さすがに疲れて這うのが遅くなってしまう。這う速度が遅くなると、昌代か亜希子から酷く罵られて、尻を容赦無く乗馬鞭で打たれ、ボールギャグの下からくぐもった悲鳴を上げさせられた。

 孝明は、尻肉を切り裂かれるような強烈な痛みを受けても、体を硬直させて我慢して、決して体勢を崩さなかった。もし体勢を崩して環奈を床に落としでもしたら、半死半生にされる程のお仕置きを受けるのは、火を見るよりも明らかだったからだ。孝明は目に涙を浮かべて耐え、昌代か亜希子がもういいと言うまで、延々と這い回らなければならなかった。

 しかし、同じ人間馬にされるにしても、幼い環奈だけを背にするのは遥かにマシな方で、時には昌代か亜希子が環奈の後ろで孝明の背中に跨って、二人乗りすることもあった。そうされると背中にかなりの荷重が掛かり、調教部屋を3,4周這い回っただけで、体力があまり無い孝明は、手足に震えが来て、這う速度が極端に落ちてしまう。すると、拍車を脇腹に蹴り込まれ、乗馬鞭で尻を強く打たれて、速く進むように駆り立てられた。しかし、いくら鞭と拍車で酷く駆り立てられても、孝明は体力の限界を超えると、目の前が真っ白になり、床に突っ伏して潰れてしまった。孝明が潰れる寸前、環奈の後ろにいる昌代か亜希子は、環奈が転げ落ちないように抱きかかえて、床にそっと置いた。それから床に突っ伏して喘いでいる孝明に、

「お前は、私の可愛い環奈を床に転げ落とすつもりなの!?もう許さないからね!」

と怒鳴りつけ、一本鞭で彼の全身を打ちのめした。一本鞭の雨を浴びせられた孝明は、内臓まで響く衝撃と共に全身の生皮を剥ぎ取られ、生肉を切り刻まれる様な激痛を受けて、ボールギャグをかまされた口からくぐもった悲痛な呻き声を上げ、のたうち回って悶え苦しんだ。



 環奈のオムツが取れる頃になると、昌代と亜希子は孝明の口をおまるに使った。最初に孝明を環奈の前で土下座させ、

「環奈様、この卑しい男奴隷を、おまるにお使い下さいませ」

と卑屈に挨拶させてから、調教部屋の床に仰向けに横たわらせた。孝明の顔を環奈に跨らせ、昌代か亜希子が環奈を補助してしゃがまさせて、彼の開いた口に排尿させた。毎日昌代と亜希子から尿を飲まされている孝明ではあるが、自分の娘の尿を飲まされるのは、さすがに辛かった。環奈の排尿が終われば、当然孝明の舌で後始末しなければならなかった。環奈が乳児の頃から汚れた股間を舐めさせられてきた孝明であったが、舌に尿の刺激的な味が改めて拡がると、父親なのに実の娘のトイレットペーパーにされる屈辱を強く感じ、彼の精神は徐々に歪んでいった。

 幸いにも健康上の理由で、環奈の大便を食べさせられるのは免除されているが、環奈が本当のおまるで排便した後、孝明は彼女の肛門の汚れをきれいに舐め取らされた。ほんの僅かな量であっても、強烈な臭みと共に、何とも表現しづらいえぐ味と酸味が舌と口中に拡がり、それが自分は環奈の父親ではなくて奴隷なんだと、孝明に悲しい自覚をさせるようになっていった。



 環奈は幼稚園に通うようになった。昌代と亜希子は環奈に、決して孝明を“お父さん”とか“パパ”とか呼ばせずに、“男奴隷”と呼ぶように躾けた。環奈も、昌代と亜希子の孝明に対する態度を見て育ち、自然と彼を家畜の馬か犬扱いするようになった。

環奈が孝明に、

「男奴隷、馬になって!」

と言うと、彼は直ちに手綱付きボールギャグを口に咥え、膝あてサポーターを両膝に装着して跪き、両手で乗馬鞭を捧げ持って、環奈にうやうやしく手渡さなければならなかった。この時に少しでももたもたすると、監督している昌代か亜希子から、情け容赦無く鞭が飛んだ。四つん這いになった孝明の背中に跨って手綱を握った環奈は、乗馬鞭を振り回してはしゃぎ、飽きるまで彼を這い回らせた。孝明は一歩一歩這い進む度に、自分の身分は娘の環奈より、文字通り下なんだと体に思い知らされ、心が軋んでいくのを感じた。

 また、環奈が孝明に、

「男奴隷、犬になって!」

と言うと、彼は直ちに自分の首輪にリードを付けて跪き、リードの端と乗馬鞭を環奈うやうやしく捧げなければならなかった。リードと乗馬鞭を受け取った環奈は、孝明を調教部屋で何周も這い回らせ、“お手”とか“チンチン”とか言って、彼に犬の様な恥ずかしい真似をさせて面白がった。自分の娘から犬畜生の扱いをされた孝明は、あまりの屈辱に身震いし、目に涙が浮かんだ。



 ある日、孝明を犬にして遊んでいた環奈に、昌代が声を掛けた。

「環奈ちゃん、今日新しいオモチャが届いたの…お祖母ちゃんと一緒に遊びましょう」

 昌代はそう言って、手にしていた物を環奈に見せた。それはペニスの形をした金属製のディルドゥで、後部は太目のコードでリモコンと繋がっていた。昌代は金属製ディルドゥにローションを塗り、四つん這いになっている孝明に、

「男奴隷、そのままじっとして、決して動くんじゃないよ!」

と強い口調で命じた。昌代は孝明の後ろに回り、金属製ディルドゥの先端を彼の肛門に宛がうと、一気に押し込んだ。

「アグゥッ」

 孝明は、度々昌代と亜希子から浣腸されたり、ペニスバンドで犯されたりして、肛門が結構拡張されているので、痛みは大して無かったのだが、それでも肛門に異物を挿入される異様な感覚に慣れることが出来ず、思わず呻き声を漏らしてしまった。

 昌代は、リモコンに電源を入れてから環奈に手渡し、

「環奈ちゃん、上の黒いボタンを押してみて」

と促した。環奈が言われた通りにリモコンの黒色ボタンを押すと、孝明の肛門に挿入された金属製ディルドゥが、ビィーンと音を立てて激しく振動した。直腸と前立腺を強く刺激された孝明は、

「うわあぁーっ」

と声を上げ、両腕を折り曲げて額を床に着け、尻を上に突き出す格好になった。ペニスバンドで犯されるのとは違い、金属製ディルドゥの振動が下腹全体に響き、孝明は顔を歪めて悶え苦しんだ。しかし前立腺を刺激されたためか、孝明の股間のものは、見る見る硬く屹立した。孝明の苦悶する姿を見た環奈は喜び、

「わあっ、お祖母ちゃん、これ面白い!」

と言ってはしゃぎ、リモコンの黒色ボタンを何度も押した。その度に、金属製ディルドゥの振動の強弱が変わったり、振動がオフになったりオンになったりして、更に孝明を苦しめた。昌代は環奈に、

「環奈ちゃん、次は下の赤いボタンを押してみて」

と言い、環奈が赤色ボタンを押すと、金属製ディルドゥから微弱な電流パルスが発生した。孝明はその瞬間、

「ギャアァーッ」

と喚き、寝ていて尻尾を踏まれた猫みたいに跳ね上がってから、床に横倒しになり、体をピクピクと痙攣させた。微弱で瞬間的とは言え、直腸内で発生した電流パルスは前立腺を強烈に酷く刺激し、衝撃波が背骨を走って脳を直撃する様なショックを孝明に与えて、彼の目から涙をボロボロこぼさせた。

「お祖母ちゃん、このボタンも面白いね!」

 孝明の反応を見た環奈は、大喜びで赤色ボタンを何回も押した。その度に、孝明は悲鳴を上げて跳ね上がり、床に倒れては体を痙攣させて苦しんだ。昌代は適当なところで、

「環奈ちゃん、そろそろこれ位にしておきましょう」

と言って、環奈の手からリモコンを取った。昌代はリモコンの電源を切り、コードを強く引っ張って、孝明の肛門から金属製ディルドゥを引き抜いた。床に横倒しになっている孝明は、ゼイゼイと荒い息をして喘ぎ、目から滾々と涙を流していた。昌代は孝明の頭を足蹴にし、

「何だい、お前は!実の娘である環奈の前で、よくも恥知らずに射精出来たものね!お前は父親どころか、人間の資格すら無いんだよ、最低のケダモノめ!お前の汚らしい精液で床を汚した責任を取って、全てきれいに舐め取りなさい!」

と酷く罵倒して、命令した。孝明は昌代に罵られて、自分が射精しているのに初めて気づいた。おそらく、前立腺に電流パルスの刺激を受けて、知らない間に射精してしまったのだろう。

 孝明はよろよろと四つん這いになり、床の精液を舐め取り始めた。精液の広範囲な飛び散り具合から、一回だけではなく、二回か三回は射精したように推測された。孝明は、精液の生臭い味と床のざらついた埃の感触を舌で感じながら、精液が環奈や昌代に掛からなかっただけでも、不幸中の幸いだったと自分を慰めた。もし二人に精液を掛けでもしたら、お仕置きに昌代から一本鞭で死ぬ程打たれただろう。昌代に監視され、孝明が四つん這いで懸命に床の精液を舐め取っていると、

「ふ~ん、男奴隷って、白いおしっこするんだね…でも、そんな汚いもの、よく舐められるね」

と環奈が感心したように言い、その無邪気な声が頭の中で空ろに響き、彼をひどく辛い気持ちにさせた。



 環奈が小学生になると、昌代と亜希子の英才教育(?)の成果か、彼女は孝明を全く父親とは見做さず、自分から積極的に彼を酷く虐めて楽しむようになった。昌代が、環奈の身長に合った短めの一本鞭を買い与えると、彼女は凄く気に入り、調教部屋で毎日のように孝明に鞭を振るい、全裸の彼に悲鳴を上げさせて、四つん這いで逃げ回る姿を面白がって楽しんだ。環奈は、まだ小学生の自分が一本鞭を一振りするだけで、大の男が悲鳴を上げて逃げ回る姿に優越感を感じ、とても気分がよくなるようだった。

 まだ幼い女子小学生が振るう鞭でも、威力は昌代や亜希子の鞭と大差無く、環奈が一本鞭を持つだけで、孝明は恐怖に震え上がった。孝明は環奈が一本鞭を手にすると、直ぐに彼女の足元にひれ伏し、つま先に奴隷のキスを繰り返して、

「環奈様、お願いですから、鞭だけはお許し下さいませ。どうか、お慈悲を…」

と必死に懇願するのだが、頭を踏みつけられて、

「男奴隷のくせに、いちいちうるさいわよ!」

と罵られ、背中を酷く鞭打たれて悲鳴を上げさせられるのが常であった。昌代と亜希子は、娘の環奈が彼女の父親である孝明を虐めて楽しむ様子を、嬉しそうに眺めていた。また、昌代は環奈に色々な責め道具の使い方を詳しく指導した。

 環奈は尿意を催すと、

「男奴隷、おしっこ!」

と言って孝明を呼びつけ、ショーツを脱いだ。孝明は、両手でスカートを捲り上げて仁王立ちになっている環奈の、スベスベの陰部に口を密着させ、排尿をこぼさないように飲まなければならなかった。傍で見ている昌代と亜希子は、

「自分の娘から飲ませてもらうおしっこは、さぞかし美味しいだろうね…卑しい男奴隷には、相応しい飲物だよ」

「実の娘の便器になれるなんて、最低の男奴隷には身に余る光栄よねぇ…環奈のおしっこが飲めて、お前も嬉しいでしょう、オホホ…」

と嘲り、孝明の心を深く傷つけた。

 環奈が小学校高学年になり、初潮を迎えると、昌代と亜希子により孝明の口が、当然の如く生理用ナプキンの代わりに使われた。腐った魚の血と赤錆びを混ぜた様な強烈に生臭い味が舌と口中に拡がり、孝明を立ち直れない程に惨めな気持ちにさせた。自分の陰部に口を着け、口元を赤く染めて生理の経血を懸命に啜る孝明を見下していた環奈は、

「よく、こんな汚いものが飲めるね…お前はもう人間じゃない、犬や豚と同じ…いいえ、それ以下のうじ虫よ!」

と酷く侮蔑し、彼の顔にペッと唾を吐いた。まだ小学生で実の娘である環奈から度を越えた屈辱を受けた孝明は、彼女の陰部に口を密着させたまま、体を小刻みに震わせて苦悩した。昌代と亜希子は、そんな孝明の苦しむ姿を楽しそうに眺めていた。



 子供が育つのは早いもので、あっという間に小学校時代が過ぎ去り、中学生になった環奈は、近所でも評判の美少女に成長した。孝明は41歳、亜希子は39歳になり、勤めている会社でも、二人の立場に若干の変化があった。亜希子は、定年退職した総務人事部長に替わって課長席に着き、孝明は名目だけの係長に昇任した。

 中学生の環奈は、孝明を人間馬にして乗り回すのが大好きになり、かなり嵌っていた。大の男を四つん這いにさせ、その背中に跨って這い回させるのが、男の上位になる優越感を環奈に感じさせるようだった。孝明は帰宅すると、毎日の習慣で直ぐ全裸になり、首輪を着けた。環奈はTシャツとデニムのショートパンツに着替え、室内用の黒革ブーツを履き、拍車を取り付けた。そして孝明に、

「男奴隷、人間馬の準備をして!」

と命じて、彼に急いで両膝に膝あてサポーターを着けさせ、手綱付きボールギャグを咥えさせた。乗馬鞭を手にした環奈は、四つん這いになった孝明の背中に跨り、彼を調教部屋で延々と這い回らせた。成長して体重が増えてきた環奈を背にして這い回るのは、体力があまり無い孝明にはかなりの重労働で、調教部屋を三,四周回ると、ボールギャグをかまされた口から苦しそうな息が漏れ、這う速度が遅くなった。すると環奈は、拍車を孝明の脇腹に強く蹴り込ませ、乗馬鞭で彼の尻を強かに打ち、速く這い進むように促した。脇腹を刃物で刺される様な強い痛みと、尻に焼け火箸を押し当てられた様な激しい痛みで、孝明はくぐもった悲鳴を上げながら、これ以上痛い目に遭わないために、気力を振り絞って手足を懸命に動かし、這い進むしかなかった。環奈の体重を背中で受けて体に負担を感じ、彼女から痛めつけられながら調教部屋を這い回る孝明は、肉体的な苦痛と共に、自分の血を分けた実の娘から家畜の馬に扱われる屈辱に苛まれた。昌代と亜希子は、環奈が孝明を人間馬として酷使するのを、いつも嬉しそうに見物していた。

「最低の男奴隷が、自分の娘から馬に使われるなんて、嬉しいでしょう?」

「可愛い娘の環奈に乗られているんだから、もっと頑張って這い回りなさいよ」

 昌代と亜希子の蔑んだ口調のからかいが、孝明の胸を深く抉り、彼の目に涙を浮かばせた。

 しかし、いくら環奈から鞭と拍車で駆り立てられても、さすがに体力の限界を超えると、孝明は床に突っ伏して潰れてしまった。すると環奈は、電流パルスが流れる金属製ディルドゥを孝明の肛門に無理やり押し込み、

「男奴隷、元気づけてあげるよ」

と言ってリモコンスイッチのボタンを押し、彼の体を跳ね上がらせたり、痙攣させたりして苦しめた。それに飽きると、昌代と亜希子に手伝ってもらって孝明を無理やり立たせ、後ろ手錠を掛けた。環奈は、孝明の股間のものに細紐を結び付け、

「男奴隷、さっさと歩きなさいよ!」

と言って、ぶら下がり健康器まで引っ張って行った。孝明は、自分の娘に股間のものを紐で引っ張られる痛みと屈辱で、苦しそうに顔を歪めた。環奈は、細紐をぶら下がり健康器のバーに引っ掛け、孝明が二本足で立てる状態の高さに吊るした。それから九尾鞭・乗馬鞭・一本鞭と、それぞれの鞭の威力を孝明の体で試して、鞭の種類別に違った悲鳴と苦しみ方を見せる彼の反応を楽しんだ。

環奈が段々と立派な女御主人様に育っていく様子を、昌代と亜希子は目を細めて嬉しそうに眺めていた。



 中学時代は直ぐに過ぎ去り、環奈は偏差値の高い進学高校に入学した。高校生になった環奈は、格闘技好きの同級生に誘われてシュートボクシングのジムに通い始めた。環奈は自宅でのトレーニングとして、孝明を人間サンドバッグに使うようになった。

 環奈は昌代と亜希子に手伝ってもらい、調教部屋で全裸の孝明の両手をぶら下がり健康器のバーに手錠で吊るし、彼の体にパンチやキックを打ち込んだ。環奈の突き蹴りを腹に受けた孝明は、呻き声を上げて苦しんだ。太腿に環奈のローキックが炸裂すると、骨が折れそうな痛みに苦しみ、涙をこぼした。環奈が疲れてトレーニングを止め、孝明が手錠を外されてぶら下がり健康器から下されても、彼はまともに二本足で立てなかった。自分の娘から人間サンドバッグにされて、殴る蹴るの目に遭わされる惨めさで、孝明の精神は段々と歪んでいった。

 環奈がジムに通って3ヶ月経つと、孝明を吊るさずに後ろ手錠を掛けて、動くサンドバッグとして使った。動きやすいように長い髪をポニーテールにまとめ、黒色タンクトップに紺色ボクサーパンツを着用し、指が出るタイプの総合格闘技用グローブを両手に嵌め、ムエタイ用のサポーターを両足に着けた環奈と対峙させられた孝明は、恐怖で彼女に背を向けて逃げ出したくなった。しかし、調教部屋で環奈の自主トレーニングを見物している昌代と亜希子が、逃げるのを許さなかった。孝明が環奈から遠ざかろうとすると、すかさず彼女達から一本鞭で打たれた。環奈は、動く孝明との間合いを測りながら、パンチとキックを彼に浴びせた。高校生になった環奈は、身長が孝明と同じ165cm位に伸びて手足がすらりと長く、結構離れた間合いからでも彼女の攻撃が届いた。環奈は運動神経が良くて体の動きにキレがあり、彼女の突き蹴りは速く重く、かなりの威力があった。

 散々殴られたり蹴られたりした孝明がダウンすると、昌代と亜希子から、

「誰が休んでいいと言ったの!さっさと起きないと、環奈の練習にならないでしょう!」

と叱られて、一本鞭で強く打たれた。鞭打たれた孝明は悲鳴を上げて、後ろ手錠の不自由な体をよじって、何とか立ち上がった。しかし、何度もダウンさせられてふらふらになり、立つのもやっとという状態になると、環奈は孝明の顎に得意のフックとアッパーのコンビネーションを決め、彼を失神させてトレーニングの終わりとした。

 環奈が高校2年生になり、シュートボクシングのジムに通って丸一年が経って実力に自信がつくと、彼女は孝明を一切拘束せずに、彼にもグローブを着けさせ、調教部屋で本気のスパーリングをするようになった。鞭を手にしている昌代と亜希子が見ている前で、環奈と対峙した全裸の孝明はためらったが、

「男奴隷、何をぼやぼやしてるの!さっさと掛かって来なさいよ!それとも大の男が、まだ女子高生の私が恐いの?」

と環奈から挑発するように言われ、思い切って、

「うわぁーっ」

と大声を出しながら、彼女に大振りのパンチを放った。しかし、環奈はさっと身を屈めて孝明のパンチを避け、鋭いつま先蹴りを彼のみぞおちに決めた。

「グエッ」

 孝明が短い呻き声を上げて、体をくの字に折ると、環奈は突き出した彼の顎にショートフックを叩き込んだ。脳震盪を起こした孝明は、悲鳴も上げられずにその場に崩れ落ちた。環奈が孝明から間合いを取って離れると、すかさず亜希子が彼を一本鞭で叩いた。

「ギャアァーッ」

 体を切り裂かれるような一本鞭の激痛で、孝明は絶叫を上げて意識をはっきりさせた。

「男奴隷、さっさとお立ち!寝てたら、環奈の練習にならないでしょう!」

 亜希子に怒鳴られた孝明は、ガンガン痛む頭に手をやり、ふらつきながらも何とか立ち上がった。環奈は、立ち上がった孝明が素人ながらもファイティングポーズを取るのを待ってから、攻撃を開始した。離れた間合いから、孝明の顔にギリギリ当たらないジャブを繰り出して彼の目を逸らさせ、重いローキックを太腿に叩き込んだ。

「ウギャァッ」

 骨が折られたかのような激痛に悲鳴を上げた孝明は、膝を屈してしゃがみ込んだ。すかさず環奈は、低い位置になった孝明の頭に回し蹴りを放ち、彼を横に蹴り飛ばした。孝明は殆ど意識を失って、床に仰向けに倒れた。なかなか正気に戻れない孝明に、またも亜希子から激励の一本鞭が振る舞われた。

「グワァーッ」

一本鞭の激痛で悲鳴を上げて意識を取り戻した孝明は、よろよろと体力の限界を超えて立ち上がったが、赤潮に遭った魚みたいにふらふらして、既に目の焦点が合っていなかった。環奈は素早く孝明に近づくと、彼の右腕を取り、一本背負いの要領で床に投げ飛ばした。

「グエッ」

 背中から床に叩きつけられた孝明は、ヒキガエルが踏み潰されたような呻き声を上げた。背中を強打した孝明は、打撲の衝撃で筋肉が痙攣して呼吸が出来なくなり、もがき苦しんだ。環奈は苦しんでいる孝明に構わず、仰向けに倒れている彼に跨ってマウントを取ると、顔面を立て続けに殴りつけた。孝明は何とか両腕でガードしようとしたが、環奈の攻撃の前では全く無意味で、彼の顔面は腫れて頭がガンガン痛んだ。

 さすがに見物していた昌代から、環奈にストップが掛かった。

「環奈ちゃん、もうそれぐらいにしておきなさい。これ以上痛めつけたら男奴隷が壊れて、私がこき使えなくなるから…」

 昌代に注意され、些か息を乱していた環奈は、

「…分かったわ、お祖母ちゃん」

と素直に返事をして、跨っていた孝明の体から立ち上がった。床に仰向けに倒れている孝明は、ようやく呼吸が出来るようになり、ゼイゼイと荒い息をして喘いでいた。

「男奴隷、いつまでも寝てないで、さっさと起きなさい!」

 亜希子から強い口調で命じられたが、もう孝明は一本鞭で打たれても起き上がれそうになかった。しかし、環奈は容赦しなかった。

「お母さんが起きろと言ってるんだから、さっさと起きなさいよ!」

環奈はそう言うと、両手からグローブを外し、仰向けになっている孝明の股間のものを左手で掴み、上に強く引っ張った。

「ヒッ、ヒィッ、待って、待って下さい…」

 股間のものが引きちぎられそうな痛みに、孝明は情けない哀願をして、精神力の限界を超えて何とか立ち上がった。環奈は孝明の股間のものを掴んだまま、右手で彼の両頬に目が眩むような強烈な往復ビンタを張った。

「男奴隷のくせに、さっさと動かないなんて、どういうつもりなの!お前、私達に逆らうつもり!?」

 孝明は殆ど泣き声で、

「い、いいえ、そんなつもりはありません…本当に体が動かないんです。どうか、お許しを…」

と環奈に哀願した。だが環奈は、

「お黙り!そんな言い訳なんて、聞きたくもないわ!」

と怒鳴り、両手で孝明の陰嚢を強く握り締めた。

「アギャアァーッ」

 下腹全体に広がる強烈な痛みで、孝明は絶叫を上げて悶絶した。環奈が両手を離すと、孝明はその場で崩れ落ちるように倒れ、いも虫のように体を丸めて苦しんだ。環奈は孝明の頭を踏みにじり、叱りつけた。

「お前は男のくせに、もう少し戦えないの?これじゃあ、トレーニングにならないわ。大体、大の男が女子高生に負けて恥ずかしいと思わないの?本当に情けない男奴隷ね!」

 環奈に酷く罵られた孝明は彼女の足下で、股間の激痛に加えて、男の自分が女子高生と本気で勝負して負けた屈辱と、父親の自分が実の娘に完膚なきまでに叩きのめされた恥辱で、惨めにすすり泣いていた。

「仕方ないから、私も一服しようっと」

 環奈はそう言うと、孝明の頭から足を外して蹴り転がし、仰向けになった彼の顔に、足の方に向かってどっかりと座った。環奈は腰を揺らし、ボクサーパンツ越しに尻で孝明の顔面をいたぶった。自分の娘の尻で顔面を蹂躙される屈辱に、孝明は泣きたくなった。環奈はしばらく孝明の顔の上で腰を揺らしてから、一旦立ち上がり、ボクサーパンツとショーツを一緒に膝まで下し、再び座って裸尻を彼の顔に押し付けた。女子高生の汗ばんだ、ムッとする陰部の臭いが鼻孔の奥まで到達し、孝明は咽そうになって身震いした。

 しかし、男の悲しい性で、若い女性の臭いに孝明の股間のものが反応してしまい、見る見る硬く屹立してしまった。それを見た昌代は、笑みを浮かべて孝明の下半身近くにしゃがみ込み、

「男奴隷、お前は自分の娘のお尻を顔に乗せられて、興奮しているのかい?恥知らずにも程があるわ」

と言って右手を伸ばし、孝明の屹立したものを握って、ゆっくりとしごき始めた。その甘美な刺激で、孝明は環奈の尻下からくぐもった喘ぎ声を漏らした。昌代はしごく右手の動きを段々速くしながら、

「男奴隷、言っておくけど、実の娘に興奮するようなケダモノは、絶対に許さないからね…もし射精なんかしたら、この醜いものがちぎれるまで、鞭で打ってやるわよ!」

と孝明に恐ろしい事を言った。孝明は恐怖に震え上がり、他の事を考えて、股間のものから意識を逸らそうとした。しかし、昌代の巧みな指捌きにはとても耐えられず、その上環奈が面白がって腰を揺らし、自分の陰部を孝明の鼻と口に擦り付け、女子高生の若い臭いをたっぷりと嗅がせた。孝明が体を震わせ、環奈の尻下からくぐもった呻き声を上げながら、極限まで硬く屹立したものから多量の白濁液を噴出させるのに、それ程時間は掛からなかった。

 孝明のものから手を離した昌代は、亜希子が差し出したウェットティッシュで精液が付着した右手を拭い、立ち上がった。それから、孝明の両手首に手錠を掛け、手錠の鎖を彼の首輪の金具に連結し、両腕を曲げたままの状態で伸ばせないようにした。昌代は亜希子に顔を向け、

「亜希子、この男奴隷は、射精するなと言われても射精して、私の手を汚したんだよ…罰として、こいつの見苦しいものを、思いっ切り鞭で打ち据えてやって!」

と指示し、亜希子は笑顔で頷いた。さすがに一本鞭や乗馬鞭では威力があり過ぎると判断した亜希子は、九尾鞭を手にして、まだ環奈が顔に座っている孝明の傍で、仁王立ちになった。

「男奴隷、よくもお母さんの言いつけを守らず、勝手に射精して、お母さんの手を汚してくれたわね…お仕置きだよ!」

 孝明に大声を出した亜希子は、九尾鞭を振り上げると、彼の股間に情け容赦無く思い切り振り下ろした。

「グムォーッ」

 男の急所を鞭打たれた孝明は、環奈の尻下からくぐもった悲鳴を上げ、背を反らせた。反射的に両手で股間部分をガードしようとしたが、昌代から両手を手錠で首輪に繋げられていたので、不可能だった。環奈が全体重を掛けて顔に座っているので、身動きも取れず、亜希子の鞭から逃れられなかった。

「こんな醜悪なものは、鞭でちぎり取ってやるわ!」

 孝明が苦しむのを見て気が昂った亜希子は、顔を上気させて目を吊り上げ、髪を振り乱して彼の股間部分を打ち続けた。陰茎と陰嚢の皮が擦り剥けて孝明が悶絶するまで、亜希子の鞭打ちは続いた。



 環奈はシュートボクシングのスパーリングで、孝明を叩きのめしてダウンさせると、

「敗者は勝者から何をされても、文句が言えないのよ!」

と言って、ペニスバンドを腰に装着して、ぐったりとしている彼の肛門を犯した。

「ほらほら、女子高生に犯されるなんて、どんな気分?お前も少しは、レイプされる女の気持ちが分かるでしょう?」

 環奈は嘲るように言いながら腰を振り、孝明は自分の娘に肛門を犯される屈辱で、悔し涙を流した。しかし、今まで散々肛門を弄られてアナル開発されてきた孝明は、ペニスバンドで前立腺を刺激され、股間のものを硬く屹立させてしまった。すると、環奈は手を伸ばして孝明の屹立したものを握り、

「ふんっ、お前はお尻を犯されて、興奮しているのね!最低の変態男奴隷だわ!」

と罵り、腰を振りながら激しくしごいた。孝明はあっと言う間に果ててしまい、実の娘から犯されて精を搾り取られる屈辱にむせび泣き、身悶えして苦悩した。

 環奈は、スパーリングで孝明をダウンさせた後は、顔面騎乗して窒息させたり、鞭打ってのたうち回らせたり、人間馬にして潰れるまで酷使したりして、彼を徹底して虐待した。この頃になると昌代と亜希子は、孝明を人間便器にして尿を飲ませたり、人間ウォシュレットにして排便後の肛門を舐めさせたり、舐め犬として酷使したりするのは日常の習慣として行っていたが、彼を虐めるのは殆ど環奈に任せるようになっていた。



 環奈が高校を卒業し、自宅から通える国立大学に進学する頃に、孝明と亜希子が勤めている会社で人事異動があった。オーナー社長である父親により、亜希子は総務人事部長から事業本部役員に抜擢された。孝明は亜希子の後任として総務人事部長に昇任したが、実務に関しては父親が選んだ優秀な社員が部長代理になって処理した。オーナー社長の父親は、とっくに一人息子である孝明の無能さに見切りをつけており、将来は彼を社長の席にお飾りで座らせて、会社の経営実務は聡明で有能な亜希子に任せようと考えていた。

 大学生になった環奈は、ミスキャンパスにも選ばれる程の美しい女性に成長し、大学で学んだ心理学を孝明の虐待に応用するようになった。

環奈は自分の気分を盛り上げるため、黒色ブラジャーと黒色パンティの下着姿に、黒色網タイツをガーターベルトで吊るし、黒革ハイヒールブーツ履いた黒づくめの典型的なドミナスタイルになった。彼女は一本鞭を手にし、首輪だけの全裸で調教部屋の床に正坐している孝明の前で仁王立ちとなった。孝明は直ぐに土下座し、

「環奈様、本日も調教をよろしくお願い致します」

と奴隷の口上を述べて、環奈のハイヒールブーツのつま先に奴隷のキスをした。自分の娘に対して卑屈にお願いし、ブーツのつま先にキスするのは、孝明にとって耐え難い屈辱であったが、そうしないと半死半生の目に遭わされるのは、今まで受けてきた虐待から十二分に分かっていた。環奈は、上体を起こした孝明の口元に一本鞭を近づけ、

「この鞭が、お前の体にきれいな赤い縞模様を付けてくれるのよ…この鞭に『鞭様、汚らわしい私の体に美しい模様を付けて下さいませ』とお願いして、キスしなさい!」

と命令した。孝明は屈辱に顔を紅潮させ、

「む、鞭様…汚らわしい…わ、私の体に美しい…模様を付けて…下さいませ…」

と口ごもりながらお願いし、一本鞭に唇を着けた。環奈はニヤリと笑うと、少し下がって間合いを取り、孝明の体に一本鞭を振るった。体を切り刻まれるような激痛と内臓まで響く衝撃に、孝明は両手で頭を抱え、絶叫を上げて床にのたうち回った。孝明を3,4回鞭打った環奈は、

「男奴隷、寝てないで、さっさと正坐おし!」

と命じた。孝明がよろよろと正坐すると、

「男奴隷、鞭に『鞭様、下等な男奴隷にきれいな模様を付けて下さいまして、誠にありがとうございます』とお礼を言って、感謝のキスをしなさい!」
 

 
と命令した。実際に何本もの赤い筋が体に浮き上がってきた孝明は、悔し涙を目に溜めて、

「鞭様、下等な…お、男奴隷に…きれいな模様を…つ、付けて下さいまして…ま、誠にありがとうございます」

と何とかお礼の口上を述べ、自分を打った一本鞭にキスした。環奈は満足そうに微笑み、

「これからは、いちいち言われなくても、お前を可愛がってくれる道具にお願いして、感謝の言葉を述べるのよ…お前は道具より下の最低な身分なんだからね!」

と孝明に言い放ち、彼を屈辱で身震いさせた。環奈は、孝明に自分の口から卑屈な願いとお礼を言わせる事で、彼に自分の惨めさを強く自覚させようとしていた。

 環奈は黒色パンティを脱ぐと、正坐している孝明の顔に被せ、クロッチ部分が彼の鼻と口元に当たるよう調整した。若い環奈の臭いを嗅いだ孝明は、鞭の痛みで縮こまっていた股間のものを、不覚にも硬く屹立させてしまった。それ見た環奈は、

「あら、お前は私のパンティの臭いで、興奮しているの?自分の娘の臭いで興奮するなんて、最低の変態よね…まあ、いいわ。男奴隷、『私は実の娘のパンティを嗅いで興奮するケダモノで、最低の変態です』と繰り返し言いながら、オナニーおし!」

と命令した。孝明は泣きそうに顔を歪めて躊躇ったが、一本鞭を持ち直した環奈を見て、慌てて自分の屹立したものを握り、ゆっくりとしごき始めた。

「わ、私は実の娘の…パンティを嗅いで…こ、興奮するケダモノで…最低の変態です…」

 環奈に命じられた通りの台詞を繰り返しながら、自分の硬くなったものをしごいている孝明は、恥辱で体が震えた。しかし、自分の娘である環奈の蔑んだ視線を感じ、彼女のパンティの臭いを嗅いで、自分の口で自分を貶める事を言いながらオナニーしている孝明は、一種異様な精神状態に陥り歪んだ興奮をして、屹立しているものがますます硬くなった。自分のものをしごく孝明の手が知らず速くなり、段々と絶頂に近づいていくと、

「男奴隷、手をお止め!」

と環奈から声が掛かった。孝明がため息をついて、しごいている手を止めると、環奈はペニスバンドを取り出し、ディルドゥ部分にローションを塗りたくった。そして、ディルドゥ部分が垂直に立つようにペニスバンドを床に置き、それを指差して、

「男奴隷、これにしゃがんで、自分のアナルにペニスバンドを挿入おし!」

と命じた。孝明は顔を引きつらせたが、環奈に逆らえる筈も無く、床のペニスバンドに跨り、ディルドゥ部分の先端を自分の肛門に宛がうと、ゆっくり腰を下ろした。

「うぐぐっ…」

 孝明の口から、苦しそうな呻き声が漏れた。今まで女性達から散々肛門を嬲られてきた孝明であったが、肛門に異物を挿入される違和感には、未だに慣れる事が出来なかった。

「男奴隷、腰を動かしながら、オナニーの続きをおし!」

 環奈から非情な命令を受け、孝明は泣きたくなる思いで腰を揺らし、硬く屹立しているものを再びしごき始めた。

「男奴隷、『私はアナルを自分で犯し、興奮してオナニーする変態です』と繰り返しながら、オナニーするのよ!」

と環奈は孝明に酷い命令をした。

「わ、私は…アナルを…じ、自分で犯して…興奮してオナニーする…変態です…」

 孝明は泣きそうな声で、環奈に命じられた通りに口に出して言い、腰を揺らせながらオナニーを続けた。孝明は死にたくなる程に惨めで恥ずかしかったが、ペニスバンドのディルドゥ部分が前立腺を刺激しているため、股間の屹立しているものは極限まで硬くなった。異様な感覚と異様な精神状態で、孝明は極度に興奮し、しごく手の動きが又も知らず速くなっていった。

 孝明が後もう少しで射精するというところで、

「男奴隷、手を離しなさい!」

と環奈からストップが掛かった。孝明が切なそうな吐息を漏らし、限界まで硬くなっているものから手を離すと、環奈は九尾鞭を手にして、それを彼の屹立しているものに巻き付けた。

「男奴隷、巻いた鞭の上から手で握って、オナニーおし!」

 孝明は、環奈の変わった命令に些か戸惑ったが、それでも自分のものに巻き付けられた九尾鞭を両手で持ち、ゆっくりとしごき始めた。編み込まれた革のざらついた感触は、興奮して極限まで屹立したものには、刺激が強過ぎる程であった。環奈は孝明に、

「男奴隷、『私は鞭様とセックスする変態です』と繰り返し言いながら、オナニーしなさい!」

と命令した。

「私は…む、鞭様と…セックスする、へ、変態です…」

 孝明は殆ど泣き声で、環奈に命令された通りの台詞を繰り返し、両手を前後に動かして自分の硬く屹立しているものをしごいた。環奈は面白そうに孝明の痴態を眺めながら、恥ずかしい台詞を彼の口から声に出させて、次々と繰り返し言わせた。

「私は娘のパンティを顔に被って、オナニーする変態です」

「私はアナルにペニスバンドを入れて、オナニーする変態です」

「私はペニスを鞭に擦りつけて、オナニーする変態です」

 実の娘である環奈のパンティを顔に被って臭いを嗅ぎ、しゃがんだ姿勢でペニスバンドのディルドゥ部分を肛門に挿入して腰を揺らし、九尾鞭を股間の屹立したものに巻き付けてオナニーしている孝明は、自分の口から声を出して恥ずかしい台詞を言う事で、今の自分が如何に醜悪な痴態を晒しているのかを、記憶中枢に強く刻み込まれた。それが、大学で心理学を学んだ環奈の目的だった。

 些か錯乱状態に陥った孝明は、

「アアァーッ、もうダメだぁーっ」

と突然叫んで、多量の白濁液を噴出した。孝明は射精した瞬間、体から脊髄を引き抜かれたように感じ、力尽きたように横に倒れた。

 環奈は一本鞭を振り上げると、ぐったりと横倒しになっている孝明を、思い切り打ち据えた。

「ギャアァーッ」

 環奈は、一本鞭の激痛で絶叫を上げ、体を仰け反らせて苦しむ孝明の顔から黒色パンティを剥ぎ取り、

「男奴隷の分際で私の許しも得ずに、勝手に射精していいと思ってるの!少しは分をわきまえなさい!お前の精液で汚した床は、お前が責任を取って、全部舐めてきれいにしなさい!」

と大声で叱りつけた。

「は、はい…かしこまりました、環奈様…」

 孝明は哀れな泣き声で返事をして、肛門にペニスバンドのディルドゥ部分が挿さったまま、よろよろと四つん這いになり、床に飛び散った精液を舐め取り始めた。

 孝明が床の精液を大体舐め終わると、環奈は股間のものに巻き付けていた九尾鞭を、彼の前に放り投げて命令した。

「男奴隷、この鞭にもお前の汚らわしい精液が付いているわよ!鞭に『鞭様、私の精液で汚してしまい、真に申し訳ございません』とお詫びしてから、舐めてきれいにしなさい!」

 環奈に命じられた孝明は、

「む、鞭様…私のせ、精液で汚してしまい…ま、真に申し訳…ございません…」

と屈辱を押し殺して、口ごもりながらも詫びの口上を述べ、九尾鞭に付着している精液を舐め取った。

 環奈は、孝明の肛門に挿さったままのペニスバンドを引き抜き、膝あてサポーターと手綱付きボールギャグを彼に放り投げた。環奈は孝明に、

「男奴隷、久しぶりにお前を人間馬に使ってあげるから、さっさと準備おし!言っておくけど、私の許し無しで勝手に潰れたりしたら、生まれてきたのを後悔する程のお仕置きしてやるからね!」

と言って、ハイヒールブーツに拍車を取り付け始めた。拍車のカチャカチャという音が、なぜか孝明の頭で空ろに響いた。



 高校時代と違い、環奈は孝明を力ずくで痛めつけるのではなく、苦痛と共に屈辱と恥辱をたっぷりと味わせ、精神的に追い詰めて虐めるのを好むようになった。大学時代の4年間、環奈から肉体的・精神的虐待を受け続けた孝明の精神は崩壊寸前となり、すっかり卑屈になって心が歪んでしまった。



 大学を卒業した環奈は、孝明と亜希子が勤めている会社に就職した。オーナー社長の父親は、可愛い孫娘が入社してくれた事に大喜びし、これを機に自分は会長に退いて、50歳になった孝明を社長の座に就かせ、48歳の亜希子を副社長にした。父親は亜希子とよく話し合い、無能な孝明は社内外の行事に出席させるだけにして、経営実務は聡明で有能な亜希子に任せる事とした。80歳近くなった父親は、亜希子に孝明の面倒を見てもらう見返りとして、自分の死後に株式は全て彼女に譲渡し、相続税を2回も取られるのは馬鹿馬鹿しいので、私有財産は相続税対策も兼ねて、孫娘の環奈に全部継がせるように公正証書で遺言状を作成した。

 社長になった孝明は、早速役員会議で頓珍漢な発言をして役員達を困惑させ、副社長の亜希子が慌ててフォローした。孝明は帰宅すると、その事で亜希子から酷く鞭打たれるお仕置きを受けた。それ以後、孝明は役員会では黙り込み、亜希子が経営会議を仕切るようになった。

 愚かな孝明は、鬱憤晴らしに社内を闊歩し、社長の肩書を笠に着て社員達に髪型や服装等を細かく注意したりして、社員達の反感を募らせていた。



 しかし、孝明が社長に就任して1ヶ月も経たないうちに、事態が急変した。会長である父親がくも膜下出血で急死してしまったのだ。無能な孝明は父親の死を嘆き悲しんで、オロオロするばかりで何も出来ず、葬儀の仕切り・相続手続き・株式の名義変更・その他会社の業務関係は、全て聡明で有能な亜希子が処理した。

 一通りの事が済んだ後の役員会議で、亜希子は代表取締役解任の動議を出し、役員全員一致の賛成で孝明は社長をクビになって、代わりに亜希子が社長になった。亜希子が事前に根回しした事もあったが、役員全員も無能な孝明を社長に据えておくのは、会社の将来が不安だと感じていたのだ。

 その日の夕方に孝明と亜希子が帰宅すると、リビングで家族会議が行われた。家族会議と言っても、テーブルに着いているのは昌代・亜希子・環奈の3人で、孝明は全裸に首輪だけを着けたいつもの奴隷スタイルで、床に正坐させられていた。

 最初に、亜希子が口を開いた。

「男奴隷…今日、社長のお前をクビにして、私が社長になったけど、その理由が分かる?」

 孝明はややうつむき、恥ずかしそうに顔を赤らめ、小さな声で答えた。

「…はい、僕が無能で、仕事が出来ないからです」

 亜希子はニヤリと邪悪に笑い、孝明に言い放った。

「ウフフ、それもあるけど、一番の理由はお前から全てを奪い取るためよ!」

 孝明は言われた意味が分からず、ポカンとした顔で亜希子を見つめた。

「お前が継ぐ筈だった会社と財産を、お前から奪うために結婚して、もう23年も経ったのね…長かったけど、過ぎてしまえばあっと言う間だったわ」

 亜希子の言う意味が全く理解出来ない孝明は、思わず質問した。

「あの、亜希子様…一体、どういう意味なんですか?」

 亜希子は余裕の笑みを浮かべて、孝明に答えた。

「私が筆頭株主の社長になって、会社は完全に私のものになったし、財産は全て環奈の名義になって、お前のものは全く何も無くなったのよ…」

 それについては父親が生前に、実際に経営実務を行う妻の亜希子に株式を譲渡し、相続税対策で財産は血を分けた実の娘の環奈に継がせる旨を孝明に伝え、彼も了承していた。しかし亜希子の次の説明は、孝明の頭をバットで殴ったような衝撃を与えた。

「環奈は、お前の子供じゃないわ。明彦さんとの間に出来た子供よ。大体、お前とは一回もセックスしてないのに、お前の子供が出来る訳無いでしょう」

 孝明は愕然として、環奈の顔を見つめた。そして環奈の美しい顔が、杉田明彦の彫りの深い端正な顔立ちにそっくりな事に初めて気がついた。呆然としている孝明に、亜希子は説明を続けた。

「23年前、明彦さんとおつき合いしていた私は、妊娠した事に気がついたの…明彦さんに打ち明けたら、喜んでプロポーズしてくれたわ。結婚の準備を具体的に話し合うためのデートを夕方に予定していたその日に、明彦さんが交通事故で亡くなったというニュースを聞かされて、悲しみと絶望に打ちひしがれたわ…」

 床に正坐して亜希子の説明を聞いている孝明は、ゴクリと生唾を飲み込んだ。

「それでも気を取り直して、私もお母さんみたいにシングルマザーになって、明彦さんの子供を育てようと決心したわ…その頃、同僚の女の子から、妙な話を聞いたの…あの日の出張は、松村さんが行くのかと思っていた、松村さんが社用車のある地下駐車場に行ったのを見たからってね…それで私はピンときたのよ。お前が明彦さんの乗る車に何か細工をしたんじゃないかって…だから、お前を食事に誘い、ワインやカクテルをどんどん飲ませて酔わせ、ホテルの部屋に連れ込んだの。そして、知り合いの薬剤師に無理して頼んだ、自白剤の効用もある強力な睡眠薬を水に溶いて、お前に飲ませたわ」

 孝明の脳裏に、23年前の出来事が鮮明に蘇った。それまでつれなかった亜希子が、急に自分から食事に誘った理由がようやく分かった。

「寝入ったお前に色々質問して、明彦さんの死亡事故はお前が仕組んだと、はっきり分かったのよ!その時は、余程お前をその場で殺してやろうかと思ったわ!」

 亜希子の鬼気迫る表情と口調に、孝明の顔が青ざめ、全身に鳥肌が立った。同時に、結婚した後に亜希子の録音で聞かされた自分の告白は、夢にうなされての寝言ではなく、自白剤を兼ねた睡眠薬によるものだったと初めて分かった。亜希子は説明を続けた。

「でも、お腹の子を犯罪者の子供にする訳にはいかないと、何とか思いとどまったの…お前を警察に突き出そうかとも考えたけど、酩酊状態で薬物の影響下にある証言では、何の証拠価値も無いし、既に交通事故で処理されているのに、警察が刑事事件として改めて捜査するには、もっと決定的な物的証拠が無ければならないわ。だから私は、シングルマザーで苦労したお母さんの轍は踏みたくなかった事もあって、お前に明彦さんの子供と私と、今まで苦労して育ててくれたお母さんの生活の面倒を全て見させて、お前のものを全部奪ってやろうと決心したの。それで、寝入ったお前の服を脱がせて裸にし、本当は虫唾が走る程嫌だったけど、私も裸になってお前の横で寝たのよ…」

 亜希子の説明を聞いている孝明の鳥肌は治まったが、顔は青ざめたままだった。

「あの時に妊娠したと言えば、確実にお前は私に結婚を申し込むと予想し、読み通りに結婚までこぎつけたわ。でも、お前に体を許すのは絶対に嫌だったし、明彦さんを殺したお前に私達の生活の面倒を見させるだけじゃ、全然気が治まらなかった…だから、お母さんに協力してもらって、お前を奴隷の身分に落としたのよ」

 孝明は、ホテルの一夜からのデートは週一回の食事だけだった事と、結婚当初から妊娠中を口実に夫婦の営みを堅く拒絶された理由と、妊娠八ヶ月の早産でも、環奈が問題無く健康体で生まれた理由が、ようやく理解出来た。逆算してみると、環奈は早産ではなく、妊娠十ヶ月の正常分娩だったのだ。

 ここで、73歳になった昌代が口を挟んだ。

「亜希子からお前と結婚した本当の理由を聞き、お前を奴隷にする計画を持ち掛けられた時には、私も頑張ったわよ…今じゃ、しわだらけのお婆さんだけど、あの頃はまだ色気には自信があったからね。わざと露出の高い服を来て香水もつけ、亜希子に体を許してもらえない欲求不満のお前の傍で、胸や太腿を見せつけて挑発しながら掃除したものさ。お前が私に抱きついて襲ったり、いやらしい真似をしたら、それを弱味にして、お前を奴隷にするつもりだったけどね…さすがに汚れたパンティの臭いを嗅いでオナニーするのは想定外だったけど、まあ弱味は弱味って事で、結果オーライだったわ」

 孝明は、汚れたパンティを鼻に当ててオナニーしているのを、昌代に見られた時の事を思い出し、青ざめていた顔が恥ずかしさで赤くなった。

「後は外出していた亜希子に連絡を取り、亜希子が自白の録音をお前に聞かせて震え上がらせ、なし崩しにお前を奴隷にしてやったのさ…それから亜希子は、明彦さんの無念を少しでも晴らすように、お前を散々虐め抜いたわね。私も亜希子に協力して、お前をかなり虐めたけど…」

 昌代の話を聞いた孝明は、亜希子が自分を酷く虐めた理由は、まだ理解出来るが、昌代が自分を楽しんで虐めたのは、彼女の嗜虐の性癖によるものではないかと、ふと思った。すると、それまで黙っていた環奈が口を開いた。

「私は物心ついた頃から、お母さんに本当の父親の写真を見せられて、『この人が、環奈の本当のお父さんよ。あの男奴隷は、卑劣な手段で交通事故を起こして環奈のお父さんを殺した、憎い仇なのよ』と教えられてきたわ…だから、私は生まれてからずっと、お前を父親だと思った事は1ミリも無いわ!」

 環奈にはっきり言われた孝明は、力無くがっくりとうなだれた。今までどんなに酷く虐められても、自分の血を分けた実の娘だと信じていたから、父親が環奈に全財産を相続させると言った時に同意したのだ。

若い頃から女に全く縁が無く、全然モテなかった孝明は、憧れの亜希子と結婚出来て、一人娘の環奈も生まれ、酷く虐められてはきたが、一応は家庭が持てたと信じていた。しかし、それは全て嘘で固められた儚い幻だった。

 それにしても、孝明は社用車のタイヤの空気を抜いた事を、亜希子にずっと秘密にしてもらったと思っていたのだが、彼女はそれ以上の大きな秘密を抱えていたのだ。亜希子は恋人の復讐のために孝明と結婚し、奴隷にして虐め抜き、会社と全財産を完全に奪い取るまで、23年間も秘密を守り続けたのだ。孝明は今更ながら、亜希子の恐ろしさと深謀遠慮に背筋が凍る思いだった。

 亜希子が再び話し始めた。

「ところで、男奴隷…今後のお前の処遇だけど、明日からビル清掃業務の系列子会社に行ってもらうわ」

「えっ…そこの社長になるんですか?」

 孝明の間抜けな発言に、亜希子はプッと吹き出した。

「馬鹿なこと言わないでよ、お前に社長が務まると思っているの?明日からお前はそこで、非正規のアルバイトとして働くのよ。働く場所は、勿論本社よ…お前、会社では社長の肩書を笠に着て、随分偉そうにしていたそうね。社長からアルバイトの清掃員に落ちぶれたお前の姿を、社員達によく見てもらいなさい」

 孝明の顔色が変わった。

「ええっ、そんな…それだけは、勘弁して下さい。お願いします…」

 孝明自身も、自分が社長風を吹かせて一般社員達に八つ当たりし、かなりの反感を買っていたのは分かっていた。そんな社員達の前で、社長から清掃のアルバイトに転落した自分の姿を見せるのは、さすがに耐えられそうもなかった。しかし、亜希子は孝明の懇願を一蹴した。

「お黙り!社員達からどう見られようと、それはお前が自分で蒔いた種でしょう。嫌だと言うのなら、身一つでこの家を出て行き、自分で仕事を見つけ、一人で暮らしなさい…まあ、お前を雇ってくれる所があるとは思えないけどね」

 孝明はがっくりとうなだれた。何の特技・資格も無く、年齢が50歳で仕事もろくに出来ない無能な孝明を、アルバイトでも雇ってくれる所が無いのは、本人が一番分かっていた。この家を出されたら、ホームレスになるしかない…いや、不器用な自分はホームレスではとても生きられず、野垂れ死にしてしまう…孝明は力無く、亜希子に答えた。

「…分かりました。アルバイトの清掃員になって、働きます」

 亜希子は満足そうな笑みを浮かべてうなずき、傍らの環奈に声を掛けた。

「環奈、この男奴隷はまだ社長気分が抜けてないようだから、明日からの清掃業務に専念出来るように、調教部屋で気合を入れてあげて頂戴」

「はーい、お母さん」

 明るい声で返事をした環奈は席を立ち、正坐してうなだれている孝明の髪を掴んで上に引っ張り、顔を上げさせた。

「男奴隷、お母さんがせっかくお前の仕事の世話をしてくれているのに、嫌がるなんてどういうつもりなの!」

 環奈は孝明を怒鳴りつけて、目が眩む程の強烈な往復ビンタを張った。

「ヒッ、ヒィッ、も、申し訳ございません…」

 孝明は短い悲鳴を上げて、環奈に詫びを言った。環奈は掴んでいた孝明の髪を放し、彼の顔を押すように蹴って床に倒した。

「男奴隷、さっさと調教部屋にお行き!今日は一本鞭で、たっぷりと思い知らせてやるからね!」

「は、はい、ただいま…」

 泣き出しそうな声で返事をした孝明は、四つん這いでよろよろと調教部屋に向かい、その後を環奈が続いた。昌代は目を細めて環奈の後ろ姿を眺め、

「環奈も立派な女御主人様になったわね…孫娘が成長した姿を見るのは、本当に嬉しいわ…」

と感慨深げに呟いた。



 翌日の午前中、孝明は系列子会社の清掃会社に行き、清掃業務の簡単な説明を受けて、支給された作業服に着替えた。それから、清掃会社の古参清掃員に清掃道具を積み込んだ軽四トラックで連れられて、昼前に自分が社長だった不動産会社に到着した。古参清掃員は孝明に、昼休み時間中に廊下を掃除するように指示し、自分は他のフロアに移動した。

 その日の朝一番に社長の亜希子が全社員に対して、元社長の孝明がアルバイト清掃員としてオフィスの清掃作業をするので、作業に手抜かりがあれば、気付いた人は厳しく注意して欲しいと、通達を出していた。そのため、孝明が清掃作業を始めると、多くの社員が彼を見に来た。

「おい、本当に社長だぜ」「社長からアルバイト清掃員に落ちぶれるなんて、惨めねぇ~」「でも、スーツより、作業服の方が断然似合っているわよ」「まあ、威張る事しか出来ない無能な社長だったから、丁度いいんじゃないの」

 社員達が自分を指差して色々と言っているのが耳に響き、孝明は恥ずかしさで顔を真っ赤にした。以前孝明からうるさい事を言われた男性社員は、彼の前で廊下にペッと唾を吐き、

「おい、掃除夫、廊下をちゃんと磨いとけよ!」

と横柄に言い放った。孝明は屈辱で身震いしながらも、下唇を噛んで男性社員が廊下に吐いた唾をモップで拭き取った。

 廊下の清掃が済んだ頃、古参清掃員が戻って来て、次はトイレに向かった。古参清掃員は孝明にトイレ掃除をするよう指示すると、別の階のトイレに移動した。孝明は男子トイレの清掃を済ませ、女子トイレに入って清掃作業に取り掛かった。すると環奈が同僚の女子社員二人を連れて、女子トイレに入って来た。

「あ、あの、今清掃中で…」

 孝明がおどおどした声で言うと、環奈はツカツカと近づき、彼の頬に力強い平手打ちを張った。

「ヒイィッ」

 思わず悲鳴を漏らした孝明に、環奈は大声を出した。

「私達がトイレを使いたいのに、わざと掃除を始めて邪魔するなんて、ふざけるんじゃないわよ!」

「いえ、決してそんなつもりは…」

 孝明は打たれた頬を手で押さえながら、弁解しようとした。しかし環奈は、

「言い訳なんか、聞きたくもないわよ!それより、床に跪きなさい!」

と孝明に命じた。孝明は止むを得ず、トイレの濡れた床に正坐した。すると環奈は同僚の女子社員の前で、とんでもない事を命じた。

「トイレを掃除中なら、お前が代わりに便器におなり!顔を上に向けて、口を開けるのよ!」

「ええっ、い、いくら何でも、そんな事は…」

 驚いた孝明がさすがに抗弁しようとすると、環奈は目から火花が散る程の強烈な往復ビンタを張った。

「ヒイィッ」

 悲鳴を漏らした孝明に、環奈は怒鳴りつけた。

「男奴隷のくせして、私に口答えするつもりなの?家では人間便器になって、私とお母さんとお祖母ちゃんのおしっこを毎日飲んでいるでしょう!何で会社では出来ないのよ!?」

 それを聞いた二人の女子社員は、驚いた声を上げた。

「ええっ、村上さん、元社長は自宅で人間便器になっているの?」

「毎日村上さんのおしっこを飲んでいるなんて、信じられない!」

 環奈は同僚の女子社員に顔を向けて、ニッコリと笑った。

「そうよ、こいつは家で男奴隷と呼んでいるだけど、毎日私達家族のおしっこを飲んでいるわ。今朝も飲ませたけど、朝一番のおしっこは濃くて飲みにくいみたいで、少しこぼしたから、お仕置きに鞭で打ってやったの…」

 女子社員達は、唖然とした顔をしていた。環奈はトイレの床に正坐している孝明に向き直り、

「男奴隷、とっとと顔を上げて、口をお開け!何度も言わせたら、家に帰ってから死ぬ程鞭打ってやるわよ!」

 孝明は鞭という単語に敏感に反応し、直ぐ命じられた通りに顔を上に向け、口を大きく開けた。環奈はスカートを捲り、パンティを膝まで下すと、孝明の髪を掴んで引き寄せて彼の口を自分の陰部に密着させた。

「男奴隷、出るわよ…朝みたいにこぼしたら、お仕置きするからね!」

 環奈が孝明に告げた途端、彼女の陰部から尿が噴出した。孝明はこぼさないように、喉を上下させて必死に環奈の尿を飲み下した。

「うそっ、本当に村上さんのおしっこを飲んでいるわよ!よく、おしっこなんて飲めるわね。信じられない!」

「私達、女のおしっこを飲むような変態を、社長と呼んでいたの?嫌になっちゃう…気分は最低よ!」

 女子社員達は孝明を心から軽蔑し、蔑んだ視線で彼が環奈の尿を飲む様子を見ていた。家では女性達から毎日尿を飲まされている孝明ではあるが、短い間とは言え、自分が社長をしていた会社の女子社員の前で尿を飲まされるのは、さすがに辛過ぎた。

 環奈は排尿を終えると、いつものように孝明の舌で後始末させた。それを見ていた女子社員達は、

「へえ~、トイレットペーパーにもなるのね…人間便器って、結構便利かも」

「これだったら、ビデにもウォシュレットにも使えそうだわ」

と言って感心した。環奈は孝明から離れ、パンティを引き上げてスカートを整えて、同僚の女子社員達に声を掛けた。

「ねえ、あなた達もこの人間便器を使ってみない?一度使うと癖になって、普通のトイレじゃおしっこ出来なくなる位に気持ちいいわよ」

 二人の女子社員達は顔を見合わせて、一瞬躊躇ったようだったが、直ぐに顔を輝かせて、

「うん、使ってみる!普段女を下に見ている男におしっこを飲ませてやるなんて、面白そう!」

「そうね、特に社長だと威張っていた男におしっこを飲ませるなんて、爽快だわ!」

と言って、環奈のようにスカートを捲り、パンティを下ろした。

「男奴隷、ぼやぼやしてないで、あそこに口を着けなさい!」

 環奈に命令された孝明は、一人の女子社員に膝でにじり寄って、彼女の陰部に口を密着させた。しかしその女子社員は、なぜか排尿しようとしなかった。

「ダメね…催してはいるんだけど、なかなか出ないわ…」

 女子社員は、少し切なそうな声で環奈に訴えた。初めて男に尿を飲ませる事で、結構緊張しているみたいだった。環奈は、

「この男奴隷を人間とは思わずに、ただの便器だと見なし、肩の力を抜いてリラックスしてみて」

とアドバイスして、女子社員の肩を軽く叩いた。すると、その途端に女子社員の陰部から尿が噴出した。孝明は慌てて、目を白黒させながら勢いよく噴出する尿を懸命に飲み続けた。環奈とは違うアンモニア臭の強い尿が、胃に重く溜まっていった。その女子社員の排尿が終わり、孝明が尿で濡れた陰部に舌を這わすと、

「きゃっ…あそこを舐められておしっこの後始末をしてもらうなんて、少しくすぐったいけど、気持ちいいわ~」

とはしゃいだ声を出した。その女子社員の後始末を終えた孝明は、もう一人の女子社員ににじり寄り、彼女の陰部に口を密着させた。二人目の女子社員は直ぐに排尿し、きついアンモニア臭の尿が孝明の喉を焼き、胃に溜まっていった。彼女が排尿を終え、孝明の舌のよる後始末も済むと、環奈は二人の女子社員に声を掛けた。

「ねえ、今日予定が無かったら、ウチに遊びに来ない?夕食はお祖母ちゃんに頼んで用意してもらうから…自宅には鞭とかペニスバンドとか、この男奴隷を虐める道具が色々揃っているのよ。元社長で威張り散らしていた男を虐めて、ストレス解消するのも悪くないんじゃない?」

 環奈の誘いに、同僚の女子社員二人は大喜びした。

「えっ、いいの?喜んでお邪魔させて頂くわ。退社時間が待ちきれない!」

「嬉しい!私、横着な男を一度鞭で打ってみたかったの。楽しみだわ!」

 二人を促して女子トイレを出ようとした環奈は、ドアの所で不意に振り返り、青ざめた顔で濡れた床に正坐している孝明に、残酷な事を言った。

「男奴隷、オフィスの他の場所はいいから、お前は女子トイレ専門の清掃作業員になりなさい。その事は社長であるお母さんを通じて、清掃会社には伝えておくから…お前はいつも女子トイレで待機して、女子社員が入ってきたら、自分から進んで人間便器になるのよ。おしっこする際にはお前の口にするように、女子社員全員に通達しておくわ。きっとお前目当てに、女子トイレに行列が出来るわね。楽しみにしてなさい。アハハハ…」

 環奈は高らかに笑いながら、二人の女子社員と共に女子トイレを出て行った。後に残された孝明は、トイレの濡れた床に両手を着き、がっくりとうなだれて泣き出した。女子トイレに、孝明の惨めな泣き声が陰鬱に響いた。



終わり